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GRAPHICS
 ベースはUnreal Engineだが独自の改造を施しており、UT2003/4とのマップやキャラクタモデルの互換性は無い。

 ポリゴン数は人間で10倍・地形で100倍と言われているがこれは初代Unrealに比較しての物で、実際にはUTでのキャラモデルの600ポリゴン程度に対して3000から5000ポリゴンで製作されている。戦闘時にはper-poly hit detectionを取り入れており、ポリゴン単位で当り判定が行われる。

 Large Scale Terrain Systemと名付けられた広大なマップをストレス無く描く機能も、UT2003に比べてマップが広く見通しが良い事から効果的に使われている。爆発等による地形やオブジェクトの変形機能は持っていない。


 UT2003と大きく異なる(独自に導入されている)物は2つあり、一つはキャラクタのアニメーション作成のGolemシステム。キャラクタに骨組みを埋め込んでそれを動かす事でアニメーションを実現しており、予め作成したパターン切り替え方式よりも高速で滑らかな動きを実現している。表情の変化やリップシンクにも適応。

 もう一つが独自のパーティクル描画システム。粒子の集まりとして表現する描画の意味で、様々なエフェクトにこの効果が使われている。例として火炎放射器の炎の描画は全てパーティクルで描かれており、リアルに見えるし非常に綺麗。発売から6年が経過した今でも、このレベルの炎の描画を見せてくれるゲームは少ないと言えるほどである。更にこのパーティクルには物理演算が施されており、例えばスモークグレネードの煙の中をロケット等が突き抜けるとちゃんと煙がたなびいて動くようになっている。その他の武器のエフェクトも綺麗で派手目の設定となり、これはマルチプレイを主体にしていて視界確保が重視されるUT2003との差になる。

 影の設定は専用のページが設けられているほど細かく、多くの項目を調整してクオリティを変更出来る。ただし発売当時は全てを最大に出来るようなマシンは少なかった。

 マップ内のオブジェクトの作り込みが細かいのも良い点で、ゲーム内世界の見た目のリアルさに貢献している。2004年にはDoom 3Half-Life 2の様に精度の高い3Dオブジェクトをマップ内に数多く配置するゲームが出て来ているが、その先駆的な作品であると言えよう。単なるのっぺりとした壁や床ではなく、複雑な3D形状の物が多数使用されている。

 問題点があるとすればテクスチャの精度。メモリの制限もあるのでしょうがない所だが、これは当時としても特に優れているというレベルではない。


 総合的に発売当時としては最高レベルのグラフィックスであり、ゲームの大きな売りとして高く評価された。その代わりに非常に重いゲームであり、設定を上げるには高速のPCが必要というのは弱点の一つでもある。それと合わせてローディングの時間も長く、クイックロードというには長過ぎる時間が掛かるケースもある。しかし6年が経過した現在では、この重さの問題は近年組んだPCにおいては特に障害とはならないだろう。

 ワイド画面対応でFSAAは無し。

SOUND
 EAXに対応。場所にもよるがエコーの表現が特に良いゲームである。周囲の環境音にも凝っている。

 銃器のサウンドは全般的に良い出来。BGMはテクノ調が多いがこちらも良い曲が揃っている。


MULTIPLAYER(XMP)
 開発の遅れによるコンテンツ内容の見直しと、発売時期が同じくAtariからのマルチプレイ中心のゲームであるUnreal Tournament 2003と近くなってしまうという点を考慮し、発売時点ではマルチプレイはカットされている。その後パッチの形でXMP(eXpanded MultiPlayer)がリリースされており、これはU2を持っているならば無料でプレイ可能である。他に予定されていたDMやCTFといったスタンダードなモードは開発が中止されている。




 まずはそのXMPの概略から。もっと詳しいガイドはネット上で見付ける事が出来る。例えばこちら(英語)GameWatchの日本語紹介記事

*最大で32人までが参加可能なチーム戦戦用ゲーム(Xbox版は16人)
*クラス制で全3クラスから選択
*チームでの行動を非常に重視しているが、ゲーム性はタクティカルというよりもアクション重視
*マップは基本的に広いが巨大ではない(普通のCTFよりは広いが400m*400m以上といった広大なレベルではない)
*3種類の乗り物が利用可能

 一つ特徴的な点として、実質8vs8の様な多人数でないと成立しないタイプのチーム戦ゲームと違って、1チームが3-5人程度でもそれはそれとして楽しめるようになっている。これはXbox版を考慮して、それほど多人数ではプレイされない可能性が高い機種にも対応させるという観点からのデザインだろう。

名  称 Ranger Tech Gunner
役  割 scout & medic engineer combat
攻撃力&Armor
移動速度 速い 普通 遅い
特殊能力 仲間の治療 仲間のアーマーの補修 唯一Heavy系の武器使用可能
  最も高くジャンプ可能 高速でハッキング出来る Trip-wire Mineの設置
  Medi packのDrop タレットやForce Fieldの設置 Ammo packのDrop
    Shield packのDrop Supply packのDrop
使用可能武器 Sniper Rifle Assault Rifle Rocket Launcher
  Smoke Grenade Launcher  EMP&Toxic Grenade Launcher Whiteout&Incendiary G-Launcher
  Shock Lance Shotgun Flamethrower


※全てのプレイヤーは倒れた仲間のプレイヤーをその場にRivive(復活)させる事が可能だが、復活したプレイヤーのヘルスは1となる
※復活はマップ内の自軍が確保しているスポーンポイントを選択し、一定間隔で皆同時に復活する
※全てのプレイヤーはJetpackを装備しており、これはエネルギーバーを消費する事で使える。
※Unreal 2の武器が一部仕様変更されて使われており、無くなっている物も存在する
※新アイテムとしてレーザー検知式のMineが加わっている



 ゲームの目的はマップ中に4個存在しているArtifactsを同時に全て集めたチームが勝ちというもので、そのArtifactはそれぞれの陣地に2個ずつ有る状態から始まる。Artifactはそれぞれの陣地の中心にあるArtifact Nodeに収められており、敵陣の物を奪って自陣のNodeに収める必要がある。敵のArtifactsを持っている間は、移動した場所にチームカラーの軌跡が残るので、敵味方共にその跡を追い易いというシステム。

 各個人はエネルギーバーを持っており、これはゆっくりとしたペースで自動補充される。このエネルギーはゲーム中にプレイヤーが行う事が出来る作業にて消費される。Turretの設置, Force Fieldの設置, 乗り物の利用, ハッキング等々。

 全てのプレイヤーはハッキング能力を持っており、ゲーム内のオブジェクトを利用するにはこのハッキングで自分側のカラーに変えないとならない。例えばドア一つにしても自分側のカラーでないと開けられない。陣地以外のスポーンポイントも自軍のカラーにした場所のみ復活用に使用が可能。このスポーンポイントを多く奪えば敵陣近くに次々と味方を送り込めるが、逆に陣地以外を敵に押さえられると反撃が困難になる。

 マップ内には複数のGenerator(発電所)が存在し、これを確保する事で様々な装置に電力の供給が行われる。自動ディフェンス機能を働かせるにはエネルギーが供給されていないとならず例えばタレットやForce Fieldはエネルギーが切れると作動しなくなる。確保数が少ないと供給量が減ってしまうので、段々と稼働させられるデバイスが減少していって大きく不利になる。よってマップ内の各発電所では両チームによる激しい奪い合いが繰り広げられる。Artifactsを収めるノードもエネルギーが必要となり、Artifactsを集める事にのみ人数を割いていると、奪って来ても稼働停止状態で収める事が出来ないという自体にもなりかねないので、人員のバランス配分も重要な要素となる。



 使用される乗り物は陸上型の物が3種類存在している。Raptorは2人乗りの小型高速車。敵を轢き殺す事を主要な攻撃手段としているが、後方のマシンガンでも攻撃可能。Harbingerは3人乗りの兵器。多段式のロケット砲とASMD型キャノンを装備。Juggernautは2人乗りの戦車。対人用の火炎放射器とキャノンを備えている。3種の中では最も装甲が厚くて耐久力があるが速度は遅い。

*ターボ機能を備えており、短時間だが加速して走行が可能
*運転手以外の乗員は後方のマシンガン等を操作出来る。
*操作にクラスによる制限は無い
*視点は一人称と三人称の切り替え式

 Vehicleの物理エンジンはUT2004でのSingle rigid physics(車全体を一つの固まりと見なしてフィジックスの計算を行う)に対して、XMPでは構成する各パーツ毎に独立した物理計算を行う方式を取っており、動きはよりリアルさを重視という設定になっている。


 評価は高かったし、私としてもこれは傑作の部類に入る良く出来たマルチプレイ用ゲームだと思う。しかし開発していたLegendがリリースしてすぐに無くなってしまったのでその後のサポートは立ち消え。また同時期発売で同じシリーズであるUT2004の方が人気を博して、それに隠れる形で目立たなくなってしまったのも痛かった。マスターサーバーのトラブルで接続が出来ないという問題も時折発生しており、時間が経過するに連れてサーバー側のサポートも消えていった。これに対してはコミュニティ側で別にマスターサーバーを制作してそれを利用するModが出ている。

 結局は爆発的に人口が増える事もなく、そのまま自然消滅。現在ではほとんどサーバーもプレイヤーも存在していない模様。しかしゲーム性自体は面白いので、UT2004側でXMPをプレイする為のUTXMPというコンバージョンModなども制作されている。

 

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