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COMBAT

*視点は後方三人称だが、外部視点キーにてカメラを回転させて周囲を見渡す事が出来る
*ボブは羽ばたいて少しの高さであれば上昇する事が可能。手でオブジェクト等に捉まればそのままよじ登る事も出来る。
*ボブは高所からグライダーの様に滑空して遠距離に到達したり、高所からの落下中に羽ばたいてダメージを無くせる
*ボブは簡単なスイッチ類であれば人間同様に操作出来る
*憑依したキャラクタは武器を一つだけ携帯可能
*弾薬は持っている武器の物だけ拾える
*Attackボタンで戦闘モードに入り、Actionボタンで非戦闘モードに切り替える
*武器を持っていないケースでは素手による格闘モードに切り替わる


 HPの回復方法は独特で回復用のアイテムは存在しない。ボブのHPは憑依によって回復させる方式で、憑依するとその相手のHPをボブの最大値100まで吸い取る事が出来る。見方を変えるとボブが瀕死の状態で憑依するとより多くのHPを吸収してしまうので、そのターゲットのHPが減って死に易くなるというデメリットがある。よって同種のキャラクタが複数居る場合には、回復後に離脱して別の者に憑依するという戦法も重要となる。

 攻撃はオートエイム方式。複数の敵が居る場合には照準を動かすとターゲットが切り替わる。スナイパービューに切り替えると一人称になり、特定の部位攻撃を行えるようになる。Copであれば三段階のズームを行えるという特典あり。

 武器は10種類で、敵を切り刻むボーンソー, 火炎放射器, 冷凍弾を放つパック, 射程無限のバズーカ, エネルギーを溜めて放射するSF兵器のメーザー, 敵を串刺しにするハープーン等。他にサブウェポンとしてグレネードが5タイプ用意されている。


 戦闘は通常モードではオートエイムなのであまり面白味が無いというのが正直な所。強力な武器が多いのでその爽快感で多少補われてはいるものの、戦闘ゲームとしてみるならやはり弱いと言わざるを得ない。同様に敵側の攻撃もロックオンされるので、激しく動きながら敵の攻撃を避けるという手法が効果薄であり、数人に集中攻撃を受けるとすぐに死んでしまうというバランス。よって遠距離からスナイパービューで攻撃するというスタイルが有効であり、正面切っての撃ち合いは避けるのが無難という事になっている。弾薬も少ない部類に入るゲームであり、弾薬箱を壊せる状況ならば良いのだが、周囲に人が居たりするとそれが出来ないので厳しくなる。ただ憑依という一種のステルスにて戦闘を避けるという色が濃いゲームなので、この辺は仕方がない点とも言える。

 一方で戦闘時の敵のAIはこの時代のゲームとしては良く出来ており、障害物に隠れて移動したり弾が無くなると逃げたりといった動きを見せてくれる。近場で起きている戦闘に対して反応が無くなってしまうというバグらしき問題もあるが、全体としては高い水準を保っている。それ以外の戦闘時の問題点としては、攻撃のダメージが障害物を透過してしまう事がある点。


 ステルスの方の敵のAIにはいろいろと問題あり。死体を感知しないというのがその一つで、見た目に非常に不自然である。発見判定についてもおかしな点があって、攻撃モードの判定が壁を透過してしまう事が発生したりする。誰か一人に発見されると周囲の全ての人間にそれが即時に伝わってしまう点もおかしい。或いはCop対Chotの様に2つのグループ同士で戦闘している場合、敵の最後の一人が死んだ瞬間に自分が武器を構えている状態だと、即座に今までの味方から「攻撃モードになっている怪しい奴」と判定されて攻撃を受けてしまうという事態になる。

GAMEPLAY
 私の場合クリアまでの時間は12時間程度だった。しかし実際のロケーションやマップ数は少なく、内容としてはボリューム不足という印象。パズルに悩んだりせず、またタイミングアクションが上手い人ならばもっと短時間でクリア可能だろう。


 このゲームのパズルは基本的に憑依のシステムを利用しているが、その使われ方には大きく分けて二通りある。一つは誰に憑依するのかという答えが予め決まっているタイプで、例えばコマンダーや科学者しか扱えない装置が有って、それを使う為にそういったキャラクタに憑依する必要があるという状況。こちらではマップ内の何処かに居るそのキャラクタを探す必要があり、その為の前段階として他のキャラクタに憑依して段階的に進めていくというやり方が定番になる。またはターゲットはすぐに見付かるのだが周囲に他の人間が居るので憑依し難い状況であるとか、どういったタイプのキャラクタに憑依すれば切り抜けられるのかを考えさせるというケースもある。もう一つは目標だけが与えられており、どのキャラクタに憑依するのかには自由度があるというパターンで、進行ルートが複数用意されている事もある。

 このゲームの問題点は前者のパターンの方が遥かに多いという点である。プレイ前に想像していた程自由度は無く、「ここではこのキャラクタに憑依するしかない」という設定が頻繁に出て来る。この辺は欠点というよりは作り手側の嗜好の問題なのでそこを責めるのには問題があるかも知れないが、少なくとも個人的には気に入らなかった部分である。マップ内の何所を進めば次のエリアに行かれるのかとか、その為にはどのキャラクタに憑依すれば良いのかを考えさせる面が強くて、既に決まっている答えを探させるゲームとなってしまっている。“誰に憑依して”、“どのルートをどういう風にクリアして行くのか”という自由度の方面をもっと充実させればリプレイ性も高まって面白くなったと思うのだが、そういったシーンは限定的であるか、或いはあまり重要ではないエリアにおいて使われるのが主である。

 憑依によるステルスというゲーム性は確かに面白いが、残念ながらそれが十分効果的には使われていないという結論。まあこの頃はアクションゲームにおいてはそれ程自由度が重要視されている訳では無かったので(同年のDeus Exもこの後)、こういう設定も仕方がないのかとは感じる。


 続いてはゲームの欠点に移るが、最大の問題はやたらと出て来るプラットフォーム・アクションになる。失敗すると即死といったシチュエーションでのタイミングや距離を合わせてのジャンプを行う必要がある箇所が多く、またそれに難易度が高い物が結構存在している。セーブが自由なのは救いだが、何回も同じ場所で成功するまでジャンプを繰り返すのは到底面白いとは言えない。ボブを使っての羽ばたきが必要なケースでも、ジャンプ連打によるタイミングが慣れるまで難しい。折角憑依という面白い要素を持ち込みながら、何故それを活かさずにこんなにも古臭いジャンプアクションを数多く用意しているのか、こちらについては理解が出来ない。

 次にラスボス戦の難易度が非常に高い。そして更に悪い事に面白いとは言い難い。敵がどういう風に動くかという運に頼る面が大きく、途中でセーブポイントを幾つも制作して繰り返しプレイしないとならなかった。

 その他ではHUDのデザインが変わっており、洒落たデザインのつもりなのかも知れないが表示が歪んでいるので見辛い。後はメインメニューではマウスを使えないというのも問題である。

GRAPHICS
 自社制作のMessiah Engineを使用。当時としては先進的な機能を盛り込んだエンジンで話題性も高かった。登場したばかりのHardware T&Lにいち早く対応した最も初期のゲームでもある。

 最大の特徴としてフレームレートの自動調整機構を持ち、ビデオ系のクオリティ設定はほとんど項目がない代わりに、設定したフレームレートを維持する為に自動的な調整が常に行われるようになっている。当時としては高過ぎる物を含めての豊富な解像度設定を持つが、どれだけ設定を上げてもスローダウンは起きないというのを売りにしている。テッセレーションの技術を用いてキャラクタのポリゴン数を各フレーム毎に増減させてやり、それによってフレームレートを安定させるという仕組み。

 ただしフレームレートを重視する人には良いかもしれないが、実際にはそれを維持する為にグラフィックスはデグレードされている訳で、解像度が高くて負荷が掛かるとそれだけエフェクト系等は見劣りする計算になってしまう。例えば影描画は表示されたり消えたりするのが見て取れたり、ライティングも突然変化したりと粗が目立つ時がある。またフレームレートを重視する為なのか、テクスチャのクオリティはあまり高くない。

 特にキャラクターは動きによって体が軟体動物であるかの様にうねって見えたり、ポリゴンの増減が目で判るレベルでの変化なので体が変形している様になってしまったりと欠陥も発生している。このポリゴンの乱れの様な描写は私としては非常に気になった点で、このエンジンの大きな弱点と言わざるを得ない。(パッチによって追加されたポリゴンストリップという設定が存在するが何を意味するのか不明)。

 付け加えておくと発売当初のバージョンではマップ内のデータをストリーミングで読み込む為に、新しいエリアに入ったりそういう方を向くとローディングが発生してしまい、それが原因の大幅なフレームレートの落ち込みが発生するという問題を引き起こしていた。例えば激しい戦闘中とかタイミングを要するジャンプの際に、突然フレームレートが落ちて死んでしまったりタイミングが合わなくなったりするという困った事態である。これには後にパッチでデータのキャッシュをOn/Offする機能が追加されているが、ゲームの評価を落とした一つの要因になったのは間違いない。


 良い点としてはキャラクタのアニメーションの方は優れており、相当複雑で滑らかな動きを見せてくれたりする。それとビルの看板等の背景にビデオをストリーミングで流したりするのは新しい機能である。

 私がプレイしたのは3年遅れというのはあるが、良い点悪い点を総合するとグラフィックスには高い評価は与えられないという結論。

SOUND
 3Dサウンドに対応しており、EAXでのサウンドの定位感は良好である。

 BGMはメニュー画面以外はほとんど用意されておらず環境音を重視している。

 特殊エフェクト系の音は良い感じだが、それ以外は普通。

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