ALONE IN THE DARK
12/10/20
SYSTEM / 操作性
GAMEPLAY
COMBAT / GRAPHICS / PS3版との比較
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製作・販売: Eden Games / Atari
発売: 2008/06
日本代理店: Electronic Arts
概 要 | Alone in the Dark: The New Nightmare(2001)以来の通算5作目となるシリーズ作品。当初は「Near Death Investigation」というサブタイトルが付けられていたが途中で外されている。サブタイトルが取れてしまった事から初代と一緒の名称になった為に、一般的には“5”や“2008”を付加して区別されている。 製作はフランスのEden Games。ここはコンソール向けのレースゲームの製作を主に行っている会社でTest Drive Unlimitedシリーズが有名。販売は当然Atari (Infogrames)から。AITDというビッグネームを採用したにも関わらず前作The New Nightmareの評判は芳しくなく、同じ主人公を使った続編を考えているという話もいつしか立ち消えになっていた。しかし長年に渡る業績悪化の影響で所持していた各種フランチャイズを売り払ったりして凌いでいる状況において、やはり最後の頼みの綱としてはこれしかないという感じで、今回は旧三部作に登場していた本当のカーンビーを引っ張り出してきている。 ゲームの進行構造には独特な形式を採用している。アナウンス時点ではエピソード形式での配信という触れ込みだったが、これは誤解されて伝わったものだそうで、正確にはエピソード形式でプレイされるゲームというのが正しい。アメリカのTVドラマシリーズを意識した物で、いわば『Alone in the Dark』というTVドラマの(シーズン1)DVDボックスの様な形態を模している。全部で8つのエピソードが収録されているが、最初の時点からどのエピソードでも選択する事が可能。そしてメニュー画面はDVDのI/Fの様になっており、各エピソード内のどのチャプターにでも即アクセスを行えるようになっている。つまり特定のセクションをクリアしてしなくても先に進められるというシステムを採用。 その形態から追加エピソードの話は製作期間中から存在していたが、結局はリリースされずに終わっている。売り上げは全機種計で120万本と黒字だったそうだが、Atariの業績はこのゲームの発売近年でも赤字続きだったのでその影響は考えられる。或いは新社長の方針で「モバイルやカジュアル部門へとよりシフトしてHD機市場からは距離を置く」としておりそれが理由だったのか、それともこのゲーム自体の評価が見込みよりも良くなかったので続けるのは止めたのか、現在でも不明である。 Eden Gamesは2011年に大幅リストラ。2012年には閉鎖のニュースがあったが、実際には会社の売却の可能性を含めてまだ閉鎖はされていないそうだ。 Atariの方はwikiを見るとここ数年でも大きな動きがあった様で、その再編の歴史は複雑怪奇。2003年にInfogramesが北米部門の独立したグループ企業としてAtariを設立。そしてこのブランド名を欧州部門にも適用(Atari Europe)。その全ての親会社としてInfogramesが存在するという形態だった。2008年には北米のAtariを完全な子会社として吸収。2009年にはグループ全体の名称をAtariに統一。吸収した子会社の名前を親会社が採用した訳で、現在の北米のAtariは前のAtariとは名前は一緒だが別物という話になる。なおAtari Europeは2009年にバンダイナムコがその傘下に入れているそうである。 プラットフォームはPC, Xbox 360, PS3。日本語版はEAから三機種全てが発売されている。海外では他にWii, PS2でも発売されているが、これは使っている素材は同じだが内容が異なっている。こちらの製作はObscureシリーズのHydravision Entertainment。 日本語版における規制内容だが公式のアナウンスは見付からず。調べた所では三機種全て同じ規制らしく、以下の項目が修正されている(CERO D:17歳以上対象)。 1.一部の血の色が暗緑色 2.カットシーンで弾丸が頭部を撃ち抜いた際に、弾丸が通り抜けた傷口の描写をカット 3.掌紋認証セキュリティ突破の為に切断された死体の腕を使うシーンをカット(最初から扉が開いている) 4.体の一部が欠損している死体を普通の死体に変更 1について補足すると、カーンビーの負傷箇所, 他の人間の出血, 人間型の敵からの出血等は普通の赤色で、カットシーンにおいて飛び散る血と、カーンビーが重傷を負った際に体から滴り落ちる血のみ暗緑色に変更されている。噴出する血の色を緑にする規制といったらドイツが有名であり(Half-Life 2, Left 4 Dead等)、実際にこのゲームも緑色に規制されている(しかしその他の三項目は規制されていない模様)。ただゲーム中にカーンビーが流血するケースは稀だと思われるし(特定のダメージ以外では滅多にならない)、噴出する血のあるカットシーンは確か二箇所だけなので、実際に緑色の血を見る事になる状況は限られている。 日本でも血の色を変更するという規制は存在するがかなりレアだし、一応17歳以上という規制も設定されている。そして上記の様に限定されたシーンでしかそれは生じない点を考え合わせると、「ここは緑色にするべきだ」という強い意図を持って規制された様には思えない。目立たないのでベースとして受け取ったドイツ版の血の色を面倒だとして変更せずに放置したとか、或いは代理店がEAという別会社なので、データだけを送る形で日本語版の製作自体はEden Gamesに委託しており、その辺の行き違いで血の色が変更されないままになってしまったとか、そういった可能性の方が高そうな気がする。なお他に確証を得られなかった規制としては、プレイ動画を幾つも見比べた印象として、日本語版は敵からの出血の赤色が海外版に比べて黒めになっている様に感じられた。 普段は触れないが、このゲームに関しては言語と機種別の違いについても言及しておく。まずは重要な点として、このゲームには全機種共に字幕機能が無い。そして結構登場人物同士の会話などが多いので、海外版だと英語を聞いて理解出来ない限りは話の内容が良く解らなくなってしまう。よってPCでプレイするにしても、それが嫌な人は日本人声優のボイスを収録した日本語版の方にするべきである。(日本語字幕Modの様な物も無い、というか字幕自体が最初から無いのでは改造が困難だろう)。 次にゲームの内容が機種によって異なっている。その辺の事情を説明すると、PCとXbox 360で6月に先行発売されて、その後10月頃にPS3版が出るという予定だった。ところが先に出たPC&Xbox 360版が強い批判に曝されて各所で叩かれ、レビュー点数も低くなってしまうという事態に。ただしその批判の大部分が操作性の悪さについてだった為に、Atariは急遽PS3版発売の延期を決定。そしてユーザーの声やレビューサイトからのフィードバックを基にして、その不味かった部分の大幅改修を実施。先に発売されたPC, Xbox 360版とは違うゲームであるという点を強調する為にAlone In The Dark: INFERNOと名称も変更されて11月にリリースされた。 このPS3版は批判を受けていた操作性関連を中心に相当な部分が修正されており、また新規コンテンツとして新たなパートをも追加している。実際のレビューサイトの評価を見ても、 PC版は54.3%, Xbox 360では61.8%, PS3は72.4%と大きく差が付いている。よってPS3を所持しているなら、PS3版でのプレイの方が理想的である(日本語版にはサブタイトルは付かないが、パッケージは異なる物が使われている)。なおバージョン別の具体的な差異は別項にて詳しく解説する。 問題はここからで、Eden GamesではPS3版は修正バージョンになるというアナウンスの時点から、その修正点を他機種にはパッチとして制作中である事をアナウンス。しかしそこから、「Xbox LIVEにおける無償配信(修正パッチ)のファイルサイズは限られており、修正出来る点は限定されてくる」 → 「改造したPS3版が評価されなければそれをバッチとして配信するのは意味が無く、リリースはPS3版の評価を見てからになる」と徐々にトーンダウン。そして結果的にはこのパッチはリリースされずに終わっている。PC版の方はパッチサイズには制限が無いし無料で配信可能な訳だが、やはりパッチは一切リリースされておらず、発売当時の低評価版のままである。この判断にはPC版だけにリリースしてしまうと、売り上げ的には多数派であるXbox 360ユーザーの怒りを更に増幅させてしまうという考えがあったのかもしれない。 しかしGames on Demandにて発売されているXbox 360のダウンロード版は一部を修正済みという情報があり、PCのダウンロード販売版はどうなのかと思って調べたが解らず。それと全機種の日本語版は半年遅れで修正された海外PS3版の後に発売されている為、もしかすると「日本語版では海外版の修正パッチは適用済み」のパターンも有り得るかと思って調べてみたのだが、共にPC日本語版を使用したレビューを掲載しているメジャー所のGAME Watch, 4Gamerでは、どちらも「操作性の悪さ」, 「高難易度」という評価は共通しているので、内容は修正はされていない様だ。Xbox 360版の方は日本語版によるプレイ動画を数種類見てみたが、どうやらこちらも未修正のままである。 海外リテール版は既に販売を停止しており、再発もされていない。だがeBayではまだ多数出品されており、入手は比較的容易な部類だと言える。日本語版の方はまだ製造しているのか不明だが、現在amazonを見る限りは在庫は多数有るようだ。 ダウンロード販売の方はGamersGate, Game Planet等で実施中。 PS3日本語版プロモーション映像。声優の喋っている所も聞ける。若干のネタバレありなので注意。 |
STORY | ニューヨークのマンハッタンに存在するセントラルパーク。19世紀の半ばに市民の憩いの場として設立されたこの巨大な公園の地下には、実は隠された秘密が存在していた。 主人公のEdward Carnbyは超常現象に関わる事象を手掛ける探偵で、彼の活躍は旧AitD三部作としてまとめられている。今回は三部作の後に失踪を遂げていたそのカーンビーが現代のNYに蘇ったという設定になっている。(彼がどうなっていたのかや、蘇った原因等についてはストーリー内で明かされる)。 何者かの一団に捕らえられている状態で目を覚ましたカーンビーは、一緒に居たTheophile Paddingtonなる老人と共に処刑されそうになるが、生命体の如き謎の“亀裂”によって運良くその手を逃れる。しかしこの亀裂はNY市街を破壊し始めると共に、人間にも取り憑いて他の者を襲うようになっていた。 自分の名前を含めて一切の記憶の無いカーンビーは、彼がここに存在する理由を知っているというテオと、途中で知り合った女性サラと共に、亀裂による破壊を止める為にセントラルパーク内を奔走する事になる。 |
PATCH & DEMO |
パッチやデモはリリースされていない。 | |||||||||||||||
動作環境 & トラブル |
DirectX 9.0c以上要 先にインストールについて簡単に説明。インストールする場所を変えるには、最初の画面表示の際に隅に小さく出るカスタムインストールのチェックボックスを使わないとならないので注意。コピープロテクトにはSecuROMを使用しており、初回起動時にオンラインへとの接続が必須(認証後はオフラインでプレイ出来る)。シリアルキーによる認証に成功すると起動に必要なファイルをダウンロードしてプレイ可能となる。ダウンロード販売版でもSecuROMを使用する点に変わりは無い。 同時インストール可能台数は2台まで。アンインストール時に自動的に登録が削除されるが、マニュアル操作での登録台数削除ツールも提供されている。なおリテール版をプレイする際には正規DVD認証が行われるので、登録後もDVDがドライブに存在する必要がある。認証のトラブルについてはFAQや、別のやり方(マニュアルアクティベーション)が設けられている。トラブル多発で有名となったBioshockと同時期なので、こちらも同じくトラブルが結構有ったのではないかと想像される。 ちなみに日本語環境下でインストール&起動するとメニューは日本語で表示される。どうやら一部日本語がファイルに含まれており、それを認識してしまうようだ(言語設定ではイタリア語になっている)。だが説明文等が日本語で見られる反面、データが無くて表示が抜けている部分もあったりと制作途中のレベルらしく、何よりこの状態だと音声が一切出なくなってしまうので、言語設定を英語に直してプレイするしかない。 OSについては注意が必要で、対応はVista及びVista 64まで。検索してみるとWindows 7の64bitでは動作に問題があるという情報が見られる(32bitでは問題が無い模様)。動かない訳では無く、デフォルトの800x600以外の解像度にすると起動時に正常に動作しないという話のようだ(解像度を変えたら再起動しないとならない仕様)。GameTap, Amazon等に書き込みがあり、今後も情報が増える可能はある。ただしこれがOSの影響によるものなのか、新しいビデオカードやドライバとの絡みによるのかまではデータが少ないので判らない。 Xbox 360コントローラーに対応。これ以外の製品は認識しないようである。それと非公式360ドライバでは認識しないので注意。デフォルトのドライバに戻さないとならない。キー設定画面にて何かボタンを押すと、「コントローラーのデフォルト設定に変更しますか?」と聞いてくるので、了承するとデフォルトのボタン配置に切り替わる。なおこれは別項でも触れるが、このゲームはコントローラーでの操作を基本として考えられている為に、キーボード+マウスの操作ではやり難い箇所が出て来る恐れがある。よって通常操作はそれでやるとしても、いざという時の為にコントローラーは有った方が良いのは確か。 Atariの業績不振と、それによってHD機市場から遠ざかっている事が関係していると想われるが、過去のゲームのサポート頁などが消えたりしている状況にある。重要な情報源となるAtariの掲示板も、何時からかは不明だが統合作業中と書いてあるだけでアクセス出来ない状態。ただしそれ以前にアクセス出来ていた頃でも、このゲームに関しては有用なサポート情報がほとんど無いという状態だった(メーカー側からの返答が無い)。よってトラブル発生時の情報集めは難しくなっている。 *ゲームが起動しない デスクトップでのスピーカーの設定を2chにする。或いは逆に2chから5.1chのサラウンドにするといったテストをしてみる。 |