GAMEPLAY |
全8エピソードで、クリアまで16時間程度。開発側の話ではプレイ時間は15時間を想定して調整したそうなのでほぼ標準的な値である。しかし謎解きの比率が高くまたそのパートの難易度が高目なので、クリア時間には差異が生じ易いタイプとなり、その上に悪評高い操作性にどれだけ苦しめられるかも関わってくるので、何時間位プレイ出来るのかについては答えにくいゲームだとは言えるだろう。なお書き添えておくと、改善版となり大幅に難易度及び面倒さが下がっているPS3では10時間程度とずっと短い様である。 難易度固定なのでリプレイ性は低く、二周目モードや別モードのアンロックも持っていない。オープンワールド要素もほぼ無く、PC版には実績も無いので、一度クリアしてしまうともうやる事が無いという風になってしまう。 これまでに発売された過去作の流れからサバイバルホラーというイメージが強く、また宣伝でもその様に言われている作品だが、アクションホラー寄りという印象でサバイバルホラーという感は受けなかったし、根本的にホラー要素には大して注力していないゲームという印象。カーンビーはフラッシュライトを装備しているが、これで照らさないと移動が困難というレベルで暗いエリアはほとんど出て来ないし、突然襲われるパニックイベントの類もほぼ無し。よって怖さを求めるプレイヤーには不向きだと言える。そうではなくて映画的な演出を中心としており、スリリングなシーンをふんだんに盛り込んだドラマチックなゲームとしてデザインされている。そしてこちらの面では出来は水準以上という評価を与えられる。 ゲーム性という面から見るとアクションアドベンチャーであり、純粋な謎解き, 要求されるアクションを達成するイベント, 敵との戦闘という3つの要素から構成されている。その中の特にどれが多いという風でも無く、3種がバランス良くミックスされており、言い換えるとあまり戦闘寄りのゲームでは無い。 話題となったDVDの再生機能を模したチャプター選択システムだが、根本の発想としては「誰でもゲームを最後までクリア出来る様にする」だと話している。仮にゲームの途中で詰まったとしても、そのセクションを飛ばして先に進められる様にして、後はクリア後にそのセクションに簡単に再チャレンジ出来る様にすれば良いという考え方である。しかし当初のデザインからは変化も見られ、初めは「忙しくてゲームが出来ないという人が多い」 → その原因として、始めてからキリの良い場所までどの位掛かるのか判断が出来ないから、それを考えるとゲームを始める気力が湧かないという声が多い → そこでエピソード形式にして各エピソードが一定の時間でクリア出来る様に調整されたゲームを作ろう。そしてエピソード単位でストーリーが一つの区切りとなっており、プレイヤーに達成感を与えて終わるようにすれば良い、という話だった。つまり非常にカジュアルな難易度のゲームという予想を私は持っていた。 だが実際には難易度選択が出来ないゲームとしてはその難易度は高目の設定。幾つものエリアにて詰まる可能性を持っており 、一定時間で終えられるどころかクリア時間の予想が出来ないという設定に変わっている。「他のゲームではチャプタークリアの実績はゲームを進めていけば自動的に解除されるが、AitDでは一回もスキップせずにエピソードをクリアするという条件が付いているので、実績が真に意味を持った物となっている」とコメントしているので、難易度を高くしたのは計算によるものだと考えられる。 詰まったら好きなだけスキップ可能なので、その機能を使うならば「今回はここまでやろう」という地点まで確実に進められる事にはなる。そしてスキップ機能とは他のゲームにおけるチートと似た様な物だとも言える。故に詰まった際にチートを使うよりはスキップして先に進められるという方が万人向きであり、カジュアルなユーザー向けでもある。ではこれが優れた機能なのかとなると、それならパズルを含めての難易度設定を複数設けて、それを何時でも自由に変更出来る様にした方が良いという気がする。それと実績と組み合わせるのは「何としてでも飛ばさずにクリアする」というプレイヤーを増やすから、誰でも先に進めるようにするという意図に反した設定に見える。結果的にチャプターの自由選択機能はそれ程画期的で有用な機能だとは思えない。カジュアル層がどう感じるかは何とも言えないが。他に一つ補足として、リプレイ時にどこからでも開始は出来るが、その際の所持アイテムはクリア可能とされる最小限の設定になってしまうので注意。特にアイテムが結構必要なエリアからの開始だと、まずは付近にてアイテム集めから入らないとならなくなる。 良いと感じたのは再開する時に「前回までのあらすじ」として、TVドラマ風にそれまでの概要シーンがコラージュされて見られる点(実際に自分のプレイを録画した物では無いので、自分がやっていなかった事まで再生されてしまったりする可能性があるのはアレだが)。長期間プレイの間隔を空けたりした際に思い出す意味で有効な機能であるし、単純に見ていて前回までのストーリーを再確認出来るのは面白いと思う。 ストーリーは複雑ではなく、また特に面白い物でも無かった。カーンビーの復活もオールドファンでなければ効果が無いし、逆に知らないプレイヤーにとってはその位置付けに違和感を感じたかもしれない(現代に復活したという設定はカーンビーを知らないと意味が無いから)。ヒロイン役のサラはTVドラマの女優風とでも言うのか、登場してからしばらくはカーンビーに愚痴で当たったりと実にやかましいが、徐々に親密になって行くという人間臭いキャラクターになっている。どちらが良いというものでもないが、日本のゲームにおけるヒロインのイメージからは外れていると言えるだろう。悪役側も力不足という印象。エンディングはプレイヤーが最後に選択する形で2つ存在するが、続編ありきの考えだったのかどちらにしても「これで終わり?」という感じのスッキリしない形で終わってしまう。 変わっている点はエピソードの区切りで、ドラマ仕立ての為にクリフハンガー(崖にぶら下がっている=主人公が危ういシーンで、次がどうなるのかを期待させながら終わる)の形式を採用している。例えば普通ならばボス戦が終わるとそこで区切りとなるが、そうでは無くてボスが登場したシーンで終わって次のエピソードやシークエンスに「続く」となる事が多い。 ロケーションはセントラルパーク内だけだが、インドアや地下パートなども含まれている。発売前にはセントラルパークを忠実に再現し、その中をオープンワールドとして使用するという話だったのだが、その要素は一部を除いて無くなっている。つまり進行ルートの自由度はその一部の開放されるセクションを除くと無しだし、その中で様々な行為を行えるという風にもなっていない。これはリプレイ性を削いでいるし、良くない変更点だと思える。 先に書いたように謎解きは多く、そのパズルの質はなかなか良い物が揃っている。幾つかはその出来栄えに感心させられる物もあって、また複数の解法が用意されているタイプが含まれる点も高評価である。旧シリーズを継承して難易度が高目の物も結構あり、一つは純粋に解法を思い付くのが難しいタイプ。アイテムを使うケースでは周辺エリアに必要な物が置かれており、これは詰みを防ぐ為に無限にリスポーンするので、何故こんな物が置いてあるのか?を考えてみる事で解決出来る可能性が高くなる。 次に解法を見付けた後にそれを一連のアクションとして達成しないとならないタイプがあり、これに難易度が高い物が多い。例えば敵が襲ってきている状態で達成しないとならないとか、持っているオブジェクトの操作が難しいとかの類。他には車のコントロールが上手くないと成功しない, 微妙な調整操作が要求される等。 第三に一つの解法にこだわるとハマる恐れがある物が用意されている。例として黒いスライム状の物質が存在しており、これに触れてしまうと即死するという設定になっている。初回遭遇時のチュートリアルにて「光をを嫌うのでライトで照らして遠ざけながら進めば良い」と教わるのだが、それ以降に「このやり方しか無いのだ」と勘違いしてそれにこだわってしまうと、異常に難しくなってしまう(もしくは不可能な)エリアも出て来るが、実際には幾つも他の解決方法があるという設定。つまり謎解きで最初に思い付いた方法(アクション)が異様に難しいと感じるなら、実は他の解法があるのではないか?と疑って掛かる事をお勧めする。 最後にこれは欠点となるが、指示は出たりするが何をすれば良いのかが解り難いケースもある。答えを知ってみれば実に簡単な事だったりするのだが、不親切という感じの物は幾つかあった。それと操作性の項で述べたように、カメラ位置等の操作性の悪さが原因で、解法を思い付いたりやそれをアクションとして成功させるのが難しいというシーンがあるのも問題である。 用意されているアクションを成功させないとならないイベントも多く、こちらは簡単な物から難しい物まで様々。この様なアクションでは失敗しても直前からのリトライになるならストレスはあまり無いのだが、もっと前からやり直さないとならない箇所だと繰り返しの面倒さを感じてしまう。それと操作性の悪さで失敗してしまうケースも当然ストレスになる。後は初見だと回避が難しいトラップも含まれている。 |
アイテム合成 & 物理エンジン |
大きな特徴の一つがアイテム合成で、アイテムを組み合わせて様々な物を作り出す事が可能となっている。以下はその一部。 ・燃料ボトル+ハンカチ(包帯)で火炎瓶。着火後に投げ付けた場所からゆっくりと燃え広がる。 ・弾薬+燃料で火炎弾 ・スプレーとライターにて火炎放射器 ・燃料ボトル+ハンカチ(包帯)+両面テープで粘着爆弾 ・ナイフで車のタンクを傷付けて、空のボトルに入れて燃料ボトルを作る ・血液パックにナイフで穴を空け、それを地面に垂らして敵を誘き寄せる このアイテム合成は敵を倒す際の道具として使われるだけでなく、パズルを解く際の道具としても使われるようになっている。クリアするのに沢山の種類の合成アイテムを作り出す必要は無いが、より効果的な解決方法として使える合成アイテムも存在しているので、いろいろと試してみるのは有効となっている。なお組み合わせの際には、最初の物を選ぶとそれと組み合わせ可能なアイテムがハイライトされるヒント機能あり。 しかし残念ながらこのアイテム合成の要素は上手く機能していない。この合成して使用するという行為そのものは面白いと思うのだが、ゲーム内の他の要素、即ちアイテムスロット制限との相性が悪くて持ち味が殺されてしまっている。一応はサバイバルホラーという設定と、リアリティ重視の姿勢からジャケット内のアイテムスロットの数は左が5個, 右が4個と限られている。仮にアイテムが倍持てる設定だとしたら、プレイヤー側が強くなり過ぎてしまうので具合が良くないのは確かだ。 だがアイテムスロットを制限した結果として、多種多数のアイテムを持ち歩けないので合成自体がやり難いのである。具体的には左側の小ポケットは5個だが、弾薬, バッテリー, ライター, 包帯でもう4個を占めてしまうので、残りの持ち運べるアイテムが限定されてしまう。実際には4種のアイテムは一時的に無くても何とかなったりするのだが、それが解るのはゲームを先へと進めてからであり、初回プレイでは先の展開が判らないので捨てるのには危険が伴う。よって安全策で持っているとスロットが空かないので、アイテム合成が十分に行えない状態となってしまう。 プレイ中も「それが売りならじゃあいろいろと作ってみようか」と考えたのだが、新規アイテムを拾おうにも「もうアイテムを持てません」の連続でどうでも良くなってしまった。一時的に試そうにも、持っている物を捨ててからそれをスロットに入れ、使用後に落とした物を拾い直すという過程が常に発生する為に、その内に常時持っているアイテムのみで組み合わせを作れば良いという風になってしまう(そしてそれでほとんどのケースは通用もしてしまう)。せめて新しいアイテムを一時的に手に持って合成に使えるとかなら良かったと思うのだが、とにかくスロットの入れ替えが面倒臭いという点がこの要素を台無しにしている。ついでに書いておくとアイテム合成は決められた順番以外では行えないのと、アイテムを捨てるには一々確認操作が要求されるという操作性の悪さも存在。最大限に活かすのならば純粋なアクションゲームに組み込んだ方が活きる要素であり、スロット制限とは完全なミスマッチであるとしか言えない。 物理エンジンにはHavok4.5を使用しており、周囲のオブジェクトを使った物理パズルや、オブジェクトを上手く利用しての戦闘に焦点が当てられている。物理エンジンが適用されたリアルな世界を構築し、「現実世界ならば出来る事は、ゲーム内世界でも実際に出来る」というコンセプトだと話している。 その中でも目立つ要素が炎で、物理演算によって燃え広がり方も計算されており、見た目的にもその炎の動きはリアルに感じられる。それにより木製の扉や障害物などは火を点けて燃やす事が可能だし、燃え尽きて炭になった箇所から崩れ落ちるという演算処理も行われる。そして敵は炎で焼かない限りは死なないという設定であり(ダウンしても起き上がって来る)、これに火を点けるのに拾ったオブジェクトを炎の場所へと持って行って火を点け、それが燃え尽きる前に敵に着火するといった行為が要求される。他には当然灯りとしての役割も果たせるので、暗い場所でオブジェクトに火を点けてそれで明るさを確保したりも出来る。 しかしそれ以外の物理演算は粗が目立ち、Havok社は表示されるロゴを外したいと考えているのではないかという位にレベルが低い。オブジェクト同士の干渉は時に異常な動きを見せるし、干渉の判定も甘くオブジェクト同士やカーンビーの体と平然と重なりが発生してしまう。負荷が高いとされるスカート等の布の揺れ動く効果も導入されているが、見た目に変な動きで完成度は低い。特にラグドール演算は酷く、掴んだ体を引き摺るケースが出て来るのだが、その体の動きは到底人間の体とは思えない上に、カーンビー自身と重なったりや、体が変形して動かせないという事なのか一度離して持ち替えないと動かなくなるケースが何回もあった。2008年という時代を考えても低レベルの出来である。 |
VEHICLE & ROOTS OF EVIL |
車に乗り込んで移動するシーンも多く、イベントとして乗り込む他に、オープンワールド形式で広いセントラルパーク内を走り回るセクションも登場する。視点は三人称と一人称を選択出来る。それと特殊操作だが、走っている車から飛び出すという行為も可能。車の中は安全ではなく、止まっている状態では敵に引き摺り出されて投げられる事があるので注意しないとならない。また部位毎に破損するという要素も存在しており、内部的な破損度が増すと煙を吹き出しやがては性能が落ちてしまう。そして燃えだしたらじきに爆発するので逃げ出さないとならない。 制限時間内に目的地点へと到達する大きなイベントは計3回出て来るのだが、その中でも最初のチャレンジとなるEP2でのシークエンス『59th Street』は、悪い意味でこのゲームを有名にしたセクションである。演出としては迫力があり、ゲームのクライマックスの一つとも言えるスリリングなイベントになっている。だが「異常」, 「拷問」といった言葉が飛びかう超高難易度セクションとして、クリアまでに数時間どころか日単位という人が出たり、ここで馬鹿らしくて止めたという人が出る位に評判が悪い箇所として部外者にも知られる様になってしまった。内容としては巨大な亀裂が追い掛けてくる中を、NY市街を目標地点まで追い付かれないようにして走り抜けるというもので、走行ルートは他の亀裂により限定されたりするし、崩れ落ちる建物が邪魔したりや、他の走行車量も避けないとならない。中でも最大の問題は車の挙動で、簡単にスライドしてしまう性質の為に、障害物を避けながら左右へと高速で進路を変えるのが難しくなっている。その他の難点としては、 ・物理エンジンによる演算がおかしく、突然車が異常な動きをしたりしてしまう ・進路は一本道だがリアルタイムで破壊されていくので、繰り返しプレイして通れるルートを憶えないとならない ・他の走行車両の動き(衝突)に物理演算が適用されるので、その回によって何所を走って来るのかと何所を塞がれるのかが不確定 ・途中にチェックポイントがなく、失敗すれば常に最初から あまりの評判の悪さにプレイ前には身構えてしまったセクションであり、個人的には15回ほどのリトライでクリア。だが難所は走れた所までのルートを憶えながらの繰り返しになる面倒さ位で、正直な所そこまで多数のプレイヤーに叩かれるほどの問題箇所とは思えなかった。KBでプレイしたので、むしろデジタルよりもアナログでのハンドル操作の方が厄介なのかと考えてコントローラーでリプレイもしてみたがやはりそうでもない。別に私はドライビングゲームの名人では無いので、何か違いがあるのかとXbox 360版の動画を何本か見てみたのだが、どうも車の挙動に物理演算によるものと思われる変な動きが多い様に感じられた。Xbox 360版ではフレームレート重視で物理演算がPC版よりも簡素化されているとか、或いはXbox 360版のHavokはまだPC版に比べて未完成の段階だったとか、そういった原因は有り得るだろう。 むしろ私としては二番目のチャレンジの方が難物で、ここでは車に取り付いたコウモリの様なモンスターを振り払わないとならない。しかし高速で走って振り切る方法は、障害物を避けて通るのがドリフトし易い挙動だけに難しくなる。もう一つの車をぶつけて振り落とす方法だと、上手くぶつけないとその内に車が壊れてしまってゲームオーバー(降りると死ぬ)。かと言って振り切らないと車を壊されるし(屋根を壊されてオープンカーの様にもなってしまう)、持ち上げられて斜めに落とされたりするので正確な走行が困難となる。更に衝突時に引っ掛かったりしてしばらく動けなければ、宙高く持ち上げられて落とされこれまたゲームオーバーになる。 幸い私は高難易度とされる運転セクションにて酷い目には遭わなかったが、車の挙動が不安定なので運転し難いというのは確かである。障害物を避ける為に右に左に短い間隔で車を動かさないとならないセクションにて、スライドし易い車を制御するのが一番厄介だった。 オープンワールドとして用意させているセクションでは、セントラルパーク内でのRoots of Evil(悪の根)の始末を行う。悪の根とは公園の地下世界から地上へと姿を現した邪悪な悪魔のパワーを持った巨大な根で、大きな物では10mクラスの大きさとなる。カーンビーはこれを燃やして退治するのだが、退治するとスペクトラルポイントという物を得る事が出来る。これはその値によってレベルが上がって行き、それに応じてカーンビーには特殊能力が身に付いていくというシステム。 悪の根の場所を見付けるにはPDAの全体地図機能が使えるし、近付くとその周辺の大気が歪んで見えるのでそれも参考になる。根はその大きさによって得られるポイントが異なるが、その違いまでは地図では判別出来ない。なおアウトドアに限らずインドア内に存在するケースもあるし、一つのポイントに複数本が生えていたりもする。巨大な根は燃料ボトルでの爆破や火炎瓶で、小さな物はスプレーの火炎放射器で燃やせる。 ゲーム上ではEP7の終盤とEP8の序盤にこれに関するイベントがあり、EP7ではポイントを30まで獲得してレベル3にしないと先には進めず、EP8では最低でも50ポイント(レベル4)にしておかないと次に進められない。しかし実際には75ポイント(レベル5)まで上げておかないと次のセクションが非常に難しくなるそうである(実際に50の段階で試してはいない)。なおこのセクションでは長い時間オープンなエリアを彷徨うので、死亡や中断時のセーブはポイントを保持した状態で近くにスポーンするという方式にされている。 この要素自体に不満は無いのだが、ゲームの構成上成功しているとは言い難い。その理由とはスペクトラルポイントの目標達成には面倒な点が含まれており、時間が掛かるので冗長となってプレイがダレるから。ゲームの流れがそこで1〜2時間は止められてしまうので、ストーリーの流れを保つ意味でもマイナスとなっている。 具体的に列挙してみると、まずセントラルパークは相当広大であり、走り回るのには単純に時間が掛かる。そして地形の変動により自由にはルートを選択する事が出来ず、地図だけでは何所が通れるのか細かいルートまでは把握不可能。根の幾つかはパズルになっており、通常の手段では燃やす事が出来ない(ボトルを投げても届かない位置に有る, そこにどうやって到達するのかがパズルになっているインドアに存在, カーンビーが到達出来ない遥か遠いエリアに生えている等)。全ての根を燃やすのは実績(トロフィー)の達成以外には意味は無く、パズル要素を含んだ物を除外しても75ポイントの達成は可能。しかしどの根がパズルになっているのかまでは行ってみないと判らないので、75ポイントの達成には公園内のほぼ全域を回って容易な物を燃やさないとならないので時間が掛かる。 そして公園内には敵がたむろしており、それは特に根の周囲を護衛する様になっている。よって必須では無いが、安全に根を燃やすには周囲の敵を倒さないとならない。それとこのセクションでは周囲の敵が数十メートル位ジャンプして車の上に飛び乗り、そこから内部のカーンビーを殴ってダメージを与えてくるので、速度を上げて振り落とす等の方法を採らないとならない。だが高速で走れば衝突の危険が増すし、衝突させて振り落とす方法だとその度に車のダメージが酷くなっていく。 一番の問題はアイテム集めの面倒臭さで、実際のところ敵を倒したりするのは容易いのだが、アイテムの入手場所が限定されているのが厄介な点。つまり燃料ボトルやスプレーの火炎放射を使えば敵は一掃出来るのだが、ボトルとスプレーは根を燃やす為のアイテムでもある。なので敵を倒すのに使っていると燃やす為のアイテムが不足してしまうというジレンマ。一部のエリアでは根の周囲に燃やすアイテムが存在していたりもするのだが、周囲には何も無い場所の方が多い。ただでさえ燃やす為のアイテム不足なのに、敵を倒すのに使ってしまうと余計に不足になるので、敵をどの程度無視するかという加減が難しくなっている。なお敵には火炎弾を使うという方法がメインになるがこれも燃料を使うし、こればかりだと今度は弾薬が足りなくなる。 よってこのセクションではアイテムが置かれている場所まで戻って補給するという方法が一つ。しかしかなりの距離を走らないとならなかったり、根本的に持てるアイテム数が少ないという点から繰り返しが必要となるので楽な作業ではない。走るのが面倒であれば、近場を走って止まっている車の収納ポケットを漁ってアイテムを手に入れる必要があるが、これまた止まっては車に乗り込んで確かめるの連続なのでやはり面倒な事には変わりない。(車種によって入っているアイテムは固定の様なので、何が入っているのかを記憶しておくと目的の物を探すのが多少楽になる)。 それとこのセクションでは車の各種操作が面倒。まず敵に飛び乗られて車が破壊されたり(自分からぶつけたり)、車を捨てて到達ルートを探しに行ったりが良くあるので、車を乗り換えるケースは頻繁に出て来る。しかし大抵の車には鍵が付いておらず、サンバイザーを探してみて無ければ、その度に配線を引き摺りだして合っているケーブルの色を探してから、タイミング良くエンジンを掛けるというミニゲームを成功させないとならない。また乗り込む目的がアイテム探しというケースがある為に、今まで乗ってきた車に再度乗り込んでもすぐには走り出せず、ハンドルを握るという操作を常にアクションキーで行わないとならない。なお根は車では到達出来ないエリアに有ったりもするので、長距離を車無しで移動するケースもある。 |