SYNDICATE (2012)

                                  14/01/27

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制作・販売: Starbreeze Studios / Electronic Arts
発売: 2012/02
日本代理店: EA Japan


概  要  Syndicateとは1993年にピーター・モリニューのBullfrogから発売された、斜め見下ろし視点でリアルタイム要素を持つストラテジーゲームである。MS-DOS, Amiga版を始めとして様々な機種に移植されており、ゲーム史上での評価も高い。現在ではGOGにて売られており入手は容易。

 そしてこのゲームはそのフランチャイズを、(1996年のSyndicate Wars以来)久し振りに復活させたタイトルとなる。制作担当のStarbreezeはスウェーデンの会社で開発当時の社員は90人程度(制作チームの規模は不明)。制作には4年を費やしているが、途中でそれまでの物を一旦放棄したりしており、製品版のコンテンツの製作期間はもっと短いそうである。サブタイトルなどは付いていない為に、旧作と区別する通称として(2012)を付けられている事が多いのでここでもそうした。PC, Xbox 360, PS3での発売。

 復活の話自体は結構前から出ていたのだが、いざ公式にアナウンスされた際には違った意味で話題となった。その理由はオリジナル作品を継承したストラテジーゲームでは無く、FPSゲームとしての復活だったからである。その結果としてネガティブな意見もオリジナルのファンからは巻き起こった。こういった原作シリーズの世界観を利用したアクションゲームへのスピンオフ作品は他にもあるが(Command & Conquer: Renegade, Dark Messiah of Might & Magic, The Bureau: XCOM Declassified等)、あくまでも原作シリーズが存在している状態における派生作である。つまりストラテジーゲームとして復活した後にFPS作品を作るのなら解るが、それを飛ばして何故このフランチャイズを使ってFPSなのかというのが怒りを向けられた点となる。

 EAからStarbreezeに対してこのフランチャイズの新作を作らないかと持ち掛けられて、FPSとして制作すると決めたのはStarbreezeだそうなのだが、The Chronicles of Riddick, The Darkness等で知られる同社に話を持って行った時点でストラテジーゲームにするつもりは無かったと思われる。ゲームのプロデューサーは自身がオリジナルのファンだとしながらも、今続編を作ってもそれを望む旧作のファンが多数居るとは思えないし、新たなチャレンジとしてFPSというジャンルを選んだとしている。


 発売から3ヶ月後の6月の時点でのセールスは全世界計で15万本に留まり期待値に届かない状況という件がStarbreezeから報告された。自社はアメリカに比べると人件費が安いのでプロジェクト全体では巨額の赤字にはなっていないとしているが、AAAタイトルは100万本程度では失敗とされる近年のゲーム業界の中では、さすがに15万本では少ないと言わざるを得ない。

 失敗の原因についても幾つか語っており、まず「アナウンスから発売までが短過ぎた」。長過ぎるとマイナス面が多いという話は良く聞くが、反対に短過ぎても十分にその存在を知らしめる期間が足りなくなるという問題。つまり短期間なりのプロモーションが上手く行かなかったとしている。次に「ネガティブなアンチキャンペーン」。数は少ないが強い発言力を持ったゲーム関連のライターなどが、ストラテジーではなくFPSとして再生した件を極度に叩いた結果、発売前からゲームのクオリティが低いという印象が蔓延してしまった。だが仮にストラテジーとして復活させれば革新性が無いとして叩かれる訳で、この手の憎しみにも似たゲーム叩きの被害を自分達も被ったとしている。第三に「差別化の失敗」。ホリデーシーズンを避けて3月期に発売を移すというスタイルは定着しつつあり、それだけにここでも発売タイトル数は増加傾向にある。その中で他のゲームとは違うんだという印象を十分に与えられなかったと話している。なお個人的な感想だが、このパッケージデザインはかなりマイナスに働いたのではないかと思える。タイトルも同じくシンプルでありインパクトが薄い。平積みされている時に興味を持って手に取りそうにないと言うか、確かに他の多数のゲームと並んでいると惹き付ける力が弱そうだ。

 最後に英国でのGAME倒産騒ぎに巻き込まれて打撃を受けた。GAMEとはUK最大のゲームショップで、日本ではUKリテール版の数少ない海外通販先としても知られる。その店舗数は最盛時には国内だけで600を超え、世界全体では1,300以上という巨大なチェーン店である。しかしこのGAMEが深刻な経営難に陥り、2012年3月期に倒産を避ける為には多額の現金が手元に必要という事態に追い込まれる。そこで同社では大幅な割引セールを実施してその金を確保しようとしたが、その際にパブリッシャーに対しても協力を要請した。とにかく数を売る為に値段を安くするが、その際にパブリッシャー側の取り分も合わせて少なくしてくれという提案である。意味合いとしては「もしここでウチの会社が倒産したら、UKにて身近でリテール版のゲームやゲーム機本体を購入出来るショップが激減してしまう事になり、それはあなた方にとっても大打撃となる。だからここは当社を潰さない事を第一に考えて、そちら側もちょっと泣いてくれ」という話。

 しかしこの提案をEA他の幾つかのパブリッシャーは拒否。その結果として3月頭からしばらくの間、GAMEの店頭にはEAのタイトルが一切並ばない状況となってしまった。その当時発売されたMass Effect 3の様な知名度の高いタイトルであれば、他のショップや通販で買って貰える可能性が大いに残ったが、このSyndicateの様な新規タイトルは店頭平積み状態から手に取って貰えるチャンスが減ってしまい、丁度2月末に発売されたという間の悪さもあってセールスに多大な影響が出てしまったとコメントされている。


 ゲームの評価はGameRankings.comでは68%(PC)。ただし母体となるレビュー数が少なく、他機種では75%程度となっている。MetascoreでのPC版は16レビューで69点であるが、ユーザー評価の方は57点と大分落ちるという結果に。だがこの様に評価自体は特別に悪かったという訳ではない。


 (2014/01)海外でのリテール版はまだ在庫が残っている様で、eBayでも新品が結構見受けられる。日本のAmazonにも売っている海外の店あり。

 ダウンロード販売で扱っているサイトも在るが日本からは買えない。だが日本のEAにて英語版そのままでのダウンロード販売は行われている。日本ではコンソール版は発売されていないため、日本語化されたバージョンの物は現時点では存在しない。


 オーストラリアでは残虐過ぎるという理由からレーティング審査を通らず。EA側も審査を通す為の規制バージョンを別に作らない事を通達し、結果として販売禁止となった。同じく規制大国であるドイツ国内にてどうなったのかは情報を得られず(ドイツ語のノーカット版自体は公用語がドイツ語の国で売られている)。日本未発売もこのレーティング問題が影響した可能性がある。


 ゲームマニュアルは付属しておらず、メニュー画面からアクセスする方式。或いはOriginのライブラリ → ゲーム右クリック → ゲームの詳細を表示 → オンラインマニュアルとアクセスも出来るのだが、今試すとリンク切れになっている。


STORY  先に背景設定を簡単に説明。2017年に世界最大の合弁企業Eurocorpが誕生。2025年にEurocorpはDART chipと呼ばれる、人体へ埋め込み脳神経系と融合させるデバイスをリリースする。これはインターネット等の電子情報へと他の物理的デバイスを介さずにダイレクトにアクセス可能になる装置であり、また装着者の神経を自由に操る一種の電子麻薬でもあった。例えばチップを設定する事で薄暗く汚れたスラム街を太陽の降り注ぐ南海の楽園の様に知覚する様に出来るし、或いは自分の容姿を自分の好む風に変換してしまうといった事も可能(自分からは実際にそうであるように見える)。このデバイスは全世界へと一気に普及し、そして人間にとって最も重要なデバイスとなった事から、それを開発販売する企業が各国政府に代わって世界を支配する様になり、こういった企業は“シンジケート”と呼称された。

 しかし実際にチップを購入出来る者は世界の半分程度しか居ない事から、持つ者と持たざる者との格差が広がり争いも起きる様になった。更にチップを開発するシンジケート同士の競争も過熱化し、それは産業スパイという形から、やがては物理的な暴力によって研究成果を奪い合うという時代へと突入する。そんな状況から各シンジケートでは、自社のテクノロジーの防御と共に他社への妨害工作及び研究者の強奪・殺害といった仕事を担当するエージェントが誕生してくる。彼等は最先端のチップを埋め込まれた特殊能力者であり、その力を利用して様々な裏仕事を手掛けていた。


 ゲームの舞台は2069年。主人公のMiles KiloはEurocorpのエージェントである。彼にはテストとして女性科学者Lily Drawlが開発した最新バージョンのDART 6 chipが埋め込まれている。しかしどうやらそのテクノロジーがライバルのシンジケートに漏れている可能性があるとして、CEO Jack DenhamはKiloに情報の奪還及び関連研究者の殺害を指示する。しかしそこから彼はシンジケート同士の大規模な戦争に巻き込まれる事になるというストーリー。


PATCH

DEMO
 パッチはOriginの設定で自動更新にしているなら自動。或いはライブラリ内のゲームを右クリックしてアップデートを確認する。

 PC版にはデモ無し。

動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU Core2 Duo 2.4Ghz or Athlon 64 x 2 Core 2 Quad Q6400 2.13GHz or Athlon II X3 440
MEMORY 2GB (XP SP3, 7)、3GB(Vista)    4 GB
VIDEO VRAM 512MB, Shader Model 3.0
ATI 4650 or GeForce 8800GT
GeForce GT 545 DDR5 or Radeon HD 4850
SOUND DirectX互換 同左
対応OS XP / Vista / Windows 7
DirectX 9.0c以上要


 Originに登録するのでアカウントが必要(無料)。Originのクライアントと一緒に起動しないとならないが、シリアルキーの認証後はOriginがオフラインモードでもプレイ可能。

 8での動作状況は不明だが、掲示板にてその関連のトラブルは見当たらなかった。ビデオカードはIntel HD Graphics系でも一応動作報告は挙がっている。ただし種類が多いのでどれでもOKなのかは不明だし、メモリ容量は最低限クリアしておく必要はあるだろう。例えばメインメモリ2GBではビデオメモリに割り当てる512MBが確保出来ないので、サイズの大きいマップでは正常動作しないといった恐れがある。

 Xbox 360コントローラー対応。基本的にこれのみで他社製には未対応。Xbox 360の操作配置以外を受け付けないという問題への対処法は下に記載するが保証は無い。

 セーブデータは \My Documents\Syndicate\SaveGames\default の中。



*シリアルキーが認証出来ない
 Origin直でのダウンロード販売以外から入手したシリアルキーが「既に使われている」等で弾かれる件。クライアントからではなく、Webサイト上からサインインして、その中に在るコードアクティベーション頁から行ってみる。


*起動しない
 まずは基本的な対応策。

・修復インストールを実施する。オンライン状態にて右クリックから[インストールの復元]。
・Originを管理者モードで起動する(Vista以降)
・ビデオカードのドライバを最新に更新
・SLI / Crossfireをオフにしてやる
・Originからではなく、Originが起動していない状態から直接ゲームのexeファイルを実行する
  例) \Origin\Syndicate\System\Win32_x86_Release\Syndicate.exe


 その他の事例を幾つか紹介。

・C:\ProgramData\Electronic Arts フォルダの中にファイルが存在している場合(Program Filesフォルダでは無い)、
 バックアップしてから中のファイルを全て削除する(フォルダごとではない)。なお隠しフォルダを表示させる設定にしていないと
 見えない可能性がある。
・\Syndicate\Content\Videos フォルダ内の Logos.ogg をそこから除去(移動)させてみる。
・Nvidiaの場合、ユーティリティーのManage 3D Settingsの中でThreaded Optimizationをオンにする。


*KB+マウス操作なのにゲーム内のガイドがコントローラーのボタンを表示してしまう
 コントローラーが物理的に挿っているなら抜く。それでもダメならデバイスマネージャからヒューマンインターフェイスデバイスを開き、ゲームパッド関連のドライバと思われる物を右クリックから無効に設定する。


*FOVの変更
 デフォルトの値は垂直FOV 70(16:9のアスペクト比固定なので水平FOVは102)固定で変更出来ない。Syndicate FOV Modというのはあるのだが、これがゲームの現行バージョンにて有効なのかは未検証。またマルチプレイ時にチートと認定されるかどうかも判らないので自己責任にて。


*Origin in Gameが機能しない為にCo-opの接続が出来ない
 これは必ず発生するケースもあれば、時々発生するというケースもあり。またOrigin in Gameが起動出来ない状態でも、Co-opが可能かどうかは環境による模様。そして単純にPCを再起動すると治る事もあれば、どうやってもダメという人もいるようだ。一応の対策としてはOrigin in Gameは同様のオーバーレイ機能を持ったアプリとの相性で起動出来ないケースがあるので、FRAPS, Steam, Xfire等のオーバーレイ機能を持ったアプリとの併用を避けるというテストをしてみてほしい。


*Xbox 360コントローラーとしてボタン配置を認識してしまう
 仕様としてXbox 360コントローラーしか使えないのだが、使用したいコントローラーのエミュレーター機能を有効にする方法という情報もある。コントローラーを挿している状態でKBエミュレーターを使用状態にする → コントローラーを抜く → ゲーム起動中にコントローラーを戻すでOK。ただしガイド表示はXbox 360そのまま。



 以下はキャンペーンのヒントや解答(ネタバレなので以下反転)

※Milestone 02 射撃練習場のエリアから扉がロックダウンされて進めない
 上部のパイプ部分をブリーチして冷気を噴き出させて、ガラスを凍らせたらそれを撃って破壊。その後ガウスガンを使って破壊されたガラス窓の箇所から閉じている扉をロックオン。そのまま撃てば弾が曲がって飛び扉を破壊してくれる。


※Milestone 04 ボス戦
 第一段階ではカバーを使いながら敵のTrauma statusを削る。半分まで減るとセーブされて雑魚敵が出現。それを倒すと再度対戦になる。弾薬補給はUAVをブリーチする事で武器を落とす。後半の分裂攻撃にはDart Overlayを使って本体を見分ける。Immune状態になったらブリーチしてトドメを刺す。


※Milestone 11 ボス戦
 ミサイル攻撃は当たる前にブリーチで逆行させるが、それにはなるべくDart Overlayで能力アップ状態にしておかないと厳しい。ブリーチスパイクを狙って行くという手も有効。銃の攻撃はカバーを使って防ぐ。ミサイルを跳ね返している内にプラットフォームが順に壊れていき、最後の一つになった状態で跳ね返していれば倒せる。


※Milestone 18 最初の階段エリアのエレベーター
 ブリーチする必要があるパネルは4個有るが、一定時間内に全てをブリーチしないとならない。光のラインが繋がっていくのを参考にしながらポジションを考えて行う。


※Milestone 19 両側をブリーチして開ける扉
 Dart Overlayを使い時間をスローダウンさせて行う。


※Milestone 20 ボス戦
 第一段階ではメリットは倒せないが、彼にダメージを与えると一定時間プラットフォームを下げて攻撃不能に出来るので、この状態にしてから下の二人と戦うようにする。またカバーになるオブジェクトを床から上昇させ、なるべく隠れるようにしておく(敵は逆にこれを下げる能力を持つ)。問題は下の二人のシールドを剥がしてダウンさせても、もう片方orメリットがすぐに復活させてしまう事。よってまずはメリットの乗ったプラットフォームを下げておかないと非常に難しくなる。下げた状態にしたらオブジェクトの陰に隠れる様にして片方を誘い込み(視界外になる様に両者を分断させる)、ダウンさせたら素早く近寄って処刑実行。片方を倒してしまえばもう一人はずっと楽になる。両方同時にダウンさせれば一回で済むが、タイミング的にはかなりシビア。

 メリットとのタイマン勝負の方が比較的楽で、4層のアーマーを順に削っていけば良い。グレネード連射攻撃の際にスキが出来るのでそこを狙って集中攻撃が有効。当然Dart Overlayは積極的に使っていく。最後にダウンさせた後はイベントシーン(キー連打操作)になる。

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