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MECCARYNS
 最初にプレイする事になるメッカリン(メック)は3種族の中では一番普通のシューティングに近いゲーム性となり、テクノロジーを主体とした種族なので操作にも馴染み易い。プレイヤーはリーダーのバズを操作する事になり、順に加わっていく仲間と共に戦う形式となる


 武器による攻撃が基本となり、弾数無限のハンドガン, マシンガン, スナイパーライフル, RPG, ミサイルランチャー, ホーミングミサイルランチャー, プロキシミサイルランチャー, ミレニアムモーターの8種類の武器の中から4個を選択して武器スロットに装備する事が可能。

 アイテムスロット数は3個。地雷, ヘルスキット, グレネード, フレア(タレットからのホーミングミサイルを避ける)を持ち運べる(物によっては複数個)。バックパックには特殊な能力を発揮するキットを一つだけ装備出来て、この選択も頭を悩ませる点になる。建物や仲間を回復可能なリペアパック, カモフラージュ用のブッシュパック, シールドパック, 設置式マシンガンタレット等が用意されている。なお武器を含めての全ての交換や弾の補充はマップ内のショップにて行う。



 メックはジェットパックを背負っており空中を飛んで移動出来るのが大きな利点となる。エネルギーはリチャージ式で無限。飛距離を伸ばすニトロブースターや強化型のジェットパックも用意されている。ただしスマーティーを背負ったりすると負荷で飛行能力は低下する。敵の攻撃を素早く避けたりするのにもジェットパックでの移動は重要となるが、着地に失敗すると数秒間動けなくなったり時にはダメージが入ったりもするので注意が必要。見た目で飛び越えられる距離なのかの判断も要求され、もし届かずに水の中に落ちたりするとピラニアに襲われてダメージを受けてしまう。

 HPの回復にはヘルスキットを用いるか、リペアパックを持ち歩いてそれを使うか、ショップに寄ってそのエネルギーを補充するか、ヘルスを残すタイプの敵を倒してそれを拾うかになる。ただし死体が残すアイテム類は時間経過によって消えてしまうので、それまでに回収しないとならない。


 仲間(バックアップ)は自動的に動いてくれるが、バックアップキーを押しながらターゲット選択してLMBで攻撃指令、RMBでそこを守れという指令も出せる。後は集合コマンドのみ。バックアップのHPが無くなった場合には短時間休憩状態になってから帰って来るが、それが数回繰り返されるといなくなってしまい次のミッションまで戻ってこなくなる。バックアップは集中攻撃で堅い敵や建物を破壊するのには役に立つが、それ以外はすぐHPが無くなってしまったりとあまり役に立つ存在とは言えない。スタックはしないので面倒を見る手間はないが、同時に部隊操作による作戦行動といった事もほぼ出来ないので、特別にゲームを面白くしているような存在ではないという印象である。


 メックの面白い点としては、持っている武器によって有効な敵や攻撃方法が異なるので、どれを選んで戦うかという選択の幅広さや攻撃方法に自由度を持っている事が挙げられる。マップも広くて開けているので、何所から敵を攻撃するのかというのを選べたりするのも同様にプラス点。高台や遠距離からスナイパーライフルや直線的に飛ぶロケット弾でバラックやタレットを先に破壊しておいたりも出来るし、敵に近付いて正攻法で対峙しても構わない。エリアによっては戦闘を避けて飛んで逃げてしまったり、ステルスでやり過ごしたりも可能である。



 逆に弱点としては、破壊力が高いロケット系の武器が使える反面、ダメージ対して最も弱い存在となっており、敵が少ない序盤は楽なのだが中盤以降は難易度が急に上昇する傾向にある。HPが低下している上にヘルスキットやリペアパックが無い状態に陥ると回復が困難になって、敵を倒してヘルスを奪おうにも突っ込んで行くのは一つの賭けになってしまう。

 それに困った意味で拍車を掛けているのがセーブが出来ないという仕様。少なくともチェックポイント制なら強攻策も採り易いのだが、死んでしまえば最初からやり直さないとならないというプレッシャーから、長いミッションや難しい物ではどうしても慎重にならざるを得なくなる。この為後半の難しいミッションでは、遠距離からなるべく多くの敵を倒しておくという戦法に偏って自由度が減少してしまうという問題あり。また死なないようにする為に、マップ内にショップが存在するなら(大抵はスタート地点近くに在る)面倒でも一度ショップまで飛んで帰ってヘルスを回復&ヘルスキットの補充。そこから戻って先に進めて、またダメージで危なくなったらその都度戻ってまた回復という、やたらと時間の掛かる戦法になりがちである。同じく遠距離型のスナイパーライフルやロケットの携帯弾数は少な目なので、これらの補充の為にもショップまで遠い距離を飛んで帰る事も多くなる。

 リアル系と呼ばれるダメージに厳しいタイプのゲームにおいては、セーブが出来ないという仕様はプレイヤーに慎重さを要求して、それが行動にリアリティ生むという点では納得出来る(無茶な撃ち合いを許さないという意味で)。しかしこのゲームの様に基本的にはアクションを重視した物では、セーブが出来ないという制限がプレイヤーの選択肢をも縛る事にもなり、それが悪い方へと出てしまっている感は否めない。死にながらいろいろと戦法を考えて行くゲームとして一応は楽しめるのだが、一切のセーブが出来ないというのはやはり厳し過ぎる。セーブ出来ないのがエンジンの仕様だったとしても、マップ途中の状況がリセットされた状態からでも良いからやり直せるとか、そういった改善はして欲しかった。


 メックのパートでのベースビルドのミッションは一つだけ。だが最初の物で慣れていないというのも含めて苦戦する可能性は高い。シーリーパーに比べてエネルギーの補充がヴィンプの肉に限られるので狩りの為の遠出が多くなるのと、後半の空からの攻撃に対してはホーミングタレット等で備えておかないと辛くなるのが主に厄介な点。


 最後にメックの操作性には解り難い点はほとんど無いが、唯一ベースビルドのマップにおいては、「プレイヤーの操作するバズ以外のメンバーもスマーティーを背負って運べる」という点は知らないと大きな差が出てしまう事になる。特にその為のコマンドは存在せず、適当に付近を動いて彼等がスマーティーの近くに行くようにすれば自動的に拾い上げてくれる。それと有効はどうかはともかくとして、仲間に基地の防御を任せて自分だけで遠出するという作戦も可能。


SEA REAPER
 二番目はシーリーパーの若き王女であるデルフィを操作してのプレイとなる。この種族のパートは一番ミッション内容がバラエティに富んでいるのが特徴。そのデルフィは武器と魔法の双方を使えるキャラクタであり、その選択肢の幅広さが魅力の一つである。極端にどちらか一方に寄せるのは無理だが、どちらを好んで使うのかには自由度が設けられており、状況や好みに応じて様々なアプローチが可能となるしリプレイ性も高い。


 武器は常時携帯の剣と無限使用可能な普通の弓以外に3つのスロットが用意されている。選択可能な物は全て弓矢であり、スナイパー, ヘルファイア, ホーミング, パワーアップ(複数のターゲットを攻撃)から選べる。アイテムスロットは2個となり、ヘルスキット, 地雷, フレアから選択する。

 魔法のスロットは5個で、全部で12個有る中からやはり選択して装備する。クローク(姿を消す), クラスター(分裂する礫を投げる), ファイアウォール, サモンヘイル(空中視点となる間にターゲットをクリックするとそこに雹を落とす), スロータイム(範囲内の時間を自分以外遅くする), フォロー(敵を宙に持ち上げて自動的に爆破攻撃を命中させる), シュリンク(小さくする), リペア(修理や回復)等。使用可能回数は各3回で下に残り数が表示される形式。メックと同じくショップにて武器と魔法の交換や弾薬&魔法の補充が行える。



 移動に関しては当然ながら水中の方が得意であり、水中ではLMB押下にて高速で泳げるようになる。背泳ぎで敵を見ながら逃げる事も可能。それとターボの魔法が重要となる。これは通常魔法とは異なるエネルギーを使用し、その量は照準の周囲に現れて幾らでもリチャージされる。この照準が緑になる位置を指してRMB押下で空を高速で飛ぶようにしてその地点まで移動出来る。かなりの距離を飛べるので、高速移動の他にも高い場所に登ったり迂回ルートを通ったりも可能にしている。捕まえたスマーティーの移動はバブルの中に閉じ込める形で連れて行く方式となり、魔法で遠距離から捕まえるやり方もある。

 回復ではヘルスキットや回復魔法の他に、水中に入っていると体力を回復出来るという大きな利点を持っている。じっとしているほど回復は早いが、高速移動していても徐々に回復は可能なので、危なくなったら水中に逃げて攻撃を避けながら回復を待つという戦法が有効になる。


 武器による戦闘では遠距離攻撃が可能な弓を使うので、先に強い敵やタレット&バラックを遠くから破壊してしまうというのはこのシーリーパー編でも定石。だがターボの魔法で高速移動が可能なのと、剣による攻撃ダメージが高いのを利用して、敵や建造物の近くに突然移動して斬りかかり、倒したらすぐにまたターボで逃げ去るというゲリラ戦もかなり使える手段になっている。

 魔法については多彩とはいえ、個人の好みもあるのだろうが使える物と役に立たない物が在るという印象。よって割と好みの物を連発して戦う事が多かった。スロータイムやファイアサークルが特に有用だと感じる。

 総合的にシーリーパー編の戦闘については水中に逃げれば回復可能という利点が非常に大きく、メック編に比較すると数段死に難い設定になっている。終盤に敵が増えると難易度は増すが、メックの時ほど死を恐れての逃げ腰安全策に走らなくても済むので、アクションゲームとしての爽快感は十分に得られると言えるだろう。ただしリソース不足を感じたらショップに帰って補充する事が重要かつ安全策なのには変わりない。



 シーリーパー編は内容がバラエティに富んでいると書いたが、その一つ目がリーパーレースである。水上を走るリーパースキーを使ったレースゲームのセクションで、トップになって勝ち抜けないとならない。ルールは簡単で次々に点灯していくゲート内をくぐりながら周回コースを規定回数分走るレースで、置かれているミサイルやターボを拾って活用するのがポイントとなる。

 ここでの問題はレースの内容自体ではなく、第一に全部で4回別のレースに勝たないとならないのだが、全体のボリュームからするとこんなには要らないのではと感じさせる点(或いは他のセクションをもっと多くするとか)。そして終盤のレースは難易度が高いという点。掲示板でもこのレースの最終戦をゲーム内における最難関ミッションに挙げる人も多かったように記憶している。Mafiaでも同じ様な批判からレースゲームのミッションの難易度を下げるパッチが出たりしたが、こちらはそのままなので自力で勝つ以外に方法は無い。ゲートのクリアは3回まで失敗を許されているのであえてショートカットを使ったり、確実にターボを拾ってスピードを上げる等の作戦が重要となる。個人的にも目先の変化という観点からこういうセクションを入れるのには賛成だが、ここまで難易度を上げてしまったのは失敗だと思えてならない。


 第二の特徴がベースビルドのマップで、シーリーパー編ではこれが3回も出て来る。大凡はメックの時と同じ仕組みで、魔法が基本なので建物の名称が変わったりとかしているだけだが、幾つかは違いも生じている。動力源となるパースエーダー(洗脳機)のエネルギーはヴィンプだけからではなく、基地を襲って来るリーパーガードからも吸収可能なのでその点では回収に有利。一方でスマーティーを連れてくるには一人ずつになるので不利である。
 それと破壊するべきターゲットが複数有るのに対して、それを壊す為の最終魔法となるトルネードは一つしか持ち歩けないので、メック編に比べて計画性が要求されてくる。つまり繰り返し基地と遥かに遠方のターゲット地点を往復しないとならないので、早期クリアを狙っての強引な突破は成功しにくい(留守にしている間にスペルを提供するショップが壊されたり等)。よって基地の防御を高めておいたり、テレポーターの設置やリーパースキー等を用意して移動を楽にしたりと、より先を見越した高度な戦略が必要とされている。


 シーリーパー編も全体的には楽しめるのだが、上記のリーパーレースとベースビルドという変化系のミッションの割合が多くて、通常の形式のミッションが少ないというのは一つの不満である。ベースビルドに時間が掛かるのでプレイ時間としてはそれなりに長いが、ベースビルドの数を一つ減らしてでもミッションの数自体を3〜5個程度増やす方が良かったと感じる。


 シーリーパー編での注意すべき操作性としては、魔法の補充操作が挙げられる。魔法アイコンの中央にはバーが存在しており、ヴィンプやリーパーガード等を倒すとそこにエネルギーが貯まっていく。そこで任意の時に魔法選択キー(メックにおけるバックアップキー)を押しながら5個のスロットの中で補充したい物をクリックしてやると、使用可能回数が最大の三回までは増えるようになっている(消費エネルギーは魔法によって異なる)。例えばベースビルドのミッションにてトルネードは携帯可能数が一個だけだが、バーをフルにしておけば使用後にクリックする事で基地に帰らなくてもその場でもう一回分補充が可能になる。勘違いし易い原因は、最初のベースビルドのミッションが早めに登場して、そこでこの貯めたエネルギーを動力源となるパースエイダーに補給する使い方を教わるので、これはその為のエネルギーなのだと思い込んでしまうからである。

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