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ADAM
 ADAMとは「人体に取り込まれると正常細胞を破壊して代わりにそこに居座り、人体の機能を拡張させる一種の寄生物質」である。ゲーム内での説明として使われている、ADAMがキャンバスならばPlasmidsはそこに書き込む絵の具という例えが分り易いだろう。プレイヤーが手に入れたADAMは、マップ内に存在しているGatherer's Gardenにおいて体の中に取り込む事が可能になる。感覚的にはADAMを通貨として能力を購入するというイメージ。手に入れたADAMを消費して以下の様な事が可能になる。

*PlasmidsとGene Tonicsを装着する為の”スロット”を体内に用意する
*HealthとEVEの最大値を上げる
*PlasmidsやGene Tonicsを購入する


 簡単に解説すると、スロット数は能力を上げるPlasmidやGene Tonicsを同時にどれだけ体内にインストールしておく事が可能になるかの意味で、当然多いほど使える能力が増えるし便利にもなる。なお改造が進むほど人間性を失うという設定だが、それはプレイヤーには影響しない。Healthの最大値は上げるほど死に難くなるし、EVEの最大値は上げるほどリロード(注射)しなくて済むようになる。ちなみにEVEとはPlasmidsを使用する為に必要となるエネルギーである(通常のRPGで言うマナに当たる)。基本的にPlasmidsはここで購入する以外に入手方法が無く、Gene Tonicsもここでしか買えない物が存在する。


 プレイヤーが能力を上げる為に非常に重要となるADAMだが、既にプレイヤーが到着した時点ではそれを生み出す為のウミウシは全て抹消されており、特別な例外を除いてはマップ内で拾って集めるという事が出来ない。唯一の入手方法とはLittle Sisterを捕まえるという手段である。LSは体内にこのウミウシを寄生させており、死体から吸い取った液体を飲んで取り込み、体内のウミウシによって再度ADAMをリサイクルして分離する能力を持っている。問題はBig DaddyによってLSが守られているという点で、BDはこちらから手を出さない限りは襲っては来ないが、いざ戦うとなると非常に強い敵となっている。
 ゲームのシステムとしても、BDを倒してそれに付いていたLSを捕らえるしかADAMの入手方法は無い。LSは攻撃によるダメージを受けないし、単独でいるのを捕まえるのも不可能。LSはRaptureのダクト内に潜んでおり、このダクトがマップ内に何箇所か存在している。BDはどこかのダクトに近付いてそこを叩いてLSを呼び出した後に死体の場所まで護衛して体液を採取させ、その後またどこか別のダクトまで送り届けるという動作を繰り返している。この引き連れている最中を狙って倒せればBDの死体にLSはすがってその場を動かなくなるので、後はLSに近付けば良いだけ。LSを連れていない状態のBDを倒しても無駄であるが、ダメージを与えておくのは後に戦うなら有利に働く。

 LSを捕らえた時点でプレイヤーには2つの選択肢が与えられる。Harvest(収穫)はLSの体内からADAMを貯め込んだウミウシをそのまま取り外す行為で、これを行うとLSは死亡する。もう一つのRescue(救出)は体内のウミウシを殺すという行為で、これはLSの生命には影響を与えない。ゲームとして見た場合の違いは、Harvestならば全てのADAMを入手出来るのだが、Rescueの場合にはその半分のADAMしか入手が出来ない。ただしLSの救出を願うTenenbaumから、LSを助けてくれたお礼として彼女の持っていた希少なADAMやアイテム類が与えられる事がある。それとゲーム全体を通してどちらをどれだけ行ったかにより、エンディングにて流れるムービーが変化するようにもなっている。
 このゲームではマップによって存在するLSの数が決められており、その数だけのLSを捕えたら後は幾ら待っても出て来ないようになっている(その数はESCキーで表示される画面下のアイコンで確認が可能)。BDの方はその後も相変わらず動き回っており消える事はない。なお残りの数よりも多いLSが同時にマップ内をうろついているケースも有るが、捕えた数が規定数に達した時点で残りは消えてしまう。またマップによっては何等かのイベントが発生するまでは彼等が出現しない事も有り。
 ゲームの大部分のマップはメトロ(移動用の潜水球)にて接続されているので、規定数以下の状態で先に進んでから後で戻って取り残したLSを確保する事は可能だが、ゲーム全体のLSの数は固定されている。よって全てをHarvestした場合と全てをRescueした場合とでは、ゲーム全体ではADAMの確保量に2倍の差が付く事になり(Tenenbaumがくれる若干のボーナスは存在するが)、キャラクタの能力をアップさせる速度に大きな影響を与えるようになっている。


PLASMIDS
 Plasmidsとはアクティブなタイプ(使った時だけ働く)の特殊能力の事で、左手に装備して武器と切り替えて使用する。プレイヤーが直接敵に対して投射するタイプの能力なので、基本的には照準で狙いを付けて目標に命中させないと効果が無い。使用にはエネルギーとしてEVEが必要となり、これが切れたら使えなくなる。

 BioShockの大きな特徴は一般的なRPGの成長とは異なり自由に能力の差し替えが行なえる点で、シチュエーションに応じて自分の持つ能力を変えてしまうという行為も可能となっている。PlasmidsとGene Tonicsは両方共に、持っている物をスロットの数の範囲内ならば自由に差し替える事が出来る。この差し替えは通常マップ内に存在するGene Banksにて行い、他にはマップ内に存在する物を入手した時と、Gatherer's Gardenで購入した時にも行える。それ以外の場所で今ここで使いたいと思っても差し替えは出来ない。
 Plasmids用のスロットは初期状態では2個のみで、最大で6個まで拡張が可能である。当然スロット数が多いほど同時に装備可能な物が増えるので臨機応変に応用が利くようになる。逆にスロット数が少ないと、持っているのに今は装備していないので使えないというケースが増えてしまう。

 Plasmidsはマップ内で入手出来る事は稀で、ほとんどの物はGatherer's GardenにてADAMを消費して手に入れないとならない。同じ種類でもランクが存在している物も有り(最大でL3)、効果が強い物を入手すると前の劣る物は自動的に消える。

種   類 効  果 ・ 特  徴
Electro Bolt  電撃によって敵にダメージを与え、同時に痺れさせて一時的に動けなくする。水中に居る敵に対して、水に放って感電させて大きなダメージをも与えられる。監視カメラやタレットを一時的に停止させるのにも有効。電撃を与える武器は有るのだが弾が希少な為、ゲーム内で最も有用なPlasmidsという声も多い。
Incinerate  火を放つ能力で、燃やした相手に継続的にダメージを与えられるのが利点。燃やされると逃げて攻撃をして来なくなるケースもあってそれも有効である。オイルが漏れている場所では誘き寄せてからそれに着火して効果を高められる。進行に応じてL3までレベルアップしないと次第に弱くなるし、炎系の敵には効果が薄い。また武器に火炎放射が存在するので、電撃ほどには希少価値が無い。
Insect Swarm  虫の大群を放って継続的にダメージを与える。持続時間はレベルにより、L3だと相当に強力。襲われている間敵が攻撃をして来なくなるのが利点であり、対BD用としても有効である。固まっている敵なら複数を同時攻撃も可能。問題はBDが周辺に居る場所で使うと誤って意図せずに攻撃してしまうケースがある点。
Winter Blast  敵を凍らせて固めてしまう。固めた相手からは反撃を受けないし、そのままダメージが与えられるのでNormal以下の難易度では特に有効である。ハッキングにおいては機器を凍らせて止めてやれば、水流の速度を落とす効果も有る。欠点はEVEの消費量が高い点と、固めた敵を砕くと死体が無くなるのでアイテムの回収が出来ない事。
Cyclone Trap  地上にセットしておいて、近付いた敵を巻き上げて空高く飛ばしてダメージを与えるトラップ。使い方が特殊なので汎用的には使えないし、効果範囲も狭いので敵が通る場所が限定出来ないと使い難い。
Telekinesis  物を掴んで投げ付けたり出来る能力。ただし単体のオブジェクトをぶつけてもそれ程ダメージは高くないので、火薬缶の様な物でないと効果が薄い。タレットの放つ砲弾や敵の火炎弾を掴んで投げ返したりするのに主に使用する。届かない場所にに置いてあるアイテムを吸い付けて取るのにも便利。
Enrage  集団の敵に対して使用すると同士討ちをするようになる。BDにぶつけて周囲の敵を倒して貰う事も出来る。或る意味では非常に効果的な能力なのだが、当たった敵が残ってしまった場合にはよりアグレッシブになってこちらに襲い掛かって来るようになるし、位置関係によってはその他の敵を認識せずに自分に襲い掛かる事もある。
Hypnotize Big Daddy  BDを自分の味方に付ける能力で、ある条件を満たさないと入手出来ない。一定時間自分に付いて移動するようになり、自分に攻撃して来た敵と戦ってくれるようになる(その間は緑のランプ表示)。持続時間は結構長いのだが、EVEの消費量も多い。
Target Dummy  幻影を作り出して一定時間敵を欺く。敵と戦わずに逃げたい時や、タレットに近付く際に注意を逸らすのには役に立つ。後は攻撃力の高いBDの様な敵との戦いでは有効。ただ限られたスロットに納めておくほど汎用的には使用出来ないのが難点。
Security Bullseye  セキュリティの攻撃を当てた対象物に向ける能力。誤って監視botに追い駆けられている時に、その対象を敵に転嫁する事も出来る。


GENE TONICS
 Gene TonicsはPlasmidと意味合い的には同じの人体改造アイテムで、こちらはインストールすれば常に有効となるパッシブな特殊能力である。使用によってEVEを消費する事も無い。ジャンルはPhysical Tonics, Engineering Tonics, Combat Tonicsの3種に分かれており、それぞれのジャンル別にスロットが用意されている。数はPlasmidと同じくスタート時が2個で最大で6個まで拡張可能(計6*3=18個同時装着可能)。交換のタイミングも同じで、何処ででも任意に差し替えられる訳ではない。

 装着の為のスロットはやはりGatherer's GardenでADAMを使って購入するが、装着するTonics自体はマップ内に置かれている物の方が多い。逆に言うと脇道まで丹念に探索しないと見付からない物が結構有る。購入するしかない物も有るし、或いは特殊な入手方法の物も存在している。L3までの機能差が存在している物も有って、こちらはPlasmidsと違って劣るレベルの物もそのまま残る(併せて使って強化可能)。以下に全てではないがその種類と能力を紹介する。

Physical Tonics
種   類 効  果 ・ 特  徴
Bloodlust  レンチによってダメージを与えると、その分HealthとEVEを回復出来るようになる
EVE Link  First Aid KitによりEVEも若干回復可能になる
Extra Nutrition  食べ物によって回復するHealthを上昇させる
Medical Expert  First Aid kitによる回復量を上昇させる
Natural Camouflage  動かない状態を維持すると透明化する能力。生体に気が付かれないだけではなくbotにも検知されない。
Scrounger  Searchをやり直せる能力。貴重なアイテムが出る可能性を高める。
SportBoost  レンチを振り回す際の攻撃速度を上昇させる。移動速度も若干上がる。


Engineering Tonics
種   類 効  果 ・ 特  徴
Alarm Expert  ハッキングの際にアラームタイルの数を減らす
Clever Inventor  材料を使ってアイテムを製作する際に、それに必要な材料の数を1個分減らす(1個以下にはならない)
Hacking Expert  ハッキングの際にアラームとオーバーロードのタイル数を減らす
Prolific Inventor  材料を使ってアイテムを製作する際に、その製作量が2倍になる
Security Expert  ハッキングの際に初期設定された難易度を減らす
Shorten Alarms  監視カメラに発見された際のbotの追跡時間を短くする
Speedy Hacker  ハッキングの際に水流の速度を遅くする


Combat Tonics
種   類 効  果 ・ 特  徴
Armored Shell  直接打撃攻撃によるダメージを軽減する
Electric Flesh  電撃ダメージを軽減すると共に、自らの電撃攻撃によるダメージを上昇させる
Frozen Field  冷却ダメージを軽減すると共に、レンチによる攻撃で冷却ダメージを与えて敵を凍らせる
Human Inferno  炎ダメージを軽減すると共に、自らの炎攻撃によるダメージを上昇させる
Static Discharge  体を帯電させて、敵の打撃攻撃がヒットした際に電撃ダメージを与える
Wrench Jockey  レンチによるダメージを増加させる
Wrench Lurker  無警戒状態の敵に対するレンチのダメージを上昇させる

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