GEARS OF WAR

                                 14/08/08


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製作・販売: Epic Games / Microsoft Game Studios
発売: 2007/11
日本代理店: 無し




※08/01/01 レビューを掲載
※10/04/09 Games for Windows Live関連の修正
※14/08/08 Vista以降のOSにて起動しないケースへの対策をトラブルの項に追加

概  要  2006/11にXbox 360用に発売されたゲームのPC移植版。オリジナル版は合計で400万本以上の売り上げという大ヒット作となり、今だに売れ続けてXbox 360の中でも知名度が高いゲームとなっている。制作したEpic GamesはUnrealシリーズの制作会社としてPCで有名な会社だったが、これは同社としても最大のヒット作となった。メディアからの評価も極めて高い。

 製作エンジンはXbox 360とPCで共通だし、初期の段階はPCで動いていたゲームでもあるので(Xbox 360のハードがまだ完成していない時代)、Xbox 360版の発売後はPC版発売の噂と、何時発売してくれるのかというユーザーからの要望が絶えなかった。Epic側は「いずれは出ると思うがまだ先だろうし、今年の末はUT3が控えているので」と話していたのでまだ1,2年先の話と考えられていたのだが、突然にPCでも2007年末に発売するとアナウンスされたという経緯になっている。


 PC版の追加要素は以下の通り。

*シングルプレイ用に5つの追加チャプター
*マルチプレイ用に新マップを3個追加(DLCを含めた既存の16個のマップも収録)
*マルチプレイ用に新モード"King of the Hill"を追加
*Xbox 360とは一部異なったAchievements(実績)を用意
*GoW用のUnreal editorを装備しており、ユーザーがマップを制作して配布可能
×PC版とXbox 360版の相互対戦には未対応

 シングルプレイ用の追加チャプターは最後のACT5の冒頭に挿入され、ACT4の最後からXbox 360版でのACT5のスタート地点までにおける、カットされていたストーリーの補完の役割を果たしている(PC版はACT 5がXbox 360版の3章に対して8章と5個多い)。顔見せだけの肩透かしに終わっていたBrumakを倒すまでのシナリオで、分量的には60-90分程度のボリューム。もしXbox 360の方でゲームをクリア済(ゲーマータグに実績として記録済)の場合には、すぐにこの追加分となるACT5の冒頭からプレイ可能である。

 なおこの追加分のコンテンツはXbox 360には提供されないし、(絶対とは言わないが)する予定も無いそうだ。その理由は制作に使用したUE3のバージョンが異なっているからで、新しいバージョンのエンジンで製作されているPC版のマップデータはXbox 360では使用する事が出来ない(互換性が無い)。つまり新コンテンツを提供するにはゲームのエンジン部分も含めてダウンロードが必要となり、それは実質ゲームのデータの大部分を占める程度に大容量なので現実的ではないとしている。それとダウンロードしてエンジンまで更新してしまうと、ダウンロードしていない人とマルチプレイ全体の互換性が無くなってしまい、マルチプレイ界が2つに分割されてしまう(このコンテンツを含んだ改訂版を出すという方法も同様の問題が発生する事になる)。Xbox 360の旧エンジンにてPC版のコンテンツをそっくり作るという方法も有るが、新エンジンでないと実現不可能という部分も有るだろうし、制作コスト的にも高価になる可能性が高い。


 ずっと付いているのかは判らないが、英米のPCの製品版にはLiveのゴールドメンバーシップの一ヶ月間無料コードが付属している(追記: これは既に意味が無くなった)。Xbox 360と同様にPCの日本語版が出るのかどうかは不明だったが、既に3年が経過しておりもう出ないものと見て良いだろう。残虐表現で有名なゲームでもあり、その件を日本で発売可能にする為の調整が難航しているという話も聞く。Xbox 360では敵の体の切断面が真っ黒になるという規制が行われている。

 マルチプレイ用の3個の新マップ制作は、現在はEpicの子会社となっているポーランドのPeople Can Fly(Painkillerで有名)が担当している。

 日本からは基本的に不可だったが、以前に運営されていたMSのマーケットプレイスからのダウンロード販売版もあり。


 制作の中心人物はUnrealシリーズのファンなら御馴染みのCliff Bleszinski。チームのサイズは時期によって異なるが25-45人程度で、制作費は一千万ドル。この人員数と予算は近年の大物タイトルと比較すると小規模であり、それでもこれだけの物が制作可能という点は、EpicがUE3のライセンスを販売するのに大きな宣伝となった。

 Xbox 360限定のタイトルとして開発段階からMSに非常に重要視されていた為に、EpicはXbox 360のデザインにも影響を及ぼしている。Xbox 360やPS3の様なマシンは発売当初はコスト高であり(1台に付き3万円以上の赤字と言われていた)、それ故に出来るだけ高価な部品の使用は抑えたいという考えになる。そこでXbox 360でもメモリを256MBにして販売するという考えだったのだが、それをEpicが256MBと512MBではどれだけグラフィックスのクオリティが変わるのかというのをGoWの比較見本でアピールして(主にノーマルマッピングで差が出る)、512MB搭載にするようにMSを説得したという逸話が残っている。

STORY  ゲームの舞台はSeraと呼ばれる植民惑星で、Coalition of Ordered Governments (COG)によって管理されていた。しかし人類は以前より地下に住んでいたLocustと呼ばれる種族から突然攻撃を受けて、地上の主な場所を占領されてしまう。危機に陥ったCOGは住民をJacinto Plateauへと避難させて、その後衛星から惑星全体への攻撃を持ってしてLocustを倒すという手段に出た。

 その“Emergence Day”から14年後、退避出来なかった人間達はStrandedと呼ばれ細々と生き延びていた。そんな中遂にLocustはJacinto Plateauへの攻撃を開始。これに対抗する為にCOGは投獄されていた伝説の兵士を呼び戻す事を決定する。その主人公であるMarcus FenixはLocustとの戦争において数々の功績を残した伝説的な人物だが、命令違反の罪に問われて4年前に投獄されていた。Marcusは親友のDominic Santiagoといった隊員達とチームを組み、Delta Squadの一員としてLocust達との戦争に挑む事になる。



PATCH

DEMO
 2009/02にリリースされた GearsPC_TU3_Microsoft.exe が最終のパッチになる。2014年現在ではマイクロソフトのサイトからダウンロード可能。MSのマーケットプレイスからのダウンロード販売版の場合には更新済みなのか不明。

 このTU3パッチはデジタル署名の期限切れを修正する物でEpic側のミスで使用しているファイルの中にデジタル署名が期限切れになってしまった物が含まれており、これがゲームの持つアンチチートプログラムに抵触して発生した。 "You cannot run this game with modified executable code"のエラー。2009年1月28日以降に突然発生した為に、パッチが出るまではシステム日付をこれよりも前にしてプレイするという方法で回避していた。


 デモはリリースされていない。

動作環境

トラブル
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Intel 2.4 GHz+ / AMD 2.0 GHz -
MEMORY 1 GB -
VIDEO NVIDIA Geforce 6600+ / ATI x700+ -
SOUND DirectX 9.0互換 -
対応OS  XP / Vista(SP1)
DirectX 9.0c以上要


 必要環境しか公開されていないが、少々これだけでは判断がしにくい。Shader 2.0でも動くという意味になるが、それではどの辺までがOKなのかというのが不鮮明である(対応ビデオカードの一覧が公開されていない)。動作確認用にデモも無いので困った事になっている。

 ビデオカードのドライバは最低でも、NVIDIA ForceWare 163.44ATI Catalyst driver revision 8.401.0.0以上が要。

 なおインストールには相当時間が掛かるので、止まったと勘違いしないように(20〜30分程度)。


 Xbox 360の純正コントローラのみに対応している(2009/10現在)。純正品ではない他社のゲームパッドの場合、前進後退の左スティックの操作が逆になってしまうという問題あり。オプション画面に反転設定は無く、内部のファイルをいじっても解消されない。JoytoKeyを使って書き換えに成功したという報告はあるようだが、純正品以外ではプレイ出来ないと考えておいた方が良い。


  ※Vista以降のOSにおける起動しない障害への対策

 既に公式でのメインストリームサポートは終了している。しかし掲示板等の情報ではWindows7/8でも正常にプレイ可能という報告が多数のプレイヤーから出ており、私自身もWindows7 Pro 64bitでの動作を確認している。

 ただしリテール版DVDをVista以降のPCに新規インストールする際には注意事項があり、それを守らないと上手く行かないのでその点をここでは解説する。重要なのは(上記のデジタル署名の期限切れ問題で)最新のTU3パッチを適用しないとならないのだが、このTU3を適用する前にゲームを一度でも起動してしまっていると、その後TU3を適用しても起動出来ないという所で、これは知らなければまず解らないので泥沼にハマる可能性が大。


 まず既にゲームをインストール済みの場合。アンインストールを実施し、その後残されたインストールしていたフォルダを削除。この際にレジストリもキレイしないとならないという情報もあるが、これは必須かどうか未確認。以下の手順を試しても駄目な場合、レジストリを検出して削除してくれる無料のツール(Revo Uninstaller, GeekUninstaller等)を使ってみるという手順で良いだろう。

 ゲームの起動時にもチェックに行くはずだが、Games for Windows Liveのクライアントが最新かどうかを確認し、最新では無いならこれ単体で先にアップデートしておいた方が無難。インストール済みならクライアントを単体で起動してアップデートをチェックさせてみるのが一つ。或いはコントロールパネル → プログラムと機能からインストールされたプログラムの一覧を見て、Microsoft Games for Windows Marketplaceのバージョンが3.5.67.0かを確認。(最新版はMarketplaceに変更されており、Live Ridistributableならばそれは古い)。古いならば一度アンインストールを実施して、その後Games for Windows マーケットプレース クライアントからWEB経由で最新版をインストールする。


 いよいよインストールに入るが、Vistaの場合にはセキュリティの堅さが悪さをする恐れがあるので、例えばオートランの起動画面からInstallを選択しても上手く行かない場合、DVDの中身を開いて Setup.exe を右クリックし、管理者モードでの実行や互換性タブでXP互換にしてから実行する必要があるかも知れない。

 GoWのインストール初期画面から下段のMore Optionsを選ぶ。その中に“Run Gears of War after install”というチェックボックスが有って、デフォルトではオンになっているのでチェックを外す。これがオンのままだとインストール後に起動してしまい、先に書いた禁止事項に触れて以降は起動不可になってしまう。やってしまったならアンインストールからやり直し。なおここでEditorのインストールにチェックを入れられるが、後から単体でインストールするのは面倒らしいのでチェックを入れておいた方が良いだろう(デフォルトではオフ)。

 インストールするフォルダもここで指定出来るが、ここではC:\Program Files フォルダ内は避けた方が良い。これはGoWに限った話ではなく、XP以前のゲームやアプリをVista以降のOSへとインストールする際には、Program Files フォルダ内はトラブルを発生させる恐れがある(64bitのOSだと32bitのアプリはx86が付加されている方へとインストールされるがこれも同様)。これはVista以降のOSではCドライブのProgram Files フォルダ内を監視下に置いており、ゲーム側のファイル作成や書き込みを阻止する可能性があるからという意味。CしかないならC:\Microsoft Games\Gears of Warとかそこを避けさえすればOK。

 長いインストールが終了するとDVDにアクセスした後にインストーラーの画面が開き、「Readmeを読むか」と「GoWを起動するか」のチェックボックスを表示するのでどちらにも付けずに終了。


 そしてゲームを起動する前にTU3パッチを実行して適用

 デスクトップにショートカットは作成されず、Vistaや7ではゲームエクスプローラー(スタート → ゲーム)内にショートカットが作成される。実行ファイルは ...\Gears of War\Binaries\WarGame-G4WLive.exe となる。

 基本的にはこの状態からそのままショートカットを実行すれば良い。初回起動時にマイクロソフトのデータ収集に参加してくれないかという画面が出るが、左端の「Hide this dialog box」にチェックを入れてやれば次回からは表示されない。そしてPLAYボタンを押すとスプラッシュスクリーン表示後にゲームが起動する。私のWindows7 64bit環境では少なくとも起動には管理者モードは必要無い。


 Nvidiaの記載によるとPhysxのLegacy Driverを併せてインストールしておかないとならない対象タイトルにGoWは含まれているのだが、これが必須なのか(起動時にでも問題が発生するのか)どうかは未確認。これは何かと言うと、2008年の買収前にAgeiaが制作していた2.7.1 以前のSDKバージョンを使用するゲームは、現在の最新版 Nvidia Physx Driverには対応しておらず、それ等のゲームを現在動かす際に必要とされるドライバである(ただしInfernalの様にこれを入れても動かない物もある)。これは過去に一度更新されている経緯があるので、直リンではなくNVIDIA PhysX システムソフトウェア → 最新版の頁 → その説明欄の中にPhysX Legacy インストーラーへのリンクが有るのでそこからダウンロードしてインストールして欲しい。インストール一覧では最新版のPhysxとは別個に表示される。


 上記手順を行ったがやはり起動しないケースで試してみる点としては、

*インストールされたフォルダにて \Gears of War\Binaries\ を開く
 1.Startup.exeの方を実行してみる
 2.WarGame-G4WLive.exeを右クリックして「管理者として実行」する
 3.Startup.exeの方を右クリックして「管理者として実行」する
 4.双方を右クリックして互換性タブから管理者として実行にチェック。両方この状態で起動してみる。

*ビデオカードのドライバが最新ではないなら更新
*セキュリティ関連のプログラムを停止させる
*Windows Updateで重要な更新に漏れが無いかをチェック
*ショートカット → プロパティ → リンク先の最後に半角空けて -nosound を付けサウンドを停止させてみる



*セーブデータが消えてしまった。他のPCにセーブデータを移せない。
 こちらのガイド頁を参照。このゲームではセーブデータを他のPCに移す事は出来ない。


*AMD Athlon64 X2にてトラブル
 AMD Athlon 64 X2 Dual Core Processor Driver Version 1.3.2.0053以上を入れる。


*XPからアップグレードした形態のVistaにてゲームが起動しない
 まずMicrosoft Visual C++ 2005 Redistributable Packageをアンインストール。その後Microsoft Visual C++ 2005 Redistributable Package Service Pack 1をインストール。OSが32bitと64bitではファイルが異なる。


*グラフィックスに問題発生
 ビデオカードのドライバ側からの強制的な設定変更によってトラブルが起きたりするようなので、切り分けの為に外部設定をデフォルトに戻してみる。


*解像度等のオプション設定がリセットされてしまう。カスタムマップがリストに表示されない。
 DVD挿入後のAutorun screenから開始している場合に発生。簡単な対策はショートカットから起動するという方法。根本的に直したいのならばregeditでレジストリエディタを起動。 [HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Microsoft Games\Gears of War\]にアクセスし、“SetupPath”の中のbinariesの部分をBinariesと大文字に変更する。


*ACT3のCHAPTER 5: Angry Titanでのバグ
 ボス戦にて透明な壁が出来て前に進めなくなるというバグ。かなりの確率で発生するようだ。直前のムービーを飛ばさなければ上手く行くという話もあるが、私の環境ではそれでも発生していた。以下ネタバレを含むので反転。

 段階的にCorpserが後ろに下がって行くが、それによって前に進めるようになるケースも有るので攻撃を続けてみる。一番後ろまで下がっても壁が存在する場合、距離的に可能ならば狙うべき左右の接合地点をマグナム等の正確性の高い武器で撃ってみる。ズーム可能なライフルを持っていると理想的。

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