<STORY>

 前作のラストから約20年後の世界(西暦2070年)が舞台になる。20年前にエージェントJ.C.Denton(DX1の主人公)によって引き起こされた"The Collapse"と呼ばれる事件によって世界の情報をコントロールするシステム(Aquinas)は破壊され、その後世界は混沌とした状態に陥っていた。ゲームの開始時点では世界は一応の復興は果たしているものの、依然として犯罪やテロリズムが横行しており、まだ全世界を統一する組織は登場しておらずに覇権争いが続いている状態にある。なおファンの間では「DX1では3つのエンディングが存在するのをどうやって続編として組み込むのか?」という点が話題になっていたのだが、これは最終的に「3つのエンディングが全て起こった」という世界設定となっている。

 今作の主人公はAlex Dと呼ばれる21歳の人物で、シカゴのTarsus AcademyのSOR(Special Operations Rasidency = 特殊部隊研修)の過程にて学ぶエリートであり、ナノテクノロジーによって人体改造を施されている。前作でも主人公の外見を変更する事が出来たが、今作では性別も選択可能となっており、性別毎に3種有る外見(計6種)から選ぶ事が出来る(どちらにしても名前は変わらない)。なおどちらを選んでもストーリーに影響は無いが、若干遭遇する人々の対応は変わってくる。公開されているオープニングのムービーで見られるようにゲーム開始時点ではテロによってシカゴ全体が壊滅しており、難を逃れてシアトルのトレーニング・センターに移って来たAlexがその眠りから覚めた所からゲームは始まる。



 DEIWでは様々なFaction(組織)が登場して来るが、それらに付いて簡単にまとめてみよう。ただしこれらのデータは表面的な物であり、それぞれの組織の真の目的がどこにあるのかは定かではない。

*WTO (World Trade Organisation)
 現在の世界の2大勢力の一つ。The Collapse後に突如として現れ、世界の様々な地域の政治的・経済的な復興に力を貸すと共に、その後世界全体を統括する組織として徐々に影響力を増してきた。全世界の流通経済及びメディアを支配するまでにまで至っており、中央集権型の富める組織として君臨している。Biomodの流通も手掛けており、これも含めてテクノロジーに対しては肯定的である。

*The ORDER
 Her Holinessと名乗る謎の人物によって運営される宗教団体で、その信者はSeekerと呼ばれて世界中に存在しており、WTOと並んで世界に強い影響力を持つ組織である。全ての富及び資源の平等化や自然に帰るべきという主張を持ち、一極支配を行うWTOと対立している。その行動姿勢は非常に過激な面も持ち合わせており、自分達の思想に反する者は武力を持って排除するという方法も取ってくる。Biomodを含めたテクノロジーに対しては否定的ではないが、等しく全ての人間に供給されるべきという観点からTarsus Academyの様な独占的な研究を行っている組織には強く反発している。

*The Knights Templar
 中世ヨーロッパのテンプル騎士団の再来と称する組織で、規模を含めてその実態は謎に包まれている。まだ新興の組織であって世界的な影響力は持っていない。Biomodを含めた人体の改造に猛烈に反発しており、”Purity(清浄)”を教義として全ての改造人間を世界から排除する事を第一の目的としている。よってOmarとは激しく対立して戦争状態にあり、Biomodの研究及び流通に関連するWTOやTarsusもそのターゲットとなっている。

*The Omar
 テクノロジーを信仰し人間を超越する為に極度の人体改造を施してサイボーグ化を推し進めるカルト集団。”集団意識”によって全ての構成員の脳がリンクされている。高度なテクノロジーによって武器やアイテムを製作し、世界各地の密輸商人と手を組んでBlack Marketを一手に支配しており、その為にこれを阻止しようとするWTOとは対立状態にある。


*Tarsus Academy
 世界各地に学校を持つ教育機関。子供達への教育だけではなくSORと呼ばれるエージェントの養成機関も運営しており、主人公のAlexもその研修生の一人である。

*SSC
 世界中に存在する警備会社。WTOやTarsus Academyと提携しているが、その他の場所でも警備員として雇われているのを見る事が出来る。

*Apostle Corporation
 謎に包まれた企業。


 テロリストの攻撃によって崩壊したTarsus Academyから放り出される格好となったAlex Dは、自らの考えの元に上記の各組織と接触をしながら行動を続けていく事になる。彼(女)は改造された人間としてInfolinkと呼ばれる通信リンクを脳内に所持しており、これによって直接ではなく間接的にも様々な組織の人間から指令や忠告を受ける。何に従って何に背くのかはプレイヤー次第。ゲームの最終的な目的は詳しくは書けないが、「世界に新たな秩序を見い出す事」とでも言っておこう。


<登場人物>

※Dr.Leila Nassif
 Tarsus AcademyにおけるSORのチーフで、エジプトの貧困な家庭に生まれる。カイロのTarsusに入学して学んだ後指導者としての道を選び、若くして現在の地位にまで上り詰めた。

※Billie Adams
 シカゴにおけるSORプログラムの一員でAlexの同期であり、同じく人体改造を施されている(オープニング・ムービーにて出てくるヘリに飛び乗る女性)。極めて優秀な能力を持ちながらその態度は反抗的であり、世間一般の権力に背を向けるシニカルな面を持っている。戦闘を好み危険思想の気も有って要注意人物とも見なされている。

※Leo Jankowski
 シアトルのSORの一員。頭は然程良くないが卓越した身体能力を持つ。非常にアグレッシブな性格であり、自分の事をSORの中の超一流エリートと思い込んでいる。とは言え鼻持ちならないというよりは、どこか抜けている憎めないタイプの人物。Biomodを含む人体改造に強い興味を持ち、自らも改造される事を希望している。

※Klara Sparks
 シアトルにおけるLeoの同期生。柔和な性格で誰からも愛されており、頭脳も優秀で交渉や問題解決に高い能力を持つ。ただその優しさから前面に出るという事を好まず、特にLeoに対して自分が彼を上回ってしまう事で彼の自信を傷付けはしないかと気を使っており、そのポテンシャルを発揮出来ずにいる状態。

※Chad Dumier
 WTOの最高権力者。その昔(DX1)はフランスのレジスタンスを指揮してJ.C.と共に戦った人物である。

※Donna Morgan
 WTOのセキュリティ・チーフ。Alexに対してコンタクトを取ってくる人物。


※Lin-May Chen
 Her Holinessの右腕とされる香港生まれの女性。Orderの立場を代表してAlexにコンタクトを取ってくる。

※Luminon Saman
 Lin-May Chenと並ぶOrderの最高幹部の一人でドイツ支部の長。組織の行動方針ではLin-Mayとは考えを異にしている。

※Tracer Tong
 The Callapse以前、香港にてLuminous Pathを率いていた人物。人体改造に関して卓越した能力を持ち、世界トップのレベルを持っていた科学者である。J.C.の協力者でもあった。


※Paul Denton
 The Collapse以前の世界における対テロリスト組織であったUNATCOが生み出した改造人間の第一号。Collapse以降その消息は不明である。

※J.C. Denton
 Paulの弟でThe Collapseの原因となった伝説の人物。生死を含めてその消息は不明。

※NG Resonance
 老若男女に愛される世界一の女性ポップスター。彼女に模して製作された人工知能が存在しており、世界各地に設置されたHolo JukeboxはこのAIとリンクされている。

※Sid Black
 陽気なフリーのパイロット。彼を雇って次の目的地に向かう事も出来る。

※Ava Johnson
 謎の女性パイロット。



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