次の頁      TOP

シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度はEasy / Normal / Hard / Insaneの四種類。プレイ中に何時でも変更が可能である。ただしセーブファイルには難易度設定が保存されているため、ロードするとそのセーブファイルの持つ難易度に書き換わってしまうのに注意。チャプター単位でのリプレイ機能は持っていない。


セーブ&ロード
 マップの先頭でオートセーブされるがそのスロットは一つだけで、各マップの履歴の保存はされない。任意の地点でのセーブが可能でクイックセーブもサポートされているが、Lithtech Engineの仕様でセーブスロットが10個という制限あり。


OBJECTIVES
 目標は随時更新されて左下に表示される。詳しい達成方法がHELPに追加されるケースも多い。ミニマップや方向ガイド機能は無し。


EXTRAS
 アンロック要素は無い。


英語
 字幕機能あり。背景設定を説明するのにEメールを用いており、その量はそこそこある。英語を全く読まなくてもクリアは可能とは思うが、世界全体がコンピューター内部という特殊な設定の為、やるべき事の具体的な説明をHELPファイルから読まないと何をどうすれば良いのか分かり難いというケースは有り得る。

SUBROUTINE MENU
 マニュアルを読まなくてもクリアに支障はないというFPSも在るが、逆にこのゲームは覚えるべき事が多い部類に入る。ゲームの舞台がコンピューターの内部世界という事で、例えば内部で会うNPCはプログラムやEメールだったりと擬人化の手法が用いられているし、様々な建造物やアイテムがコンピューター関連の要素になぞらえて作られている。意味が判ってしまえば一般的なFPSと構造的には大きな違いは無いとはいえ、最初はかなり取っつきにくいし戸惑う人も多いだろう。コンピューター関連の知識を持っている人には用語のイメージがそのまま使われているので判り易いと思うが、知らない人だと慣れるまでが大変かもしれない。そこでゲームの概要を以下に説明しておく。


 プレイヤーの能力をカスタマイズするのにいわゆるインプラント(体内埋め込み)のシステムが導入されており、様々な能力を持ったインプラントをゲーム中に何時でも差し替えて使う事が可能である。つまり状況に応じて適したインプラントを使用する事で、自分自身の持つ各種能力を変化させる事が出来る。ただしその表現方法が独特なので解説する。

 このゲームでは各種能力値の事をサブルーチン(小さなプログラム)と呼ぶ。F1キーを押して出てくるのが、そのサブルーチンを管理する「Subroutine Menu」である。

 内側の円がSystem Memoryと呼ばれ、黒い部分が空きメモリで、青で塗り潰された部分が使用不可メモリとなっている。この黒い空きメモリスロットに各種サブルーチンをインストールすると機能が有効になるというシステム。なおメモリの配置状況はチャプターによって変化するケースがあり、増えたり減ったりするのでその都度全てがリセットされて、プレイヤーには再インストールが要求される。

 円の外周に当たる部分は青い丸記号で3つに区切られており、それぞれにCombat(8種類), Defense(6種類), Utility(9種類)のサブルーチンの中で、プレイヤーが持っている物が収まるようになっている。

 サブルーチンはそれぞれが3つの段階を持っており、Alpha(赤), Beta(緑), Gold(金色)の順に完成度(能力)が上がっていくと同時に、最適化されてメモリに占めるサイズが3→2→1と順次小さくなる。例えばアルファ(赤)段階のサブルーチンをメモリにインストールして使う為には連続したスペースが3個空いていないとならないが、ベータ(緑)ならば連続したスペースが2個で済み、ゴールドならば1スロットなのでどこにでも入れて使用が可能である。最初はアルファばかりなので多数のサブルーチンを同時にインストール(使用)は出来ないが、徐々に最適化が進んで複数の物を同時に使えるようになる。

 各サブルーチンをアップグレードするには、より優れた段階の物をマップ内で発見するか、Code Optimization Wareを見付けてやってアップグレードするかになる。COWは床や壁を這って動いている掃除ロボットの様な物で、見付けて単にUseすれば入手出来る。中央の円にその表示が出るので、そこにアップグレードしたいサブルーチンをドラッグ&ドロップしてやれば一段階最適化される。一回だけの使い切りとなり、あまりその数は多くないので慎重に考えて使うべき。



 外側のサブルーチンの円を区切っている青い3つの丸は特殊なサブルーチンでProcedural(プロシージャル, 手続き)と呼ばれ、メンテナンス用のプログラムと考えれば良いだろう(これは最初から持っている)。まずDefragment(デフラグ)は壊れてしまったメモリブロック(空きメモリ上に故障のアイコンが現れる)を直す為の機能。Disinfect(感染修復)はウイルスにやられてしまった(敵の攻撃やウイルスの付いたサブルーチンのダウンロードによって生じる)サブルーチンを修復する機能。Port(移植)は正体の分からないプログラムを解析して使えるようにする際に用いられる。

 使用方法は適用したいサブルーチンをドラッグ&ドロップしてからメニューを閉じると、画面上に進行状況が表示されて終わるとメッセージと音で知らせてくれる。同時に適用可能なのは一つだけなので、複数処理したいサブルーチンがある場合には繰り返しこのプロセスを行う必要がある。


 一番内側の部分はPerformance Ratingsと呼ばれる、基本的な能力値のパラメーターを表示させる場所となる。一番上に現在のジェットのレベルが、このゲームではジェットのプログラムのバージョンとして“1.0.0”の様に示され、これは目標を達成した時に与えられるバージョンアップの数値と、マップ内に置かれているBuild Notesというオレンジ色のアイテムを集める事で増えて行く。一番左の大きなバージョンが1.9.9→2.0.0の様に一つ上がるとポイントが与えられて、それを5つの能力パラメータに自由に振り分けて成長させられる

*Health: HPの上限値をデフォルトの100から上昇させる
*Energy: エネルギーの上限値をデフォルトの100から上昇させる
*Weapon_Efficiency: 武器使用時のエネルギーの消費量を下げる
*Transfer_Rate: エネルギーを補充したり、サブルーチン等をダウンロードする際の転送時間を短くする
*Processor: Procedural処理の時間を短くする

 なおBuild Noteを100個集めるとSurge Modeに入り、上記のパラメータの値が飛躍的に上昇するというボーナスが与えられる。

BASICS
 ゲームで使われている独特な用語とシステムを幾つか解説。


 Archive Binsとは透明の四角いストレージデバイスで、中にはサブルーチン(赤), パーミッション(青), Eメール(緑)の三種類が入っている。プレイヤーはこのアーカイブをUseする事で内容物の詳細を参照可能。ただし参照するにはそのアーカイブの持つパーミッションが必要である。アクセス後は中のデータの中で欲しい物を選択してダウンロード可能だが、それぞれ必要なエネルギー量があるので足りないと行えない。またダウンロード中はアーカイブから一定距離内にいないとならないという制限あり。ダウンロード速度はTransferのパラメータ値に依存する。


 Permissions(許可)と呼ばれる要素が存在するが、これは他のゲームで言うところのキーやカード集めの変形版。画面下部中央に8つに分割されたパーミッション・リングが表示されており、自分の所持している1-8までのパーミッションが点灯している。Archive Binsやセキュリティパネル等はアクセスに必要なパーミッション番号を持っており、例えば2, 5, 8が必要ならば全てそれを持っていないとならない。アクセス出来ない場合にはその番号が赤く点灯する。その1-8までのパーミッションは、他のArchive Binsの中から入手, NPCから報酬として受け取る, 倒した敵が落とした物を入手、といった形で集めて行く。パーミッションはマップ単位でリセットされ、別のマップではまた一から集め直しになる。つまりキーが1-8番までの8個有るキー探しだと思えば良い。(ただし各マップで全ての番号が使われる訳ではない)。



 Patch Routines(パッチ)は修正プログラムである。このゲームにおける修正パッチとはヘルスとエネルギーの回復を示す。Health Cache(赤)はヘルスの回復を行い、Energy Cache(緑)はエネルギーの回復を行う。どちらもマップ内に置かれている物に近付いてUseすれば中身が無くなるまで使用出来る。エネルギーの方は幾らでも最大値まで回復可能な無限補給タイプ(白)や、Source Poolsと呼ばれる中に入っていれば自動的に回復するエネルギーのプールも用意されている。ヘルスの方はボス戦時のエリア内に置かれている物のみ無限回復が行える。

 その他の回復方法としては、多くの敵は倒した後にCore Dumpと呼ばれる球体を残すので、これが消える前にUseすると若干のヘルスとエネルギーを回復可能である。


 ウイルスによる汚染の概念も含まれている。サブルーチンはInfected(感染)の恐れがあり、感染状態になるとそれに連れて持っている効果が減少していく。(通常100%の感染になると効果が半減する)。更に感染が100%に達すると、隣り合っている別のサブルーチンにも感染が移っていくので早急に処理しないとならない。修復はDisinfectアイコンへとドラッグ&ドロップすればOKだが、修復は一つずつで時間も掛かるので(Processorのパラメータ値による)、感染が広範囲に渡る場合には汚染サブルーチンをメモリから外して別の物への感染を防がないとならない。しかし外してしまうとそれは修復して戻すまで機能しなくなるという問題が生じる。

 感染経路は二種類有り、一つはアーカイブ等から入手するサブルーチンが最初から汚染されているケース。対策はVirus Scanサブルーチンで、その最適化が進むと共にダウンロード前に感染しているかを判定したり、ダウンロード中に自動的にウイルスを除去出来る様になる。もう一つが敵の持つウイルス系の武器にて攻撃された場合で、一定の確率で内部がウイルスに感染する。同系統の敵は固まって出て来るので、集中砲火を浴びると一気にメモリ内部が感染だらけとなる。こちらへの対抗策はViral Shieldサブルーチンで、その最適化に応じて被弾時の感染確率が下がっていく。

LIGHT CYCLE
 Light Cycleは原作映画にも登場する、小型のバイクに乗って戦うアクションパズル的なミニゲームである。昔のアーケードゲームである“Snake Game”をベースにした物で、複数の相手との対戦形式で行われる。ゲーム上はキャンペーンの中にイベントして組み込まれている他に、LC自体がキャンペーンとは別に独立したシングルプレイ用コンテンツとしても用意されている。なおマルチプレイも可能だが、ラグの問題からLANを推奨している。

 簡単なルールは以下の通り。

*2-8人での対戦で、最後まで生き残ったプレイヤーが勝利
*閉じたグリッドマップ内に各参加者は送り込まれて同時にバイクで走り出す
*バイクは一定範囲内での加速/減速は可能だが止まる事は出来ない
*走行中は左右キーで直角にのみ曲がれる
*各人の後方には走行した軌跡が壁となって残る。これは最大の長さを超えると徐々に以前の壁は消えて行く。
*自分自身や敵の残した軌跡である壁に衝突するとゲームオーバー
*9種類のパワーアップ・アイテムが存在し、通過して拾うと使用可能になる
*速度が早くなったり遅くなったりするゾーン在り
*カメラ位置や設定はカスタマイズが可能

 つまり上手く周囲の壁や自分の軌跡を利用してやり、相手を逃げられないルートに追い込むか、操作を誤らせてぶつけさせるというゲーム。


 キャンペーンでは固定された設定で敵とLight Cycleで戦うシーンが何カ所か設けられており、勝利すればクリアとなって先に進められる。独立したシングルプレイの方では、用意された設定での戦いを順にクリアして行って最後まで進めるという形式。こちらではバイクの種類, 敵の数とレベル, パワーアップ・アイテムの種類, 後方に残される壁の長さ等をいろいろと変えても遊べる。




 しかしながらこのゲームにおけるLight Cycleの評判は悪く、欠点として叩かれる事が多い箇所になっている。中でもキャンペーンにおけるこのパートの難易度が非常に高く、クリア出来ない為にゲームを先に進められないという問題が発生。その後早急に「あまりにも難し過ぎるというフィードバックを受けたので」という理由から、最初のパッチによりこのLCのパートをスキップ可能に変更された。失敗するとリトライするかどうかを聞いてくるので、そこでNOを選択するとクリアしたのと同じ扱いになって先に進められる(クリアによって与えられる経験値もちゃんと手に入る)。よってキャンペーン内のLCのパートは一切クリアする必要は無くなっている。

 ところがその最初のパッチにおいて、特定の箇所にて「LCをスキップした後のマップが正常に進行しない」というバグが発生。回避策は「直前のLCのパートはちゃんとクリアする」というものしか無くて、スキップ可能にするパッチの意味合いが薄れるという状態になってしまった。しかもこのケースでは、既にその「先への進行が不可能なマップの先頭部分」が一つだけのオートセーブスロットに上書きされてしまっているので、いずれかの過去にセーブを行った箇所まで戻るしか無くなる。しかしもしそのマップよりも前にマニュアルでセーブを行った事が無く、且つその問題のマップに入ってからクイックセーブを行っている場合には、先に進めないし戻れる場所も無いのでゲームを最初からやり直しという最悪の事態が発生する、といった具合でまた別の被害を出して掲示板が荒れるという酷い状況だった。最新版のパッチであればこの点は修正されている。


 Monolithというと敵のAIに定評がある会社として知られているが、このLight Cycleについてはそれは当てはまらず、かなり酷い出来映えに終わっている。人間では不可能と思えるような連続ターンや高速反応をしたりと超人的な能力を見せる反面、馬鹿みたいなミスをしたりと両極端。そうやってバランスを取ろうとしたのかも知れないが、もっと人間的な動きをする相手でないと面白くならない。実際に有効な手段としては、一切戦わずにマップの端の方を速度を落としてうろつき、その間に勝手に戦った敵のAIが死んで行って残り一人になるまで待つという方法が編み出されており、それだと勝てるかも知れないが当然面白くはならない。

 映画の続編であるならLight Cycleを削る訳には行かなかったというのは理解出来るが、ゲームとして見た場合にはこのパートはキャンペーンには一切無い方が良かったという印象。個人的には2/3程度のレースは飛ばしてプレイした。あまりにも露骨なAI操作による神憑り的高速反応を見せるので、リトライして倒そうという気も失せてしまう。マルチプレイで対人戦ならば面白くなるのだろうが、高速反応が要求されるのでLAN推奨ではその点でも弱い。

     次の頁      TOP