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シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度は 初級 / 中級 / 上級 / 地獄 の四種類。プレイ途中での変更は出来ない。難易度により回復アイテムによるHPの回復量が変化するが、敵の出現数等のそれ以外の変化が在るのかは未検証。


セーブ&ロード
 セーブはバイオハザードにおけるタイプライターと同じく、特定の場所に置いてあるアイテムを使って行う。このゲームではそれはTVセットとなり、その前でUseすればセーブが可能となる。セーブするのに手持ちのアイテムは必要無いのだが、一回使用すると壊れてしまう物と何回でも使える物が存在している。セーブスロット数は全15個で、日本語版でも半角英数以外の文字は付けられない。


OBJECTIVES
 現在の具体的な目的は表示されないし、方向指示のガイド機能も持っていない。


EXTRAS
 ゲームをクリアすると全ての武器&魔法やアイテムを持った状態でリプレイが出来るモードがアンロックされるが、セーブデータを戻してテストしても普通の状態でしかプレイは開始出来ないので、実際にクリア後にのみ選択肢が出るのかもしれない。


英語
 英語版は字幕機能を持つ。日本語版は必要性がないという意味なのだろうが無し。

 表示関連の日本語翻訳の質は酷い場所も目立ち、ゲーム或いは英語自体を大して知らない人間が行っているとしか思えない様な所もある。例えばメニューではクオリティの選択に「ロー / メディア / ハイ」となっているが、真ん中は“ミディアム”とするべきであってメディアでは無い(複数形でメディアとなる)。次に「タイトルを閉じる」という意味不明なOn/Off選択オプションが在るのだが、これは実は字幕表示を行うかどうかの選択肢で「クローズド・キャプション」を直訳したらしい。(翻訳を行う人間でクローズド・キャプションを知らない人間がいるとは思えない)。その他では「オーディオ環境」というOn/Off選択オプションが出て来るが、明らかに日本語として意味不明である。これはEAX等の3Dサウンドの選択で、“environmental audio”の意味を知らないのだろう。


GAMEPLAY
 初回プレイでのクリア時間は10時間程度。ただしゲーム全体のボリュームはそれ程多くないという印象で、コンソールのアクション物に多いタイプだが、「初回プレイはシステムに慣れるまでと謎解きに時間を費やすのでそこそこ時間が掛かるが、一度どうやってクリアするのかが解ってしまうとかなり短時間でもクリア可能」という物。ちなみにゲームのマニュアルによれば最短で2.5時間程度でクリア可能とある。

 宣伝の謳い文句によると70以上のロケーションが在るという話だが、実際にはそれだけ在ったのだとしても狭いエリアが多いので広さは感じられない。ゲームの冒頭である邸宅の庭のエリアは確かにある程度広いが、その後は狭いエリアを行ったり来たりとか閉塞感を覚える場所が増えてくる。時間が掛かるとは言っても、謎解きの為に同一エリア内をうろつき回っている状態も多い。結果的には異なるロケーションの数は少なく、そのボリュームについても各々が短いという感想で物足りなさが残る


 ゲーム性はアクション・ホラーと呼ぶのが一番適当だろう。バイオハザードシリーズとの関連性も確かに感じられるが、サバイバルホラーと呼ぶほどにはシビアなバランスではない。主人公は比較的強めの設定でアクションの要素が強くなっている。当初は謎解きとアクションの要素を半々にしようと計画していたそうだが、テスターの反応から7:3でアクション寄りのバランスに変わっていったそうだ。


 DIの最大の特徴はぶっ飛んだその背景設定にある。ゾンビや悪霊の類を相手にして主人公が戦うというゲームは珍しくもないが、それがTV番組として生中継で放映されているという異常性によるインパクトが殊の外強い。主人公のデーブにはほとんどのケースで一緒にカメラマンが付いて回っており、彼の戦闘を中継先のスタジオへと送っている(他に彼の背後に付いて回るスパイカメラが存在する)。そのアクションに応じてスタジオの客はどよめいたり、敵を倒すと歓声を挙げるという有様。またプレイ中に時々スタジオ映像やジャックのコメントが別画面として割り込んできたり、敵を格好良く倒すとカメラが周囲を回転してスローモーションになるという演出も加えられていたりと、そこには一般的なホラー物が持つ怖さとはまるで異なった雰囲気が満ちている。デーブ自身も饒舌というレベルでは無いが、挑発的な言葉や敵を倒すと捨て台詞を残したりと、サバイバルホラーにおける死への緊張感に怯える主人公とは一線を画した人間として描かれている。

 司会のジャック・T・リッパーもくせ者として良い味を出しており、デーブと時々会話してアドバイスを与えたりもしてくる。ただし彼は視聴率至上主義なので、客に喜んで貰おうとあえてデーブを危険な方向へと誘導してみたりと完全な味方ではない。なおデーブが死んでゲームオーバーになると、「では次回は心理捜査官XXXを迎えてお送りします。お楽しみに!」という風に番組が終わったりするのも面白い。

 以上の様なその類を見ない異様なシチュエーションこそがこのゲームの最大の魅力となっており、個人的にも最も高く評価している点になる。その反面ホラーとしての恐怖感は強くない。驚かせる様な演出はあるが、TV中継している事から不気味さが打ち消されており、その辺に期待する人には向かない物となっている。


 ただしTV中継されているという点のゲームプレイへの影響度については不満も感じられる。デーブに付いて動く事から当然カメラマンは敵の攻撃に晒されてしまう訳だが、彼は一切攻撃を避けないので不自然である。そしてそのダメージによって死んでしまう事もあって、この場合にはライブカメラの映像が途切れる状態になる(新エリアに入ると別のカメラマンが来る)。その結果デーブが上手く敵を倒した時に表示される視聴率メーターの上昇が発生しなくなる。しかしこの視聴率が下がるとプレイヤーにどういう影響が発生するのかが分からない(マニュアルにはカメラマンを守れとはヒントとして書いてあるのだが)。この辺はもう一歩突っ込んで何か視聴率と連動した面白いシステムを採り入れて貰いたかったと思う。


 パズルのクオリティについては特に面白い物は無く、出来が良いとは言えないレベルである。Daveでないと開かないドアとか、逆にDevaでないと通れない場所を設けたり一応工夫はしているが、単純にマップ内の何処かに置いてあるアイテムを探して持ってくるというシンプルな物も多い。そしてマップには迷い易い場所があるし、必要なアイテムが見付け難かったりというケースもあったりとストレスが溜まる箇所も。或いは見た目が何でもない箱がUseで開いたりと意地の悪い謎解きもあり。それとこれは確実ではないのだが、必要なアイテムを手に入れていない状況で戻れないドアを通れてしまってデッドエンドというシチュエーションも発生するらしい。


 操作性はあまり宜しくなく、ここはDIの弱点の一つである。キャラクタが移動中に何でもない場所で(ポリゴンの傾斜等に)引っ掛かったりが結構発生するし、アイテムをUseする際の立ち位置の判定もシビアな部類である。更に武器を仕舞わないとUse動作が出来ないという制限があり、これはかなり面倒な設定となっている。アイテムを呼び出すTomb Raider風のリングメニューも、カーソルキー操作固定の上に使い勝手が悪い。

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