SOLDIER OF FORTUNE II
          DOUBLE HELIX

                                 07/03/11


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製作・販売: Raven Software / Activision
発売: 2002/05
日本代理店: サイバーフロントより日本語版&マニュアル付き英語版



  ※レビューの内容は基本的に当時の物です

概  要  2000年に発売されて大ヒットとなったSoldier of Fortuneの続編。製作は前作と変らずRavenが担当。

 純粋な英語版であっても製品仕様として日本語表示が可能(全てではない)というマルチランゲージ対応の珍しいゲームである。デスクトップのショートカットのプロパティにて +set sp_language 8 に変更してやると日本語表示が可能になる(Defaultでは英語表示の0に設定されている)。

 オリジナル版の後にパッチを含んだSoldier of Fortune 2: Gold Editionとして再発。その後CDケース版として販売されていた時期もあるようだが、現在(2007/03)チェックした限りでは海外の大手通販ショップでは見掛けないし、Amazonを見ても新品はほとんど無くプレミア価格が付いていたりする。しかしebay等で見ると相当な安値で数多く売りに出されており、ちょっと状況が良く分からない。分布を見ると英国ではそれ程入手困難ではないが、北米ではかなり難しくなっているという印象。

 日本ではサイバーフロントが販売を担当。ソルジャー オブ フォーチュン 2 ~二重螺旋~ の名前で日本語マニュアル付き英語版を発売後、日本語版も出している。廉価版としてGoldの再発も行っているが、現在では販売されていないしサイトも消えている。 


 前作のヒットもあって続編の製作が決まったのは非常に早かった(当初の予定では2001年のQ3辺りにはもうリリースされるという位に)。しかしその製作に関しては大きな騒動を引き起こす事になる。その理由はRavenより「SOF2はシングルプレイのみと作品としてリリースされ、マルチプレイには対応しない」というアナウンスが有ったからである。
 この件は公式Forumにおいてもマルチプレイ導入の嘆願署名や抗議(不買)運動を引き起こし、Raven側からの「ゲームの製作に掛かる時間はPCの性能の向上と共に上昇しており、一つの会社がシングルとマルチ両方に高度なクオリティの作品を提供するのは困難。我々は1を上回るクオリティのシングルプレイを製作中であり、それは必ずやユーザーを満足させてくれるはずである」といったコメントもファンを納得させるには至らなかった。

 その後長い沈黙の後にRavenからマルチプレイをどうするか検討中というコメントが出るようになり、ちゃんと年内に出るのか?といった噂が出始めた頃に、遂にマルチプレイにも一応対応するという決定が出された。原始的ではあるがマルチプレイのコンテンツは組み込んで(この時は取りあえずDM用のマップを5個入れるという話だった)、後は反応を見てコンテンツを追加するか決める。ただしその為に発売は2002/02へと延期するという結果に。その後発売は更に3ヶ月延期となったが、その分マルチプレイの内容は大幅に拡張されて、新モード数種にマップ数も大幅増という形で発売された。
 発売後のゲームの評価としては、彼等が自信を持ってこれのみで提供すると話していたシングルプレイは賛否両論という感じに終わり、一方で最終的に追加されたマルチプレイは非常に評判が良く、しばらくの間はFPS界でも有数の人気ゲームとして多数のプレイヤーを集めていた、と狙いとは真逆の反応を受けている。ゲーム発売後のレビューでも決り文句のように、「もしもこのゲームが最初の案通りにシングルのみのゲームとして発売されていたら一体どうなっていた事か」という一文が見られた。全精力を注ぎ込んだ自信のシングルプレイはそこそこの結果に終わり、最後まで要らないとして排除しようとしていたマルチプレイが大人気という皮肉な結果は、ゲーム製作の難しさを示す一例と言える。後日のインタビューでは、「SOF2で最大の成功はマルチプレイを導入するのを決断したこと」とコメントされている。

 残虐表現が更にパワーアップしている分、その規制についても厳しくなっている。FPSの世界ではドイツ版は一切Blood表現無し、それでもダメなら専用バージョンが製作されるというのはよく知られた話だが(ヒトラー絡みのコンテンツ等)、このゲームもその規制を受けて特別なバージョンが製作されている。
 その内容はストーリー自体を変更しており、舞台は地球ですらないパラレルワールドHysperia。その星では星自身の意思により地表の人類は絶滅させられていて、人間に似せた人工知能を持つアンドロイドが製作されて生活しているという設定。しかしAIを持つアンドロイドは人間と同じ様に争いを始め、結局は元の人類と同じ様な紛争が世界中で起きてしまう。主人公John Mullins(当然彼もアンドロイド)はそんな紛争を収める為に働くトップクラスの傭兵であり、世界を股に掛けて犯罪組織の野望を阻止しないとならない.....といった感じのかなり豪快な設定のストーリーとなっている。
 この設定の意味は、あまりにも内容が残虐なのでそれを行っているのも殺される相手も実は人間ではないという設定を持ち込み、アンドロイド同士が戦っているのだから問題は無いという事にしてドイツの検閲を通そうという意図からの物と想像される。実際には全てのキャラクタの外観がアンドロイドにされているのではなく(大変な作業になるし)、主要なキャラクタだけという事の様だ。その他では、弾が当たった時に飛び散って見えるのは血ではなく火花、血の流れ出る描写は一切く一部オイルが洩れているという形で処理、死の叫び声は機械のノイズ音に変更、体がバラバラになる様な描写は無いし死の際のアニメーションも全面カット、といった処理が行われている。その画像を見た際には「これはネタ画像なのではないか?」とまで思ったものだが、今となってはむしろちょっとやってみたいような気もする。

STORY  主人公は前作同様にJohn Mullins。The Shopの名で呼ばれる(警察や軍では扱い切れない極めて高度なレベルに属する機密任務を請け負う)特殊な秘密組織の有能なエージェントである。今回の任務はサブタイトルにも有るDouble Helix(二重螺旋=遺伝子)の通り、遺伝子操作に絡んだ世界的な陰謀を暴いていく事にある。世界各地に派遣されてロシアに端を発する謎の研究に迫るMullinsだが、絶対的な秘密のはずのThe Shop内部の情報が漏れているという事態に直面。内外両面の敵に相対しなければならない羽目に陥ってしまうというストーリー。



PATCH

DEMO
 Gold Patch(V1.03)までリリースされている。どのバージョンにも適用出来るフル版(48MB)と、V1.02からのUpdate版が存在する。Gold Editionならばパッチは必要ない。このGold Patchはにはマルチプレイに新モードと追加Mapが7つ、武器も幾つか追加収録されている。

 これとは別に日本発売元のサイバーフロントより日本語化パッチ(65MB)がリリースされており、これをインストールする事で日本語化する事も出来る。元々英語版であっても日本語字幕が可能な仕様だが、この日本語化パッチはフォントを変更したり日本語訳の精度を高めた物で、おそらくは製作過程でUS発売には完成が間に合わなかったのだと思われる。サイバーフロントから発売されている英語版以外は動作保証無しという事だが、私の持っているUS版+Gold Patchの組み合わせとでも動作はするようだ。完全にOKなのかは分からないが、幾つかマップを読み込んでテストにて問題は生じなかった。

 ただしこの日本語化パッチを適用する場合には注意が必要である。それはマルチプレイの際に設定によっては入れないServerが出てしまうという点(或いは自分がホストなら入れない人が出てくる)。この日本語化パッチはpk3ファイルを書き換えてしまうので、Pure Serverが設定されていると(純粋に何のModも入れていないSOF2のみ許可)、日本語化パッチがModと見なされてしまい、海外版のSOF2とは別物とされてしまうのである。よって海外Serverでマルチプレイを遊ぶ事が多いという場合は入れるべきではない。最初から製品版に収録されている日本語表示機能を使うならOK。


 デモはシングルプレイ用の物とマルチプレイ(テスト)の2つが用意されている。このシングルプレイ用デモにおいてGore表示(残虐表現)ONにするには、以下の様に起動コマンドライン(ショートカットのプロパティの中の”リンク先”の項目)の最後に+set lock_blood 0を付ける。もしリンク先が” .... \SoF2.exe”で囲われているならばその外に半角空けて付ける。

 .... \SoF2.exe +set com_multilingual 2 +set sp_language 0 +set lock_blood 0

 デモ起動後にコンソールを出してから(Shift+ 半角/全角) menu lock と入力。これでメニュー画面下の一覧に鍵マークが出るので、そこを選べばLockを外す画面が出てくる(親が子供に残虐表現を見れないようにする為に有る設定)。パスワードを聞かれるが、これは「ここで設定可能」の意味なので、単に何も入れずにEnterならばパスワード無しとなる。

動作環境
Hardware 必要環境 推奨環境(仮)
CPU Pentium III 450 MHz Pentium 3 1.5GHz
MEMORY 128 MB (XP 256MB以上推奨) 1GB
VIDEO VRAM 16MB以上 OpenGL対応 VRAM 128MB以上 OpenGL対応
SOUND DirectX 8.1 EAX
対応OS  98/ME/2000/XP
Direct X 8.1以上要


 重要な点はQ3エンジンがベースという事で、ビデオカードにOpenGLに100%対応している物を要求している点。単体発売のビデオカードならばまず問題はないはず。それと当時はOpenGLへの対応の遅れやパフォーマンスに問題の見られたオンボード系のビデオチップだが、既に発売から時間も経過しており(2007/03)、対応度は当時と比較すると相当上がっているはずである。デモが用意されているので購入を考えているならば事前に動作確認はしておいた方が良い。

 ゲームは相当重い部類に入り、必要環境は文字通りに最小限度というレベル。推奨環境は特にアナウンスされていないのだが、1024*768*32bit以上でTextureをVery Highに設定する場合なら上記程度のスペックが必要と思われる。特にこのゲームはTexture系のデータを中心にメモリの使用量が非常に多く、メモリが足りないと頻繁にHDへのスワップが発生してパフォーマンスが落ち込むのは避けられなくなる。昔のゲームなので動作させる事自体はより多くのPCにて可能になってはいるのだが、設定を上げた場合の要求環境は当時のゲームとしては高い部類に入る物と考えられる。

 設定面では通常の設定の他にScalabilityというタブが独立して設けられており、ここでは自動的に検出した推奨設定がセットされる。例えばMaximum Image Qualityの項よりも高い設定にはVideoにて設定する事が出来ない(ここでHighと検出された場合、手動でVery Highに直さないとVideoにてVery Highを選べない)。またMemory Scalabilityでは各種データをメモリ上にどれだけ長い時間キャッシュとして保存するかを検出するが、これを検出値よりも長くするとメモリを圧迫してスワップが多発し却ってパフォーマンスが落ちたりする可能性がある。具体的には各項目をLongにするほどメモリ上にデータを保持したままに(キャッシュ)なるので、マップのLoadingは短くなる代わりにHDへのスワップが起きる可能性が高くなる。最初は問題無いのにしばらくプレイしていると所々でカクカクとし始める場合は、この項目をShortやNoneに下げるというのも一つの方法である。

 Violenceに関してはInstall時に設定を聞いてくるので選択。ここで何もパスワードを設定しない場合は、ゲームのメニューのパスワード要求の場面で単にEnter押下で設定画面に入れる。パスワードを設定しておくなら忘れないようにしないとならない。1の様に一度ゲームをUninstallしても設定したパスワードを憶えている様なので、忘れてしまったらWindowsを再インストするか、該当すると思われるレジストリを全て削除するかしかない(北米だと直接連絡等で手続きを踏めば対処してもらえる)。
 日・米・英共にFull Violenceの設定は可能なはずだが、前作同様に最初からViolenceの設定が出来ないようにされているバージョンも存在するので18禁表示(北米のESRBならM)がされているかを確認。なおマルチプレイにおいてはサーバーの設定が優先される。FullにしておいてもサーバーがそうでなければGore表示は行われない。


SYSTEM ERROR GLW_LoadOpenGL() - could not load OpenGL subsystem
 またはInvalid Page Faultといったエラーはビデオカード(チップ)がOpenGLに対応していない時に発生する。シングルプレイならシングルプレイ用のSafe modeにて起動してみて、メニューが出せるならばビデオ設定のOpenGL Extensionの設定を切る事で解消出来る可能性は有る(その代わりにグラフィックスのクオリティは落ちる)。使っているビデオがOpenGLに未対応ならば、対応するドライバが出ない限りはどうしようもない。後は当サイトのトラブル道場のOpenGLの項目を参照。

マップのLoadingにて落ちる
 このゲームは上記の様に使用するデータ量が非常に多いので、自分のマシンのVRAM&メインメモリの限界を越えるような設定だとデータをロードし切れずに落ちる可能性がある。特に長時間プレイして何回かマップの切り替えを繰り返している場合に多い。 先にグラフィックス系の設定を大きく下げてから(640*480でTextureをLowに)マップを切り替えてやり、それで上手く行くのであれば設定が高過ぎてメモリ内にデータが入り切らないという意味になる。切り替え成功後に設定を元に戻せばOKにはなるが、繰り返し発生するなら設定を下げるべきだろう。解像度やTextureの設定か、Memory Scalabilityの設定を低くするという意味。自動検出で出た設定よりも上げないというのが基本である。

セーブデータをロードすると落ちる
 これは原因は書いてないが、セーブしている数が多いと落ち易くなるそうだ。出来るだけ要らない物を削除するのが良いだろう。またXPの場合はAdministrator権限を持ったユーザー名でプレイしないとならない。

EAXが選択出来ない
 SOF2はEAXの動作にOpenALを使用しているので、もしも入っていないならば公式サイトからこれをインストールしないとならない。バージョンが古いならば同様に更新が必要となる。

マップのロード時間が異常に長い
 まずSOF2の場合これは根本的に長い。ただ自分のマシンよりもビデオ関連を高い設定にしていると当然より長くなる。もしもVRAMが64MB以上のカードを使用している場合、Texture Compressionを切る事で短縮が可能になるが、ゲーム中のパフォーマンスが悪くなる可能性も有る。

シングルプレイのみオリジナルのCDが要求される
 これは仕様。マルチプレイはCDを必要としない(CD-Keyで認証)。

グラフィックスが一部変に表示される
 これはインストールの過程で一部のデータが破損してしまうというケースが原因の可能性が高い。CD-ROMとの相性等の問題と思われる(HDの故障という可能性も有る)。公式サイト等にて正確なファイルサイズが公開されているので、自分のHDのデータサイズと同じかどうか確認(以下の表参照)。

"Couldn't load sof2mp_default.cfg" 、"Couldn't load default.cfg"が発生
 下のpk3ファイルが破損している可能性が一つ。他には日本語環境の問題の可能性も有る(トラブル道場)。治らない場合には一度アンインストールしてからデフォルトのインストールフォルダを使ってみる(既にデフォルトなら別のドライブやフォルダを使ってみる)。

起動時にinitializeエラー
client_model has invalid model definitionのエラー

ファイル名 ファイルサイズ
maps.pk3 102,985,472
models.pk3 96,636,622
mp.pk3 31,722,385
musicandsound.pk3 191,252,236
skins.pk3 73,241,493
textures0.pk3 413,194,735
Textures1234.pk3 164,152,653
therest.pk3 69,463,128

 何等かのファイルがInstallの時に正確にHDにコピーされていない。通常はそのファイル名が表示される。プロテクトによってCD-Rドライブからデータが正確に読み込まれていない等の可能性が有る。左の表とサイズが正確に同じかを確認(日本語パッチを入れていると異なる可能性有り)。

・Install後にCDから直接該当ファイルをコピーしてみる
・他のCD-ROM(読み取り専用ドライブ)が有れば一時的にそれを取り付けてInstallする
・仮想化してからInstallする(上級者向き)
・マニュアルインストールを行う(上級者向き)
 Activisionのサポートページにて、Answer ID=8577で検索するとやり方が出てくる

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