KREED

                                  12/04/16



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製作・販売: Burut CT / Acclaim Entertainment
発売: 2004/07 (UK)
日本代理店: 無し



※09/06/21 レビューを掲載
※12/04/16 販売情報を更新

概  要  ロシアのBurut CTからのFPS。同社は2001年設立でFPSとしてはこれが第一作目。その後はUberSoldier等でFPSのファンには知られている。地元の代理店は大手のRussobit-M。このゲームはロシア国内ではヒット作となり、拡張パックとしてKreed: Battle for Savitarも制作されて、合わせて50万本以上の売れ行きを記録している。タイトルの“Kreed”とは、英語の“Creed”と同義で宗教的な信条の意味。


 CIS(旧ソビエト連邦)からのFPSで、発売前に西側のメディアに最も大々的に採り上げられたゲームというとS.T.A.L.K.E.R.になるが、その次というとこのKreedになるのではないかと思う。2001-2002年辺りは大手ゲームサイトにプレビューやインタビューが頻繁に掲載されていた有名な作品であった。当時のコメントでは「CIS圏だけをターゲットにした低予算ゲームが多い中で、初めて全世界的な販売を前提にした高額予算のFPSとして、ロシア国内でも大きな注目を集めているプロジェクトである」とされている。

 有名になった理由の第一はグラフィックスで、2001年当時はHardware T&Lの次の世代となるVertex & Pixel Shadersがベースのエンジンというのが注目されていて、そんな中で自社開発の新エンジンをインパクトのある実際のSSと同時に公開した事で話題となった。(この頃はDoom 3のライバルとまで言われていた)。次にこの頃クロアチアのCroteamやチェコのBIS等、新しい波という形で東欧の開発会社が話題となっており、その中の一つとして採り上げられてもいた。

 第三に様々な星系を舞台に同盟や敵対する多くの種族(エイリアン)が登場し、その中を旅するという壮大な設定を用意しており、クリアまでに30-40時間という深い物語性も盛り込んだ大作と宣言されていた点。そして地元ロシアでの宣伝文句、「ロシアからのUnreal」という言葉の通りに、FPSファンから続編が待たれていたUnrealを思わせる様なゲームの設定が注目を集めた、等がこのゲームが大きな関心を持たれていた主な理由である。

 しかしS.T.A.L.K.E.R.と同様に、時間が経過するに連れて段々とトーンダウンが始まって行く。連続して発売の延期, 全体のボリュームのカット, 登場するエイリアン種族の減少, 武器数削減, Co-opをカット etc...。それに連れて注目度も減少し、ようやく2003/08に地元以外にチェコ, ポーランドといった国で発売されたが、既にこのニュースは西側のメディアではほとんど採り上げられなかった。


 肝心の世界レベルの販売の方も、「現在幾つかの大手代理店が交渉に来ているが、正式に決まるまでは公表は出来ない」と言ったまま音沙汰が無くなるという良くあるパターンに陥り、ようやく翌2004年のE3にてAcclaim Entertainmentが代理店に決まったという発表が行われている。その後英国等の未発売だった欧州地域では2004/07に発売されたが、北米では発売されたのかどうか不明。

 だがこの一年の遅れが致命傷となった。その他の東欧勢、Chaser(スロバキア, JoWood), Chrome(ポーランド, Take-Two), Will Rock(ロシア, Ubisoft)等と同様に、大手代理店と契約して2003年内に発売されていれば、この年はFPSの大作が比較的少なかったので、それなりにファンの目に留まったかも知れない。しかし翌2004年はDoom 3, Far Cry, Half-Life 2, Painkiller等の大作揃いの年で、グラフィックス面にも格段の進歩が見られており、そうなると大きな売りであったグラフィックスではもう目立てない。またAcclaimの様な小さな代理店ではプロモーション能力も低い為に、これらの大作の陰に隠れて発売された事すら知られないという状況であった。

 そしてトドメとして2004/09にそのAcclaimが倒産。そのまま西欧市場からは消え去る事になる。その後の版権が何所に行ったのかは不明。Acclaimの資産はTurokと一緒に大半をディズニーが買い取ったという話も聞くが、このゲームもその中に在ったのかは分からない。


 Acclaimの倒産後は英語圏では再発されていない。ただその後に行き場を失い処分された在庫と思われるが、eBayに店を構える英国の通販サイトの中の幾つかで、少なくとも2006年辺りまでは捨て値で売られていた。

 現時点(2012/04)でもeBayでは結構ヒットするが、ドイツ版が大半で英語版は見当たらない。これは設定で英語表示に出来るのかどうか分からない。

 或いはAmazon.ukには新品・中古を含めて数はそこそこ出ているので、その中で国外出荷可能な売り主を見付けられる可能性はある。



 ダウンロード販売の方も版権の所持者が分からないと難しい。そもそもプレイヤー側に販売を熱望されるようなゲームでは無いし、そうなると店側が必死になって販売にこぎ着ける為に動く可能性も低い。



STORY  先に背景設定から。地球人が太陽系外にも進出している時代、人類は全宇宙の中でも有数の強大な種族であるTiglaaryによる攻撃を受ける。太陽系のコロニーから地球上にまで侵略を許した人類だったが、23世紀になって“Legion”と称されるボランティアの軍隊を組織して反撃に転じる。死をも恐れぬLegionの必死の抵抗によってある程度は敵を押し戻す事に成功したが、大量の犠牲者を出したLegionにはそれ以上の力は無かった。そこで“Confederation”と呼ばれるかつて地球から独立した銀河国家と同盟を結び、協力してTiglaaryと対決。彼等を押し戻してかなりの数の星系を取り戻し、両者の勢力は30世紀には膠着状態になっていた。

 その間に宇宙の一部に膨張を続ける謎の球体エリアが出現。その中へと探索に向かった全ての宇宙船が戻って来ないという結果に終わり、人類側は依然としてその謎の解明に挑んでいた。しかしそのエリアを神聖視し内部へと向かって行く宗教団体も出現して、“KREED”と名付けられたそのエリアは厄介な存在として認識されている状況にあった。


 そして西暦2944年、内部調査の責任者だった三人のグレートマスターの中の一人であるTeofrast Rumiが、全ての研究資料及び自らの部下と共に忽然と姿を消してしまう。その後の調べでは彼はKreedの内部から脱出する方法を発見したらしく、何らかの目的を持って部下と共にKREEDの内部へと向かったらしい。

 そこで他の2人のグレートマスターは、Rumiの暗殺とKREEDに関連する資料の奪還を一人の男に命令する。それが主人公であるDaniel Grokで、徹底した冷血漢として知られるLegion屈指のエージェントである。だが彼の乗った宇宙船Asperoは事故によって機能を停止。自らの力でKreed内部の星系を旅しないとならなくなる。


PATCH

DEMO
 パッチは出ていないが、ロシア語版の最終パッチがV1.05で、UK版は最初から1.05なので既に適用済と見られる。


 シングルプレイとマルチプレイを両方含んだデモが出ているが、これはインストールではなく単に解凍する形式。またそのまま起動するとライトプロテクトのエラーが表示されるので、起動前にuser.iniconfig.iniという2個の設定ファイルの読取専用属性を外しておく事。各種設定も簡素化されている。

動作環境

トラブル
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium 3  800MHz Pentium 3  1GHz
MEMORY 128MB 512MB
VIDEO VRAM 32MB Hardware T&L対応
GeForce2 以上
VRAM 64MB Hardware T&L対応
Vertex & Pixel Shaders対応
GeForce 3 / ATI R8500 以上
SOUND DirectX 7.0互換 同左
対応OS  XP/2000/98/ME
DirectX 8.1以上要


 OSは2000とXPを推奨。Vistaではどうなのかテスト可能な環境がないので分からない。


 <動作テスト> (XP SP3, E6850, Geforce 8800GTS 640MB, 181.22, SB X-Fi)にて、幾つかのセーブデータを読み込んでテストしてみたが、動作に大きな問題は無い模様。ただし不定期にバリバリという感じのノイズが発生する。プレイした当時は無かったので、サウンドの設定をソフトウェアに変えたりしてみるが治らない。Readmeによるとバックグラウンドで他のサウンド関連のソフトを動かしていると発生の可能性があるとされており、何らかの動作中のプロセスが影響しているのかも知れない。或いは単にサウンドのドライバの問題か。

 それとゲーム終了時デスクトップに戻る際に必ずエラーになる。またこれはDVDドライブに関連する問題と思うが、現行マシンだとオリジナルのCDチェックに掛かる時間が不確定で、場合によっては20秒位アクセス(認証)に時間が掛かっている。


*マウスの感度が低い
 最大にしても低い場合には、config.iniを開いてcl_mouse_sensitivity の値を1.5や2とかに設定してやればもっと速くなる。

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