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ゾンビ物らしく打撃武器は多数用意されている。更に多数の打撃武器が用意されているゲームにLeft 4 Deadがあるが、こちらはそれぞれの特性が明確に分かれているので使い分けの面白さが感じられるのが優れている点。
火器は5種類。ショットガン系は全て弾薬は別物扱い。それぞれの最大所持弾数は上から順に 165 315 70 60 40。
他にはグレネードが用意されており、投げるかその場に落とす(2ndary)かを使い分けられる。爆発は3秒後だが、敵に直撃すると即爆発するので注意。離れていないと自分にも即死級のダメージが入る。 |
COMBAT |
回復システムは独特の方式で、基本的には自動回復を用いている。ヘルスの基準値は150に設定されており、これよりも下がると自動回復するようになっているのだが、その回復速度が変化するという風に設定されている。ヘルスが100を切ると心音が鳴り始めてそれを知らせ、更に50以下になると移動速度が低下するというペナルティが発生。その状態から100までは+10刻みで自動回復するが、100を超えると+1単位となって回復速度が非常に遅くなるというシステム。長距離移動が多いゲームなのでその間に150まで回復可能というケースもあるが、まだ100台前半の段階で次の敵に遭遇すると危険度が増す。 回復アイテムとしてはスナック(+25)と缶のドリンク(+40)が存在し、どちらも150を超えて回復させられる。段ボール箱やバッグをサーチすると出て来るのだが、出現確率が1/3に設定されているというのもあってかなりレア。その1/3の当選確率だった場合、ほとんどのバッグ類を発見したとしてもスナックの方は10個、缶の方は5個程度しか入手出来ないと思われる。その他では回復センターが存在しており、ここでは+150で300まで回復する事が出来た。ただし全ゲーム中で一箇所しか発見出来ず、実際には幾つあるのか不明。他には体力回復のイベントなども用意されているらしい。アーマーは最大で150まで取れるが、こちらはレアで滅多にお目に掛かれない。相当探し回ってもアーマーを装着している時間は短いと言えよう。 リロードのシステムも特殊である。第一にマニュアルリロードのみで、攻撃時に弾が無ければ自動的にリロード動作に入るようにはなっていない。第二に現在のクリップ内弾数を確認出来ない仕様である。非戦闘時ならば小まめにリロードしておけば済む事だが、戦闘の最中にあと何発撃てるのかは自己判断しないとならず、そしてリロード速度は遅いので予期せぬタイミングで弾切れになるとピンチとなる。 弾薬数についてはそれ程厳しくはないという感想。かなり厳しいと聞いていたのだが、マップ内の探索を重視すれば弾薬ボックスや弾入りの銃器はそれなりに有るし、安全策で遠くから銃器ばかり使っているというスタイルでなければ足りなくなる可能性は低い。実際に最終段階では全ての火器の残弾数がほぼフルという状態だった。むしろ節約し過ぎたという感があり、もっと銃器で仕留めていればより楽に且つ早くクリア出来ていただろう。武器解説でも書いたがショットガンの弾薬が切れるのが一番不味いのでこれは使い過ぎないように。後は前半戦はピストル、後半は遠距離用のハンティングショットガンの弾をある程度残しておけば、他は相当使ってしまっても大丈夫だろう。 問題があるとすれば、メインルートに置いてあるアイテムの比率は少ないので、探索をしないタイプのプレイヤーだと足りなくなる恐れは確かにある。同様の意味だが複雑に枝分かれしているルートの中で偶然正解ルートを選択してしまった場合、そのまま次へと抜けてしまうとマップ内の新武器や弾薬類を取りこぼす事になってしまう(出口には“Exit Level”の表示が出るのでそこから戻る事は可能)。また探したとしても脇道にすらほぼ何も出ないインターバルが長いというセクションも存在するので、その前で無駄遣いしていると補給が追い付かない。つまりアイテムはそれなりに手に入るが、それには脇道の探索が必須という設定になっている。 「じゃあ探索しながら進めよう」となってもこれが簡単では無い。ゲームプレイの項でも述べたが、くまなく探索する事自体が大変な労力というゲームである。とにかく何所が脇道なのかがそもそも判り難く、ずっと長い距離を走って行って最後の奥に弾薬ボックスが一個だけ有ったり、建物の中で裏手にあるたった一つのドアだけが開くとか、弾薬探し=シークレット探しの様な感覚が強い。更には弾薬箱からの入手確率が2/3に設定されているので、やっと辿り着いたが外れで成果無しといった事態も発生する。 なお弾薬が切れた際に打撃武器で何とかするという手は残されているが、Manipulators(悪魔系)の様に打撃攻撃が当て難い敵のセクションが極めて難易度が高くなり詰みの恐れが出て来る。 戦闘時は基本的にヘッドショット狙いで、頭が壊れても死なないならば首の付け根部分が弱点となる。ゾンビは頭を破壊する必要は無いが、体を攻撃する場合にはより多くの弾を費やさないとならない。デーモン系ならば光る目がターゲットとなり、狙いを定めるのはゾンビよりも難しい。注意点として頭部を失うとゾンビは高速化するという性質を持っているので、接近戦では気を付けないとならない。 大半を占めるゾンビ系は通常状態では移動がプレイヤーよりも遅いので、広い場所での戦闘や弾薬が十分にあるケースでは簡単である。弾が少なければ戦わずに逃げる事も可能なシーンもある。それと車両等の高台に上ってしまえばゾンビは通常上って来られないので非常に有利となる(これはハメ技ではなく、作者も認めている戦略)。下方に固めておいてからギリギリまで近付いて(屈んで)打撃武器でも良いし、銃器を使えばより早く片付けられる。ただし敵の攻撃が絶対に当たらない訳では無い。他には金網格子越しに打撃武器を含めて攻撃可能な場所も在るので、敵が金網に寄って来たらそこで先に倒してしまう事が出来る。 難易度設定が無いゲームだが、全般的には戦闘の難易度は普通というレベル。ルートやアイテム探しの方が数段難しいゲームであり、詰まるとすれば9割方そちらの方。ただし弾薬が少ない場合には戦闘も相当難しくなるとは言える。なおヘルスは自動回復なので、放っておいて150まで回復するのを待ってから移動するという風にすれば危険度を大きく減らせる(長時間掛かるが)。 |
COMBAT(続) |
反対にゲームを難しくしている要素については、第一に敵が多いケースが挙げられる。敵の大半を占めるゾンビは1,2体ならば脅威ではなく、攻撃モーションを見ながらかわしては前に出て攻撃したりで事足りる。或いは周囲を回りながら殴り付けても良い。しかしゾロゾロと大群でやって来るエリアもあって、上に登ってハメられる場所が無いと危険となる。弾薬が多ければ接近される前にある程度を倒してしまえるし、レアだがグレネードを持っているならそれを使っても良い。一方で打撃武器で全てを処理しようとなると難易度が跳ね上がる。近接武器には個別のショートカットキーが存在せず、目的の物を選択する為に近接武器キーを何回も押さないとならないのも緊急時には厄介な点。なお銃器が使用出来ない火器禁止エリアも一部あり(ガソリンスタンド)。 続いては狭い通路等で逃げ道がないケース。下がれる場所が在るなら怖くないのだが、曲がりくねった細い廊下等でうっかり追い詰められて下がれなくなると途端に危うくなる。ゾンビは遅い代わりに近距離での打撃による被ダメージは高目の設定なので、2,3体程度でも逃げ場が無くなれば死亡確率は高い。 他にはパニックイベントの様な設定が用意されている。OoHではドアを開けたりする際に実際にそれが開くのでなく、瞬間的に向こう側へとテレポートする様な処理にされている。つまり背後の扉が閉まった状態でいきなり向こう側のゾンビの大群を目の当たりにするというケースがあり、初見だととっさの対応が難しい。登れる場所を真っ先に探すべきなのだが、やっているうちに大群の前に逃げ場を塞がれてメッタ打ちの目にも遭った。なお付け加えておくと、ある物(所持アイテムではない)でゾンビから身を守れる様になっている(敵が近付けなくなるので一方的に攻撃可能になる)。 最後に途中でセーブ出来ない点がここでも癌になっている。上記のパニックイベントの様な演出は恐怖感を出すのに重要なのは確かだが、マップの後半でこれに遭遇して死んでしまうと、20〜30分のやり直しになったりもあってペナルティが大き過ぎる。結果的にセーブ出来ない事で難易度が増しているという形だが、必要の無い上昇要素という意味で宜しくない。セーブのシステムを作れなかったからという事情はともかく、その点が戦闘面でも大きなマイナスとして働いているのは事実である。 敵の種類はそれほど多くない。外見が違っていたり、HPor被ダメージ量が異なるタイプに分けられていたりする様だが、感覚的にはゾンビという一括りで数種類に分けられる程度。吐いた血でダメージを与える, 打撃武器を振り回す, 両手で同時攻撃してくるタイプ等。明らかにタイプが異なるのは銃を持っている警官ゾンビで、これは遠距離から攻撃してくるので迂闊に近付けない。だが逆に他のゾンビを自分との間に挟む事で同士討ちを狙えたりもする。後は悪魔か悪霊の様な位置付けだと思われるManipulatorsで、こちらは宙を飛んで迫って来る上に被ダメージが高目であり、多数出現するエリアでの難易度は高くなる。ショットガン等の威力の高い武器で応対しないと厳しいが、透明な形態で重なったりするので弱点の目が捉えにくいケースもする。 出現位置は決められている者が大半だが、ある程度はランダムな位置に出るケースもあり。リプレイ時に「ここは出ない」と安心していると背後から襲われたりと、恐怖感を出す上で効果的に働いている。敵はこちらを見付けると直線的に向かって来る単純なAIとなり、時々視線が通らないのか止まってしまうケースもある。或いは集団になるとこちらに向かって来ずにグルグルと位置を変えたりと妙な動きになったりもする。ゾンビというのもあってAIに関してはこんなものでも良いとは思うが、やはりタイプが少ないというのが不満点。高速で移動する奴とか、常に揺れているのでヘッドショットがやり辛いとか、もっと種類が居た方が良かった。 その他に言及しておきたいと件としては、ラストのバトルはガッカリ感が強かった。御馴染みの全武器消失イベントがその前にあって(直前ではない)、戦闘エリアに置いてある物だけという極端に弾薬が少ない状況下での戦いとなる。弾薬を多く持っているプレイヤーだと有利になってしまうからというのは理解出来るが、打撃武器は使えるとかもうちょっと調整をして貰いたかった。しかも狭いので簡単に見付かる安全地帯が存在するという問題があり、後はハメてしまいノーダメージでクリア出来てしまう。ここは出来ればパッチで戦闘エリアの形状の方も変えるべきだろう。大量のゾンビが出現する為に、マシン性能によっては重過ぎてゲームにならないという欠陥まである。 |
GRAPHICS |
ゲーム内世界の作り込みは優秀。Unreal Engine 2.5世代としてはエフェクトなども含めて綺麗な方だと思う。しかし異常に凝り過ぎた為に重くなっているのが欠点。 ゾンビのアニメーションなどは悪くはないが良くもないという感じで、Left 4 Deadとかああいった金の掛かっている物に比べるとやはり見劣りする。武器のモデリングなども粗い。 残念だったのは負荷対策と考えられるが死体がすぐに消えてしまう点。戦闘時の出血表現などは良いと思うのだが、それも含めて消えてしまう仕様になっている。せめて死体がX体を超えると順に前の物から消えて行くとかにして欲しかった。 各種設定はこのMod独自で持っている。ワイドスクリーンはUT2004と同じで直接iniファイルを変更するやり方となる。 |
SOUND |
EAXに対応しており、4SPでは定位感は良好。突然出現するゾンビの位置などを知るのにも役立つ。 会話シーンは文字表示だけでボイスは無し。武器のサウンドはあまり良くないという印象だが、環境音の方は良い出来である。これだけは他の作者によるBGMもクオリティが高い。 |