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GAMEPLAY

*三人称視点固定で一人称には出来ない
*ズームすると肩越しの視点になり、これは位置によって左右が切り替わる
*ズーム視点以外では照準が表示されず命中率も落ちる
*カバーの背後から顔を出さずにBlindfiringやBlindthrowing(グレネード)も可能。命中率や飛距離は大きく落ちる。
*照準のサイズは常に固定だが、弾は武器によって散ばる
*Melee Attack可能。Lancerだとチェンソーが作動する。
*敵に照準が合うと赤く色が変わる
*ジャンプは出来ない。しゃがみ動作もカバーの陰以外では不可。
*一定時間身を屈めて高速でのダッシュ移動が可能(Roadie Run)

 HPの表示は無く、回復キットも存在しない。ダメージは自動回復方式を採用しており、攻撃を受けると段々と画面中心のマークが赤くなって行き、隠れて攻撃を受けなければ徐々に回復するというシステム。どれだけのダメージまでに耐えられるのかは難易度によって変化する。


 ゲームのデザインの根本はカバーに隠れながら攻撃するというスタイルである。(マイナーなゲームだがKill Switchから影響を受けたと話している)。カバーの背後からズーム視点にすると肩越しの視点になり、そこから撃っては危なくなったら身を潜めて回復を待ち、他のカバー地点へと移動したりして戦って行くというゲーム性。ダメージへの耐性は低く、難易度がCasualでも普通に立ったままで向かい合っての撃ち合いは危険というバランスなので、必然的に隠れながらの戦いとなる。
 しかし物凄くシビアなゲームという訳でもなく、ダメージの回復が幾らでも自動で行われるので、隠れては撃つを繰り返すならばそう簡単には死なない。攻撃面ではかなりの弾を撃ちまくるという傾向が強く、アクション性も高い物となっている。この辺のユニークなバランス感覚がXbox 360にて高い評価を受けた理由の一つである。


 ゲームのボリュームはPC版では追加チャプターが加わったとは言え8-10時間程度と想定される。難易度によっても結構差は出るはず。チェックポイントの間隔はそれ程空いていないので、多くの場面では死んでもそれ程のストレスにはならないと思われる。ストーリーは特に捻りも無く単純な物であり、詳しい背景説明がある訳ではないのでよく意味が分らない面が有るのは問題。ムービーはゲームのエンジンを使った物だが、分量としては全体では結構長い時間用意されている。

 進行はほぼ一本道となり、エリアを次々にクリアしながら前に進んで行くという形式。所々に分岐ルートが設定されており、どちらを選択するかで異なったルートを進めるようになっていてリプレイ性が考慮されている。マップには広場の様な場所も含まれるが全体として細く長く続いているという感があり、脇道も少ないので狭くて広がりが無いという印象。設計として通れないとされている場所は見た目には通れそうでも透明な壁にブロックされてしまう。


 カバーを含めたアクションの操作は単純化されており、基本的には一つのアクションボタンで大半の動作を行えるようにデザインされている。PCだとデフォルトではスパースバーがそれに当たる。

*カバーの背後で押すとそこに隠れる。再度押すと離れる。
*カバー中に前進キーとの組み合わせでカバーを乗り越える
*カバーの端から押すと隣のカバーへと素早く移動(SWAT Turn)
*移動キーとの組み合わせてローリングダイブ
*前進中に押すと屈みダッシュ(Roadie Run)

 またUnreal Tournamanetではお馴染みのドッジ操作を可能にしており(オプションから有効にする必要あり)、移動キーを素早くダブルタップする事でダイブ動作等が可能になる。


 行動は部隊制となり、4人チームで行動するシーンと2人ずつの二手に分かれるパターンが混在していて、基本的に単独で行動する箇所は含まれていない。自分がリーダーとなるACT 2以降は指示コマンドも可能となり、(Regroup, Attack, Defense)の三種類の命令を出す事が可能。ただしデザインとして味方AIは自動制御という色が強く、特に指示を行わなくても勝手に動いてくれる。別の言い方をすれば部隊制御の面白味は薄く、たまにコマンドが有益になるシーンが在る程度。指定した敵に制圧射撃の指示を出してその間に回り込むような真似は出来ない。

 味方は規定以上のダメージを受けるとその場で倒れて動かなくなり(死亡は無い)、画面上にもその状況が表示される。放って置いても長い時間が経過すれば自動的に復帰するが、必要な場合は近くに寄ってUSEキーで瞬間的に復帰させられる(これはAI同士が行うケースも稀にある)。なおそのエリアの敵を倒し切ればその瞬間に復帰するようになっている。移動についてはチェックポイントに到達すれば、どれだけ離れた位置にいたとしても自動的に合流状態になるという設定。

COMBAT
 戦闘のパターンはカバーに隠れながらの戦いがメイン。敵が銃器を持った兵士の場合にはほぼこれになる。ダメージエフェクトが強くなると周囲が見え難くなるので危険だし(特にロケットやTorque Bow)、ズームを止めても瞬間的に隠れられる訳ではないので(その後被弾する可能性あり)、引っ込むタイミングは考えておかないとならない。

 それ以外にモンスター系の敵が存在しており、Wretchesと呼ばれる小さな飛び跳ねて迫って来る敵相手のシーンでは、直接向かい合っての戦闘になる事が多い。こちらは接近されたらダイビングで飛び退いて避けながら攻撃といった感じで、アクション性が高くアクセントとして上手く働いている。他にはボス戦を含めた特殊な状況での戦闘シーンが幾つか設定されている。例えばKryllという暗闇を好むコウモリが居る箇所では、明かりの無い場所に踏み込むと攻撃されて死んでしまうので、明かりを作りながら進めて行かないとならない。

 ロケーションやシチュエーションを次々に変えたりはしているが、基本的にはカバーの背後から撃っては隠れての繰り返しが大半となる。変化にしても扉をロボットのJackが開けるまでの間その地点を守ったり、Troika(固定式マシンガン)の攻撃を避けて迂回ルートを進み背後から攻撃するといった定番が繰り返される感じで、その辺は全体的に繰り返しが多く単調な感は否めない。それと難易度が高くなって来ると憶えゲー的な面が強くなり、パターンが判っていないと厳しいという箇所が多くなる。また武器が2個しか携帯出来ないので、先の状況が判っていないと的確な武器選択が難しいというのも感じられた。


 ではどの辺がGoWの面白さなのかと言うと、まずはAIの動きがダイナミックであるという点が挙げられる。スクリプトによる登場パターンは一緒なのだが、そこからの「どこにカバーに付くのか」、「どういったルートを通るのか」についてはランダム性が高くなっており、繰り返しのプレイになった際の単調さを救っている。頭が良くて的確なカバーや戦法を使って来るというのではないが、自由に動けるという点は効果的に働いている。

 次に前に出るか下がるかという戦略性を持っている。最もよく使用するアサルトライフルは弾がバラけるようになっており、敵も結構タフなのでそれなりに弾を浴びせないと倒せない。よって出来るだけ前進して近付きたいのだが、あまり前に出てしまうと敵の方の弾も当たり易くなるし、カバーの横方向に居る敵から攻撃を受けてしまう危険性も出て来る。それと敵が地下から湧き出て来るEmergence Holeと呼ばれる物が存在しており、これが出現するシーンではグレネード等の爆発物で塞いでしまえば以降の敵の出現を止められるというメリットがあるので、危険を冒してでも近付いて潰しに掛かるかどうかという選択も重要となる。味方がどの位置に動いているのか、どれだけ生き残っているのかによっても的確なカバーの場所は変わって来るので、その辺をリアルタイムで考えながら動いて行くのは面白い。

 そして敵のプレッシャーによる緊張感。難易度が上がるほど敵はこちら側に対してプレッシャーを掛ける形で前進して来るようになっており、カバーに付いているとそうやって進んで来た敵からの真横や後方からの攻撃が死角になるし、前からでも銃器を持った兵士に近付かれての戦闘は危険度が高い。よって出来るだけ近付けない様にして戦わないとならず、広い範囲から敵がこちらに向かって来る場合にはプレッシャーを感じながらの戦いとなって緊迫感が生まれている。


 数少ない操作キーで多彩な操作を行えるという点はこのゲームの売りだしそれなりに機能はしているのだが、単純な分誤操作も起きてしまうという問題点を抱えている。カバーから離れたいのにSWAT Turnが発動してしまって隣のカバーに移動してしまったり、突然カバーしたくないのに張り付いてしまったりが発生。特に死にそうなので逃げたい時に誤操作が発生して死んでしまったりするとストレスが溜まる。
 また単純な為に可能な動作が限られており、例えばジャンプが行えないので障害物を越える際には、一旦カバーで張り付いてから乗り越え動作を実施しないとならない。高速移動は屈んでのダッシュしかなく、この時は視点が変化するので周囲が見え難いし方向も変え難い(酔うという人もいるようだ)。長い距離を単に移動だけする際には面倒となる。

 トレードマークでもあるLancer Assault Rifleによるチェンソーでの攻撃は、シングルプレイにおいては特別に必要という物ではなく、どれだけ使うのかは個人の好みによるだろう。確かに硬い敵を倒せたりと利点は在るのだが、反対に弱点も持っているので危険である。単純に回転させて敵に突っ込んで行けるバランスなら良いのだが、ダメージが高いこのゲームでは銃を撃っている敵にこうやって接近すると切りつける前に死んでしまう可能性が出て来る。また接近して来た敵に使うにしても、敵の攻撃を受けてしまうと回転がキャンセルされてその後数秒間は再動作が出来なくなってしまうので、そのままやられてしまう危険性を持っている。(一方で切り付けている時はカメラが動いたりするが当たり判定が無くなる)。近距離戦ではショットガンやマグナムを使用した方が安全性が高く、切り付けるタイミングに自信が持てるまでは使い難い武器となっている。


 難易度のバランス調整は問題を感じさせる点の一つになる。最初に選択可能な難易度がCasualとHardcoreで、普通のゲームにおけるNormal(Medium)が存在しないが、感覚的にはCasualが開始時点のEasyから後半はNormalへ、Hardcoreだと開始時点のNormal程度からHardへと変化して行くという風で、全体の長さに比して難易度の変化が大きくなっている。ACT 1は簡単という印象なのだが、ACT 3辺りから難所が増え始めて、ACT 4,5辺りは難易度が最初に比べて相当上がって来るので、Casualでは簡単だろうと考えていきなりHardcoreからプレイすると後半が難しくなるし、かと言ってCasualだと前半が物足りないという風になってしまう。

 そして重要な点として、ゲームの面白さが難易度と深い繋がりを持っているという事も考えないとならない。例えば同じ自動回復システムを持ちマルチプラットフォーム対応でもあるCall of Duty(2,4)と比較してみる。CoDは4つの難易度を持ち、それによってプレイの感覚は大きく異なって来るが、どの難易度を選択するのかは個人の好みである。簡単だと感じても当人がそれを面白いと感じれば問題無い。ところがGoWは(難易度に関わらず)プレイヤーに取って簡単だと感じるバランスだとゲーム性自体が破綻してしまうという面を持っている
 普通は「難し過ぎず、易し過ぎず」が適切な難易度となるのだが、ゲームによってはプレイヤーがちょっと難しいと感じる程度が最も適切なバランスであるゲームも存在しており、例えばPCではリアル系と呼ばれる特殊部隊物等がそれに当たる。こういったゲームでは一番下の難易度でもそれなりに難しいという設定が多く、それはプレイヤーが簡単だと感じる難易度はゲーム性から行って必要が無いし雰囲気にもそぐわないという理由からである。

 このGoWでも同じ様な事が言えて、プレイヤーから見て簡単に敵を倒せてしまうバランスだと以下の様な問題が発生する。

*敵が接近してくる前にクリア出来てしまうのでプレッシャーによる緊張感が失われる
*カバーから積極的に動かないでも倒せるという感じになると、動きが減少するので単調さに拍車が掛かる
*売りの要素であるアクティブ・リロードも、敵を早く一掃しないとならないというプレッシャーが無ければあえて狙って行く意味が薄くなる
*Wretchesとの近距離戦でもダイブして避けながら戦ったりが少なくなるのでアクション性も緊迫感も無くなる

 といった具合で、プレイヤーがやや難しいと感じる程度には難易度が保たれないと、ゲームの面白さの多くの部分が損なわれてしまうようになっている。それ故に難易度の調整は非常に重要となるのだが、そこまでケアされて調整されているとは思えなかった。難易度を途中で変更可能なので救われてはいるが、もっと数多くの難易度設定を設けるべきだったと感じる。要は「このゲームは普通か簡単な難易度」と感じるような状態でプレイしている人に取っては、本来の姿よりも数段詰まらなく見えてしまうという問題を持つという話である。


 幾らでも100%の状態まで回復が可能という設定は戦闘のテンポを良くするのでスピーディーになるし、回復キットを探し回るという面倒さも無いという利点を持つ。しかしその代償として問題点も生み出してしまう。Hardcore以上の難易度の場合、敵のロケットや爆弾弓の攻撃を受けると一発で即死する。後半はこれを持った敵が出るケースが多くなるので難易度が一気に加速する傾向にあるし、どれだけ上手く立ち回っても一発死でやり直しになるのでストレスにもなり易い。

 回復キットを使うタイプのゲームであれば、Casualならダメージが50でHardcoreなら80といった具合に差別化が可能である。しかし隠れさえすれば全回復してしまうシステムだと、ダメージが50だろうが80だろうが大差が無い。当たった時点で隠れてしまえば元に戻ってしまうからだ。(連続して他の攻撃を受けない限りは死なない)。よって難易度を上げるには着弾即死にせざるを得ないとなり、それが難易度を高くする原因となっている。


 味方AIはそれ程役に立たないし、また動きがランダムなので同じシチュエーションでも効果的に働いたり全くダメだったりと差が大きい。指示コマンドは成功すると非常に効果的だが、細かく指示は出来ないので成功するかは確率の要素も絡んで来る。AIはあまり銃撃の精度は高くないのだが、敵が多い際にはAIが居るとその狙いが分散されるので、その意味で生き残っている味方が多いというのは有利にはなる。よって敵が多く残っている場合には、危険を冒してでも救いに行くというのは有効な事が多い。それと彼等が得意とするのは一対一での戦いなので、チェンソーを使えるので強敵が一体だけ残った際に向かわせて戦わせるのには役に立つ。(爆発系のダメージを受けないというのも有効)。その他の動きの問題点としては自分が使いたいカバーを先に占領してしまったりや、攻撃時に前に出て射線を遮ったりする事だが、それ程頻繁には発生しないので許容範囲だろう。

 敵のAIは先にも書いたように、常に状況を考えて動いて来るというレベルではないが、動きにランダム性が高いのは利点となっている。一応味方が少なくなると退却して後方に位置したりはあるようだが、部隊での連携した動きというのは実現されていない様だ。欠陥としては時々こちらが近くに居るのに見失うケースが有る点。それと暗闇に入ってしまうとコウモリの攻撃を受けてしまう場所でも、それを一切考慮せずに進むので自殺してしまうという点。

PCへの移植
 これまでPCにおけるFPSのジャンルでUnrealシリーズによって地位を築いたEpicの作品という事で、このゲームは三人称視点のTPSでありながらFPSゲーマーにも非常に注目されていた。TPSゲームだとよっぽどの話題作か傑作の評判でもないと多くのFPSのファンからは興味を持たれないので、その意味でこのGoWはここまでFPSゲーマーに待ち望まれていたTPSは過去に無いと言えるかも知れない。確かにこれまでにもFPSのファンから評価を得ているTPSは存在するが、それ等は「メインとなる面白さがシューティング部分では無い」というケースがほとんどである(例: GTA3, MafiaHitmanSplinter Cell等のステルス系)。しかしGoWはシューティング部分がメインのゲームであり、その意味で上記の様なTPSとは異なっている。

 しかし結果的にPC版のGoWには、「期待していた程ではなかった」、「面白さが良く分からない」といった批判的な意見も出たりしていた。個人的には普段TPSも結構プレイしているので特別に妙な感覚は無く、TPSはTPSとして楽しめたと思うのだが、ここではFPSのファン視点から見た時のGoWの問題点について考察してみたい。具体的にはマウス+キーボードでの操作におけるGoWというテーマでの話となる。


 プロデューサーのCliff Bleszinskiは、根本的にGoWをコントローラー(ゲームパッド)でプレイする為のゲームとしてデザインしており、全ての調整もそれを基にして行われている。PCへの移植に当たっては彼自身のチームが担当しており、当然マウス+KBの組み合わせというFPSゲーマーが慣れ親しんでいる操作方法に合わせた調整も実施されてはいるのだが、残念ながらそれはあまり突っ込んだ部分までは行われてはいない。(もしXbox 360のコントローラーを使用した場合はXbox 360版と同様の操作性になる。またこれはゲーム中に切り替えてもリアルタイムで行われるそうだ)。

*エイムのアシスト機能は必要性が無いので解除
*正確性を落とす為に、武器によって連射時に銃が反動で跳ね上がる様に修正
*スナイパー・ライフルを使用している際に被弾した場合、大きく照準が揺れ動いてしまうように修正
*被弾した際にカメラが揺れる動作を追加(マルチプレイ)

 以上が具体的に明らかにされている変更点だが、問題はこの調整がそれ程上手く行っていないという点にある。ハッキリ言えばこの調整はカジュアルなPCゲーマー向けの調整であり、コアなFPSゲーマーを対象にはしていない。これにはそもそもコアな層を狙いとしてデザインされたゲームではないのでそこまでの修正は難しいし、また徹底して調整しようとするとコストや時間的な問題が生じるというのもあると思われる。


 マウスは瞬間的に正確に狙いを合わせるのに適したデバイスだが、逆にそれがリアルさを重視したFPSにおいては問題を引き起こすケースもある。現実には銃で狙いを付ける際に銃身を素早く大きく左右に動かしながらも、撃つ時にはそれをピタッと静止させるのは困難なはずなのだが、マウスを使うとそれが出来てしまう。よって普通はそれを実戦に近付ける為に「照準がユラユラと揺れる」, 「撃つと反動で照準が跳ね上る」, 「照準は動かないが弾は大きく散ばる」といった調整で雰囲気を出すようにしている。一方のアナログスティックによる照準では、正確な狙いの付け難さがそのまま現実の銃の狙いの付け難さをシミュレートしているかの様に働くという利点があり、それがXbox 360版では上手く機能していたと思われる。
 しかし上記の様なPC版向けの調整ではマウス操作に慣れたFPSゲーマーには不十分となっており、制作側が意図しているよりも高い精度で狙いを付ける事が可能という状態である。完全なアクションTPSならそれでも良いのだが、タクティカルな要素を含んだGoWではそれがゲームのバランスを崩す方向に働いてしまっているのだ。

 アナログスティックでの操作では、大きく左右に照準を振りながら戦うというのは難しくなる。よって現在照準を合わせている敵から大きく離れた位置にカバーを離れて移動中の敵が居ても、わざわざそっちへと照準を動かさずに当面の相手を狙いがちになる。同様にプレイヤーから見て水平方向に走って行く敵に照準を追随させるのは(強いアシスト機能でも無い限りは)難しいので、カバーに隠れて動きを停止した状態の敵を狙うという傾向になっていく。しかしマウスならばこういった水平方向への素早い動きが可能なので、カバーを離れて移動中の敵が居れば素早くそこへ照準を移動させて積極的に狙って行くという戦法が取れる。それとダメージが高いヘッドショットもマウスの方が狙い易い。結果的にマウスでは制作側の想定以上の正確性で敵が倒せてしまうので、バランスが崩れるという結果になってしまう。またこれはプレイヤーが早期に敵を倒す確率を高めるので、味方AIが役に立たないという印象を強めるという副次的な問題点をも生じさせてしまうと言えよう。
 コントローラーでの操作を考慮しデザインとして意図的にそうなっているのだが、上下方向の戦闘が少ないという点も簡単になっている理由の一つ。左右方向に加えて上下方向へと照準を頻繁に動かさないとならないシチュエーションが滅多に出てこないので、そういうシーンがよく出て来るFPSに比べると狙いを付けるのが楽に感じられてしまう。その他としてはPCでは精細に表示されるモニター画面を近距離から見ているので、ズーム視点で無くても敵の位置の発見が早いというのも難易度を下げている原因と言えるだろう。

 更に具体的に武器別に見てみると、第一にスナイパー・ライフルが強過ぎるという問題が挙げられる。通常のFPSでは照準の位置に正確に着弾するタイプのライフルはあまりに強力となるので、照準が揺れ動いて狙い辛いといった調整が行われるのだがこのゲームにはそれが無い。「構えた状態で撃たれると大きく揺れる」, 「リロード時間が長い」という調整は行われているが、それぞれ「敵が気が付いていない状態から撃つなら問題ない」, 「アクティブリロードすれば短縮が可能」という件があるので、使い難い方向への調整が不十分という印象。弾が結構豊富に手に入るという利点もあり、バランスとして強力過ぎる事になっている。
 ショットガンも調整が上手く行っていない。例えば死ぬと爆発するWretchesが頻繁に登場するシーンはHardcore以上では難所とされているのだが、マウスとKBの組み合わせだと逃げながらも正確に敵へと照準が合わせ易いので数段難易度が落ちると思われる。FPSの視点からすると、もっと装弾可能数を減らすとか連射速度を落とすといった調整が行われるべきバランスに感じられた。

 以上の様な点から、結果的にマウス操作に慣れたプレイヤーからはゲームが簡単になる傾向が強くなる。しかし上に書いたようにこのGoWにおいては、その人にとってちょっと難しく感じられる程度以上の難易度でないと、ゲームの面白い部分が損なわれてしまうという問題があり、その辺がFPSゲーマーから批判を浴びた大きな原因ではないかと考えている

 私自身も取り合えずCasualから開始したが、正直に言ってしまうとACT 1の途中でもう飽きてしまった。単にカバーの背後から左右にマウスで照準を動かして遠くの敵を撃ち続けるだけのゲームという印象が強かったからだ。実のところACT 1は練習的な意味合いが強くて簡単なバランスになっているのだが、マウスでのエイムではそれよりが顕著に現れてしまうように思える。その後ACT 2は変わったシチュエーションで戦うセクションとなり、ACT 3はマップとして雰囲気が変わるので興味が繋がり、難易度的にも1よりは高くなっているので面白くもなって来た。その後のACT 4&5は一般的な状況での戦いに戻ったが、この辺からは難易度が上昇するようになり純粋に戦い自体が面白くなって来るのでそのまま最後までプレイする事が出来た。FPSに慣れたゲーマーに対してはACT 1程度の難易度はもっと早目に切り上げるようにして、ACT 4&5程度の難易度が早い段階から現れるのが適当だと感じられる。

 FPSに慣れているならいきなりHardcoreから開始しても良いと思うし、それで後半難しくなって来たら何時でもCasualに切り替えられるのでそうするという姿勢が良いかも知れない。Casualでプレイして途中で飽きたら、4辺りに入るまでは我慢して続けてみるか、即座にHardcoreに切り替えてプレイしてみれば良いだろう。

 なおFPSゲーマー向けの難易度として、マウスの照準に合わせて敵の移動速度をもっと速くするといった調整は考えられるが、そうしてしまうとこれをXbox 360と同じくコントローラーで行うプレイヤーに合わなくなる。結局FPSに慣れたプレイヤー向けに合わせようとすればゲーム全般の設定を変えないとならず、コントローラー操作が前提で制作されたTPSをそこまでは変えられないという話になってしまう。

問  題  点
 その他で言及していない点について箇条書。


 ボス戦に工夫が無いように思える。同じパターンが使われるケースもあるし、やけに簡単だったり逆に難しかったりとバランスも悪い。Brumakとの戦いの様に、強力でこちらに迫って来る相手に純粋に武器を使ってフィールドで戦うというシーンを増やした方が良かったのではないか。

 Vehicleを運転して戦うシーンが一箇所含まれているのだが、これなら入れない方が良かったと思える程に出来が悪い。Vehicle自体の操作感もオモチャの様に軽い感じで悪印象。

 特に難所に多いので余計にストレスに感じるのだが、セーブ地点の後にムービーが流れたりと変な所で切られているケースがある。例えば、飛ばせない通信シーン→役に立つ武器の場所に行って入手→再び通信シーン、でやっと戦闘になる。死んでしまうとまたこれを繰り返さないとならず、何故最後の通信が終わった所でセーブされないのか大いに疑問。

 ムービーのキャンセルが出来ない場合がある。またキャンセルの方法が場合によって異なっており、アクション, USE, ESCキーとバラバラ。

 物理エンジンを導入してラグドール処理を採用しているが、死体が非常に軽い。移動中に触れると簡単に動いて飛んで行ってしまう。おそらくAIが移動中に引っ掛かるのを防ぐ為にそうなっているのだと思うが、AIに対しては当たり判定を無くすという方法でも良かったのではないか。また死んだ際に妙な方向へと飛んで行ってしまうのも見受けられる(銃弾で後ろに押されていたのに、死んだ瞬間に前に飛んで来るとか)。

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