BATTLE OUT OF HELL

                                  12/06/26


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 製作・販売: People Can Fly / DreamCatcher
 発売: 2004/12
 日本代理店: 無し



※07/01/14 レビューを掲載
※08/10/17 内容を更新
※12/06/26 商品情報等を更新

概   要
 短いインターバルで発売された拡張パック。本編と同様にPCFが製作を行っている。既に単体では入手困難であり、何等かのセット版の中の一つとして購入する事になるだろう。本編の項に商品情報を掲載しているのでそちらを参照。


 プレイには本編がインストールされている事が必要。拡張パックのシステムファイルは本編と共通で、インストール時に自動的にアップデートを行うが、本編が既に最新版になっている際にどうなるのかは未確認。(拡張パック自体はV1.35-V1.5辺りなので、本編がバージョンアップされているなら自動的に更新を停止するのか、それとも強制的に上書きが行われてしまうのかが不明)。

 少なくとも本体がV1.61以上でないとバグが発生する可能性が高いので注意。

 必要・推奨動作環境は本編と変らないが、新しく追加された描画機能を使うにはビデオカードのVRAM 256MB以上が推奨とされている。

 左:北米版  右:欧州版



 拡張パック用のデモは存在しない。しかし本編の最新デモ#3はここで更新された新エンジンを使用した物となっているので、動作や重さについてはそちらで確認が可能である。注意点としてBooHによるグラフィックス・エンジンのアップデートは、本編のレベルに於いては完全な形では適用されない。拡張されたエンジン用のデータを持っていないからで、例えばDemo#3で使われている本編収録のMilitary baseはこのデモ用に作り直されたレベルであり、BooH導入後に製品版のこのレベルをプレイしてもDemo#3の様な描画にはならない。


 本編ではラストの部分が中途半端(バッド・エンディング?)で明らかに続編を意識させる終わり方だったのだが、このBooHはあの箇所の続きからスタートするようになっている。つまりXXを倒す為に後を追って行くというストーリーとなる。なお本編ではTraumaをクリアする事によって別のエンディングを見られるという事になっていたが(ネタバレするのでハッキリとは書けないが、通常のエンディングの様な事は実は起こらなかった的な終わり方)、この辺の辻褄合わせは特に行われていない。

 

シ ス テ ム
 本編とはメニューが共通となり、各種設定も共用している。新規にゲームをスタートさせる時にどちらを開始するかを選択するようになっており、セーブ関連も同一画面に混在表示。

 新規にBooHを開始した場合、本編のタロットは一枚を除いて全てアンロックされた状態でスタートする(一枚とは最後にForestで手に入るDivine Interventionで、有るとその特性からゲームバランスが崩れるからだと思われる)。ただしゴールドは0の状態となるので、いきなりカードを使える訳ではない。もし本編をプレイ中にBooHを新規にスタートさせた場合には、データの引継ぎを選択するとタロットのアンロック状態がそのまま持ち越される。よってその後はアンロックしていないカードは手に入れられなくなるが、ゴールドも引き継がれるのでいきなり最初からカードを使用可能という利点あり。つまり多数のカードをアンロックしておりゴールドも持っているセーブが有ると、スタートした時点からかなりの優位に立てる事になる。

 全10レベルにはそれぞれ新しいタロットカードが割り付けられており(Silver/Goldが各5枚)、条件を満たしてそのレベルをクリアすれば入手可能な点も同様。難易度は同じく4種類となり、最高難易度のTraumaをプレイするにはタロット全10枚中9枚をアンロックしていないとならない。なおレベルにはNightmare以上でないとプレイ出来ない物が一つ含まれている。それとTraumaでクリアするとシークレット・レベルが出現するようになっている(戦闘のレベルではなく一種のお遊び的なレベルで、製作者のクレジットが置かれている中を全てのSoulを回収して回るという物)。


 武器はやはり2つの機能を組み合わせた物が2個追加されている。

*SMG / FLAMETHROWER
 PKの開発初期には有ったが本編ではカットされていたサブマシンガン。チェインガンに比較すると弾当たりのダメージが大きく、また遠距離における正確性に勝る。ただし連射速度は劣るし、用意されている弾数は少ない。火炎放射器は広範囲の敵向けの武器で、火が点いている間は連続してダメージを与えられる。

*BOLTGUN / HEATER
 Boltgunは長いニードルを同時に5本発射して相手を突き刺す武器で、スナイパーライフルの様にズームさせて遠距離の敵に対しても使える。Heaterは10個の小さな弾むボール状の爆発物を撒き散らし、狭い場所や広範囲の敵に対して有効な武器となる。どちらも威力はあるが弾薬の消費数が早いので乱発は出来ないようになっている。


 武器及び新タロット等の追加コンテンツは、オリジナルのPK側からはアクセスする事が出来ない

GAMEPLAY
 BooHは全部で10個のレベルから構成されており、ロケーションも現実風と仮想の物が入り混じっている。ボスの登場する専用レベルは今回は2個となり、片方はNightmare以上でないとプレイ出来ない。その代わりに中ボスとでも言える存在が登場するレベルが数個存在している。

 プレイ時間はタロットのアンロックやシークレット探しにどの程度力を入れるかで大きく変ってくるのは本編と同様。Insomnia(Normal)で単にクリアだけを目指すならば5,6時間でも可能だろうし、何回もリプレイしたりするなら長時間遊べるはず。

 本編に比較して広いレベルが増えたのが一つの特徴で、最大で本編の最大クラスよりも2倍近いサイズの物が含まれている。敵については基本的に全てを入れ替えており、本編の24レベルに50種程度だったのに対して、BooHでは10レベルに35種程度のモンスターが登場する。ただしスキンを貼り変えただけというタイプも多いし、特別に変ったタイプの物が増えているという訳でもない。


 拡張パックという事もあって難易度は上がっており、本編はMediumでは易しいバランスだったのでこれは良い方向に転じている。敵の数が相当増えているし、また高いダメージを与えるタイプの敵も多くなった。他にも追尾式の弾を撃って来る敵や、遠方の見え難い場所から攻撃して来る相手も加わっている。

 それに対抗する為の新武器はいずれも強力で、バランス的な配慮からか旧武器の弾薬は若干減らされているようだが、それを補って余りある程の威力を持っている。7個に増えて武器の切り替えがやや面倒になったという点を差し引いても、使っていて爽快感もあるし出来も良い。特にBoltgun/Heaterは便りになる武器であり多用する事になるだろう。総合的にはこの武器のパワーアップ分もあるので大幅に難しくなったとかではなく、Insomniaにおいては適正な難易度になったと感じる。


 今回は新規ゲーム開始時点で、タロットのアンロック状態とそれを使用する為のゴールドの所持量が異なってくるようになっている。BooHからの新規スタートの場合には本編のタロットが全てアンロック状態とは言え、ゴールドが0からとなる上に前半のレベルにはゴールド自体があまり無く、実質あまり使う事が出来ないようになっている。その為に今回はNightmareからこの状態で始めてしまうと、レベルによっては(L6: Leningrad等)タロット無しでは苦しいという物も有るので注意が必要だ。新規スタートならInsomniaから始めて一巡目はゴールドの確保を狙い、タロットがそこそこ使えるようになってから2順目でNightmareへという方がお勧め。旧セーブからの切り替えでタロットがそこそこ有ってゴールドも持っているならば、いきなりNightmareからでも問題ないだろう。

 タロットのアンロックに関しては、やはり今回も簡単な物から相当に難しい物までいろいろと揃っており、別のタロットの助け無しではまず不可能という物もやはり存在している。「全てのシークレットを発見せよ」というタイプは一つになったが、やはりこのレベルでは発見及びジャンプが非常に難しいとなっている。効力も役に立ちそうな物と、使用コストの割には大した事が無い物が混在しており、この辺のバランスの悪さも本編と同じ。

 シークレットは相変わらず分かり難い物が多く、特に急斜面を連続ジャンプで登ったりするような、一見して無理そうに見えるというタイプが何箇所か加わっている。

問 題 点
 まず相変わらずボスの倒し方が分かり難い。専用レベルを含めて中ボスクラスも何体か出現するようになっており、全てが分かり難いとまでは行かないが、公式掲示板ではやはりどの箇所についても質問のスレッドが建てられているという状況。特にボス専用レベルにおける2体のボスの倒し方は、個人的にはただ判り難くしているだけで上手く行っていないと感じた。

 次に難易度を上げるのは良いのだが、その方法に疑問が感じられる点も持っている。避ける事が出来ない攻撃を仕掛けて来る者がいたり、爆破トラップ及び周囲に置いてある沢山の爆発物によりダメージを受けたりというケースがあって、難易度が高くなる程ストレスになる可能性がある。また上の難易度では明らかにタロットを使うものとしてバランスが調整されており、もしも使えないと他のレベルを再度プレイして使えるようになってから戻って来ないとならないかも知れない。

 今回もタロットカードの能力に強過ぎてバランスを壊してしまう物が含まれている。例えば最後に手に入るHealth Stealerは非常に強力なのだが、入手自体は別のタロットさえ有れば容易な部類だし、使用コストは高いが本編からの持ち越しが有ればそれも特に問題は無い。そしてDemon Morphというカードも強力なのだが、これらを2枚組み合わせるとGod Modeに近い物があってゲームにならなくなる。または666 Ammoも威力が有り過ぎ。


 ストーリー解説は本編同様にムービーで行われているが、主人公の顔が別人の様に変化しており違和感有り。相当な悪人顔になっており、CGムービー自体は手抜きされている様には見えないので、どういった理由で変更が行われたのか謎である。

 グラフィックエンジンのグレードアップとレベルの巨大化によってロード時間が長くなった。本編でも長いという点は問題視されていたが、それがより顕著になった感がある。

 セーブの一覧が共通化された為に混在すると見難くなった。ソートは可能なのだが正常に行われなかったりもするので問題あり。

そ  の  他
 PAIN Engineは様々な点を改造されており、最新のビデオカードに合わせて最適化されている他、Pixel Shader 3.0にも対応している。オプション画面にはDynamic Lights, Blooms, Warp Effects(Heat Haze等), Shadows (High)を追加。実際にクオリティは上がっており、レベル内にもBloomやHeat Hazeの効果を見せるような場所が組み込まれている。ただし場所によっては相当フレームレートが落ち込むというケースもあり、本編よりは負荷が高くなっているので注意。

 発売前の話では拡張パックを導入しない限りは、本編に最新のパッチを入れても描画エンジンは全く変化しないという事だったが、実際にはどうなるのかは未確認である。(Bloomの様な新規導入要素の効果は、本編のレベルがその為のデータを持っていないので適用はされない。しかしDynamic LightsやShadowをHighにするといった効果がどうなるのかが判らない)。



 BGMはこちらもロック・ヘビメタ系を主に使用しており、悪くは無いが本編ほどの粒揃いとはなっていない。

 マルチプレイには要望が多かったCTFを搭載。他にはLast Man Standingを追加。

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