UNREAL II: THE AWAKENING

                                  09/08/15



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製作・販売: Legend Entertainment / Atari
発売: 2003/02
日本代理店: サイバーフロント


概  要  1998年に発売されたFPSの傑作Unrealの続編。この作品でデビューしたEpic Gamesは、翌年にはUnreal Tournamentをヒットさせて一躍有名になっていたが、規模がそれ程大きい会社では無い為に両方の続編を自社で手掛けるのは困難と判断。そこでマルチプレイをメインにしたUTの方を今後の自社の最重要タイトルと位置付け、Unrealの続編の方は他者に制作を委託するという方針を固める。そこで白羽の矢が立ったのがLegend Entertainmentである。

 Legendは90年台に主にアドベンチャーゲームの制作を行っていた会社で、グラフィックスを重視する会社が多い中でテキストを多用したストーリー重視の姿勢を打ち出し、同ジャンルのファンにとっては有名な会社の一つとして名を残している。しかし90年台末にGT Interactive(現Atari)に買収されてからはアクションゲームの制作に携わるようになっており、1999年にUnrealの拡張パックであるReturn to Na Paliを制作。また版権物としてやはりUnreal Engineを使用したWheel of Timeを手掛けており、同エンジンにおける実績は十分。

 しかし開発は順調とは行かず、2002年の春に発売予定だったゲームは年末まで遅れるとアナウンスされると同時に、公開されていたゲーム内容の変更や、発売時点ではマルチプレイをカットする等のコンテンツの縮小も行われた。更には総合プロデューサーが途中で辞めてEAに行ってしまうという事態も発生し、2002年の末にも間に合わずに年を越してようやく発売されている。なおLegendとしてはこれが最後の作品となり、翌2004年にはAtariの方針により会社は解体されている。


 PC以外では2004年にXboxに移植されている。しかしPC版の内容を一部カット, 任意セーブが出来ない, グラフィックスの劣化, ロード時間が物凄く長いといった点から低い評価となっている。独自要素としては2人でのCo-opが可能。


 発売時にはマルチプレイは間に合わず、後にXMP(eXpanded MultiPlayer)としてパッチで提供された。このマルチプレイ分を収録したSpecial Edition(改訂版)も出ている。その後は単体での廉価版再発は無し。

 再発版としてはGold Edition(左)としてUT2003とのセットで再発されているが、これは英語圏では出ていないと思う。現時点では2006年発売のセットパックとなるUnreal Anthology(右)がリテール版での購入手段となる。これはUnreal Gold, Unreal Tournament, Unreal II, Unreal Tournament 2004という、それまでのシリーズ作品が全て含まれている。

 これを書いている時点(20009/08)では、Steamでのダウンロード販売に対応しており単品購入も可能。


 日本ではサイバーフロントが代理店となり、世界とほぼ同時に「アンリアルII 覚醒 - 日本語マニュアル付英語版」をリリース。そして何故か一年以上経過してから突然「アンリアルII 覚醒 - 日本語版」が出ている。既に同社のカタログには掲載されておらず、流通はしていないようだ。


STORY  時代設定は24世紀の未来。前作と同じ地域の星系が舞台となるが、前作の主人公が冒険した星であるNa Paliは出てこない。ストーリー的な繋がりも全く無く、単に同じ星系での別の話という設定。


 プレイヤーが操作する主人公の名はJohn Dalton。Terran Colonial Authority (TCA)に属する兵士で、以前はSpace Marinesの一員として活躍していたのだが、現在はその席を外されており本人は復帰を望んでいる。今はMarshal(保安官)として地域をパトロールする仕事をしており、宇宙船Atlantis号にて新しいメンバーとの活動が始まるところからゲームスタートする。

Aida: 幼少の頃から指揮官として天才と言われていた女性だが、ある事件をきっかけに一線を退いている。Atlantisでは指揮官的な     役割でDaltonに指示を与える。かなり辛口で取っ付きにくく、ゲーム内でもDaltonとは意見の食い違いが多い。

Isaak: 口数の少ないエンジニアで少々ひねくれ者。以前は最前線で働くエンジニアだったが、過去に犯したミスによって多数の
     死者を出した罰として左遷されている。Daltonの回収してきた武器のパーツを実際に使えるように改造してくれる。

Ne'ban: 150星系の言語を話せるエイリアンのパイロット。まだ人間全般について詳しい知識が無く、英語も現在勉強中。


 Daltonの最初の仕事は謎のエイリアンに襲われた基地を探索に向かう事だったが、そこから7つ全てを集めると強大なパワーを発揮するというArtifactsの争奪戦に巻き込まれていく。争奪戦の相手としてはLiandri, Axon, Izanagiといったシリーズでは知られる企業が登場する。


PATCH

DEMO
 V2001(031403)というパッチのみが出ている。USとEUではパッチが異なる。再発版はパッチ適用済のようだ。(メニュー画面にバージョンでは出る)。

 また発売後に間に合わなかったマルチプレイのパートであるXMPがパッチの形でリリース(u2xmp_6497)。このXMP用のパッチとして“6497-7710_u2xmp.exe”も出ている。これも再発版なら収録されているはず。


 デモはシングルプレイ用とマルチプレイ用(XMP)が出ている。ただし既にマルチプレイのデモはプレイ出来ないと思われる。

動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU Pentium III or Athlon 733 MHz Pentium III or Athlon 1.2 GHz
MEMORY 256MB 384MB
VIDEO VRAM 32MB NVIDIA GeForce2 MX VRAM 64MB GeForce3 or Radeon 8500
SOUND Windows互換 Sound Blaster Audigy
対応OS  98/Me/2000/XP
DirectX 8.1以上要


 Vistaでも動作には特に問題無いようだ。ビデオカードは上記の記載からハードウェアT&Lは必須となる。

 初代同様に発売当時の重さは超ヘビー級で、上記の推奨環境程度の仕様では各種設定を中程度にしないとまともに動かないレベル。マップによっては設定を上げるとハイエンドPCでやっと動くという位に重かった。既に6年以上が経過した現在では、ゲーム用のPCならばその重さも解消されているはずだが、数年前のメーカー製PCや安いノートPCでプレイするという人の場合には問題になる可能性がある。購入予定ならばデモで負荷を確かめた方が良いだろう。


 開発側も宣言しているのだが、EAXを大幅に使用している為にマップによっては相当な負荷が掛かる。よってEAXの処理が遅いサウンドカードを使用しているかCPUが非力だと、大きくfpsが落ち込むシーンが出てくるという問題が知られている。同じくラグドール処理もCPU負荷が高いので、その瞬間に止まったようになるなら同時適用人数を減らす(最大で5人)。

 <動作確認> 動作高速化の問題は発生せず。しかしセーブを読み込んでテストを2時間程度した際に、数回エラーで落ちるというトラブルが発生した。一回はサウンドのエラー。プレイ当時はそれ程不安定ではなかったと記憶するので、サウンド周りの互換性問題等が発生しているのかも知れない。


 初回起動時にUnreal2.iniに自動判定された設定を書き込むので、起動しない場合にはこれを再生成させるか、内部をマニュアルで変更するという対処法がある。


*サウンド系のエラーで落ちる。場所によってはサウンドが原因で重い。
 OpenALを使用しており、そのDLLはSystemフォルダ内の“DefOpenAL32.dll”が使用される。UT2004とは異なり、オプション内部でシステム側の物を使うかの切り替えが用意されていないので、C:\WINDOWS\system32フォルダ内のOpenAL32.dllをコピーして、名前を変更してDefOpenAL32.dllと差し替えてみる。またはUnreal2.iniの中の[ALAudio.ALAudioSubsystem]セクション内のUseDefaultDriverをfalseに書き換えてみる。


*ゲーム内の速度が非常に早い
 ムービーシーンやゲーム内の時間進行が数倍の早さになってしまう問題。マルチコアが流行始めた2006-07年辺りによく発生していたようだ。シングルコアでの動作にしてみる。省電力機能を切る。Win98互換モードに切り替えてテスト。垂直同期(Vsync)をオプションから有効にしてfpsを下げるという方法もある。

 しかしこのゲームは独自仕様とは言え、元はUnreal Engineなのでcpuspeedのコマンドラインパラメータが使える。このパラメータ値を変えればゲーム内の速度調整が可能。ガイド全般はこちら

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