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シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度はEasy / Moderate / Highの三種類で、プレイ中にいつでも変更が可能。ゲームクリア後にチャプター選択が可能になる。


セーブ&ロード
 プロファイル制なので複数のプレイヤーが平行して各人のセーブを保存可能。任意の場所でのセーブがクイックセーブを含めて行える。クイックセーブはスロット1個のみで、その他の通常セーブ用のスロット数に制限があるのかは未検証。

 オートセーブは各チャプターの先頭のみとなり、プレイ中には併せてチェックポイントセーブも実行される(スロット1個)。


OBJECTIVES
 TABで目標をテキストにて参照可能。ミニマップ機能を持ち、ほとんどのケースでは進むべき地点が表示されるので進行の道筋は解り易い。


英語
 字幕機能あり。スケーリングも調整出来る。目標指示の単文さえ理解出来れば、会話内容が解らなくてもクリアに支障は無いゲームである。

BASICS

*一人称視点固定
*武器はハンドガンの他に自由に2丁携帯出来る
*アイアンサイトを採用。ただし切り替え操作はトグル式固定。
*命中率を示す照準は連射&移動で大きく拡がり、屈みで小さくなる
*照準はオンオフ可能
*発射モード切替は無い

*左右へのリーンが可能でその状態から撃てる
*スプリントは長時間可能(スタミナメーターは無し)
*屈み操作はトグル式とモメンタリー式を切り替えられる
*近接攻撃可能
*グレネードはフラグの一種類で6個携帯出来る
*グレネードインジケータあり
*自動回復方式。ヘルスのみの管理でアーマーは無い。


 カバーシステムは備えていないが、隠れた状態からブラインドファイアの操作を行える。障害物の背後に隠れたり壁際に立ったりすると矢印が出る場所が在り、ここで攻撃操作をすると自動的に銃身を左右&上に出して撃てる。


 攻撃の命中は血飛沫エフェクトで示されるが、マズルフラッシュが生じるので判り難い事も多い。血は床や壁に付着するがしばらくすると消える仕様。死体の方はずっと残っているがゴア表現は無し。唯一グレネードの爆発近辺に居た場合、予め用意されている血溜まりとバラバラになった体の一部をセットで表示するという風にされている(ゲーム中のキャラクターモデルは破損しない)。


 暗い場所ではフラッシュライトとナイトビジョンを独立して使用可能。それぞれに有利不利があり、フラッシュライトはそれ程明るくないし、敵の近辺を照らしてしまうと気が付かれる様になっている。一方でNVGはかなり光に過敏な設定で、明るいライトが存在する場所は勿論の事、銃のマズルフラッシュで前が見え辛くなるので常時オンにしておくのは困難である。結果的にこの両者を適宜切り替えながら進まないと戦い難いという風にされている。ただし暗いエリアが多い訳では無い。


GAMEPLAY
 チャプター数は全7個。難易度Moderate(Normal)で3時間程度と短い。$19.99で売り出された廉価版のFPSではあるが、やはりこれでは物理的にもコストとの兼ね合いとしてもボリュームが足りないと言わざるを得ない。進行は一本道であり、リプレイ性も少ないゲームである。

 ストリート的には主人公は優秀なスナイパーとされており、誰も顔すら知らないターゲットのハキムなるボスを追い掛けて、逃げられる前に狙撃により抹殺する事が最終目標となる。ただしその全体をスナイパーとして活躍するのは一つのチャプターだけであり、他でもスナイパーライフルを持たされている事はあるが特に狙撃に特化したゲームでは無い。

 そのストリート解説の為にゲーム内モデルによる演出を設けているのだが、手抜きなのか技術不足なのか判らないが出来は宜しくない。例えばある地点に到達するとイベントが始まるのだが、タイミングが早過ぎてそのまま前に進まなかった場合には見る事が出来ないという不具合が発生する。他にはイベント中に突然それが終わってしまい、その後に起きた事は文章による説明だけで流されてしまうというケースもあった。おそらくだがその起きた出来事をゲーム内モデルによるムービーシーンにて再現するのは複雑そうなので、そこで無理矢理終わらせてしまったのではないかと思える。


 ロケーションはチャプターにより異なっており、短いながらも変化を付けようとしているのは窺える。しかし一つ大きな欠陥があって、これは同社より前年に発売されたCode of Honor 3をプレイ済みかにもよるのだが、オフィスビルやトンネルのチャプターなどは素材の使い回しとなっている。確かにCoH3を未プレイならば使い回しには見えないだろうが、何にせよ褒められたものではない。なおCoH3を未プレイならばだが、一応はチャプター毎にバラエティに富んでいるという評価は出来るだろう。他にはESCで開くメニューの中に回収したドキュメント類を遡って読める項目があるが、これはCoH3の物がそのまま残ってしまっているだけと思われ、このゲームにはそういった回収アイテムは用意されていない。


 単調なシューターにしないようにという意図と思われるが、幾つかのチャプターでは異なるシチュエーションを用意している。例えばCH2は味方の運転するATVの後部に乗り込んで、スクリプトで湧いて出てくる敵や障害物を撃って切り抜けるというスタイル。自分で移動ルート等の操作は行えず、敵の出現の仕方も常に固定という定番のパターンなのだが、とにかく難易度が高いというのが問題でここがゲーム内で最大の難所となっている。

 原因の筆頭は他項でも述べるがプレイヤーのヘルスが非常に低く設定されているという点で、それに加えてここだけはクイックセーブが不可にされている, アイアンサイトに出来ない, 連射すると照準がブレるというのもある(リロードは必要なし)。更にはバイクの動きに応じて慣性で照準が動いてしまうというのが実に厄介で難易度を大きく上げている状態。全体でせいぜい2分位のシークエンスなのだが、難易度Moderateであっても難しい。Easyでプレイする分には大して難しくなく、この位がNormalというべきだろうという感想。難易度とはプレイヤーの技量等に関連する相対的な要素なので、正確に言えば問題なのは他のチャプターとの整合性が取れていないという所になる。同じ難易度でプレイしている際に、極端に難易度が変化する様な設定は避けて欲しいという意味。


 CH6ではスナイパーとしてのアウトドアミッションとなって雰囲気はガラリと変わるが、見張り塔に居る敵を探して逐一排除していくだけと工夫が足りない。次にサイレンサー付きの武器を使ってステルスで立ち回れるエリアが登場するが、ステルスを維持する意味合いが小さいので成功していない。後はCH1にて爆弾探しをさせられるシーンが出て来るのだが、ガイガーカウンターの反応が近くでしか発生しないので、実質通れる所を探してひたすら歩き回るだけという感じに終始し詰まらない。という様に単純な撃ち合いからの変化という意図自体は良いのだが、内容的には上手く行っているとは思えなかった。


 特殊部隊物とはなっているが、部隊として動くシーンはほとんどなく大半は個人行動。その味方AIは無敵でありスクリプトで動くだけである。どちらが良いというものでもないが、部隊で動くスタイルが好きな方向きのゲームではない。

COMBAT
 一番の特徴は被弾に耐えられるヘルスの値が非常に低く設定されている所。敵の使用武器や交戦距離にもよるが、難易度Moderate(Normal)であっても突然目の前に飛び出して来た敵に対して反応がちょっと遅れると死ぬというレベル。自動回復ではあるがヘルスの値が平均的な物に比べて1/3から1/4程度しかないという印象。幾らでも繰り返し回復可能なのでリアル系ほど厳しくはないが、ちょっと珍しいバランスなのは確かである。

 だがそれを補完する機能として自由にクイックセーブが可能だし、怖いのは突然出現する敵や視界外からの不意討ちなので、慎重に歩を進めながら左右へのリーン等で対抗すれば特に難しいゲームではない。安全なブラインドファイアでの攻撃も比較的当たる様にされており、また敵の不意討ちはスクリプトなので二回目以降は対応し易くなる。なお死に易い事から突進スタイルでのプレイは不利となるので、それが好みのプレイヤーはEasyでプレイした方が良いが、Easyだと更にクリア時間が短縮されてしまうと思う。

 これだけヘルス値が低いのは好みが分かれる所だろうが、個性的という観点からすると効果は出ているので良いのではないかと思える。慎重に進まないとならないが、クイックセーブが可能なので難易度は抑えられているという調整は上手く行っている。だがこの即死仕様も慣れると徐々に簡単になっていくという面を持っており、実際に一番数多く死ぬのは最初のチャプター1(別件でCH2)という人が多そう。その意味から同様のヘルス設定のCoH3をプレイ済みの人だと、TT3を先にプレイする人に比較して簡単に感じられると思う。


 武器はM4, USAS12HE, M249, L96, MP5SD, ASK-74U, FAMAS等でそれほど多くないし変わった物も出て来ない。このエンジンでは御馴染みの武器の優先順位を決める設定画面は無し。チャプターが変わると武器がリセットされてしまう事が多い。弾薬は多目でまず切らす事は無いと思うが、敵の落とした物を拾えるので非常時にはそれで対応も出来る。

 爆破や銃撃によって柱等一部のオブジェクトは破壊可能だが、物理演算の対象となるオブジェクト類はかなり少ないという印象。弾丸の貫通を計算するシステムを持つと宣伝文句にはあるのだが、撃ち抜き可能なオブジェクト(もしくは可能な銃器)は椅子とかごく一部にしか確認出来なかった。例えば敵が蹴倒してカバーとして使用する木の机などでも撃ち抜きは出来ない。


 近距離でのショットガンでもないとボディーを撃っていたのではすぐには倒せないので、高ダメージのヘッドショットを狙うのが基本である。メインとして使う武器が違うので断言は出来ないが、CoH3に比べると銃の正確性は上がっているように感じられた。連射するとブレが大きいという点は変わらないが、バーストさせて小刻みに撃つようにすればヘッドショットが出る確率も高くなる。よってこちらも死に易いが相手も倒し易いという観点からはバランスが公平になったと言えよう。合わせてリロードの時間も全体的に短くされている。



 使用エンジンはF.E.A.R.(初代)でFPSゲーマーには御馴染みのLithtech Jupiter EXであり、よって戦闘のベースはそのF.E.A.R.に似ているとは言える。だが実際にはあれ程のクオリティには達していない。

 まずF.E.A.R.のAIはランダムに動き回ってプレイヤーの横や背面を取れるという能力を持っていたが、そのためにはそれが可能となるだけのルートが存在しないとならなかった。閉じた空間内をプレイヤーや敵AIが自由に動き回れる形状が多いという意味である。しかしこのTT3ではプレイヤー側と敵側が中央の仮想ラインを境にこちら側と向こう側分かれて戦うというケースが大半で、そもそも敵が回り込んで来られるルートが用意されていない。あるとすれば正面ルートから近くまで突っ込んで来るというやり方なので、普通に向こうとこちら側での撃ち合いとなるだけである。

 敵はカバーからカバーへと移動を見せるし、ブラインドファイアも行って来る。しかし行動可能エリアが狭い為に、最初の一人が倒されたカバーへと次々とやって来ては同じ様に倒されたり、隠れているこちらの場所へと一人ずつやって来たりと単調さが感じられる。或いはエリアが狭いので最初の場所から全く動かないようにされているというパターンで、F.E.A.R.に比べれば戦闘は変化に富んでおらず面白くない。そもそもヘルスが非常に少ないので、回り込まれて不意討ちされる可能性があるという設定自体を導入し難いという事情もあるのだろう。


 次にスローモーの様な特殊能力を持たない上にヘルスが少ない為に、周囲を囲んだ多数の敵との撃ち合いは非常に難しくなる。よって同時出現する敵の数は少な目に設定されており、地味な戦闘がずっと続く感は否めない。終盤になっても様相には大して変化が無く、「もう終わりか」という感じで呆気なく終了してしまう。一部だけだが自動的にスローモーションになる演出が出て来るが、敵の数を増やしてこういったシーンをもっと入れた方が良かったように感じる。

 良い点としてはF.E.A.R.の物を流用しているのだろうが、戦闘時の敵のアニーメーションが豊富なのが挙げられる。攻撃が当たった時にちゃんと各種のノックバックを受けたり, 一度倒れてから起き上がって来たり, 死ぬ際に銃を撃ったままで吹き飛ぶいった物も用意されている。低予算FPSでは敵が棒立ちでアニメーションのパターンも少ない事が目立つ欠陥だが、その辺の酷さは感じられない。だがラグドールの処理はF.E.A.R.よりも単純な気がする。


 低予算の典型として敵は人間タイプだけで、後は持っている武器が異なる程度。故に単調ではあるが全体のボリュームが短いので、それ自体は大きな欠点にはなっていない。AIの出来の方は時々こちらの体が見えているはずなのに反応しないケースがあり、それは特に上下方向に顕著。

GRAPHICS
 描画エンジンにはCI社が数年使い続けたLithtech Jupiter EX(F.E.A.R.で有名)を使用しているが、今回はそれを改良している点が過去の作品とは異なる。しかしプレイしてみた印象としては、それ程大きく改善されているとは感じられず。ラストのマップなどは確かにディテールに凝っていると思えるが、その他はテクスチャーの質とかが劇的に上がっているという風では無い。エフェクト系では銃を連射した際や埃が舞うエフェクト等が良くなっているのと、主にアウトドアでのライティングが変わった様である。

 同社の廉価版系列の中では最も綺麗なレベルに位置するが、同年比較ではやはり大手他社には負けている。まあ一応は向上が見られる所は評価すべきであろう。


 FSAA等設定可能な項目は数多い。CPU性能を含めてPC性能に応じた自動判定機能もあり。

SOUND
 EAX 2.0&HDに対応。しかし今となっては古い規格であり、Open ALの様な環境には対応していない為に3Dサウンドに出来ないユーザーも居そうである。

 銃声等のサウンドは(エンジン同梱の)単なる流用かもしれないが、廉価版のFPSらしくなく良い方だと思う。

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