PAINKILLER: OVERDOSE

                                  12/06/30



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製作・販売: Mindware Studios / DreamCatcher Interactive
発売: 2007/10
日本代理店: ズー



※08/10/16 レビューを掲載
※12/06/21 リテール版に関連する注意事項等を更新
※12/06/24 ダウンロード販売版のバージョン情報を更新
※12/06/30 同上



                           ※Version84(Patch #1)によるレビューになります

 

概  要  元々はチェコのMindware Studios(過去にCold Warというステルス物を出している)のメンバーの多くがPainkillerの大ファンで、純粋にファンとして“Code Name: Over Dose”という名のModとして製作を始めた物である。しかしその可能性に目を付けたPKの販売会社のDreamCatcher Interactive(現在はJoWooDに買収されている)が資金を出し、公式な製品版として製作されるように変更されている。

 作品の位置付けとしては拡張パックでは無く単体製品版となっており、動作にはPK本体を必要としない

 オリジナルのPKを制作したポーランドのPeople Can Flyは既にDCを離れており(現在はEpic Gamesの子会社)、このゲームの制作には関わっていない。権利関係はDC(JoWood)側が保持していたが、そのJoWoodもNordic Games GmbHに買収されている。


 発売時は単体製品という扱いから$39.99という価格で発売されていたが、現在(2012/06)では$4.99 程度にまで値下がりしている。Steam他のダウンロード販売でも取り扱い中。

 もしシリーズの他の作品を持っていないのならば、Painkiller本編, 拡張パックであるPainkiller: Battle out of Hell, そして当作品Overdoseを収録したPainkiller Triple Dose(北米)、Painkiller Universe(欧州)が存在している。

 更にその後に発売されたシリーズとのパッケージ版としてPainkiller PandemoniumPainkiller Completeという製品も発売されている。



   <注意> 他の作品とのセット販売となるリテール版のOverdoseにはパッチが適用出来ない模様

 Painkiller UniverseやPandemoniumでは出来ないという情報を確認。最新のCompleteなどは不明だが、経緯を考えるとおそらく駄目なのではないかと考えられる。一方でダウンロード販売版はサイトによっても異なる可能性があるし、DVDメディアが無いので未パッチだったとしてもパッチが適用出来るという可能性も残されている。

*日本のズーによるダウンロード販売版はパッチ適用済みの84だと確認している
*(BCCさんからの情報) Steamで販売されているODのバージョンはパッチ適用済みの84だと判明
*(nanasaさんからの情報) GamersGateで販売されているODのバージョンは75だが、専用の84パッチが用意されている

 なお上記のODは単体購入のケースだが、おそらくダウンロード販売での統合パック版でもダウンロードするODのインストール用ファイルは同じ物だと思われる。


 エラーの内容は84パッチを適用しようとすると「ODはインストールされていない」と判断されてしまうというもの。製作会社からのこの件に対する回答は以下の通り。

 「Universeは当社Mindwareの管理下で制作された物ではなく、正直に言うと掲示板で指摘されて初めてこの様なパッケージが存在する事を知った。Universeでは当社製作のインストール用のプログラムが使われていないので、レジストリ上にてインストールの有無を検知する方式のこの84パッチでは、ODがインストールされていないと判断されてしまう。またこのパッチにはオリジナル版のODのDVDを検知するコピープロテクトが含まれているので、何等かの方法で強制的に修正用のファイルを移せたとしても、別のDVDで構成されているUniverseにはオリジナルのODのDVDが含まれていないから起動は出来ない」としている。Mindware側では何も出来ないので、代理店の方に要望を出して貰う以外には無いそうだ。

 つまり統合版にオリジナルのODのDVDが入っているなら問題は無いのだが、Universeであれば新しく製作されたUniverseのDVDが入っているので、ここからインストールしてもレジストリへの登録がオリジナルのODとは異なってしまうという意味。

 パッチを適用出来ない初期バージョンにおいて、一部の問題の解決方法としては下のパッチ欄で紹介しているPowermadを使うという手が残されている。


 日本ではズーからPainkiller : Overdose 日本語マニュアル付英語版がダウンロード販売のみで売られている(現在では販売停止らしく消えている)。


STORY  主人公はこれまでの作品のDanielではない。今回は天使と悪魔の間に生まれた存在であるBelialが主人公となる。彼は長い間煉獄世界の牢獄に捕らえられていたのだが、その封印に使われていた魔王ルシファーの力が突然消失して自由の身となった(理由はルシファーが倒されたからである)。

 そのBerialが自分を閉じ込めた相手に復讐をする為に数々の世界を戦って行くというストーリーになる。



PATCH

DEMO
 Overdose Patch #1(OverdosePatch84.exe)がリリースされている。これはバグ修正以外に何箇所かモンスターの出現等のバランス調整まで実施されている大掛かりなパッチとなる。


 これ以外にも重要なツールがリリースされている。PKファンには"Powermad"の作者として著名なKalme氏が、今回もOD用にPowermad for Overdoseを制作している。このPowermadとは「様々なチートの使用を有効にする」, 「各種アンロック要素の解除」, 「ゲーム内部のパラメータをいじるというMod的役割」を行ったりするというマルチツールである。しかもそれ以外にゲーム内部のスクリプト系のバグを、公式のパッチよりも早く修正してしまうという点でも有名になった。

 チート系のツールは必要無いという方でも、このPowermad: Overdoseについては導入しておいた方が良い。今回も上記の公式84パッチ適用後でも発生するバグを修正したりしている。(全てのモンスターを倒すと開くはずの扉が、モンスターをカウントするスクリプトが誤っているので開かないというバグの修正等)。その他にも導入するとオープンニングのムービーのスキップや、マップのロード時間を50%短縮(同一マップにて2度目以降のロード時)が行われる。

 コマンド類は非常に多岐に渡っており、God, All Weapon, No Clipといった一般的なチートの他に、カードやレベルのアンロック。アイテム類の場所を示すレーダー機能, ゲーム内スピードの変更, 死体を消さなくする, 散らばるGoldを自動的に拾う, 見えない壁を取り払う等々が可能。


 導入方法は最新版(現在V1.3)をインストールし、その後このPW経由でODを起動するだけ。成功すればメニュー左上にPWのバージョンが表示される。Steam版でもインストール時に内部フォルダのODを自動検知はするが、作成されたショートカットからでは起動が出来ない。まずはDataフォルダ内の"LScripts.pak"を適当にリネーム。その後"powermad.pak"をこの"LScripts.pak"にリネームして、普通にODを起動する。左上にバージョンが表示されていればOK。ただしこの状態ではマルチプレイに接続出来ないそうで、その場合には元に戻す作業をしないとならない。

 ユーティリティーとしてPowermad Configuratorが付属しており、ここで呼び出したい機能を自由にキーに割り振れるようになっている。設定後にセーブすればOK。注意点としては、使うつもりが無くても誤ってキーを押すと発動してしまう可能性がある(または自分のキー設定がPWと被っていると不味い)。それが嫌なら事前に発動キーを全て設定から解除しておく。


 上の概要の項で説明しているようにパッチが適用出来ないリテール版ODの場合でも、スクリプト系のバグ修正についてはこのPowermadを使うという方法がある。だがバランス調整等のレベル内容の修正や、その他のバグ系には対応不可なので万全ではない。なおその場合に使用するのはPowermad V1.2の方なので注意。V1.3では公式パッチで適用された修正点の分はカットされているので、未パッチ状態のVersion75ではそれを修正しているV1.2の方を使わないとならない。


 デモは2つのシングルプレイ用マップを収録した物が出ている。

動作環境

トラブル
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU 1.5 GHz Intel Pentium III 相当 2.4 GHz Intel Pentium 4 相当
MEMORY 512MB 1GB
VIDEO VRAM 128 MB DirectX 9互換
GeForce FX 5600, Radeon 9600以上
VRAM 256MB DirectX 9互換
GeForce 7800, Radeon X1800
SOUND DirectX 9互換 DirectX 9互換
対応OS  2000/XP/Vista
DirectX 9.0c以上要


 必要環境はBooHよりも上がっている。グラフィックス関連の負荷の増加の為で、オリジナルPKやBooHは動作したという人でも、PCの性能が低い場合には注意が必要である。

 Vista64, XP64にも対応。

 私の環境(XP SP2, E6850, Geforce 8800GTS 640MB, Fw 178.13, SB X-Fi)ではプレイ中に3回ほど停止して、強制終了せざるを得なくなった。

 このODでは「デュアルコア使用時にゲーム内のスピードが変わってしまう」という有名な問題に対しては修正しており、CPUを単体動作にする必要は無い。


*設定やセーブファイルの場所
 XPだと、C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Application Data\Painkiller Overdose の中。Vistaならばゲームエクスプローラーからアイコンを右クリックしてセーブゲームを選択すれば該当フォルダが開く。


*ロード時間が非常に長い
 根本的なエンジンの仕様の問題であり、直すにはほぼ新しいエンジンを一から作る必要があって、このプロジェクトの期間と予算では修正は不可能とされている。よって普通に長いという件は解決出来ない。これには二つのケースが存在しており、マップを最初に読み込む時と、同じマップ内で死んだ時等に読み込みを行う時がある。個人的には最初の読み込みは長い事は長いが、他の長いゲームと同じレベル。しかしクイックロードなどは他のゲームの平均値に比べてかなり長く、こちらは大きな問題だと感じた

 ただしその長さには個人差があり、とんでもなく長い(2-3分)という人も居るので大きな問題として採り上げられている。マシンの性能とオプションでの設定には特に関係が無いらしく、その為に原因は掴めていないようだ。Powermadを導入する事で、プレイ中のマップ内での読み込みについては改善される。Vsyncを強制的に外部からOFFにすれば改善されるという情報があり、どうもこれを実施しているらしい。

 過去作よりも長くなったというクレームについては、扱っているデータ量の違いが原因だそうだ。オリジナルでの使用テクスチャが30MB程度なのに対して、ODでは70MB程度を使用しており最大のマップでは145MBにもなる。モデルのデータ量もオリジナルの200MBに対して、ODでは330MBである。

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