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シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度はEasy / Normal / Hard の三種類。プレイ中に変更も可能。ただし難易度情報はセーブデータ内に入っているので、ロードするとそのセーブデータが持つ難易度へと上書きされてしまう。チャプター単位でリプレイする機能は無し。


セーブ&ロード
 オートセーブが基本となり履歴を5個保持するようになっている。実行された時は画面全体が黄色に光るエフェクトが掛かってそれを知らせる。それ以外にマニュアルでのセーブが用意されているのだが、これはアーティファクトに触れる事で行われるというシステムなので、それが置かれている場所でないと実行は出来ない。回数に制限は無いので、長い時間オートセーブが行われない状態にて、そこから行かれる場所に有るなら戻ってセーブしておくという風には出来る。こちらの履歴は10個。

 消したくない場合にはそのセーブデータを選択してFavorite Savesへと転送すれば以降は消えなくなる。


OBJECTIVES
 「やるべき事」のリストを持っており、ここには主人公の考えがメモとして書かれるので、それを見れば今何をすれば良いのかや、何が保留事項となっているのかを確認出来る。解決された物は自動的に消える仕様。これは設定からオフにして難易度を高める事も可能。

 今回もインドアエリアでは壁に地図が貼ってあるので迷う事はなくなっている。


英語
 字幕機能あり。ある程度の英語力は必要で、探索中に拾った記事や日記はノートに全て記録されるのだが、謎解きの為にはその英文を理解する必要があるケースが出て来る。他にもオブジェクトを観察した際のメッセージ等にもヒントが含まれていたりするので尚更重要となる。それとストーリー関連や背景事情を綴った記事類にはかなりの長さの物も有り、英語を読むのに抵抗がある人には辛いかも。プレイ中の会話文も結構多く出て来る。

 幸いな事に日本語化をしてくれている有志がいるので、雰囲気的に英語の方が良いという人でも、英語の理解に煩わされたくなければ最初から日本語化してプレイした方が良いだろう。

変 更 点
 基本的な操作関連やシステムは前作とほぼ同じ。よって変わった点のみを記載しておく。


 チュートリアルが用意されている。おそらくは前作をプレイしていないプレイヤー用。


 持っているオブジェクトの操作に回転が加わった。回転キーを押している状態だとマウスの動きに連動してオブジェクトがその方向へと回転するので、例えばドラム缶が横向きの時に回転させて立てるといった操作が簡単に出来る様に修正されている。

 もう一つマウスホイールにより前後方向の位置を調整出来るようにもなった。持っているオブジェクトをホイールの回転に応じて手前や奥側へと位置を動かせる。


 フラッシュライトのバッテリーの扱いが変わった。前作では拾ったバッテリーは即残りゲージへと加算される仕組みで、一個あたりのゲージ増加量は少ないが、ゲージが減るのもゆっくりという設定であった。しかしそれでも入手量に比較すると減りは早く、またインベントリー画面にしないと残量が見られない為に、うっかり点けっぱなしにしておくと無くなったりして不味い事になるという問題が存在していた。

 そこで今回は他のゲームでもよく見られる方式へと変更されている。バッテリーは取るとインベントリーにカウント数と共に保管され、これを使うと初めてフラッシュライトの中に装着される(2個で100%)。相対的にゲージの消費速度は早くなったので切れるまでの時間は短くなったが、気付かずに大量のバッテリーを消費してしまうという事態は無くなった。


 新アイテムとしてガスマスクが追加。ガスの噴出しているエリアでは装着しないとならない。使用時間制限は無し。


 様々な場所にアーティファクト(彫像)が隠されており、これは集めてもゲーム自体の謎解きには何の関連も持たない。10個全てを集めるとパスワードが手に入り、これはゲーム内のあるPCにて某ファイルのアンロックに使えるのと、\Black Plague\redist内に有る super_secret.exe を解凍する際のパスワードにもなる。(後者は解凍すると壁紙や製作資料などが見られる)。

GAMEPLAY
 クリア後に経過時間が表示される様になった。それによると6時間20分だったが、これはやり直し等を含んでいないらしく実際には9時間位。もっと長い方が良いというユーザーのフィードバックを受けて、前作よりも長く掛かる様に仕上げたそうである。


 アイテム類はリセットされてゼロからのスタート。今作では過去に人間が居住していたエリアが中心となり、そこから現在生存者が残っているシェルターを目指すというのが目的になる。前作のようにハッキリと大きなブロック単位に分かれてはおらず、短いエリアを挟んだりしながら、通路で連結されたブロックが出て来たりする構造。よってロケーションの変化はより大きくなったし、アウトドアエリアも増えている。またほとんどが炭鉱だったのに比較して、今回はバラエティに富んでおり見た目的にも綺麗になった。


 これで終わりという事で、前作では謎のままだった「父親がここで何をしていたのか」や「この施設は何の目的で作られた物なのか」等は、このBPにて解決される。ストーリーや背景設定はしっかりしており、なかなか面白い真相が明らかにされるがここは良く出来ていると感じられた。ただラストの意味合いがハッキリとしないのが残念。掲示板でも議論されているが結論は出ていない様で、受け止め方によっては真逆の終わり方になってしまう。

 また今回はストーリー性を高める為に、ボイスによる会話(もしくは一方的な語り掛け)が大幅に増やされている。よって会話文の量がかなり多くなっているが、これはログに残されないので日本語化しておいた方が楽だろう。


 謎解きのタイプに関しては変化が見られる。インベントリーを使用したパズルは意図的に減らされており、代わりに物理エンジンを利用した物が更に増やされている。よって今回は拾ったりしてインベントリー内に保持するアイテムが少ないし、2つを組み合わせて使うケースは数が少ない分だけ解り易くなってもいる。見付かった文章を読んでその中の記述から解法を探るというタイプも健在だが、こちらも比較的少なくなった。新しいタイプとしてはコンピューターを操作して必要な操作を行う形式の物が加わっている。

 大きな変化となっているのは非論理的(抽象的)なパズルの増加。制作者は前作ではこういうタイプのパズルは好みでは無いと語っていたが、ユーザーからの要望もあって一部に導入したらしい。ただし現実世界に入れてしまうとおかしな話になってしまうので、別世界を設けてそこで使用するというADVでは定番のやり方を採用している。

 具体的にはフィリップの精神世界内での謎解きにこのタイプが登場する。解る方にはサイレントヒル風の精神世界とでも言えば良いのか、壁から腕が生えている場所とか血のプールなどが登場。ここでは謎解きに発想の飛躍が要求されるシーンも出て来る。もう一つ別の異世界が最後に出て来るが、これはネタバレにもなるので割愛。


 謎解きや探索の自由度も高くなった。前作ほどの一本道では無くなり、通路で連結された大きなブロックにて、謎解きが用意されている各部屋を解く順番が自由という設定も用意されている。他での謎を先に解いて鍵や暗証番号を用意してこないと開けられないという部屋は減っており、これは良い変更点だと言える。解法が複数存在するパズルが用意されている点も変わらず。

 大半が論理的に考えれば解けるタイプなので、謎解きの難易度は今回もバランスが取れていると思うが、異世界パートではその論理的思考から外れたパズルも登場するので、その分だけ詰まり易くなったような気がする。



 最後に問題点を幾つか挙げておくと、(ちょっと表現が微妙になるのだが)Clarenceなる人物が居て、彼はフィリップに話し掛けて来る存在なのだが、凄いダミ声(アニメのキャラクターの様な変な声)に加えて極端な抑揚をつけて喋るので、単純に聞いていて鬱陶しいしホラーというイメージにもマッチしていない。更にやたらと話し掛けて来るので、たった1人で探索しているという感覚が希薄となり、その意味からもホラーの雰囲気を損なっている。

 オブジェクトを物理的に操作する方法が解り難いシーンが今回も(少ないが)出て来る。同様に細かいオブジェクトを動かさないと、その背後に隠れているアイテムを見付けられないというシーンもやはり登場する。

 操作すべきオブジェクトが妙な形でスタックしてしまい、それ以上はどうにも動かせないので詰んでしまうケースが在った。

 ゲームラストのパートでは失敗すると繰り返しのロードが発生するので、リトライするまでが面倒になっている。

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