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GAMEPLAY
 特にチャプターとしての区切りは無いが、セーブゲームに名前が付けられるのでそれを区切りとするなら25個。初回のプレイで14時間程度だった。開発側はサバイバルホラーに慣れている人なら10〜12時間位で、初心者だと倍は掛かるだろうと話している。私も昔に比べるとこのタイプの固定カメラ視点に慣れたのと、構え操作で視点を背面に移動出来る機能も持っている事から、“その意味での”操作のやり難さは大して感じなかった。なお今回はパズル系で詰まる可能性が前作より高くなっており、その辺でプレイ時間には幅が出ると推測される。実際に20時間以上という人、逆に10時間掛からないという人も結構見受けられる。

 ここで注意点を一つ。ゲームが終了してエンドクレジットが流れてもそこで終わらせないように。実はそのクレジットが流れた後もゲームはしばらく続いて行く。物理的なボリュームはそれ程では無いが、パズルが難解になり難しいラスボス戦もあるので、そこから1〜2時間程度は続くのではないか。制作側は「意外な事が起きるからお楽しみに」などとインタビューで呑気に話しているが、ちょっとこれはやり過ぎだろう。明らかにラスボスであろうという感じの敵を倒し、CGムービーが流されて、そこからエンドクレジットへと突入するので、見た目的には終わったと考えても無理はない作り。実際にキャンセル出来ないクレジットの長さに閉口して、強制終了(コンソールならばリセット)してしまったという人も少なからずいるのではないかと想像される(特に10時間以下でクリア出来たという人の中には)。

 リプレイ性はほぼ無い。難易度は一つだけでクリア後にアンロックもされないし、二周目モードも持っていない。キャラクター選択も出来る箇所が少ないし、そもそもAptitudeの仕様変更からキャラクターを変える意味自体が無くなった。あえて挙げるならボーナスボックスのコンプリートを目指す位だが、これを初回で達成してしまえばそれすら無くなる。このタイプのゲームの感想などを見ていると、二周目モード存在の有無はゲーム評価の上で相当重要に思えるのだが何故か全く無視されている。前回のSpecial Modeの様に新コスチュームの製作などは手間が掛かるので断念というのはあるかも知れないが、新難易度の設定はパラメーター変更程度で済むだろうし、せめてそれ位は用意するべきではなかったか。


 今回もストーリー構成はスプラッター系のホラー映画と、ティーンエイジャーの青春映画(ドラマ)要素をミックスさせた物だとしている。具体的にはホラーでは『クライモリ』, 『ラストサマー』, 『ヒルズ・ハブ・アイズ』などを影響を受けた物として挙げている。リアリティを高めるのに若者の学生文化を採り入れるに当たってはユーモア(ジョーク)や恋愛の要素が不可欠であり、それ等をホラーを両立させるという点に大変苦労したと話している。

 登場人物間では複数の恋愛感情が描写されているし、今回は操作するペアが固定されているケースが多いので、両者の間でジョーク的な会話が交わされるというシーンもよく出て来る。大学の掲示板に書かれた文面にもユーモラスな物が多い。ただそれがストーリーを豊かな物にするのに貢献しているのかとなると疑問符が付く。制作側の懸念している通りにホラー感を損ねている様に思えるし、会話中に先を急ぐとそれが終わらぬままに戦闘に突入してしまったりと不自然な事が起きたりもする。

 事件の背景設定やストーリーの展開には特別に面白味は無く、入手可能な資料も少ないので良く理解出来ない面も幾つかある。登場キャラクターは増えたが魅力のある人間は少ないし、またホラー映画にはありがちだが人が死に過ぎだろう。それと前作を未プレイの人には理解し辛いと考えられる面も持っている。


 キャラクター選択の余地が少なくなったのも個人的にはマイナス点。プリレンダのCGムービーによるストーリー解説や、登場人物の死をドラマチックに演出するには、その時点で誰が死んでいても構わないというシステムではダメなので変更したそうだが、リプレイ性の減退などデメリットの方が大きい。しかも特定の人物を連れて来ないとならないケースが大半なので、選択が可能にされているポイントでも実は選択が無意味だったりする。先に進めるまで必要なキャラクターが判らず、判った時点で居なければ戻って交代しないとならないと面倒になっただけ。


 マップの構造は大きく変わった。閉鎖されたエリアの中で連結された部屋を回って行くという構成が続く前作に対して、後戻りせずに直線的に進める場所がかなり多くなった。その結果マップの構造が多様化したので面白味は増したと言えるが、移動時の足が遅いので広い場所では焦れったいという欠点も同時に生まれている。キャラクターの切り替え方法にも変化があり、1エリアのクリア毎に集合場所に集まるという形式から、あるペアのパートが終了すると、「その頃こちらでは...」といった感じで別の場所に居る別のペアに切り替わって続行されるというパターンが増えている。


 ホラー要素については出来は良くない。ゲームの最初はグロ&ホラーの悪夢シーンとなり、今回はブラックオーラを吸い込むと悪夢を見るという設定を利用したホラー演出なのか?と思ったのだが最初だけ。後は現実世界になってしまい、雰囲気的にも怖さが伝わってこない。暗闇の要素が取り払われてしまっているし、キャラクター達が状況を怖がっている様には見えないというのも関係している。

 残虐表現は出血エフェクトがメインで、ゴア要素は転がっている死体等の一部に適用される。その流血も単に一時的な物なので物足りなさが残る出来。モンスターも特にグロいという物は登場しない。キャラクターが死ぬ際に首が無くなる様な表現も見られるのだが、死んだ時点ですぐにロード選択画面になるのでハッキリとは確認出来ない。



 謎解きの比重も変わった。戦闘重視でそのテンポを乱す難解な謎解きは極力排除するという方針だった前作から、今回はミニゲームを含めて謎解きを必要とする箇所が大幅に増えている。また難易度も比較的上がっていると言えよう。それ故にプレイ時間は延びているし、人によって幅が出るという風にもなっている。その種類だが、「どうやったらクリアなのかは明示されているが、解くのに難易度が高い」というタイプは少なく、「何をしろと要求されているのかが理解出来ない」という物が多い(言い換えるとどういう意味なのかが解れば割と簡単に解けるタイプ)。

 もう一点謎解きを難しくしているのは反応するポイントの問題。このゲームでは何等かのアクションが可能な場所に行くと選択肢が表示されるのだが、この反応範囲が狭い所が結構在って、アクションを表示させるのに立ち位置を調整したりが発生する。例えば上に登るにはそれが表示される場所でActionキー押下になるが、それが同じ台の前でも出る所が限られていたりするという意味。その影響で実はある地点でアクションをする状況なのに、そこで反応が出ないので「ここは意味が無い」と勘違いして行き場所に詰まったりの恐れがある。よって詰まると反応が出る場所を探して適当に走り回るという状況に陥ったりもする。それと関連してコーリー以外のキャラクターでは、彼がジャンプ可能な位置に来てもヒントが表示されないという仕様なので、キャラクター交換に気付かないとそこで反応場所を探し続けて詰まってしまう事もある。

 パズルのクオリティは高くなく、ミニゲーム類も鍵開け以外は単調。解くのが面白いと感じた物は5つ位しかなかった。付け加えると面倒な点として、打撃武器を持っていると構えた際に水平方向にしか視点が動かせないので、周囲を見渡したい時に一々銃器に持ち替えて上下方向を観察する羽目になる。(物を破壊したりするので通常移動時はほぼ打撃武器を持った状態)。


 セーブは特定の場所でのみ行える方式に変わり、その数は25個とゲームの長さからすると少な目。単純計算で10時間でクリアだとすると600分をこれで割って平均で25分位の間隔になる。実際にもそんな感じで、「普通ならばこの区切りでセーブでしょ」と思える地点にセーブが無い事もあり、どこか途中に有ったのを見落としたのではないかと疑うほどに長かったりもする。長い時間進めてきた後に失敗即死のタイミングアクションに挑戦させられたりもあって、もうちょっとセーブポイントの場所を考慮して欲しいという感は受けた。しかし物凄く難易度が高い訳ではないし、2回目以降は早く進められるので死んだ地点までの到達時間を半減出来たりもするため、酷いストレスになるというレベルには達しておらず、難易度を高くしないとならないジャンルのゲームとしてはまあ許容範囲内。

 欠点はそこではなく、各セーブポイントを一度しか使えないという件。間隔が長いだけにセーブポイントを発見したらすぐに使いたくなるのが心情だが、ここでタイミングが早いと面倒な事になったりする。もしそこでセーブしてから先に進めるのにいろいろと作業をしないとならないケースでは、死んでやり直す際にまた全作業を一からやり直さないとならない。よって全て周囲の仕事を済ませてからセーブするべきなのだが、敵も登場するのでセーブ前に死んでしまう危険性が出て来る。一本道の構造ならセーブ地点から前に戻る事が無いのでこういった問題は発生しないが、幾つもの部屋で構成されたエリアではこういう事態が起きてしまう。解り易い例としては、ボス戦の前にその扉を解錠パズルでアンロックする場所では、死んでやり直す度にそのパズルもまたやり直さないとならずとてもイライラさせられる。明らかに前の方式の方が良かったし、同じセーブポイントならば複数回使用可能にして欲しかった。


 AIにも欠陥あり。戦闘面はその項に譲るとして、ここでは通常移動時の難点について話す。今回は指示を出せなくなった為に、常にパートナーAIはプレイヤーをフォローして付いて来る。ところが移動時に、移動ポイントを決める → そこに移動する、という過程がキャンセル出来ないらしく、こんなAIが狭い場所の多いこの様なゲームで勝手に動いたらどうなるか。すれ違えない狭い場所でプレイヤーの進もうとする方向と逆方向へと動こうとしてしまい、お互いがブロックし合って膠着してしまう。そして停止時と違って、プレイヤーはこの走り状態のAIを強引に押す事が出来ない。仕方がないので操作キャラクターをスワップして解除するという風になる。段差から降りようとするとその真下にやって来てブロックし降りられなくなるというのも同類。たまになら良いのだが、これがしょっちゅうというレベルで発生するのでストレスが溜まる。


 やたらとキー連打を要求されるシーンが出て来る。コントローラーは連打に向いているデバイスだが、キーボードは向いているとは言えない。特にボス戦での連打対決シーンなどは、かなりの時間連打を続けないとならない可能性がある。


 最後に蛇足的にだがアダルトというかエロ要素について。学生が主役の映画やドラマにはライトなエロ要素が含まれていたりする事は結構あるし、実際に前作でもアシュリーはジーンズを下げて見せパン状態、シャノンは幾つかの場所でパンツが見えるというシーンが含まれていた。それの評判が良かったからなのかは判らないが今回はそのエロ要素が強化されており、ESRBのレーティングでは前作には無かった「Mild Sexual Themes」が付けられている。

 アシュリーの代わりにエイミーがローライズの格好(これどういう風に着込んでいるのか良く判らないのだが)。シャノンの方も明らかに制作者の意図だと思うのだが、セーブ時や敵に吹き飛ばされたり等で倒れる動作が多い, 段差の上り下り箇所が設けられた, カメラ位置が動かせるといった変化から下着が見えるシーンが増えている。海外では露出度が高い服とかストリッパーのトップレス等の表現は珍しくないが、それは女性側が意図的に行っている物でありこれとは別物。3Dのアクション物では隠しているのが角度的に偶然見えてしまうケースはあるだろうが、これだけ露骨に見えるシーンが多いという物は珍しい。学生が主役のドラマ仕立てという稀な設定故のユニークな特徴にはなっている。


COMBAT
 サバイバルホラーであるが戦闘は比較的多目のゲーム。ただ戦闘を重視したとする前作に対して、今回は全体の長さからみると頻度は減少しているという印象。その分上で書いた様に謎解き要素が増えている。

 その戦闘のシステムは前作から単純化されて別物になった。敵がブラックオーラを纏っているのでそれを剥がさないとならず、その為にフラッシュライトをブーストして照射するというやり方だったのだが、この要素が二つもカットされてしまった。つまり戦略面が無くなってしまったので面白味は減少している。詰まらないとまでは言わないが、他の同系ゲームとの差別化が出来ていない。

 構え(ロックオン)キーを押すと近くの敵に自動的に狙いが付き、その敵の体には丸いスポットが表示される。後は撃てば自動的に当たるという方式で、ターゲット切り替えキーすら持っていない。ブラックオーラによるシールドの概念が無くなったので、何発撃ったら死ぬのかは武器と敵の組み合わせが一緒ならほぼ同じと単純(ショットガンの様な距離の概念がある物は別にして)。戦闘中にライトと武器を使い分けながら戦うという面も無くなり、シンプルに撃ったり逃げたりというゲーム性に変わっている。戦闘は二の次という設定のサバイバルホラー系ゲームではともかく、それなりに戦闘が多いこのゲームにおいてはこの単純化は失敗だったと感じられる。


 反対に改善された点としては、構え状態にするとカメラが背面に移動する様になった(背面右サイド, カメラ位置は若干離れてそして高目)。固定カメラ視点だけで自由に動かせなかったのに比べると、自分の前に敵を見られるのでやり易くなっている。ただ構え状態では武器を替えられないという制限がある。

 武器交換もショートカットキーが設けられて、1〜4までのスロットに入れておいた武器は数字キーですぐに呼び出せる。この時に画面上には各スロットの一覧がしばらくの間は表示されるので、何番が何か判らないのならば適当に押して確認すれば良い。なお表示は持続するが武器の切り替え自体は一瞬である。インベントリー画面では相方の持ち物を含めて全武器が表示されるので、ここで武器を自由に移動させて両者のスロットの内容を差し替えられる(ポーズが掛かるので戦闘中でもOK)。


 少なかった武器類も増やされている。打撃武器はスパイク付きの棍棒やチェンソー(バッテリー要)など多少はまともにダメージを与えられる物が加わった。広範囲の敵に大ダメージを与えられるフラッシュバンは健在。他にダイナマイトも用意されているがこちらは自爆の恐れもあり。銃器はハンドガンとショットガン以外はボーナスボックスから出現する。なおバッテリー使用武器の充電場所はマップ内に点在しており(かなり少な目)、そこまで戻れば繰り返し充電は可能である。

・スタンガン - 電撃を放って敵を感電させ一時的に麻痺させられる。バッテリー要だが繰り返し使えるのが利点。
・クロスボウ - 非常に強力だが弾薬は極めて少ない。ボス戦用とも言える。
・フラッシュボール - 敵を麻痺状態にさせる。だが効果のある敵は限られる。ダメージはほとんど無し。
・フレアガン - 炎で敵を燃やす。当ててから逃げていればその内に大抵の敵は死ぬ。単発式で連射は出来ないのが欠点。
・ウーバーフラッシュライト - 全バッテリーを使用して強い光を放つ。どの位のダメージがあるのか効用は良く判らない。
・SMG - 高速で連射可能。終盤に出てくるので使い所は少ない。



 戦闘時の大きな問題点はカメラの動きである。構える事で視点が背後に移動するようになった点は確かに良いのだが、それによって別の問題が発生している。この根本はカメラ位置の自動移動で、構えた際にショルダービューの様に視点位置が常に固定されずに、基準はハッキリしないが勝手にカメラ位置が動いたりするので不味い状況に陥っている。これは銃器類を使っている時には影響度が低く、打撃武器での戦闘時に問題として現れるケースが大半。しかし弾薬の少なさから銃での戦闘は限られており、発生は避けられない様になっている。以下に具体例を挙げていこう。

*構えると背面にカメラが移動するが、これは何所でも常に可能にはなっていない。場所によっては背面に視点を移せないので、この様な場所では戦い難くなる。同様にカメラの回転角度も360度とは限らず、限定された角度にしか回せなかったりもする。

*背面視点からマウスで視界を回転させた場合、キャラクターの回転速度の方がカメラのそれよりも速い。カメラがやや遅れて付いて来る感じになるので、固定された角度から前を見られるという風にはなっていない。

*打撃武器を構えている時は視点移動が水平方向にしか出来ない。よって空を飛ぶ敵と戦う際にカメラ位置の動きが変な事になる。

*背面カメラが離れ気味なので、そのカメラと自分の間にAIが入り込んでしまい前が見え難くなる

*カメラの移動先が読めず、例えば画面外に敵が出てしまって位置が見えなくなったりもしてしまう。攻撃の方は範囲内ならば自動で当たるが、敵の打撃攻撃から逃げられるかどうかは距離が判らないので困難となる。

*勝手に移動するカメラ視点は戦闘地点をズームで捉える事が多いのだが、その際に上下方向へと動いたりもする。その結果地面の下へとカメラが潜り込んでしまうケースが発生し、こうなると周囲の状況が解らなくなる。


 定点カメラの状態だと敵が画面外に出てしまう事があるので、それを解消する為に構え操作で視点が背面に設定されるという話なのに、カメラが勝手に動く為に構えた結果として逆に敵が画面外に出てしまったりするという意味不明な状態。



 サバイバルホラーらしく弾薬は少な目で、別項で述べたように自動補完の機能は持っているが小さなレベルでしかない。特にボス戦ではそこまでに弾薬を節約しておかないと厳しくなる恐れがある。だが前作とは違って節約の定番作戦となる「打撃攻撃」と「逃亡」が使えるようになったし、オーラによるシールド効果が無くなったので倒すまでに消費する弾薬数は少な目で済むようにもなった。よって節約を心掛けてさえいれば非常に厳しいという所までは行っていない。無駄撃ちが原因で弾薬が無くなって詰み易いのはやはり前作の方だと言える。

 打撃攻撃は前作における「敵のオーラ内に入っただけでダメージを受けるので近付けない」, 「オーラ(シールド)を消す為にはライトが重要だが、そのライトと接着して組み合わせられない打撃武器は使い難い」, 「敵のオーラの中に入ってしまうと周囲が見えなくなるので攻撃を避け辛い」といった難点は無くなったので、普通に近付いては殴れば良いという設定になった。またスタンガン等の敵の動きを一時的に止められる武器が加わったので、これと組み合わせる事で打撃攻撃がより有効になっている。

 逃げる方にしても、閉じられたエリア内の探索がほとんどだった事から、「何回も通る廊下などに居る際には倒さないと進めにくい」, 「部屋の中に居る場合も倒さないとそこでの作業が行えない」というケースが多かった前作に比較して、後戻りしない一本道のマップが増加したので、振り切って逃げてしまい弾薬を節約するという行為が可能になっている所も増えた。なお相方は自分が扉等の切り替え地点を越えれば自動的に追い付くので気にしなくても良い。


 敵の種類はそれ程無く、前作から継承されている物と新型が混合。跳び付いてくる敵はいるが遠隔攻撃を持つ敵はほぼいないので銃器を使えば楽にはなるが、上に書いたように弾薬が少ないので強敵以外はなるべく打撃戦に持ち込むべきだろう。なぎ倒し攻撃と突き刺し攻撃を行って来る相手が怖いので、これ等はなるべく避ける様にする。後は小さなパラサイトという敵が頭部に取り憑くと何も出来なくなるので、これはアクションキー連打で振り払わないとならない。

 ヘルスはセラムでの作成も可能な為に割と有る方で、それが有る間は打撃戦を多用して回復しながら進めて弾薬節約を心掛ける。全体的には戦闘の難易度は普通という感想。ボス戦が他よりも数段難しいという位。死ぬのはカメラアングルの問題で周囲が見えない内に何時の間にか死んでしまったというケースがよくあり、納得がいかないという事が多かった。(死ぬとすぐにロード画面になるので、何所から攻撃されたのか解らなかったりする)。


 パートナーとなるAIの評価だが、これは前作よりも悪くなっている。前作でも能力が高いという訳ではなかったが、「使えない」というだけで迷惑を掛ける存在では無かった。無能であっても余計な事をせず、指示に愚直に従ってくれるのならばそれなりに使い道があるものだが、今回はそれより下のランクの「厄介者」へと成り下がっている

 AIへの指示コマンドが無くなってしまったのが第一の失敗で、自動的に判断するという設定が悪い方へと出ている。2では十字キーを武器へのショートカットに割り振っているので、前作ではこれを使用していたAI操作へと割り振るボタンが無くなったからとも考えられる。待機もさせられないので自分の移動をブロックしてしまうという件は別に書いた。

 使用武器指定コマンドが無くなったので、自動的に武器を選択するのだがこれが大問題。銃器を持たせると優先的にそれを使いまくるので、弾薬の少ないこのゲームでは銃器を持たせる事はとても出来ない(やるとすればボス戦位か)。そこで打撃武器を持たせた場合、戦闘中に危うくなっても引かないで戦い続ける傾向にある為に、相方が死んでゲームオーバーというケースが増えている。やるとすればプレイヤーが一時的に退却してヘルスの適用を相棒に対して行う事だが、これはリアルタイムなので間に合わない可能性も出て来る。相方とのキャラクターチェンジは、切り替わった瞬間から自分の持っていた銃器を撃ちまくるようになるので避けた方が良い(インベントリー画面を出して武器を入れ替えればOKだが面倒)。なお武器を全て取り上げる事は出来ず、自動的に余っている打撃武器を持ってしまうようにされている。

 という状況なので、持たせる武器としてはスタンガンが一番無難である。これで敵を麻痺させてもらい、その間に自分が攻撃するというコンビネーション。ただしこれを使わせると全滅するまで使い続けるので、もう良いというレベルになったらインベントリー画面を出して取り上げないとバッテリーの減りが激しくなると面倒ではある。


 Co-opが可能なサバイバルホラーとして知られるゲームであり、今回もCo-opを重視しているという話なのだが、それが悪影響を与えているのかなと思える。実際にCo-op対応ゲームが隆盛の今、こういう欠陥を抱えたゲームは多い。Co-opの際に面白くなるような設定とバランス調整をする為に、それがAIの担当になるシングルプレイだと人間レベルの行動が出来なくてプレイヤーのストレスになるという件。上記の様にスタンガンを持たせる事で何とか問題を軽減は出来るが、それでコンビによる戦闘が面白くなっている訳では無く、ずっと同じパターンになるので単調さが増しているだけである。

GRAPHICS
 使用エンジンは不明だが自作エンジンだと思われる。ゲームの製作にはRederwareを使用している。前作よりクオリティは向上しているが、PS2, Xbox(キャンセル)世代をターゲットにしたゲームなので、既に次世代機に切り替わっている2007年(北米は2008)の時点では同時期比較として見劣りしてしまうのは明らか。その辺は承知の上だったとは思うのだが、これではグラフィックス面でアピールするのは困難である。

 まずは見た目としてかなりジャギーが目立つ。カメラ視点が前よりもアップ気味になっているので余計にそう感じられるのかもしれない。テクスチャはPS2版よりも高画質の物を使っているそうだが、やはりこれもクオリティはあまり良くない。

 それと物理エンジンや衝突関連の演算処理が組み込まれていないので、今から見てもそうだが発売当時比較でもその辺は古臭い。アニメーション実行時には衝突判定が行われない為に、近接戦時にはキャラクターやモンスターの体同士のポリゴンがハッキリと重なってしまうシーンがよく発生する。これはある程度仕方が無いとは言え、発生回数がやはり多目であり目に付くというレベル(実例)。これはセーブ時に二人のキャラクターが倒れてしまう時にも頻発する(倒れた体が重なって表示される)。


 他に気になったのはキャラクターのイメージで、ゲーム内のモデル, プリレンダのCGムービー, ステータス画面でのアイコン画像(イラスト)の3つで描かれる訳だが、キャラクターによっては大きくイメージが違っている者がいる。例えばコーリーはCGムービーでは間抜け顔という感じで、ゲーム内モデルとの違和感が強い。また全般的にアイコンのイラストはリアルタッチで描かれており、前作同様に普通にゲーム内イメージで良いのに何故こういう風にしてしまったのか謎である。


 ワイドスクリーンには未対応で、選択可能なのは4:3(1280*1024を含む)のみ。解像度が変更出来るだけでグラフィックス関連のオプションは何も持っていない。

SOUND
 3Dサウンドには未対応。ドルビーのロゴも今回は無しでコンソール版も未対応の様だ。Xbox版キャンセルの影響かも知れない。よって怖さの演出面からするとマイナスとなる。

 ボリュームのコントロールは今回も設定は無し。BGMは相変わらず良かったが、銃のサウンドはもっと頑張ってもらいたいところ。

 声優の質は感情を込めて叫んだりするシーンで「アレッ?」と感じさせられるシーンはあった。ネイティヴの人からするとどうなの?と調べてみたが、大変にというレベルで声優の評判は悪かった事を書き添えておく(日本人の耳からするとそこまでとは感じなかったが)。

MULTIPLAYER
 1台のPCを使ってのCo-opに対応。今回もLANやオンラインではプレイ出来ない。drop-in/drop-outに対応、2人目のプレイヤーはコントローラーでの操作が必須という点は変わらない。ゲームバランス等はシングルプレイと全く同じだそうで、Co-opでの難易度調整機能は持っていない。ゲームの売りとしている機能ではあるが、残念ながらPCには向かないシステムである。

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