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シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度は一種類だけで選択出来ない。ミッション単位でのリプレイは可能。


セーブ&ロード
 原則的にセーブは各ミッション単位となり、任意地点でのセーブ機能もチェックポイントセーブも持っていない。失敗したらミッションの最初からやり直しである。


OBJECTIVES
 ミッション内容は何時でも参照可能。全体マップも表示出来て目標地点他の重要箇所が表示される。ただしそのエリアに進むまでは黒くなっており詳細は解らないという仕様。

EXTRAS
 アンロック要素は無し。

日本語
 台詞は英語のままで日本語字幕で対応。他にはミッション内容やアイテム名が日本語化されている。

GAMEPLAY
 内容はメッカリン, シーリーパー, カブトという三種族のパートに分かれており、そのプレイ順は記載された並びで固定である。Aliens vs Predatorの様に自由にプレイする順番を選択する事は出来ない。最初にカブトをプレイしたくてもそれは他の2種族をクリアしてからとなる。その理由は全体が同じストーリーを別視点から見た構成ではなく、順に繋がった一つのストーリーを形成しているからで、何故カブトのパートが一番最後でないとならないのかはそこに至った時点で解るようになっている。ストーリーにそういう意味合いがあるのならばプレイする順番を選べないのも仕方がないかと納得は行ったが、欲を言えばストーリーとは関係がない自由にプレイ可能な単体ミッションを各種族毎に幾つか用意してあればなお良かったとは感じる。それはともかくとしてまるでゲーム性の異なった3つの種族をプレイ可能という点は、このゲームにおける大きな魅力であるのは確かである。

 ゲームのストーリーはユーモア(ギャグ)を基調としており、主にムービーによるストーリー解説のシーンにてそれが使われていてなかなか面白い。ユーモラスな面を含んだアクションゲームというのは他にもあるが、このゲームでは最初から最後までという風で極度にそちら寄りとなっている。ストーリーの内容には深刻な面も含んではいるものの、全体的に暗さを感じさせないライトタッチの作品に仕上がっている。


 各種族毎に5つのチャプターが用意されており、その中で更に幾つかのミッションに分割されていたりする。クリアまでに要した時間は25時間程度。難しかったり時間が掛かるミッションでどれだけ詰まるかによって幅が出るゲームだと思うが、誰でも初回は20時間程度は楽しめるのではないか。


 ミッションはほぼ全体がアウトドアという構成。その為に広大なアウトドアを描画可能にしたエンジンを制作しただけあって、当時としては桁外れに広いという物も含まれている。その広大さ故に自由度の高い行動が可能になっているマップも存在しており、クリアに必要のないエリアを避けてショートカットしたりといった作戦も可能である。正攻法で攻めると敵が多いというケースでも、海上を遠回りしたりとか山を越える別ルート等で余計な戦闘を避けたり出来る。

 ただし見た目で通れるのではないかと考えて行ってみたら通れずに死んでしまったりが発生もする(水中に弱い種族だと)。また時には制作側が意図していないであろうルートを強引にジャンプキー連打やジェットパックを使って突破出来てしまうという問題も見受けられるが、このマップ内移動の自由度の高さはゲームを面白くしている点の一つである。


 ゲーム全般に共通する点を幾つか説明しておく。

*視点は三人称が基本だが一人称にも切り替えられる。ただし一人称はあまり実用的ではない。
*フロントキーにて前方からの視点で背後を見渡せる
*視点はズーム可能。段階は構えている武器によって変わる。
*敵や仲間、それと各種建造物の現在の耐久力は照準を合わせれば何時でも見られる
*バラックから敵は沸いて出るので、全滅させるにはまずバラックを破壊しないとならない
*場合によっては壁を通してのダメージや、落下時にダメージを受けたりする事もある
*武器は離れるとダメージが減少し、また射程範囲があって圏外からではダメージを与えられない(対象のHPが表示されない時)


 どのミッションでもマップを表示させる事が可能だが、表示されるのは目標地点や重要施設の位置程度で細かい部分までは把握出来ないのであまり役には立たない。またマップを見ている間はポーズが掛からないので、敵の攻撃に注意しないとならない。

 マップ内にショップが存在するミッションがあり、ここではショップの持っているエネルギー分だけ減ったHPの回復が出来るし、販売している武器・魔法・アイテム類を購入したりや、現在の装備スロットの物と交換も出来る。弾薬系の補充も可能。


 続いては問題点について。各種族共に操作性は異なるし、行える操作も多目でやや複雑なゲームであるが、序盤のミッションはチュートリアルを兼ねており、徐々に様々な能力やアイテムが使える様になっていくという形式でプレイヤーが混乱しないように配慮されている。その点は丁寧な作りなのだが、困った事に説明不足という箇所も見受けられる。まずはマニュアルを熟読する事が要求されるゲームであり、ゲーム内での画面説明だけでは不足である。しかもマニュアルには「こういう事が出来る」と書いてあるだけで、具体的なキー操作が書かれてはいなかったりするケースもあってそれが問題

 その影響である種の操作が出来る事が前提で調整されているミッションにて、その操作が分からずに難易度が数段増加してしまうという事態になったりする訳で、私自身もそれで困った事があった。実際にクリア出来ずに困った人が掲示板でヒントを求める時でも、戦略が悪いのではなくて操作方法を知らないのが原因という書き込みが結構見受けられたゲームである。この辺の詰めの甘さは残念な所。一応各種族の項目にて注意するべき点は解説しているが、マニュアルはちゃんと読んでおくべきゲームの一つである。


 このゲームの最大の欠点は実に明白で、それはチェックポイントを含めたセーブがサポートされていない点である。簡単だったり短いミッションならば問題にはならないのだが、後半に行くに連れて難しかったり長い物が出て来ると大きな欠陥として現れてくる。この点はこのG:CKを評価する上で重要なポイントになると思われ、個人的には大きなマイナス点として断罪せざるを得ない。少なくともチェックポイントセーブがサポートされていたら、ゲームへの印象や評価はかなり異なる物になっていたと思う。また難易度設定が選べない点もこれと合わせて欠点と言える。もしミッションの最初からなら難易度を下げてリプレイ出来るならば、セーブが出来ないというこの問題も緩和されたはずだ。

 より詳しいその悪影響は各種族の項目で語るとして、プレイ中にセーブが出来ないゲームにおけるその理由は大きく分けて二つあり、一つは制作側のポリシーとして「リアリティを損なう」といった理由でセーブ機能を設けていないケースで、こちらはリアル系と呼ばれるジャンルに多い。もう一つはレビューやファンからの批判・要望があるならパッチで導入する事自体は問題無いのだが、エンジンの仕様上一からそれを作り直さない限りセーブを可能にする機能的な修正が行えないというケース。こちらは各ミッションが短いので必要無しとして進めていたら、途中から長い物も増えてしまったという後の祭りパターンが多い。ちなみに同じ2000年発売でやはりミッション中に一切のセーブが出来ないゲームを例にとると、Project IGIは前者でHitman: Codename 47は後者である。

 G:CKではこの件についてのコメントを見た事がないので正確な理由は不明だが、改造移植となったPS2版では任意地点でのセーブが可能になっている事、また次に制作されたArmed and Dangerousではセーブ可能になっている点から、後者の理由という可能性が高いと考えている。いずれにしろ非常に残念なゲームの傷であるのは疑いない。

BASE BUILDING
 大きなゲームの売りの一つとしてストラテジー要素を導入しているという点が挙げられる。幾つかのミッションはベースビルド形式になっており、マルチプレイ用に制作したゲームシステムをこのシングルプレイにも取り込んでいる。具体的にはRTSのゲームのマップ内に自分自身が降り立ってプレイするという形となり、後発ではC&C: Renegade(2002)が有名だがこのタイプの物としては先駆的な作品であると言える。(RTS=リアルタイム・ストラテジー)。

 このタイプはメックとシーリーパーのミッションに含まれており、物理的な建造(メック)か魔法的な建造(シーリーパー)かの違いはあるが、基本的な構成要素や流れは似通っている。最初は何も無い基地(ベース)からスタートするので、まずは働き手となるスマーティーと、彼等を動かす原動力となるヴィンプの肉(エネルギー)をマップ内を探して基地まで集めてくる。
 その後基地に出来るコマンドパッドに乗るとRTSでは御馴染みの見下ろし視点になるので、ここで建造したい物を選択して、その後それに必要なだけの数のスマーティーを割り当ててやる。そうするとスマーティーはその地点へと移動して建物の建造を始める様になる。ただし定期的に拠点に戻ってヴィンプの肉を消費するので、これは何度も狩りに行って補給してやらないとならない。スマーティーの数が多いほど高速で建造が可能になるし、或いは複数の建物を平行して建造出来るようになるが、それだけヴィンプの肉の消費率はアップする事になる。

 建造物のカテゴリは3種類に分かれていて、ある物が完成するとグレードアップ版が建てられたりするようになる。具体的には武器や魔法を購入する為のショップや、基地部分を守る為のジェネレーターや四方の外壁の建設等。最終的な目標は上級ショップを建造して、そこで提供可能となる巨大爆弾かトルネードのスペルを入手し、それを使いマップ内の破壊対象を全て壊せばクリアとなる。

 障害としてはマップ内の遠くから定期的に敵が基地に向けて進軍するように設定されており、彼等は建造物を破壊しようとするのでそれを阻止しないとならない。これは基地の建造進行に応じてなのか時間による設定なのか不明だが、後半になると強い敵がやって来る傾向にある。建造物にダメージを与えられてしまうと修理しないとならず、それには時間もエネルギーも必要となる。

 死んでしまうと当然ゲームオーバーだが、基地にはパートナーであるスマーティーが存在しており、彼を攫われて敵陣まで連れて行かれてしまってもゲームオーバーになる。その前に背負っている敵を倒してスマーティーに触れないとならない(CTFの旗のように自動的に戻る)。なおこのベースビルドのミッションでは、ゲームオーバーになった際にはスマーティーやヴィンプはリセットされてゼロになるが、それまでに完成していた建造物は残った状態からリスタート出来るという救済措置が採られている。


 このベースビルドの面白さはプレイヤー側にかなりの自由度や多彩な戦略が用意されている点で、例として目標のアイテムを制作出来る建造物の建設にのみ集中してなるべく短時間でのクリアを狙うという作戦も取れるが、この場合には敵の攻撃に対して脆くなるので一度崩されると立て直しが困難になるという欠点を持つ。逆に防御に力を入れて段階的に建造物を発展させると最終的にはパーティーハウスを建設可能となり、ここからは自動迎撃型の各種タレットやスナイパータワーの設置。設置した2点間を瞬間移動可能なマインシャフト(テレポーター), 外部に建設可能なミニショップ, 水上を高速移動可能なリーパースキーや航空兵器のジャイロコプターの建造等が行えるので、こういった施設で万全にしてからじっくりと攻略するという方法も取れる。

 スマーティーを最少人数(4人程度)でやり繰りすれば、ヴィンプの肉を集める頻度も減るので基地を離れる時間を減らせるが建造速度は遅くなる。一方でスマーティーを数多く集めれば建造速度は上がるが、広いマップ内から彼等を集める時間がロスとなるという問題が生じる。他にもカテゴリ別の建造物をどういう順番で建設して行くのかによっても変わるし、ベースのエリアになるべく留まるのか積極的に遠くへ出て戦うのかという自由度も持っている。


 しかし全ての部分が良く出来ているという訳では無い。とにかくマップが広いのと、全体マップ上では何所に何が在るのかまでは分からないので、まずはスマーティーやヴィンプがマップ内の何所に居るのかを探す事から始めないとならない。特にスマーティーは広く分散してシークレットのように見付け難いエリアにいたりもするので厄介である。同じく人質の奪取逃走ルートが分からないと、ベースから連れ去られてしまってからでは見付けるのが大変となり、こちらもどのルートを通って逃げるのかを掴んでおかないとならない。このゲームでもRTSと同じくスタートダッシュによる資源集めと建造は非常に重要となるので、初回プレイ時は捨てゲームにしてマップを把握する事に努めた方が良いとも言える。

 またかなりの持久戦となるミッションであり、ちゃんとした戦略を立てた上でリプレイするならともかく、初回プレイ時はやり直しを含めて1〜2時間は覚悟しておく必要がある。一応途中経過を保存する機能は持っているが、もしゲームが落ちてしまったら最初からやり直しだし、途中で止めたいと思っても自由に終われないという問題も抱えている。


 次にRTSゲームとして見るなら確かに単純な構成なのだが、アクションゲームの中に導入する物としてはちょっと難易度が高いのではないかという印象。言い方を変えると万人受けする様な設定とは思えず、ここで嫌になってしまうプレイヤーも結構出るのではないかという感を受けた。純粋なRTSを何の戦略も無しにプレイして難しいと文句を言っているならそれはプレイヤーが悪い。ストラテジーを用いてクリアするのが目的なのだから、そこには戦略がなければならないのは当たり前である。しかしアクションゲームの中にバリエーションとして導入するとなるとちょっと話が変わってくる。アクションゲームを楽しみたいと考えているプレイヤーに対して、戦略を用いないとクリアするのが難しいパートを用意するのはどうなのか?という意味である。例えばアドベンチャーゲームにテンポの変化を狙ってタイミング要のアクションパートを持ち込んだ場合、それを単調さを解消する意味で評価する人もいれば、純粋に謎解きに集中したいのに難しいアクションを要求されて先に進めないのは酷いと受け止める人もいたりするのと同じである。

 繰り返すがスタートダッシュで敵の攻撃が緩い内に出来るだけ建設を進めてしまうのが重要な為に、それが上手く行かなかったままで進めていると敵の波状攻撃を受け止め切れなくなる可能性がある。遠くへ出て資源集めをしている間に攻め込まれてしまい、戻ってから何とか時間を掛けて敵を一掃してその後建物の修理をしている間に、次の敵部隊がやって来てしまうという状態。穴の空いたボートから水をかい出している様な形となって、基地の建設が遅々として進行しなくなる。敵の攻撃力と自陣の防御力が均衡していると持ち直すのが大変で、ひたすら自陣での防衛と修理に徹しているので遠くへの移動が難しくなるし、そうなるとやっている事が同じパターンの繰り返しになりプレイが単調となる。
 こうなるとクリアするまでに長時間掛かるという羽目になったりするので問題。そこで敵の攻撃が激しくなって受け止めきれないとなったらわざと自殺してしまい、一端敵をリセットしてやり直すという本来の解法からは外れた作戦が有効とされたりと不味い事にもなっている。やはり難易度設定を導入してノーマル難易度ならばもっと簡単なバランスにするとか、ミッションの最初からならば難易度を下げてリプレイが可能といった救済要素が欲しかったと思う。


 それとRTSの様にコマンダー視点でプレイしているならば楽なのだが、実際にマップ内に降り立って自分で何でもしないとならないとなると実に大変である。広大なマップ内を休む間もなく行ったり来たりしないとならないし、建物の建造以外は働き手のスマーティーに任せる事は出来ず修理も自分で行わないとならない。それと指示を与えるコマンドマップは基地内のパッド上からでないとアクセスが出来ないので、基地を離れている状態でスマーティーの仕事が終わっても、そのままパッドに戻るまでは完全なアイドル状態になってしまうという非効率的な点も不満。


 結論としてこのパートは大変に独創的で面白いのだが、同時にストレスとなる欠陥も幾つか抱えており、100点満点とは言えない出来映えである。

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