MACE GRIFFIN
         BOUNTY HUNTER

                                   09/07/13



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製作・販売: Warthog Plc / Vivendi Universal Games
発売: 2003/09
日本代理店: 無し


概  要  英国のWarthogが開発したFPSとスペース・コンバットシムを合体させたゲーム。同社は幾つかのスペース・コンバットシムを開発しているが、中では2000年に発売のStarLancerが最も有名。このゲームの後は大きなタイトルも無く2006年に倒産している。

 かなりややこしい開発経緯を持つゲームで、最初はXboxとPCをプラットフォームとして開発が始まり、Crave Entertainmentが代理店となって、更に上のEAを通して配給される予定だった。しかし途中で代理店がVivendi Universal Gamesへと変更。それに合わせてプラットフォームにPS2とGCが追加されて、コンソール中心の販売へとシフトされた。その後2002年8月にはGC版の開発中止と、北米地域でのPC版のキャンセルがアナウンスされる。PC版のキャンセル理由は不明だが、マルチプレイがカットされたので北米では売れないという判断だったのかも知れない。

 そしてXboxとPS2版が世界的に2003/06に発売。欧州でのPC版はBlack Label Gamesを通して9月に発売されている。その後北米ではMumboJumboがPC版の代理店として新たに名乗り出て、2004年に入ってからその地域でも発売された。

 VivendiはActivisonと合併した為にBlack Label GamesやSierra他のグループ会社も整理されて無くなっており、ゲームの公式サイトも既に存在しない。Activison/Blizzardのサイトの方にもタイトルは登録されていない。


 2009/07現在、英国の廉価版レーベルのSoldoutシリーズとして再発されており今でも発売中である。ダウンロード販売としては主要なサイトには見当たらなかった。


欧州版北米版 注意点としてPC版は販売地域によってレーティングの内容が異なるようだ。今回記事を書くに当たって初めて気が付いたのだが、Xbox等のコンソール版では敵に出血の表現が存在している(地域による違いは不明)。しかし私の持っているPC版は規制の厳しいドイツ版と同じ内容らしく、敵を攻撃した際の出血やゴア表現が含まれていない。デモでも同じ仕様だったのでそういうものなのだと思い込んでいたが、どうやら地域差が存在していたらしい。

 私の所持しているのはオリジナルのCD4枚組-DVDケース仕様の欧州版(左)で、英国・イタリア・スペイン・フランスの4ヶ国語対応版。マニュアルは英語版で、PEGI 16+のレーティングが付いている。(これはストリッパーが出て来たりするのが要因と誤解していた)。調べても国籍による内容の違いについて解説している場所は見付からなかったのだが、US Uncut Patchというのを発見した。つまりUS版(右)は規制されていないバージョンらしい。欧州版は規制されていると思われるが、国内でEUとは異なる独自の審査機構を持つ英国版だとどうなのかは未確認。

 撃っても敵から出血の表現が見られないのは、当たっている感覚を削ぐので大きなマイナス要因だと考えていたのだが、規制レベルがコンソール版と同じになれば問題は無くなる。取りあえずその拾ったMGBH_US Uncut Patch.zipを置いておくので、今後プレイする人で出血表現が見られない場合には、内部のファイルをインストールしたフォルダに上書きすればOK。(サンプル画像はグラフィックスの項目に在り)。なおこのレビュー記事内のその他の画像は、当時撮った物なので一切その辺のエフェクトは無い。


 このMGBHはPCでは無名に近い存在であったが、Xboxではその異世界でのSF設定という点と、FPSとして見た目にシステムが似ている点から、大人気だったHaloのクローンとして注目度はそれなりに高かった。またGTA3の宇宙版として、その自由度の高いシステムも期待されていた。しかしゲームは延期を繰り返して当初の予定よりも1年以上遅れての発売となり、しかも盛り込まれるはずだった多数の要素が全てカットされてしまい、結果として大きな失望感を持って迎えられている

*広大な宇宙ステーションや星間都市等の内部を自由に歩き回れて、内部では各種イベントも発生する
*会話によりサブのミッションを引き受けたりと、メイン以外の物は自由に選択が可能
*3種類のメイン種族であるNPCとの会話により種族別の友好・敵対度が変化し、その後の展開や会話内容が変わって行く
*10以上の星系を自らの操縦する宇宙船で旅する事が出来る。それぞれの星には異なった種族が生息している。
*稼いだ賞金で多種の宇宙船を購入したりアップグレードが可能
*地上戦用の武器やアイテムを賞金でアップグレード可能
*敵の宇宙船との戦闘シーンでは、船にドッキングして内部に乗り込んでFPSモードにして戦う事も出来る
*対戦マルチプレイの導入

 以上の特徴は製品版では無くなっており、もはや別のゲームとしか言いようが無い。Xbox版は68.0%という平均点数で、悪くはないが期待を裏切られた事がやはりスコアに影響していると思われる。(ちなみにPC版はサンプル数が少ないが57.5%)。

 開発チームは40-50人の構成で3年掛かったという話で、当時としては結構大規模な体制だとは思うのだが、オリジナルのエンジンの開発から始めたので予想以上に時間が掛かったとしている。途中で人員や予算的に無理だと諦めて極限まで妥協したのか、延期を繰り返したが結局は技術的にそこまで複雑なゲームを構築するだけの力が無かったのか、いずれにしろ企画としては失敗したプロジェクトなのは間違いない。


 主人公は最初はJohn Gintyという名前だったが、代理店側からこの名前は良くないという指示を受けて再検討され、候補の中からアメリカの若いゲーマーに調査を行って、最もイメージ的に適しているという評価を受けたタイトルの“Mace Griffin”に決まっている。

 同じく当初のデザインでは、主人公は宇宙を放浪するスペースガンマンであり、マカロニ・ウエスタンの宇宙版という設定だった。デザイナーのJohnSlowskyはRiddick等の幾つかのゲームを手掛けた有名人だが、代理店がVivendiに変わった際に主人公のデザイン変更を依頼される。彼はこのデザインを見せられてホルスターに収まるようなサイズの銃にしないと不自然だが、そうすると今度は銃に迫力が無くなる点を問題視。それを指摘するが、その銃に関してはリボルバー風の物から変更は出来ないと代理店からは突っぱねられる。
 そこでソンブレロをかぶった状態では目が見えないので、カットシーンでの感情表現が困難だという方向から攻めて、キャラクタの西部劇風の衣装自体を変更する方向で説得。マントもリアルなアニメーションが難しいという点でカットさせた。

 その後は変遷を経て海兵隊風の衣装に変更。顔のデザインには苦労するが何とか形になって来る。しかし今度はユニフォームのデザインで意見が割れてしまう。代理店側は“13”の文字と赤いストライブは外せないと主張するのだが、デザイナーの方は戦闘中にそんな目立つ赤色の服を着ているのはおかしいと納得出来ない。この中間地点のデザインがパッケージに使われたままになっている。
 最終的にはなるべく肩パッド部分の側面にロゴとラインは移して、ゴテゴテした体の装備も外す事で特殊部隊の隊員らしさも保ったレベルに決定。赤色については主人公のキャラクタのイメージからすると色合いとしては合っているので、最終的にはその赤で決定という形に収まっている。


 主人公の声を担当しているのはRollins BandのボーカリストであるHenry Rollins。かなり著名な人なのでその点でも話題になった。


STORY  西暦2412年、宇宙に進出してその植民惑星を開拓していた人類は、2つの別の知的生命体と遭遇する。頑強な体を持ち労働能力が高いJaldari、高い科学力を誇る爬虫類型の種族であるValleakan。人類は彼等と協力する道を選びVagner星系と呼ばれる(地球から見て)辺境の地を開拓、数百年後には3つの種族はその地で共同生活を行うようになっていた。

 ゲームの舞台となるのは2774年。様々な星に都市が発達したVagner星系だが、やはり社会が形成されれば犯罪も発生し、中でも大規模な犯罪を取り締まる為の組織として、Rangersという名のエリート隊員によって構成された部隊が存在していた。そして主人公のMace Griffinはその中でも優秀な隊員として知られている存在であった。

 しかし彼はある事件の鎮圧の際に命を狙われて危機一髪で脱出。しかし同行した他の部隊員が全員死亡してしまい、その脱出行為が命令違反として軍法会議に掛けられ、懲役10年の刑を受けて刑務所に入れられてしまう。出所した彼は既にRangers自体が解体されている事を知り、どうも過去の事件自体が自分を狙った何者かによる罠だったのではないかと考え始める。
 そこで彼は賞金稼ぎとしてギルドに入隊。幾つかの仕事をこなす事で調査の為の資金と力を得る事にするが、その課程で過去の事件に関わる手掛かりを掴み、自分を陥れた敵への復讐を目指して動いて行くというストーリー。


PATCH

DEMO
 パッチは存在しない。デモはリリースされている。
動作環境

トラブル
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium 3 1 GHz Pentium 4
MEMORY 64 MB 128 MB
VIDEO VRAM 32MB Hardware T&L対応 VRAM 64MB Hardware T&L対応
SOUND DirectX 8.1b互換 DirectX 9.0b互換
対応OS Windows 98, 2000, ME, XP
DirectX 8.1b以上要


 Vistaでの互換性は不明。マイナーでなのでほとんど技術系の情報が無い。デモ当時は結構重いゲームという印象だったが、現在では特に問題のないレベルと言える。

 <動作確認> (XP SP3, E6850, Geforce 8800GTS 640MB, 181.22, SB X-Fi)にて過去のセーブを読み込んだりしてテストしてみたが、特に問題無く動作する模様。


 私の所持しているのはCD4枚組だが、インストール時にHardware Shadersの有無を聞いてきてそれに応じて使うCDが異なる。HS用のデータがCD3に、使わない際のデータがCD2に入っているので、片方しか選択しなければそれ以外の方のCDは要求されない。当然HS使用の方が良いグラフィックスになるので、今となってはそれだけ選べばOKである。よっぽど低い性能のPCの場合にはShader無しの方のオプションも選んでおく。

 スペース・コンバットを含んでいる事から、ジョイスティックの使用をサポートしている


 トラブル系統は情報が無いのだが、起動時に必ずランチャーから立ち上がり、そこでグラフィックスとサウンドの基本設定を行うという仕組みである。よってトラブル発生の場合には、ここでグラフィックスの機能をOFFにしたり、サウンドならば使用デバイスの切り替えを行ってみる。設定したオプションでのTest画面を実行する機能も持っている。

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