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GAMEPLAY
 タイトルの通りにエピソードが2つ。それぞれが2つのチャプターから成るので計4個のチャプターから構成されている。難易度Normalにて5〜6時間程度のボリュームとなる。


 特徴はCo-opでのプレイに重点を置いている事で、シングルプレイの方が従に当たると考えた方が良いだろう。つまりタイプとしてはLeft 4 Deadの様なゲームに近い。製作チームの方針としてはとにかくCo-opでさえあれば良いと言うのでは無く、そこにはこだわりがあるとしている。まず2人が一緒にボタン連打して目的を達成する様な行為は面白いとは言えず、あくまでもプレイヤーの持つ能力を上手く組み合わせて目的を達成するスタイルが求められる。次にCo-op専用のレベルを設けるのではなく、シングルプレイのキャンペーンを全く同様にクリア出来る形式でないとならない。第三に2人よりも4人であり、市場に4人Co-opが可能なゲームが少なかったので、自分達は4人で機能する様なCo-opを作り上げる事を目標にしたと話している。


 アナウンス当時はFPSだったゲームをTPSへと変更した理由の一つ目は、FPSにしてしまうとカットシーン以外では自分自身の姿を見られない為に、4人の独立したキャラクタの中の誰でプレイしているのかという感覚が薄れてしまうから。二つ目はCo-opでのプレイの際に、三人称の方が広範囲のエリアを見渡せるので仲間の位置や状態が判別し易く、それ故にチームでの連携作業が採り易くなるから。一人称だと左右への視点移動が必要となるケースが増えてしまう。三つ目はあまりにもFPSゲームが多く、特にPCではそれが顕著なので、差別化の為にTPSに切り替えたそうだ。


 ロケーションは施設内のインドアが多くを占めており、時々アウトドアや開けた空間(地下洞窟を含む)が登場するが、空が見えている様な明るい場所は少ない。進行ルートはほぼ一本道で、スクリプトによる演出があるのみ。扉を開けるのにその為のスイッチを探す&ハッキング操作をしたり、一定レベル以上のセキュリティが必要な装置の為に、その為のDNAを持っている敵を倒してそれを奪ったりというパターンが多い。

 一応このエピソード1&2だけで一つのストーリーは完結しているが、やはり序盤だけあって展開が地味な感じで、ボス格の敵と対戦するイベント的な戦闘シーン以外は展開が似通っている。敵の大半は人間の兵士となり、モンスター系との戦闘パートは少ない上に、敵モンスターの種類が少ない。よって人間兵士との撃ち合いが延々と続くという感が強く、いろいろと戦闘場所等の変化を付けてはいるが、単調さを払拭するだけのバラエティさは実現出来ていない。ゲームの長さは確かに重要だが、短さを欠点として指摘されるのを避ける為に、限られた素材を水増しさせたような印象も受ける。



 進行は常に4人チーム(一箇所だけ2人ずつ分かれるシーンがある)。プレイヤー以外のAIは自動的に動く様になっているが命令を出す事も可能。その命令キーは一つだけで、対象物に応じて自動的に命令が切り替わる。何も無い場所ならばそこに移動しろ, ダウンしたキャラクタを指せば治療しろ, 使える端末等を指せばUse操作を行え, 敵を指せばこの敵を攻撃せよ、の4種類。

 このコマンド方式はかなり原始的で、誰に対してかというのは指定出来ないし、全員に共通の指令を出す事も出来ない。出して初めて誰に対して行ったのかが台詞等で解るというシステム。命令キャンセルキーでの取り消しも、特定のキャラクタに対する命令だけを取り消す方法は無い。それと同一の敵への攻撃指令アイコンは重なってしまうので、何人分が指定されているのかが判別不能である。その他の問題として条件は不明だが、シーンや場所によっては指令が出せない事が数回有った。

 通常の状態が“Follow Me”なので、全員に対してリグループの指令は持っていない。よって戦闘時にバラバラになった味方を即座に集める手段は無い。ただし一定以上離れるとオートリグループ機能が働いてくれるので、プレイヤーだけがさっさと先に進んでしまってもAIが付いて来られないという問題は発生せず、この機能は大変に便利な存在となっている。


COMBAT
 武器は7種類用意されており、序盤のエピソードだからと種類を減らさなかったのは正解だと言える。ただし武器の使い勝手や能力については疑問が残る物も結構在る。Chimera(ミニガン)は強力ではあるのだが、バレルが回転して弾を発射するまでに3秒ほどの長い間が生じるので使い難い。ManticoreはロケットランチャーならぬAmbrosia Launcherで、2種類の異なるエネルギー弾を螺旋状に飛ばすのでピンポイントでは当て難く、また弾数が少ないので滅多に使えない。Guardian(スナイパーライフル)はスコープ付きのタイプを見付けないと効果が落ちるし、下級兵士以外は数発当てないと倒せないと威力自体もそれほど高くない。この辺の上位武器はもうちょっと威力や使い勝手を増した方が爽快感が上がって良かったと思える。

 その他ではハンドガン, アサルトライフル, サブマシンガン, ショットガンのラインアップ。敵が硬いのか武器の威力が低いのかは何とも言えないが、いずれにしろこの辺の基本武器ではパンチ不足という印象。アサルトライフルやショットガンではある程度当てないと倒せないし、ショットガンも近距離でないと効果的ではない。グレネードは4発まで携帯可能で、カバーに張り付いた状態からでも投げられる。その際にはカメラ位置を変えて方向や距離を調整も出来る。

 武器には改造型が用意されており、時々敵が落としたりする物の中にも含まれている。安定度を増すグリップやレーザーサイト等が色違いで表示されるので、なるべくならそういった物に切り替えるのが理想。グレネードランチャーの様なアタッチメントでは、武器選択キーを押す事でモードの切り替えが可能になる。


 明らかにマイナスに働いていると感じたのが、チェックポイントでの武器の消失。ゲームオーバーになるとチェックポイントからとやり直しとなる訳だが、その際に持っていた武器の片方が主にハンドガンに差し替えられてしまう。正確なルールは解らないが、改造武器をそのまま持っていたりもするので、各チェックポイントでのデフォルト設定に戻されてしまうという事では無い様だ。とにかくこのルールの為に、折角手に入れていた改造武器が無くなってしまったり、ロケットランチャーを使いたいシーンなのに二回目以降は消えたりと、不利な状態からのリスタートを余儀なくされてしまう。

 更にこのゲームではL4Dの様に定期的に武器の交換場所が在るという風にはなっておらず、実際にはその様な場所はほとんど無い。よって上位武器や改造武器を使えるケースが減少してしまい、それがより地味な方向へと拍車を掛けている。



 開発側の主張通りに、三人称視点により周囲の状況は把握し易い。しかし高速で跳び回るモンスターとの戦闘などは、やはり一人称視点の方がやり易いと感じるのは確か。敵兵士の種類はそれ程多くなく、ロケットやミニガンを持っているリーダー格の他は、外観が異なるだけでそれ程大きな違いは無い。モンスター(エイリアン, ミュータント)の少なさも不満なところで、もっと多彩な種類をより多くのシーンで用意して欲しかった。その多くが単純に向かって来るだけで弱いクモ型なので飽きが来てしまう。

 幾つかのボス戦は設定として面白い物もあれば詰まらない物もあるという感想。例えばボスに一定のダメージを与える→無敵状態になってモンスターを召還→全て倒すとまたボスが出現→一定のダメージを与える→またモンスターを召還...の繰り返しで、召還用のエネルギーが尽きるまでこれが続くという所までは良いのだが、すぐ次が全く同じパターンの長い戦闘になるというのにはさすがに閉口。面白い方は主にCo-opでのプレイとなり、上手く作戦を立てて実行出来ると楽しめる。


 弾薬は所々に置いてある小さなケースから補給する。定期的に有るので弾切れに遭遇する事は滅多にない。何回でも繰り返し補給出来るので、強力な武器でもそれ用のケースが有るなら連発出来る事になる。例えばグレネードのケースが在るなら、スパムのようにして次々に投げ込む戦法も可能である。


 敵が硬めの設定と書いたが、反対にプレイヤー側の被弾ダメージはNormalでもシビアなバランスで、ダウン状態になるまでに耐えられるダメージはさほどない。他の自動回復方式ゲームと同じ感覚で撃っていると簡単にダウンしてしまう。しかもダメージによる画面周辺の赤表示が控え目な上にブラー(ボヤける)表現も無いので、危険だと気付き難いという問題も持っている。結構命中させないと倒せない敵が多く出てくる設定なのに、その為にカバーから身を乗り出して撃ち続けていると簡単にダウンしてしまうというバランスで、ここは難易度Normal程度ならばもっと被弾に耐えられるようにした方が良いと感じられた。


 敵に攻撃が当たっている際に血飛沫表現は生じるが、それ程派手では無いので離れると判り辛い。一方で被弾リアクションが少ないのは欠点で、当たっているのに全く動かずに突然死んだりするので不自然。PhysXを使用したラグドールによる吹き飛び等の動きはちゃんと行われるが、死体が消えるのは早いという設定。同じく物理エンジンによりカバーに使用するオブジェクトを破壊したりする行為が(一部だが)可能になっている。


 AIの能力についてまずは味方から。味方は常にプレイヤーの近くに固まっているのではなく、戦闘が始まれば勝手に動いて敵を倒すようになっており、(後に述べるがある理由もあって)その戦闘能力は結構高い。味方の回復は特に指示しなくても自動的に行うし、グレネードを投げ込む事も可能。指示してタレットに着かせる事も出来るし、自分から使ったりもする。

 問題点としては第一に移動中に上下方向の追尾が苦手で、狭い階段等では引っ掛かってしまって付いて来られないので、段階的に移動を指示しながら連れ歩かないとならない。その為に段差のある地点でプレイヤーがダウンしてしまうと、他の階層に居るAIがやってこられないので死んでゲームオーバーという事態も発生する。次に特殊能力は一切使う事が出来ない(ただしこれはそれ程問題では無い)。第三に射線が通っているのかの判断を誤るケースが在り、途中の障害物に当たっているのにそのまま撃ち続けたりする。


 敵のAI兵士の方は基本的な動作はこなせるようになっており、カバーに隠れての攻撃やブラインドファイアも行える。障害物の乗り越えも出来るし、次のカバーへと全力疾走で移動したりもしてくる。移動可能ルートの判断もちゃんとしており、グレネードを投げ込むと逃げるし、常に同じルートを通ってこっちにやって来るという事も無い。

 問題点としては単一の敵にしか焦点が合わないらしく、それ以外の相手に横や背後から撃たれていても反応しない。同様に移動中はそれを優先するので、移動している時に撃たれてもそのまま目的地点へと向かう為に倒し易くなっている。

 総合的に敵味方共にAIに大きな問題は感じられず、同系列のゲームと比較して特に劣っているという風でも無いが、掲示板にはAIに関する批判が数多い。この辺はパッチの修正リストにAI関連の項目が多いので、発売当時はかなりの問題があったのがその原因という事も考えられる。

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