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難 易 度
 各所で絶賛を受けたこのゲームだが、一点多くのレビューにて共通して問題視されている事が有る。それはゲームの難易度が全体的に見て簡単である点、もっと正確に言うなら難易度に関連するバランスの調整におかしな部分が見られる。

 まずはキャラクタの成長要素から書いてみよう。RPGの様な明確なキャラクタのレベルは存在しないが、一応このゲームにおける成長とは、スロット数(6*4=24個)の増加とそこにインストール可能なPlasmids類を多数集めるという行為で言い換えられる。だが実際にはその成長に大して尽力しなくてもゲームのクリアは可能となっている。例えばRPGだと「最高でレベル50まで上げられるが、どこまで成長させるのかはプレイヤーの自由。ただし実質レベル40位までは上げておかないと最後までクリアは無理」といった感じの設定が存在しているが、ここで言うクリアに必要な最低のレベルがBioShockでは相当低いのである。

 更に成長の為の最重要要素となるADAMだが、これはLSをどうするかによって入手量が倍近く変わって来る。しかしその入手が半分となる”救出”を常に選んだとしても、マップ内の最大数をキチンと処理していけば十分過ぎる程の量が手に入るようになっている(序盤は”収穫”に比較して不利だが)。逆に全てを”収穫”するなら多過ぎるとも言えるバランスであり、BDを熱心に倒す必要も無くなってくる。この様にキャラクタを成長させる行為に関しても、特別な努力は必要とされていない。製作のトップであるKen Levineによれば、この調整に関しては成長速度をLSの扱いと関連付けられるのを避けたいという考えも有ったとしている(つまり心情的にはLSを収穫するつもりはないのだが、成長が遅いという理由で収穫を選択するようになるという事が起きないようにしたの意味)。

 同様にプレイヤーの強化に重要となるリソース(金・弾薬・アイテム類)の回収についても、それ程必死になる必要が無いバランスに作られている。よって「クリアに必要なキャラクタのレベル」、「キャラクタの成長の為の努力(BDを倒す)」、「アイテム類の回収(マップ探索)」の全てが厳しくないので、全体的にゲームが簡単になってしまっている。


 ゲームは全体として親切な作りになっておりそれは良い事なのだが、やり過ぎて過剰に親切になっているという感も受けてしまう。全体マップには現在の目的となる場所が表示されるし、ヒントを選択すると非常に具体的に何をすれば良いのかも教えてくれる。他にもオプションの設定によるが、進むべき方向を画面に表示させたり、目的のアイテムを目立つ様に金色で浮かび上がらせたりの機能も持っている。「必要となるアイテムをX個集めて来る」という指令の時でも、丁度の数がマップ内に存在するのを探し出すのではなくて、より多くの個数が置いてあるのでその中からどれでも良いから数を集めれば良いというパターンが多い。
 その為にゲーム中に謎解きやアイテム回収で詰まるケースも少ないと思われ、実際にこれだけ途中で詰まり難いゲームというのも珍しいのではないかという位の親切振り。それと併せてキャラクタのレベルアップにも時間を割く必要が無いので、ゲームクリアに掛かる時間も大して必要としていない。未探索部分を残さないようにしてマップ全体を徹底して回れば初回で20-30時間程度は遊べるゲームだが、目的だけを追ってクリアを急ぐならば10-12時間程度でのクリアも可能である。

 難易度の調整方法についても問題がある。プレイヤーの成長度が低くてもゲームがクリア可能という事は、当然ながら逆に熱心にレベルを上げてしまうと簡単になり過ぎてしまうという問題が生じる。探索を熱心に行うと金やアイテム系が余ってしまうというのも同様の問題である。それを補う為に難易度という設定があって、これはプレイ中にでも任意に変更が可能になっている。だが調整の方法のメインが「敵を硬くする」、「受けるダメージを大きくする」というもので、根本的な解決になっていない。金・弾薬・アイテムなどのリソース系の収集&購入の厳しさには変化が無いので(オブジェクトからSearchで物が見付かる確率は減るように見えるが)、存分に持っているそういった物を使う事で対処が可能であり、Hardにしても特別には難しくはならない。


 Vita Chamberという要素も評判が良くない。これはマップ内に数箇所存在する復活装置で、プレイヤーが死ぬとそのエリアに属したVCへと復活する。問題はこの復活がペナルティ無しで行われる点で、プレイヤーは半分のHPの状態で復活するがその他のアイテム類は死ぬ直前のまま。そしてマップ内の状況は死ぬ前の状態が継続している。つまり倒した敵と与えたダメージは維持されているので、強敵BDであってもこの復活を何回も繰り返しながら戦っていればいつかは倒せるようになっているのである。VCから元の場所まで戻って来ないとならないというペナルティはあるが、マップが広くないので大した負担にはならない。同系統の要素を持ったゲームとしてはPreyが知られており、あれ程露骨ではないものの(死んだその場所に復活する)、やはり死の緊張感を削ぐ物として問題となっている。危なくなった時にFirstAidを持っている数が少ないなら、無理してFAを使わずに死んだら装置での復活に頼った方が無駄にならないとか、アラームを鳴らしてしまったら一度死んで状況をリセットしてしまった方が利巧というように作戦的に使えたりする点も白けてしまう。

 SS2にも同様の要素は存在していたが、こちらはマップ内に存在している物を見付けてOnにするまでは使えないし、使用には一回毎に金が掛かるという仕様だった(金が無くなったらゲームオーバー)。実はこのBioShockでも最初は同じ設定だったのだが、それが変更された理由とは「復活の度に金が掛かるというシステムだと、ゲームが進められなくなってしまうプレイヤーが出て来たから(金が無くなって復活も出来ず、それ以後を乗り切ろうにもアイテム類が足りないし買う金も無いので無理の意味)」だそうだ。しかしFPSに慣れたプレイヤーからすると到底そんな状況に陥るような難易度には思えず、にもかかわらず設定を変更しようと考え直すだけの数のそういったプレイヤーが存在していたという事は、ゲームのテストに採用されたプレイヤーの多くは「この手のゲームをプレイした事が無いような人達」だったという意味であろう(外部の専門会社と契約してテストプレイを行っていたそうだが)。

 実際に発売後の発言からも、「1割のマニアに合わせては他の人が付いて来れない」、「徹底してプレイヤーのフラストレーションを省く様なゲームにした」といった声が見受けられ、とにかくFPSの初心者であってもクリアが出来るようなゲームバランスを考えて調整されたゲームだと推測される。この手応えが感じられないという問題は、PCのみならずXbox 360のユーザーからも同様に挙がっており、難易度をPCと360のどちらに合わせたというのではなくて、機種に関係無く初心者重視というコンセプトと捉えるべきゲームなのだろう。
 FPSを通常プレイしている人間からすると不満が残る点だが、簡単にしたからこそ万人に受けて売れもしたし評価もされたとも取れるので、会社としては狙い通りに成功したと言えるのかも知れない。Gamespotのように難易度アンケートを行っているサイトを見ても、「こんな程度かな?」と思えるほどこのゲームが易しいと考えている人の割合は多くなく(現時点で20%程度)、普段FPSをしない人には狙い通りに丁度良い難易度として受け入れられたとも考えられる。だがそれはそれとして、Normalの難易度は万人向けでも構わないのだが、FPSのコアユーザーに対してはそれなりに調整された難易度を設けるべきだったとは感じる。

 だがVita Chamberが全面的に悪いという訳ではなく、うっかりセーブを忘れて長時間プレイした後に死んでしまった時など、長い時間を戻ってやり直さないで済むのは便利である。不味いのは「プレイヤーが死ぬ可能性が高いと思われる場所」のすぐ傍にあからさまに設置されている事が多い件で、この場合には死亡→復活→即到着→死亡→復活....の繰り返しになったりして、チートの無敵モードの様な感覚になってしまい面白くない。
 ゲームではクイックセーブをサポートしているので、Vita Chamberという要素が嫌ならば一切使わずにクリアする事も可能である。だがPreyと同じ様に、これが置いてある事を前提とした調整が行われていると思えるような箇所も幾つか存在しているのは難点。「どうせペナルティ無しで復活出来るのだから、一度も死なずにクリアするのが相当難しいという設定の箇所を設けても大丈夫」といった考えでバランス調整されている場所が有るの意味である。こういった場所ではセーブのみでクリアするのは相当難しくなる。



COMBAT

*一人称視点固定
*移動速度は基本的には一定(スプリント・歩きは無し)。所持武器による速度変化も無し。
*Leanは無し(ステルス性は薄いゲームなのでLeanは必要性が無いという観点から削除)
*照準は一定で移動しながら撃っても開くという概念は無い
*Crouchは可能だが照準は小さくならない
*Iron Sightにする事は可能だが、命中率が変化するのかは未検証。単なるズーム視点のようにも感じられる。
*First Aid Kitは9個まで携帯可能で何時でも適用出来る
*HealthはADAMによる改造で最大値を伸ばす事が可能

 回復の手法はFAKの適用が基本だが、これが一番高価で且つ回復量が限られている。マップ内に存在する回復ステーションを使うと現在の最大値まで回復が可能な上に、FAKを購入するよりも安い。更にこれはハッキングして使用価格をもっと低く出来る上に、他のSplicerが使おうとした時にトラップ(爆破・毒ガス等)として作動する。ただしトラップ作動時や、戦闘中のダメージで壊れてしまう可能性があるのが難点。


 上記の様にゲームの仕様はアクションFPS系なのだが、いろいろと制約や問題も有ってそれ程爽快感の高い物とはなっていない。まずダメージを受けた際のエフェクトが派手で視界が大きく遮られるようになっており(全く前が見えなくなる事も)、また敵の攻撃の命中率も高いのでそれが頻繁に発生する。相手に攻撃が当たっているという感覚も希薄な方で、近距離で攻撃すると血が飛ぶのが見えるという程度。それとマウス感度の調整が大きな目盛りでしか調整出来ず、サンプリングの設定も無いので感覚的にしっくり来ないという声も結構出ていた。

 武器の破壊力もそれ程高くない(改造前は特に)。マシンガンやピストルは威力が弱目で数を当てないと倒せないし、強い武器だとクロスバウは一発毎に間が入るので近距離戦では使い難い。ケミカル・スロワーはPlasmidsに同系統の能力が有るので有りがた味が薄く、また敵をそのまま倒すという系統の武器でもない。一番強くて爽快感があるグレネード・ランチャー兼ロケランは弾が少ないので頻繁には使えない、とそれぞれが難点を持っている。
 それと併せて敵が後半になると数段固くなって来て(Hardではもっと早くから)、余計に倒すのに時間が掛かるようになって来る。その威力の無さを補う為に弾の切り替え要素を持たせてタフな敵相手には重要としているのだが、それをずっと使って行けるほどには特殊系弾薬は用意されていない(人間型の敵にはAnti-Personal弾等)。その為に多く手に入る通常弾を大量に浴びせて倒すという手段を選択せざるを得ないケースも出て来る。更にこの弾の切り替えやリロードに掛かる時間が武器にもよるが結構長く、激しい戦闘中だとストレスの元にもなっている。目的の武器をまずは選択してやり、その後使いたい弾が異なるならば続いて種類の切り替えという段階を踏まないとならない点も同様。Plasmidsの選択についても、(これはバグではないかと思うのだが)新しい物を入れるとF1-6のショートカットのキーがリセットされて並べ替えられてしまうようになっており、その度にどれが目的の能力なのかを憶え直さないとならないのも面倒な点。Shiftキーでポーズを掛けて目的の弾やPlasmidsに一発で切り替えるというオプションは用意されているが、アクションFPSとしてはチートっぽくてあまり良い機能とは言えない。


 どちらかと言うとゲームがメインに据えているのはPlasmidsによる攻撃の方で、敵の動きを止めてから攻撃というパターンが有効となっており、そこが一般的なアクションFPSとは異なる点と言える。電撃で痺れさせる・凍らせる等で動きを止めたり、炎や虫によって動きを妨害したりして、その間に攻撃を行うというスタイルが中心のゲームである。敵の動きを止めるのが容易なので、わざわざ動き回っている最中を狙う必要が無い。よって素早く動いている敵に弾を命中させるというのが面白いという人にはアクション性が低いと取られるかも知れない。Plasmidsの使用に必要なEVEは販売機で売られている事が比較的少なかったりと一応の使用制限は設けられているが、それでも結構使えるし威力も高いバランスとなっていて有効過ぎるのではないかという印象である。

 そして敵を容易に止められる関係上、戦闘の難易度はあまり高くない。特に一対一なら負ける可能性は低い。後半は敵が硬くはなるがFAKを使いながら戦えるので危なくは無いし、金も余って来るのでFAKを買いながら気軽に使えるようにもなる。むしろFAKがあまり気軽には使えない前半の方が厳しいと言える。硬い敵は倒すまでに時間も掛かるようにはなるが、手強いというよりも戦闘が長くなって冗長という感の方が強く、面白さの向上に寄与していない。他にはGrenade Launcher Damage Immunity(自爆ダメージを無くす)の様な、武器の改造としてちょっと強過ぎではないかと思える物が有るのもバランスを崩している要因の一つ。

 例外の第一はBig Daddyで、これは飛び抜けた耐久力を持っており攻撃力も高い。種類によって攻撃方法が異なっているが、一番弱い序盤のタイプでもこちらも弱い分手強い相手となっている。猛スピードでのダッシュによる体当たりは避け難いし、それで一旦壁に追い詰められると逃げ出すのが困難になる。Vita Chamberを使いながら戦えば格段に倒すのは簡単にはなるが、正面から戦って一度も死なずにそのまま倒すのはやはり難しい。それでもNormalまでならば、中盤以降はプレイヤーが強くなるのでBDの脅威も薄れるようにはなる。もう一つの例外はイベント的に敵が大量発生するシーンで、中には一度もVCの御世話にならずに倒し切るのは難しいという箇所も含まれている。

 難易度の項でも述べたようにVita Chamberという要素は戦闘から死の緊張感を削いでしまっているのは確かだ。しかしVCでの復活にはお金が掛かるようにして、その代わりに敵の強さやスピードを落として難易度を減少させるという調整は更に悪いと思えてしまう。敵のスピードが速い点や、BDが倒すのが大変な非常に強い存在として位置付けられているのはプラス要素と考えられるので、それを維持した状態でVCでの復活のペナルティを無くしたという調整は一応次善策として納得は出来る。むしろ難易度によっては高額を払わないと復活が出来ないといった調整をしなかった点を問題にすべきだろう。


 このゲームの戦闘の一番面白い点は、どうやって闘うかについての自由度が非常に高い所にある。武器に重点を置いて戦うのか、それともPlasmidsを積極的に使うのかという分け方も出来るし、戦闘のスタイルによる分類も出来る。例えばレンチをメインに戦う近接戦をサポートするGene Tonicsが数多く用意されており、これらを装備する事で十分に殴り合いでの戦闘が出来るようになる。同じ近距離戦でもPlasmidsでの直接攻撃とショットガンを組み合わせて戦うスタイルをを好む人もいるだろうし、逆に接触を嫌ってクロスバウ等で遠くからの武器攻撃をメインにするプレイヤーもいるだろう。そして特定のスタイルに囚われる事無く、何時でもその戦闘スタイルをチェンジ出来る事がより高い自由度を実現している。

 直接敵と相対して倒すというのはスタンダードな方法だが、BioShockでは間接的に敵を倒すという手法もバラエティに富んでいる。敵同士を戦わせるように仕向けるPlasmidsや、わざと敵の攻撃を他の敵に当てさせるように動いて同士討ちに持って行くという方法もある。監視カメラやタレットをハッキングしておいて自動的に敵を攻撃させるというやり方も楽である。或いは監視botをハッキングして自分にペットの用に付いて回らせて敵を倒させるという手段も非常に有効だし、武器なら近接爆破のグレネードの設置場所に誘き出すとか、電撃トラップのワイヤーを仕掛けておくとかが効果が高い。特にタフなBDに関しては、直接攻撃よりも間接的な攻撃を主体にして体力を削る作戦を採用した方が楽になるし、その方法を周囲の環境に応じていろいろと考えるのも楽しい。直接戦った方が有利な場合もあれば、上手い作戦で間接的に戦えば直接やるよりも飛躍的に楽に勝てる事もあるというのは、戦闘の面白みを大幅に増している要素となっている。

 他には臨機応変な対応というのも求められて来る。敵の種類や居る場所によって有効な攻撃方法が異なり、例えば炎系を使う敵には同系統の攻撃は有効では無く凍らせるタイプの攻撃が効果的、水の中に入っている状態では炎系の攻撃は消えてしまうので電撃系で感電させないとならない、といった風になっている。よって固定観念に囚われずに状況を判断しながら闘う必要がある。または作戦的な行動として、水の溜まった場所に誘い込んで自分は台の上に飛び乗ってから電撃を使って感電させたり、オイルの漏れている場所に火薬缶をテレキネシスで運んで来て破壊力を増すようにしたりと応用範囲も広い。


 マップの構造としてはAIは或る程度の範囲内をうろついているので、常に同じ状態で遭遇して戦闘になる訳ではないし、こちらから有利な場所まで誘き出してから戦うという作戦も可能である。敵の出現にはRespawn方式を採用しており、エリア単位で中にAIが居なくなると一定の時間を置いて復活するようになっている。クリアした場所に敵が幾ら倒しても復活してしまうという設定には賛否両論あると思うが、もし敵のRespawnを完全に無くしてしまうと敵が大幅に少なくなってしまうし、またこちらが強いのでそれ程敵の復活は厄介ではなく、いざとなったら逃げてもしまえるのでそれ程大きな問題にはなっていないというのが個人的な感想である。なお敵が彷徨っているのでその都度戦局に変化が生じるというのはプラスだが、その代わりに同時に多くの敵が目の前に出現する事はスクリプトやイベントシーン以外では起きないデザインとなっており、戦闘時の同時に相手にする敵の数が少な目で物足りなくなるというのはマイナスである。

 敵は非常に頭の良いAIを用意するような意図は持っていない(Ecologyの方のAIに重点を置くから)と話していた通りに、基本的にはこちらを発見すると単純に突っ込んで来るスタイル。カバーに隠れながら撃って来たりといった行動は見せないが、結構動き回るので追い続けて攻撃するのには技術は要するという感じの戦闘になる。ユニークな能力としては危なくなると一旦逃げてマップ内の回復ステーションを使用したりする点で、これをやられると全回復してしまうので厄介な事になる。それと火を点けてやると水場を探して飛び込み消して逃れるという行動も行える。
 出来としては悪くは無いのだが、事前にAIの特徴として挙げられていた点の多くがカットされてしまっているので失望も大きい。「プレイヤーの持つ攻撃方法(Plasmids)を同様に使って来る」という事は実際には無いし、「敵がトラップを仕掛けてくる」シーンは有ったが、リプレイして見ると全てスクリプトで自発的に考えて行うような真似は出来ない。それと敵の種類が少なく、攻撃のバリエーションも物足りないというのもマイナスである。持っている武器は限定されているし、特殊タイプとしては天井に張り付いて移動可能な者や、テレポートしながら火炎弾を投げ付けて来る奴程度とあまり存在していない。


 全般的な感想としては、間接的な攻撃を好むプレイヤーにより向いているゲームという印象。とにかく全ての敵と正面から戦い、ハッキングが面倒だからと監視カメラやタレットは壊してしまうというやり方だと、遭遇する敵は全部自分で相手をしないとならなくなるので面倒にもなるし、一本調子になって飽きが来る恐れもある。それよりも敵をハッキングした監視カメラ等に任せたり、監視botを連れて歩いて攻撃をさせたり、各種Plasmidsの力で同士討ちさせたりといった対処を混ぜながら戦って行く方が飽きもせず面白くなると思う。後はレンチとPlasmidsの組み合わせが強力なので、こういった打撃武器の戦闘が好きという人にも薦められるゲームである。

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