KISS PSYCHO CIRCUS
         THE NIGHTMARE CHILD

                                  10/05/01



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製作・販売: Third Law Interactive / Gathering of Developers
発売: 2000/07
日本代理店: P&A


概  要  『Kiss Psycho Circus』とは、1997/08〜2000/06までImage Comicsより月刊でリリースされていたコミックブック。発行元はTodd McFarlane Productionsで、ストーリーの執筆者はBrian Holguin。トッド・マクファーレンはMarvel Comicsの『Spider-Man』により名声を得た後に、同社の他のイラストレーターと共に独立してImage Comicsを設立。その後は『Spawn』の作者として著名である。


 『Kiss Psycho Circus』の内容については詳しく知らないのだが、KISSのメンバー自体が登場する物語ではなく、彼等のメイクした姿をモチーフに使った別世界設定での話となる。1998年にリリースされた同名タイトルのアルバム『Psycho Circus』(左)よりも、1981年のコンセプトアルバム『Music from "The Elder"』の方が背景世界への関連性が強い。"The Elder"、もしくは"The Four-Who-Are-One"と呼ばれる4人の主人公が登場し、彼等の外観がKISSの各メンバーに合致している。


*Starbearer - Paul Stanley
*Beast King - Peter Criss
*Celestial - Ace Frehley
*Demon - Gene Simmons



 KISSの方は1973年に結成されたロックバンドで、知らない人は少ないだろうという位に有名である。wikiによれば70年台が黄金期で日本でも相当な人気を誇ったとあるが、その後も大ヒットしたアルバムをリリースしている。このゲームのタイトルにもなっている『Psycho Circus』もそのヒット作の一つ。CMソングにも使われたりしているので(I was made for loving you)、具体的には知らないという人でも曲を聴いた事はあるはず。しかし一番有名なのはそのメーキャップであり、当時としては珍しかったその外見は非常に強いインパクトを与えた。

 なお上記の説明からも解るように、このゲームはKISSのメンバーの姿を題材にしたコミックスがまず在って、更にそのコミックスの世界観を借りて新たに作られたストーリーなので、本元のKISS自体とはあまり関係が無い。つまりロックバンドとしてのKISSに関連する内容はほとんど含まれていないので熱烈なファン向きでは無いが、同時にKISSの事を全く知らない人でも問題無く楽しめるという風にもなっている。


 制作担当はThird Law Interactiveでこれがデビュー作。Ion StormにてDaikatana制作の中心人物人物だった8人が、その完成前に脱退してから起ち上げた会社である。その後はAliens Versus Predator 2: Primal Huntの他にバリュー系FPSを何本か作っているが、既に公式サイトは無く倒産(解散)してしまっているようだ。代理店はGOD Games(現在はTake-Two Interactive)。

 開発の経緯としては、KISSとGathering of Developersが組んで、オリジナルメンバーによるリユニオンに絡んでのゲーム制作を企画したのが始まり。次にアクションゲーム化のアイディアと実際の制作の打診がTLIに対して行われた。TLIでは最初にKISSのメンバーが楽器の形をした武器を使って戦うゲームを考えたそうだが、それではありきたり過ぎて捻りがないしゲーム一本分保たせられない。それにKISSのファン以外には興味を持たれなくなってしまう(KISSのファンだけで制作費をペイするだけの売り上げは困難)。
 そこでダークな世界観を持ったトッド・マクファーレンのPsycho Circusをライセンスして、背景世界の設定に使用する事を提案。これならばファンでないプレイヤー向けにもゲームとして作り易い。この案が受け入れられて、KISSとトッド・マクファーレンの両者から素材を提供して貰いこのゲームが作られている。


 PCでのリリース後にDreamcast版も出ている。しかしPC版の評価は70.9%なのに対して、マルチプレイやマウスのサポートがカットされているDC版の評価は遥かに低くなっている。総合して売り上げ的にはパッとしなかった模様。少なくともFPSゲーム界では大きな話題にもなっていなかった。

 パッケージはメンバー4人の分と、全員が写っている限定版の計5種類が存在している。


 権利関係の問題があるのか、再発はされていないようである。新品は現時点ではオールドゲームに強いCDAccess.comに在庫がまだ残っている。後はebayやAmazonで海外発送可能な売り手を捜すかになるだろう。

 日本ではP&Aが当時日本語マニュアル付き英語版を出していたが既に扱われていない。一応日本で売っていたという事で、中古やオークションでの入手は可能かも。




STORY  The Elderの4人とNightmare Kingとの戦いは相打ちに終わったが、Kingは死に際に自らの悪のエネルギーの残りを産み落とし、それはNightmare Childとして徐々に成長しつつあった。この戦いを知る唯一の人物であるジプシーの予言者Madam Ravenは、NCの復活を阻止する為にThe Elderの復活を決意する。しかし彼等の神秘のパワーを秘めた6種のアーマーは散り散りになっており、サイコ・サーカスと呼ばれる悪の支配する世界から、まずはそれを取り戻さないとならない。


 ある日4人組のバンド“Wicked Jester”は、いつもの様にThe Coventryでのギグに向かったが、到着した彼等が見たのは観客もスタッフもいない無人のクラブであった。そんな彼等にMadam Ravenより、今宵のサーカスへのチケットが贈られる。選ばれし四名となる、Patrick Scott, Pablo Ramirez, Andy Chang, Gabriel Gordoは、それぞれが異なる世界へと旅立ち、そこに残されている4人分のアーマーを集めて新たなThe Elderとして復活し、Nightmare Childを復活前に倒さないとならない。


PATCH

DEMO
 最終版はV1.3。パッチはV1.1→V1.3の順に適用する必要がある。また国によってパッチファイルが異なるので注意。US版と欧州版は別物である。

 それとGeforceを使用している場合には、Geforce Patchという物が2002年になって別に出ている。これは解凍して出来たcshell.dllをインストールされたフォルダ内の物と差し替える形式。TLI側の話だと、GeForce 2以上のカードでDetonatorの14.xx以上を組み合わせると、ドライバの内部構造の大幅な変化により問題が発生するそうで、それに対応するための臨時パッチとなる。


 シングルプレイ用のデモが出ている。4つの世界を収録したボリュームのある物だが、バージョンは最初の1.0相当なので問題が発生する可能性もあり。

動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU Pentium II 266 MHz -
MEMORY 64 MB -
VIDEO Direct3Dに対応したビデオカード -
SOUND DirectX互換 -
対応OS Windows 95/98/ME/2000
DirectX 7.0以上要


 マイナーなゲームなので情報が少ないが、検索するとVista 64でも動作報告は見付かる(ただBGMが非常に小さな音量でしか再生されないという問題があるようだ)。

 ビデオカードに詳細な条件は書いてないが、サポートされるカードとしてVoodoo 2(VRAM 4MB)辺りまで含まれている。ただし設定を下げればという条件付き。既に10年が経過している現在では、大抵のPCにおいて必要環境はクリアされていると言える。


 [動作確認] このゲームをプレイしたのはOSをXPに切り替えてからなので、発売当時のWin95/98環境での安定度については検証していないが、最初のパッチが出るまでは不安定で問題も多かったようである。それと実は当時最後まで終わらせていなかった為に、今回現行マシンで数時間実際にラストまでプレイしたので、そちらの動作についても併せて書いておく。

 まずOSに関係無いと思われる問題として、初期のLithtech Engineを使用しているのでNo One Lives ForeverBlood IIの様に、日本語KBドライバ使用時にキーの設定が上手く行かない。キーのダブりを検出しないし、DELETEキーで項目クリアが可能とあるがそれも不可能(Deleteを登録してしまう)。キーのスキャンコードを直に登録している形式なので、英語KBと日本語KBでのスキャンコードの違いにより問題が生じている。またマウスホイールに操作設定可能なのだが(初期バージョンでは不可)、設定してもすぐにクリアされてしまって割り振れないという問題もある。

 キーの設定に冠しては直接設定ファイルをいじるのだが、直しても他の設定ファイルから自動的に上書きされてしまうために修正には手間が掛かる。まずdefault.cfgを開いて、enabledevice ##keyboardの下のrangebind "##keyboard" "##7" 0.000000 0.000000 "Weapon_6" の様にスキャンコード(この場合は"##7")で登録されているキー設定の行を全て削除。続いては同じ様にautoexec.cfg内を削除。そしてprofilesフォルダ内の自分の作成した名前のプロファイルを開いて、既に中に制作されているならやはりスキャンコードで登録されているキー設定の行を全て削除。その後ゲーム内の設定画面から登録すれば、スキャンコードではなく実際のキー名だけでの登録が可能になる(ダブり設定も消える)。


 続いては環境の問題と想われるが、以下の問題が発生していた。これはWin98互換モードにしたりしても変化無し。プレイ当時のマシンはAudigy 2を使用。

*Direct 3D Audio Hardwareに設定すると、それが原因で時々落ちてしまう(エラーがMilesの該当ファイルと出る)
*BGMのボリューム調整が出来ない
*マウスによる照準の動きが滑るように高速になったり、妙な動き方をしたりする(Input Rateを調整すると多少マシにはなる)


 そして今回(XP SP3, E6850, MM 2GB, Geforce 8800GTS 640MB, 196.21, SB X-Fi)のマシンでのプレイでは、上記のサウンドの問題に加えて、第一にフレームレートの低下という障害を確認した。垂直同期はONになっているので(外部から強制オフにも出来るが、そうするとfpsが上がり過ぎてメニューでのマウスの動きが変になる)、フレームレートはリフレッシュレートの値が最大値となり、既に軽いゲームなのでほぼその辺りをキープ出来るのだが、それが突然10台辺りにまで低下してしまう。向いている方向によって大きく変わるので何等かの描画処理が上手く行かずに高負荷になっているのではないかと考えられるが(もしくはメモリーリークの可能性も在る)、そこまで落ちてしまうとプレイがやり辛くなる。

 次に敵のキャラクタやオブジェクトのテクスチャが全て剥げてしまうという問題も発生。見る角度によってまた付いたり消えたりするのだが、発生すると同時にfpsが一桁台に落ちてしまうのでプレイにならない。ビデオ設定をMediumに下げても発生し、再起動する以外に治す方法は無い。たまに聞くGeforce 8000系以上での構造による問題なのか、それともドライバのバージョンがある物より上になった際に互換性の問題が生じたのかは不明。Geforce Patchを適用しても同じである。
 4時間位のプレイで10回ほど発生したのでかなりの高頻度と言える。個人的にはあまりにも酷くてプレイ続行出来ないというレベルには至らなかったが、同じ様にGeforce系のカードを使っていてこれから製品版のプレイを考えている方は注意した方が良い。デモはV1.0相当なので検証の役に立つかどうかは判らない。

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