STAR TREK: ELITE FORCE II

                                  09/07/20



   SYSTEM・GRAPHICS・SOUND

   GAMEPLAY

   BOTTOMLINE

   公式サイト


   HOME






製作・販売: Ritual Entertainment / Activision
発売: 2003/06
日本代理店: 無し


概  要  2000年にRaven Softwareの制作により発売されたStar Trek Voyager: Elite Forceの続編。Ravenが他のプロジェクトで多忙という事から、この続編は同じくQuake系エンジンに習熟しているRitual Entertainmentが変わって制作を任されている。PCとMacでの発売。

 前作はStar Trek: Voyager(スタートレック:ヴォイジャー)の世界での話だったが、この2では時間軸が同じであるStar Trek: The Next Generation(新スタートレック)を背景世界として利用している。スタートレックについては日本にもサイトが多数存在するので、その内容についてより深く知りたい方はそちらを参照してもらいたい。以下はその一部。

「スター・トレック」日本公式サイト
スタートレック - Wikipedia
Memory Alpha スタートレックWiki日本語版
Star Trek - U.S.S. Kyushu


 ジャン・リュック・ピカード, レジナルド・バークレー, トゥヴォックについてはTVドラマの俳優当人がゲーム内でもその声を担当している。他にもゲームオリジナルの登場人物の多くに、ドラマの俳優が声優として参加している。


 2003年の7月に販売会社のActivisionが、スタートレックの権利を持つViacomに対して訴えを起こしている。Activision sues Viacom。その内容を簡単にまとめると、「当社はViacomと1998年から10年間に渡ってスタートレック作品のゲーム化の権利について独占契約を結んでいた。しかしこれまでに十分な量の原作ドラマや映画が制作されておらず、そのクオリティについても問題がある。その原因としてViacomのこのフランチャイズに対する努力不足は明らかであり、当社は作品のゲーム化に当たって大きな損害を被っている。」という物。

 裁判の結果がどうなったのかは不明だが、この訴えの少し後にActivisionは同社がそれまでに発売していたスタートレック関連のゲームを店頭から全て引き上げてしまった。幾つかの作品はEmpire Interactiveの廉価版レーベルであるXplosivから再発されたが、このEF2は再発されないままに終わっている。(そのEmpireも2009/04に倒産しているので、他の作品も入手が困難になって行く可能性がある)。

 発売から短期間で製品が回収されてしまって再発もまだ実現していない為に、残念ながらこのゲームはレアな商品となっている。中古版ならばeBayやAmazonにて5,000円前後という新作並の値段で買えるが、新品はこれを書いている現在$130程度が相場とかなり高価である。権利問題からオンライン販売も行われていない。


STORY  ゲームの背景設定を先に解説。前作は「スタートレック:ヴォイジャー」をテーマにした作品であった。これはある事件によってU.S.S.ヴォイジャー号が人類の棲息区域から遙かに遠いデルタ宇宙域(艦の最高速度でも70年以上掛かる)へと飛ばされてしまい、そこから惑星連邦の属するアルファ宇宙域まで帰る方法を見付けて戻るまでの経緯を描いた作品となる。そこに架空の設定となる戦闘やエンジニア等に秀でたメンバーで構成された特殊部隊Hazard Teamを導入し、彼等の戦いを扱ったのがEF1である。

 今回のEF2では原作でのラストのエピソードとなる“End Game”から始まり、U.S.S.ヴォイジャー号は遂にアルファ宇宙域へと帰還を果たす。しかし帰還後にHazard Teamはもう必要が無いとしてメンバーの反対も虚しく解散させられてしまい、主人公でリーダーのLieutenant Alexander Munroを含めた各人は、アカデミーの講師といった別の担当部署へと配置転換される事になった。しかし数年後に「新スタートレック」のピカード艦長にその可能性を認められてHazard Teamは復活。U.S.S. Enterprise NCC 1701-Eへと活動の舞台は移され、メンバーは新たにそのクルーとなって任務に就く事になるというのがEF2の設定。


 ストーリーには重きを置いており、意外性を重視したいのであまり内容は明かせないとの話だったので、ここでも簡単な紹介に留めておく。

 U.S.S. Dallasから緊急信号を受け取ったU.S.S.エンタープライズでは、早速Hazard Teamを送り込んで調査に当たらせるが既に内部は全滅状態。未知の昆虫型エイリアン(Exomorphs)を追ってAttrexians(オリジナル種族)のエリアへと探索を進めたMunro達は、Attrexiansと関係の深いIdrylls(オリジナル種族)が事件に関わっているらしい事を突き止める。しかし調査を続ける内に、徐々に事件の背後に隠された大きな陰謀が明らかになってくるというストーリー。舞台としては本編でも御馴染みのクリンゴン帝国やロミュラン帝国も登場する。


PATCH

DEMO
 パッチは1.10がリリースされている。過去のセーブの互換性は保証されていない。

 シングルプレイ用のデモ有り。ただしこのデモは難易度選択が出来ない(Normal固定)等の制限があるのと、このデモからの(難し過ぎるという)フィードバックにより、本編ではバランスが変えられている部分が結構存在している。

動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU Pentium 3 600MHz Pentium 3 1GHz
MEMORY 128 MB 256 MB
VIDEO VRAM 32MB
OpenGL対応
VRAM 64MB
OpenGL対応
SOUND DirectX 9.0 互換 同左
対応OS  98/2000/ME/XP
DirectX 9.0a以上要


 Vistaでの動作報告はあり。サポートするビデオカードはリストが古いので割愛。Q3エンジンなので描画にはOpenGLを使用しており、大抵のビデオカードはこれに対応しているが、問題が生じる場合には拡張設定からOpenGL Extensions(高度な機能を使う)を切れば改善される可能性が有る。

 “Texture setting”をHighにするならVRAM 128MB以上のカードを推奨している。当時は最高設定にすると結構重いゲームだったが、今となっては特に問題は無いだろう。

 スタートからプログラムメニューを辿ればセーフモードが用意されているので、起動しないといった深刻なトラブルにはまずこれを試して変化を見る。


 <動作確認> (XP SP3, E6850, Geforce 8800GTS 640MB, 181.22, SB X-Fi)にて、幾つかの場所を読み込んでみたが特に問題は感じられなかった。一つ注意点として、このゲームでは設定ファイルやセーブゲームのフォルダ名が、自動的に「ウインドウズでのユーザー名」になるので、他のユーザー名が異なったPCから持ってきたセーブデータはフォルダ名を書き換えないと認識してくれない。


*影の描画がおかしい
 設定で最も高度な影を描く“Stensil”を選択すると、キャラクタの顔等に投影される影が変になったり、壁や床を突き抜けて影が表示されてしまう事があるという問題。私の環境ではデモ、プレイ時、現在のマシンのいずれでも発生した。設定を“Simple”に落とすと治るが、これだと丸い単純な影だけとなり光源に応じてちゃんと形を作って伸びる影では無くなる。しかしかなり異常な描画が気になるので、プレイ時には“Simple”にしてプレイしていた。(このレビューのSSはそれで撮った物であり、“Stensil”にすればより複雑になる)。

 左はサンプル画像。顔や体への影は静止画だとまだ見られるが、実際にはリアルタイムで変化する影がまるで点滅するように見えるので相当不自然。爆発時のエフェクトとの組み合わせでも描写が妙になる。

 このゲームに限らずQuake系エンジンは影の描画に関して遅れていたのは知られた話で、同年のCall of Dutyでは影描画を全面カットとか、Soldier of Fortune 2でも影が変になったりするのは有名。ビデオカードやドライバとの関連性も有るとは思うが、全般的に採用ゲームでの影の描画クオリティは他の同年代のエンジンよりも劣っている。


*パフォーマンスが悪い
 ビデオカード側に問題がないとするならば、サウンドが原因というケースが多いようだ。EAXのレベルを段階的に下げるとか切るとか、サウンドのクオリティを11kHzに下げるのを試してみる。


*マルチモニタ環境にて起動しない
 ビデオカードを2枚使用していて、その両方がOpenGL対応の場合には片方を切らないと上手く動作しない。

    次の頁