MESSIAH

                                  10/03/20




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製作・販売: Shiny Entertainment / Interplay Entertainment
発売: 2000/03
日本代理店: ズー



                              ※ 日本語版でのレビューになります ※


 *10/03/20 動作環境欄に日本語版の動作についての記事を追加

概  要  Shiny Entertainmentは業界的には有名人のDavid Perryが1993年に設立した会社である(彼は北アイルランド人だが会社のロケーションはカリフォルニア)、近年ゲームに入った人はDavid Perryの名を知らないと思うが、最近ではクラウドコンピューティング(高度な3Dゲームをストリーミング配信により低性能のPCでもプレイ可能にする)の会社の一つであるGaikaiを設立している。Shinyの方はデビュー作のEarthworm Jimの大ヒットにより一躍有名になり、その他ではMDKSacrifice等で知られる。会社自体は既に吸収合併されて存在していない。

 Messiahは発表当初はユニークな設定と高度なテクノロジーを併せ持った物として注目度も高かったゲームだが、開発が相当遅れて2000年までずれ込み、その結果としてテクノロジー(グラフィックス)の面ではインパクトが薄れてしまったのは確か。結果的にゲームの評価自体は75.2%と悪くなかったのだが、発売時にはあまり話題にも上らなかったので知名度は高くない。同年発売で評価が高かったSacrificeの陰に隠れてしまったという感もある。


 プラットフォームはPC。シングルプレイのみでマルチプレイには対応していない。


 現在Interplayが半休止状態の為、リテール版としては出回っていない。おそらく最後の再発としては英国のSold Out Softwareからリリースされているが、それでもかなり前の話なので現在ではカタログから消えている。AmazonやeBay等から買えるのならば特別レアでもないし安いようだが、そういった海外通販の手段がないとなると入手は難しい。ダウンロード販売ならばGOG.comで扱われている。


 (左から順に欧州版, 北米版, 日本版)












 日本ではズーが『MESSIAH (メサイヤ) 正規輸入版』を先行して発売し、その後重要な箇所だけを日本語化した『メサイア 日本語版』をリリースしている。その数年後にはツクダシナジーのゲームファンシリーズとして廉価版再発も行われている。なお日本語版の動作については下の動作環境の欄を参照。


STORY  背景設定は地球の近未来。この世界では一部の特権階級の手によって世の中が支配されており、上流, 中流, 下層クラスという風に厳密に階層化された社会が形成されていた。特に最下層の連中はChotsと呼ばれ、下水道に住み着いてその上のクラスの人間達と敵対状態に置かれており、治安を管理するCopとは殺し合いを繰り広げているという社会の暗部も抱えていた。

 世界の支配者であるファーザー・プライムは高度に発達したテクノロジーを用いて天国と地獄の存在を突き止め、既に地獄への門を開いてサタンをその研究対象にまで置いており、ゆくゆくは天国へもその手を伸ばそうと目論んでいた。この様な事態を憂いている神は天使のボブを地上へと使わし、見難く歪んでしまった人間世界の是正を行うように命令を下す。体力的にはひ弱なボブだが、様々な人間に憑依してそれを操れるという能力を活かしてファーザー・プライムの悪しき野望を打ち砕かないとならない。


PATCH

DEMO
 パッチの最終版は0.2。VIDEOのオプションにキャッシュとしてプリロード機能をON/Offする項目があるならそれは既に0.2が適用されている。日本語版は最初から0.2でありパッチは存在しない。


 デモが存在するが、最初の物の後にパッチ適用済のアップデート版(99.3MB)が出ているので間違えないように注意。

動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU PentiumU 233MHz PentiumU 300MHz
MEMORY 64MB 64MB
VIDEO Direct3DまたはGlide対応の3Dカード VRAM 16MB以上の
PCIまたはAGP 3Dアクセラレータカード
SOUND Direct Sound対応 EAXまたはA3D
対応OS Windows 95/98
DirectX 7以上要


 GOGの記載だとVistaやWindows 7でも動作するそうだが、何か特殊な改造を行っているのか昔のリテール版でも問題無いのかは未検証。ただし発売当初からその不安定さが指摘されていたゲームでもあり、二度のパッチで大分修正はされたようだが、私が日本語版(V0.2)をWin98でプレイした際にも何回か落ちる事があった。設定した解像度が元に戻ってしまったりするといった細かな問題も存在している。

 注意) 日本語版ではVistaにてインストール用プログラムが正常に動作しない。互換モードを使用しても不可。XP等でインストール後にファイルをVistaのPCへとコピーして、その後レジストリの内容も持ってきて登録すればOK。また動作させる場合にはMSが提供している無償の互換性ツールであるApplication Compatibility Toolkitにて、(SingleProcAfinity,EmulateSlowCPU,IgnoreException,DisableDWM)の様に指定してやれば良い(Astarさんからの情報)。


 3DAPIではD3DとGlideに対応しておりソフトウェアでのレンダリングには対応していない。私がプレイしたのは発売から数年後の既にGlideが廃れた頃だったのでD3Dの方である。


 [動作確認] (XP SP3, E6850, MM 2GB, Geforce 8800GTS 640MB, 196.21, SB X-Fi)でのテストでは、メニュー設定やゲーム開始時にやたらとエラーを吐いて落ちるのを確認。パラメータとしてWin2K互換(後述)に設定してやると改善はされたが(Win98互換モードでは駄目)、テストの結果私の環境ではミップマッピングを有効にすると問題が発生する様だ。原因がビデオカードの方なのかドライバのバージョンに原因があるのかは不明である。その後のセーブデータを読み込んで短時間のテストプレイでは大きな問題は見当たらず。

 それと設定で解像度を変更しても適用されず、設定画面上では数値が変わっていても640*480*16のデフォルトにしかならないというトラブルも発生した。ネット上の情報からするとこれはXP以降のOSでは発生する現象の模様。この問題はデバッグモードにしてやれば起動時に解像度等を設定可能になり、そこで指定してやればゲーム中でもそれが有効になる。


 トラブル発生時の原因切り分け用コマンドラインパラメータの一覧。

 -i オープニングロゴを飛ばす
 -s サウンドをオフにする
 -o フォグをオフにする
 -v ミップマッピングをオフにする
 -p 明るさの設定にウィンドウズ側の値を使う
 +!  Windows 2000モード
 -x デバッグモード

 XP以降のOSの場合にはD3D版の起動ショートカットを制作してから、以下の例の様にのプロパティから付加する。

  "C:\Program Files\messiah\MessiahD3D.exe" +! -x


*動作が不安定
 近年のマシンの場合には“Direct 3D T&L HAL”ではなく“Direct 3D HAL”の方を選択した方が安定するという情報あり。


*特定のシーンで必ず落ちる
 サウンド処理の問題らしく、上記のパラメータにてそのエリアをサウンドを完全にオフにしてプレイしてみる。

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