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CO-OP
 シングルプレイのキャンペーンをそのままCo-op可能である。前作とは違ってオンラインでのCo-opも可能になっているのが大きな進歩

 フレンドを誘ってプレイするのが簡単だが、不特定の相手を探してマッチングする事も出来る。ただしどの程度見付け易いのかは未検証。

*ホスト側がリンチ、クライアント側がケインを操作する
*メニューから開始する方式で“drop-in/drop-out”形式ではない(2人揃わないと始められないし、途中からは入れない)
*チャプター単位でもプレイ出来る
*ホストの設定出来るのは難易度のみ
*ムービーはスキップも出来る
*テキストチャット機能は持っていない。ボイスチャットだけ。


 シングルプレイとの一番の違いはダウン時の扱い。ダウンして限界を超えた場合でも、シングルプレイとは異なりすぐには死なない。Useキーの連打画面が出るので、ダウンしたプレイヤーはバーが無くならない様に高速連打。その間に相方が助け起こせれば復活出来る。間に合わなければ死亡になってチェックポイントからやり直し。よってなるべく近くに居た方が安全ではある。

 後は扉を開けるには二人で操作しないとならないので、片方が先にドンドン進んで行ってしまう事は出来ない。


 大きな問題はラグ。互いにホストになって試したが、クライアント側からは敵がワープして見えたりが発生する。ただカバーアクションなのでそれ程困った事にはなっていない。ネットコードの問題だと思われ、もはや修正は望み薄か。


 通してプレイしてみての感想だが、まずお互いが人間の操作なので進行が早く、クリアまで4時間も掛からなかった。片方が攻撃中に側面に回り込んで攻撃したりと、コンビで戦う事もやり易い。だがシステムとして二人の協力が必要とされるケースがほとんどなく、大してシングルプレイの時とプレイ感覚は変わらない。シングルプレイよりは面白いと思うが、Co-opならではの協力しての面白さがあまり出ていないのはちょっと残念である。

FRAGILE ALLIANCE
 前作から引き続いて導入されているマルチプレイモードで、幾つかのルール変更とバリエーションの追加が行われている。非常に特殊なルールで行われるモードで、協力と裏切りをテーマにしている。


 簡単に概略を説明すると、8人までのプレイヤーがチームになって強盗を行うのが基本目的。AI操作の警官達を相手にして、まずは金の有る場所に行ってそれを奪う(ドルマークの近くに立っていれば自動的に回収される)。金を奪ったら警官を倒しつつ脱出ポイントへと向かい、そこで到着した車やヘリに乗り込んで脱出。死亡したメンバーの金は近くに行く事で回収が可能。生き延びたメンバー間で金は山分けとなる。規定のラウンドを通して最も金を稼いだプレイヤーの勝利。

 しかし普通に脱出していては金が山分けとなり他人を出し抜けないので、何時でも裏切る事が出来る様になっている。一つは仲間を殺すという方法で、裏切って逃げ切れば持っている金は自分の物にする事が出来る。ただし仲間を攻撃した時点で裏切り者のタグが付いて皆からハッキリと判る様になり、攻撃されて殺されてしまったら金は手に入らない(裏切り者は殺してもペナルティにならない)。その為にどのタイミングで裏切るかが重要になる。死んでしまったら何にもならないので、警官の攻撃の中を生き延びるには人数が残っていた方が良いが、裏切った時点で人数が多いと反撃されて殺される危険性が高まってしまう。なおここで言うタイミングとは、どのラウンドでやるかという意味も含んでいる。いきなり最初でやると次のラウンドから目を付けられてしまい、裏切りがやり難くなる恐れがあるからだ。

 裏切りで殺されてしまったプレイヤーは警官としてリスポーンし、倒した相手の金を拾う際に割り増しで回収出来てスコアに加えられる。また自分を殺した裏切り物を倒す事でリベンジボーナスが得られる。

 もう一つの裏切りとして、脱出用のビークルに乗り込んだ時点で「仲間を待つ」という選択肢の他に、運転手と山分けしてそのまま逃げてしまうという選択が可能。脱出用のビークルは定期的な間隔で何台でもやって来るが、その間に警官に殺されるプレイヤーが多くなればスコア面で有利となる。ただしこの脱出用のビークルにはHPの設定があり、一人で逃げようとする時点で撃たれて破壊される危険を持っている。

 稼いだ金は次のラウンド前に武器購入にも充てられる。武器はプレイヤーのランク(マルチプレイによって稼げるポイントで上昇する)によってアンロックが進んで行く方式。市民の殺傷や裏切り行為には金銭的ペナルティあり。警官を倒すとボーナスが加算される。

 前作からの主な違いとしては、裏切り者の判定基準を軽い誤射程度ならばセーフとし、基準を超えたらイエローカードが表示されるという風になった(相手を殺さなくても出る可能性がある)。このイエローカードが表示されている間は裏切り者扱いとなり、それを殺したプレイヤーは裏切り者扱いにはならない。それとシングルプレイにおける“Down-Not-Dead”ルールがここでも適用されるので、いきなり攻撃されて倒されても逃げたり反撃の余地があるという事になっている。


 バリエーションのUndercover Copは、メンバーの中の一人がランダムで潜入捜査官に任命されるというルール。該当プレイヤーは強盗の失敗を目指すという点が異なる。Cops and Robbersは最大6vs6のTDM形式で、警官と強盗側に別れて金の奪取と防御を目指して戦うモード。


 ゲーム自体は心理戦を含んでおり面白そうではあるのだが、パフォーマンス的にはCo-opと同じ様にラグ等が発生する模様。また最低でも4人のプレイヤーが居ないとスタート出来ないのだが、既にプレイヤー数は過疎でそれも難しい状況の様だ。熱心なファンが海外コミュニティを作っているので、こういった所に加入して時間帯を合わせないともはやプレイするのは難しそう。



ARCADE MODE
 これはマルチプレイのFragile Allianceをシングルプレイ用にアレンジしたモードである。オフラインでのプレイ用だがポイントを稼ぐ事が出来て、マルチプレイにおけるプレイヤーのポイントと共通化されている。


 強盗チームはプレイヤーとAI操作のメンバーで計8人。プレイヤーはライフを3つ持っており、これが尽きるまで選択したマップにてラウンドを延々とプレイしていく。ラウンドが進む毎に警官の強さが増して行き生存が難しくなるという設定。目標は出来るだけ高額の金を稼ぐ事であり、マップ単位でハイスコアが管理されていてフレンドとそれを比較する事が出来る。

 AIもラウンドが進んで来ると裏切り行為を見せたりしてくるが、特に考えてやっている様には見えない。そして駆け引きが無いとプレイしていても面白くないので、淡々と進めて行く感じになりすぐに飽きてしまう。あくまでもオンラインでのマルチプレイ前の練習用という範囲を出ていない。シングルプレイのボリューム不足を補うには物足りないコンテンツである。

GRAPHICS
 使われているのは同社のGlacier Engineだが、今回は特有のビジュアルスタイルに合わせて主にエフェクト系が改造されている。レンズ越しの映像風に見えたり、光の線やノイズが入る等の効果を加えたりと ポストプロセッシング関連の処理が増えている。

 ゴチャゴチャしている街の中でのオブジェクトの作り込みは細かいし、看板等のテクスチャの質も悪くない。上海の街中などはあえて汚さを全面に出している様な印象だが、普通のオフィスを舞台にしているチャプターではもっとクリアな見た目になる。

 いずれにしろ上海というロケーションの雰囲気を出すという点では成功しており、その意味でグラフィックスの質は良いと言える。逆に後半の普通の場所ではその特徴が失われてしまう為に、グラフィックスの質は平凡というレベルに落ちてしまうという印象。


 問題点としては二人のキャラクターのディテールがそれ程でもなく、服の質感とか髪の毛の表現が良くない様に見える。重要な所なのでもっとここにリソースを割いた方が良かったのでは。


 画面は基本が16:9の横長なので、4:3の解像度設定だと上下が黒帯になる。黒帯を外すには解像度を変えれば良いのだが、単純にそのサイズに画像を合わせるだけなので、本来の縮尺では無く潰れた状態での表示になってしまう。グラフィックスの設定項目は多く、アンチエイリアシングも可能。

SOUND
 サウンド部分はエンジンを変更したのか、前作とは選択可能項目等が変わっている。

 声優の質は非常に良い。銃撃のサウンドも良い部類に入る。

 最大の特徴はBGMで、御馴染みのJesper Kydではなくドイツ人の女性Mona Murが担当。環境ノイズやフィールドレコーディングで集めた音を昔のシンセサイザーと組み合わせて、それをコンピューター処理で変成した物が使われている。通常の音楽ではない重く暗い奇妙な環境音が静かに鳴っているという感じで極めて個性的。メニュー画面以外には普通のBGMは無く、全てのシーンがその音響で統一されている。

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