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GAMEPLAY
 プロローグを含めて全14チャプター構成。難易度Normalにて10時間程度。終盤の5チャプター(Enlightenment以降)で苦戦して4時間位掛かったのだが、物理的に長いセクションではないので、もっと手際良く進められる人ならここを半分程度でもクリア出来るだろう(全体計では8時間でクリア)。Gravlinkをどの程度使うかという選択肢があるので一応のリプレイ性は持っているが、二周目モードは無いしアンロックされる高難易度も備えていない。PC版には実績も無いのでそれを励みにする人にも不適。


 ゲームは定番とも言えるがラスト近くのデイビス達が処刑されるシーンから逆に始まり、そこから(実際にプレイする)過去の戦闘シーン回想。そして始まりとなる最初の襲撃シーンへと戻り、その後捕まって敵の基地に連れて行かれてから、そこをGravlinkを含めたチュートリアルに使うといった感じで場面転換が目まぐるしい。しかしそれ以降は場所は変われど大きな変化は無くなり、終盤になって敵の陣地でもある別世界へと切り替わる程度。よってあまり変化に富んでいるという印象は受けなかった。

 進行はほぼ一本道で脇道自体が少ない構造。障害物によるブロックの代わりに、透明な壁で進めないという箇所も出て来る。だがその探索可能な脇道エリアの中にはGravlinkのアップグレードや強力な武器が置いてあったりするので、見て回ってみるのは相当重要な行為に位置付けられている。ついでに書いておくと巨大ボスの死体付近には良いアイテムが落ちている事があるので、ちゃんとチェックしておくべきである(物理演算による多数のオブジェクトでゴチャゴチャして周囲が見え難いケースが多い)。


 Gravlinkを使用したパズル要素は随所に出て来るが、Lowで浮かせて退ける, Highで重い物を下に落とす等単純な物が多い。効果のある対象物は構えて狙うとハイライト表示されるのでその意味でも簡単。むしろそれよりも降りられる場所が限定されているので、この辺がゴールの筈だがと周囲を歩き回って降りられるスポットに気が付かないという形で詰まったりさせられた。

 相方のレオはキャンペーンCo-opが可能という設定から終始一緒の行動となる。指示コマンドの類は無く自動的に各種アクションを行う。無敵ではなく一定量のダメージでダウンしてしまうので、その際にはデイビスが近寄って制限時間内に助け起こさないとゲームオーバーになるが、倒れたデイビスを助け起こす事は出来ない仕様(デイビスはダウン状態にならずにそのまま死ぬ)。なおCo-opにて片側が先行しない様に共同作業でないと通れない場所が結構よく登場し、ソロでのプレイだとその一連の作業が長いので面倒に感じられた。


 ストーリーはカットシーンにより語られる場面が相当多いが、そのほとんどは初見であってもスキップが可能である。主人公のデイビスは有能で格好良い男としては描かれておらず、逆にちょっとイカれたイメージの方が強い。思考的には相方のレオの方がまともであり、彼は「人類を守る為にLutadoresの侵略を止めないとならない」と行動しているのだが、デイビスの方は娘のレイラを助けたいだけで後はどうでも構わないという姿勢の為、レオや市民軍のメンバーとも度々衝突しながら進んで行く。そして残念ながらその主人公デイビス及び相棒のレオには魅力が感じられない。良い人だとか格好良い必要は無いが、何にせよプレイしていて魅力が感じられるキャラクターなのかと言うとそうでは無い。もし主人公に魅力があったらかなり変わったと想えるのでこの点は大きな痛手である。

 内容の方はある意味凄い。私は意外性を持ったストーリーというのは大好きだが、あくまでも見事に裏をかかれたという様な物が良いのであって、このゲームの様なトンデモ話は別である。何がトンデモなのかと言うと、それはLutadoresが何所からやって来たのかというのを含めた世界観だ。私としては、序盤に連れて行かれる彼等の拠点が地下に拡がっている, 重力を駆使したテクノロジーを持つ, プレイ前に地下世界風のSSを見た事がある、と言った点から、地球の地下で暮らしていた文明種族が地表に侵略して来たという設定なのだと考えていた。

 ところがゲーム終盤になって、その予想の斜め上を行く突飛な真相を知るハメに。登場人物二人も「どういうことなんだ?」と途方に暮れていたが、それはプレイしているこちらの台詞である。「何だそりゃ...」と唖然として腹を立てる人も居るだろう。詳しい説明も無いので正確にどういう世界設定なのかは不明だが どう考えても矛盾だらけ。続編はまず無いだろうが、ぞこで明かされる予定だった世界設定が存在するのならばそれだけは凄く知りたい想いである。確かに意外性は高いが、意外だったら何でもありという話ではないし、さすがにこの件は減点せざるを得ない。

 それとラスボス戦後の最後のカットシーンにおいても意外な事実が明らかにされるのだが、こちらも「それはどうだろう?」という感想で、上と同じくその内容に怒る人が居そうである。なおクレジット終了後にもカットシーンがあるというパターンだが、そちらは定番の展開なので可もなく不可もなし。


 重力をテーマにしているゲームなのだが、やや拍子抜けする所もあった。メイン扱いの無重力エリアは随所に出て来て、その空間内での戦闘も頻繁に行われる(詳細は戦闘の項)。空間内で浮いている物を含めたオブジェクトに掴まったら、そこから視点を動かす事でジャンプ出来る別のオブジェクトの縁が光るのでジャンプで空間内を飛んで移動。オブジェクトの縁を掴んだままで左右に動けるし、反対側の縁に移ったりバックキックで後方へと飛んだり等の操作も行える。時には360度の空間を見渡して移動ルートを探す事もあるが、最終目標地点を表示させる事が出来るのでルート探しの方は特に困難でもない。

 一方でベクターシフトと称される重力場の切り替わりや変遷の要素は限定された箇所にしか出て来なかった。これはPreyにも在ったが、壁面や天井方向に重力が発生して、90度横向きや上下逆転した位置に居る敵と戦ったりする要素である。プレイ前には重点的に使われる要素で面白そうだと考えていただけに期待外れ。他には別件だが序盤でやらされるバランス橋渡りなども、チュートリアルかと思えばそれっきりで以降は全く出て来ない。


COMBAT(GRAVLINK)
 戦闘の基本システムはTPSカバーシューター, SF系を含めた武器, 常にコンビ行動, Gravlink(重力制御装置)といった要素から構成されている。中でも一番の特徴はGravlinkとなる訳だが、根本の柱となるこのGravlinkの立ち位置が微妙と言うかチグハグさを感じさせる点から書かないとならない。

 終盤の5チャプター辺りから難易度が急激に上がるという件は他に書いたが、そこまでのパートの大半は単なるカバーシューターとして成立してしまっているのである。例えば特殊能力の典型であるバレットタイム(スローモーション)の能力をプレイヤーが持っている場合、それを駆使しないと勝てないというバランス設定にして、プレイヤーに良く使わせると同時に能力を意味のある物にするというのが常道である。ところがこのゲームではGravlinkに頼らなくても、普通のカバーシューターと同じ様に銃撃戦だけで進められてしまうのだ(少なくとも難易度Normalでは)。

 具体的には「カバーの背後の敵を浮き上がらせる」ことが可能だが、敵はブラインドファイアだけで全く体を出さない訳ではないので普通に撃ち合っても倒せる。確かに浮かせる事でより当て易く、且つ敵側の銃撃の正確性を落とせるが、そこまでしないと厳しいバランスでは無い。或いはGravlinkを相方のレオも使えるので、Co-opの様にそちらをレオに任せて自分は浮き上がった敵を倒すのに専念という風にも出来る事から、積極的に自分から利用する必要性が薄れているというのもある。その為にイベントとしてGravlinkの能力を使わないとならないシーンや、あからさまに「これを使え」という風に設定されている場所とか、巨大な盾を持って迫って来る敵を浮かせて攻撃可能にするとか、限定された箇所でのみ使うだけでも戦えてしまう様になっている。

 終盤のチャプターに入れば、Gravlinkを使わないと厳しい中ボス戦が頻繁に発生したり敵の数が増えたりするので活躍するようになるが、難易度が急激に上がり過ぎという問題あり。Gravlinkというユニークな能力を活かすのであれば、もっと早い段階から使用せざるを得ないように持って行って、それと併せて終盤の難易度カーブを緩やかにするべきだった。

 Gravlinkを無視してプレイ出来てしまうというのが完全にダメという事では無い。TPSカバーシューターが好きで、それだけ出来ればOKという人には(終盤に至るまでは)むしろ受けるだろう。しかしカバーシューターの要素だけではもう飽きたという人に取っては、Gravlinkのパワーが終盤にならないと発揮されないので、不満に感じる可能性が高い。この辺が評価が割れている件に繋がっていると言えそうだ。


 Gravlinkにはそれを積極的に使おうとする際の問題点も存在している。第一にLowを撃ち込んで浮かせて → それを引き寄せて → 狙って投げ付けるという攻撃だが、その間にカバーから立ち上がった状態になるので撃たれて殺されてしまったりする。こうなるとカバーに隠れながら普通に撃ち合う方が安全という考え方が生まれるのも当然の話。車や岩を浮かせて投げ付けるのは強力だが、最初にイベントとしてそれが行われる“敵集団が次々とこちらに突っ込んで来る時”とかならともかく、多数の敵がこちらに向けて銃で攻撃している際にはそれだけ作業中に殺されてしまう危険性が高く、反対に殺される危険がない程度に敵が少ないのならばそもそも車なんかを投げ付けなくても勝てる。車を動かしてカバーを作るとか、カバーとして持って移動するとかも出来るとあるのだが、そこまでする必要があるシーンはほぼ無い。

 敵を引き寄せる攻撃も同じ。浮かせた生きている敵を引き寄せてから近接攻撃で処刑動作が発動するのだが、その動作を行っている間でも当たり判定があるので、カバーから立ち上がっている状態への他の敵の銃撃でこちらが死んでしまう事も多い → やはり使わなくなるという事に。中には盾持ちの様に引き寄せた瞬間にこちらが近接攻撃を喰らって即死なんて事も起きる。いや、確かにこちらが近接攻撃可能な距離だから相手も行える道理だが、ローディング画面のヒント「浮かせた敵を引き寄せて近接攻撃すれば処刑出来る」とは罠だったのか...と殺られた後には呆気に取られて大笑いしてしまった。(なおこの掴んで処刑は実績として存在しているので、コンソール版では実行に一応意味はある)。よって生きた敵は他のオブジェクトと同様に掴むのなら即投げ付けて使う方が安全。

 続いては操作もやや面倒(特にHighが加わって機能が増えてくると)。構えで狙いを付けないと発動出来ない能力と、そのまま発動可能な能力がある, シールドを即使いたいというシーンが多いのだが、Lowの状態だと切り替えを行ってからの二段階操作となる, Highでシールドを張ってからLowの能力に切り替えるとシールドは解除されてしまうため、再度Highに戻してシールドを張り直さないとならない, 忙しい状況ではHighとLowの状態を勘違いして誤発動させてしまったりも起きる等々。


 非常に役に立つ能力は二つ。ただしどちらも重力制御というイメージとは遠いというのも何だか外している感を漂わせる。最重要なのがシールド能力で、これは被ダメージを完全に防ぐ無敵状態なのが大きな利点。受けたダメージ分エネルギーが削られるので、満タンだったエネルギーを一気にゼロまで減らされる危険性もあるのと、良く使うLowの方に切り替えると効果がオフになるという弱点はあるが、利点の方はそれを補って余り在る。ダメージで危険なモノクロ状態になった際にこれを発動させれば死を免れるし、タレットや中ボスの激烈な攻撃の中を弾薬を求めて移動したりする際でも安全。更に難易度の高い強ボス戦において相方のレオがダウンした場合、この能力が無いとボスの近くに倒れているレオを助け起こすのは困難である。

 もう一つはショックウェーブ。終盤になるまでは無くてもOKだが、終盤のボス戦等で雑魚敵が大量に出現するケースでは、囲まれた際に一気に吹き飛ばして(押し潰して)倒せるので重宝する。後はカバー越しにダメージが透るので、カバーから出たくない時に使ったりとか。通常攻撃で浮かせてもダメージは入るが、ショックウェーブだとほぼ一撃で敵を倒せる様なのでその意味でも有利。



 総合的に見てGravlinkの能力と戦闘時のバランス設定には問題が感じられるTimeshiftでは3つの時間操作能力が在ったが、使い分けはシンプルだしその為のエネルギーは無限リチャージと解り易い構成だった。どんなシーンにおいても能力エネルギーのリチャージさえ待てば、その時点で全てのプレイヤーの発揮可能な能力は一定に保たれるので、敵の攻撃力とのバランスが採り易い(ヘルスの自動回復方式と同類)。対して今回は発見したアップグレード数によって使用回数の最大値が異なり、また状況によって何個分のエネルギーパックが残っているのかも異なる(リチャージは一つ分のみ)。つまり敵の攻撃能力が一定なのに対して、Gravlinkの能力がどれだけ使えるのかが変化する為に、その辺のバランス調整がとても難しい。結果的にはエネルギーが少ない状況でも十分に戦える様にという配慮から、通常の銃撃戦だけでも戦えるバランス(Gravlinkの効果は控え目)に寄せたのだと思われるが、上に書いたようにそれだと他の面にしわ寄せが行ってしまう事になる。

COMBAT
 戦闘の特徴を紹介するとまずはHavok物理エンジン。何でもインタビューによれば世界でも二社だけという専属パートナー契約を結んでいるそうで、グラフィックスエンジンの方もその破壊描写を詳細に実行出来るようにカスタマイズされている。しかしながら演出として描写される派手な破壊シーンは良いとしても、ゲーム内にて有効に活かされているとは言い難い。

 ゲーム冒頭の回想シーンにおいて派手な建物破壊を行えるが、これがアピール要素なのかと思いきや、その後のゲーム内にはそういった派手な破壊が行えるシーンはほとんど出て来ないので宝の持ち腐れである。せいぜい敵の居る高台の足場を崩せるとか程度。カバーを破壊出来るのは面白い要素だが、通常武器にて破壊可能なカバーの種類はあまり多くない(RPGやグレネード等の破壊力の高い兵器が数多く用意されていない)。逆に敵の攻撃でカバーの一部が壊されたり無くなったりの方が多く、それはそれで緊張感があって面白いのだが、たまに遠方からのRPGでカバーごと壊されて即死とかが発生するのはあまり宜しくない。他には非常に多くのオブジェクトが演算対象になっている関係上、戦闘後にそこら中にアイテム類が飛び散ってしまったりして探し難いというケースも発生する。


 次に頻繁に登場するゼロGゾーンだが、ここは想像していた程には特殊ではなかった。宙に浮いた状態で戦うカバー戦みたいな物で、同様に浮いている敵と戦ったりもするが難易度はむしろこちらの方が低い。有利なのは最初からオブジェクト類は浮いているので、いきなり引き寄せて投げられること。制限としてはこのエリア内ではHigh-Gに切り替えられないのでシールド等は使えない。厄介なのはグレネードが自分の近くでピタリと止まる事が増える点。

 後半に向けて高速移動する近接戦狙いの敵(手が刃物になっている女兵士)が出てくる辺りからは難易度も上がってくるし、また用意されているいろいろな操作も使わないとならない状況が出て来る。蹴って後ろへ飛ぶ, カバーの反対側へと移動操作, エネルギー爆発を利用しての左右ドッジ等。中でも360度全方位から敵が攻撃してくる可能性があるエリアでは、高速で全方位を見渡すのが困難なので難しくなる。地上戦闘の合間に挟まる変化球としては効果を挙げていると評価出来るが、プレイ感覚は割と普通でユニークという程では無い。


 戦闘の基本要素。武器類はアサルトライフルが三種類, スナイパーライフルが二種類, ショットガン三種類、で敵の物であるエナジータイプを含む。後はRPG, スワームランチャー(マルチ追尾式ロケット), ヘビーマシンガン, 溶岩放射器の重量系となる。個人的にはショットガンがかなり遠くまで正確に届くので非常に強力だと感じた。後は対物スナイパーライフルがカバーごと吹き飛ばせるので強烈。早期に手に入れるには脇道を探すしかないがそれだけの価値はある。問題点としてはRPG等との一時的な交換用に捨てた武器が、物理演算の影響を受けて飛ばされたりして無くなるケースがあるのと、戦闘終了直後に強制ムービーから別エリアに転送されてしまう為に落とした武器類を回収出来ない事がある。

 弾薬類は豊富な方だが、無くなったらオブジェクトを投げ付けて攻撃したりショックウェーブを使ったり出来るので詰む可能性は少ない。また遠くのアクセス出来ないエリアに有る物を、浮かせてから引き寄せて回収するという風にも出来る。後はグレネードはかなりの威力を持ち、またあまり転がらないので当て易いのだが(軌跡投げも可能)、この手のゲームの中では数が少ない方なので乱用は出来ない。

 難易度Normalでの被ダメージへの耐性は普通レベル。ただ最後までプレイしても基準が判り難いというのはあった。“基準”というのはこの位で隠れれば大丈夫といった感覚の意味で、まだ平気と思っていたら突然アッサリと死んでしまったりが結構発生する為に、死を避けての隠れるタイミングはやや早目にしないとならなかった。なお全般的に爆発物のダメージが高いので、グレネード等には特に注意する必要があるゲームである。それとカバーが破壊されるので安全ではなく、たまに隠れている状態でカバーごとやられたり、カバーの壊れている部分から出ている所を撃たれたりしてしまうケースもある。ちなみにカバーが壊れるとそれに合わせてちゃんと姿勢を変えたりもするので、一部が破損しているカバーの背後の安全性というのは判断し辛い。

 厄介なのは英語の項でも説明したレオのヒントで、戦闘中に遠くの高台に出現するRPGからの攻撃などは、レオのシャウトを聞き逃すと直撃即死などで大変に危険。それ以外でも戦闘開始後に視界外となる高台部分から攻撃してくる敵が増えたりと、嫌らしい敵配置も時折あるので注意しないとならない。

 攻撃の命中表現には若干の問題あり。弾が敵に当たった時に火炎効果のある武器ならばハッキリと判るし、一部の敵はアーマーに当たった際に火花の表現も持っている。しかしそれ以外ではダメージのエフェクトは無く、出血表現は敵が死んだ時にのみ発生する様だ(死体を撃っても生じる)。撃たれた際の仰け反りや膝を突いたりといったアニメーションは備えているのだが、敵がそれをやらない場合には当たっているのかどうかは判断し難い。一方で部位ダメージはしっかりしており、攻撃による部位損傷表現は派手だし細かい。例えば頭部にヘルメットを被っている敵にはヘッドショットが効き辛い設定なのだが、脚部にアーマーの無い相手ならばそこを撃って吹き飛ばして倒す事も出来る。


 相棒のレオは終始一緒になるが比較的有能ではある。グレネードを投げたりGravlinkを使ったりが出来るし、ある程度は敵を銃撃で倒す能力も持つ。またゼロG空間でもその中を飛びながら戦闘もこなせる。道中離れて付いて来られないケースも数回有ったが、チェックポイントで自動的iに合流するので特に問題は無い。問題は強敵ボス戦にて正面からそれを迎え撃つので、ダウンしてしまって足手纏いになるところ。これを助けるにはシールド等のエネルギーが残っていないと厳しくなるし、レオをボスから離れて戦うように誘導したりも出来ないので、数カ所の強ボス戦ではストレスになった。。あと付け加えると、幾つかの場所ではシャウトしまくってとにかくうるさいという欠点もある。


 戦闘の大きな問題点としては死亡やり直しの際の補正が挙げられる。このゲームでは死亡してチェックポイントからやり直す場合、常にGravlinkのエネルギーがフルの状態からのやり直しになる仕様である(武器の弾数は変化無し)。これは上で述べたGravlinkのバランス調整に関わる設定なのだろうが(そのチェックポイントの時点にてどれだけのエネルギーを持っているのか不明なので、仮に少なくても二回目以降はフルにしてやれば、エネルギーが足りないので詰みという事態にはならないという判断)、いろいろと問題が感じられる。

 第一にこの設定ならば難所では一度死んだ方が早かったりもするので、エネルギーが少なかったらすぐに死んでチェックポイントからやり直せば良いという風になってしまう。第二に何時でもやり直せばエネルギーを満タンに出来るのだから、当然ながら通常時にエネルギー残量を考えながら戦うという意義は薄れる。第三に戦闘にチャレンジを求める人にとっては、チェックポイントから同じ条件でやり直せるのではなく、一度でも死ねばエネルギー満タンに戻されてしまうというのは手加減されている様でやる気を殺がれる恐れがある。何回か繰り返して死んだらorエネルギーを満タンにするかをプレイヤーに問うてから実行するとかにするべきだった。


 敵は通常兵士がアーマータイプと通常タイプが数種類ずつ。他にRPG兵とか巨大な盾持ちで正面からは攻撃出来ない特殊なタイプも居る。敵兵士の方にもGravlinkを使える者がいるがその割合は少なく、こちらが浮かされてしまう事は稀である。ショックウェーブを使って来る奴も居たが、これは確か二回しか遭遇しなかった(近付かれる前に倒しているのかもしれない)。後はスレイブと呼ばれる近接戦のみの雑魚(ただし同時出現数が多い), スレイブで爆弾を巻いているカミカゼ, ゼロG空間でのみ出現する両腕刃物女等になる。

 中ボス戦の繰り返しも欠点の一つ。終盤に掛けて数種類のボスを繰り返し登場させての戦闘が頻繁に発生する様になるのだが、ボスの種類はスレイブドライバー, ブッチャー, セキュリティボット, ベヘモス等が使い回される形になる。徐々に攻撃方法が強くなったりと変化は生じるが、中でもスレイブドライバーは変化が少なく、また最も出現回数が多いので「またお前か...」とウンザリさせられること請け合い。

 そういった難所では、倒す為に有効な武器やリチャージスポットが存在する可能性があるのでそれをまずは(戦闘を捨ててでも)確認した方が良い。それとボスには爆発物でしかダメージが入らないタイプもいれば、通常武器でも有効でまた武器によって効果が大きく異なるケースもあり、更にHigh-GとLow-Gを当てた時の効果も別々だったりするので、いろいろと試してみる事をお勧めする。後はGravlinkを積極的に使いながら、戦場エリアにリスポーンするエネルギーをグルグルと走り回りながら拾いまくり、雑魚敵が居るならそれを捌きつつ、ボスにダメージを与えられるタイミングになったら集中攻撃を行うというスタンスが基本になる。大抵は持久戦になるのでシールドを使って安全策を採りつつ、焦らずにじっくりと攻めた方が良いだろう。

GRAPHICS
 自社製のSaber3D v.S4エンジンを使用。軽さの割には綺麗な部類だが、コンソールメインというのもあるのかテクスチャーの精度はそれ程ではなかった。アニメーションはかなり細かいし、エフェクト類も多種の物が重なって描画されたりとなかなかの出来だと思う(ただ対応しているDX11でのテストが現在は出来ないので参考程度に)。この会社はデビュー作からグラフィックスの面では優れていると言える。

 気になったのは明るさの表現で、暗い場所に光源が存在するシーン(序盤の捕虜施設)は影等が綺麗なのだが、普通に暗いエリアではやけに薄暗いという印象を受ける。ある程度の明るさは持っているが強い光源が無いといったシーンで、普通だったらこんなに暗くないだろうという程度に暗い。そういった場所では敵の細かい部分までが見え難く、ハッキリと見えない敵と戦うというのはあまり好ましい事では無い。なおゲーム内には明るさとコントラストを調整する機能を持つが、それで合わせたりそれよりも明るくしてもあまり変化は無い(白飛びしたようになるだけ)。意図的にそうなるようにポストプロセッシングで調整しているのだろうか?。同じエンジンを使用しているGod Modeでも実はそうだったのだが、あちらは背景設定やゲーム性として暗くしてあるという面があったのでここまでは気にならなかった。


 設定可能項目は影, アンチエイリアシング, テクスチャー, AO等の6種類で、プリセットの他に個別にも変えられる。

SOUND
 アナログ出力で4CHスピーカーへのサラウンド出力が可能。ドルビーデジタルにも対応している。

 武器サウンドはフィルターを通しているような籠もった感じでクリアでは無い。軽くて迫力も無くここはマイナス評価になる。

 声優の評価はネイティブでは無いので何とも難しいが、相方のレオの方はどうも感情の込め方とかに変な印象は受けた。

MULTIPLAYER
 マッチングにGamespyを使用しておりアカウント要。(2013/10現在)Gamespyは買収によって2月にサイト活動を停止しており、運営されていたオンラインでのマッチング機能が今後どうなるのかアナウンスされていない状態にある。(既に古いゲームの幾つかはサーバー機能を停止している)。このInversionではログインは可能だが、全く人が見当たらない為にこのゲームのマッチングシステムがまだ稼動しているのかどうかの確信が持てなかった。或いはいずれ近い内に停止される可能性もある。


 マルチプレイは最大で12人まで参加可能。経験値を稼いでレベルアップし、武器やアップグレードをアンロックしていくというポピュラーなシステムを採用している。モードは全部で7種類で、普通のデスマッチ等ではGravlinkを使用可能に設定も出来る。或いは重力制御を用いたりして重力場の位置を変えたり出来るモードも在り。その他には4人までが参加可能なCo-op形式のSurvival(ホードモード)も用意されている(ソロでのプレイも可能)。


 キャンペーンCo-opは別のメニューとなっており、どうやらこちらはオンラインでのマッチメイク機能を持っていないらしい。つまりフレンドとしかCo-opは出来ないという意味になる。インターフェイスはGod Modeと同様で、トップ画面にてローカル, LAN, オンラインの設定を切り替え(オンラインにするにはSteam上で自分がオンライン状態になっている必要がある)。そうすると同じくオンライン状態のフレンドがトップ画面右上に表示される仕組み。

 付け加えておくとPC版はともかくコンソール版の方でも定番のローカルCo-op(画面分割)に対応していないそうで、更に発売までは出来るという話になっていたらしく、これもゲームの評判を落とす原因になった模様。


 試してみたがマルチプレイの方はマッチング出来なかった。こちらはもう不可能に近いのではないかと思われる。セールの時に試してみるとかしかなさそう。キャンペーンの方も同じで、何しろ多数のフレンドの中に持っている人すら一人も居ないのでテストは出来なかった。

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