ＴＩＭＥＳＨＩＦＴ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　11/10/23



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製作・販売： Saber Interactive / Sierra Entertainment
発売： 2007/10
日本代理店： 無し


※2008/03/09　レビュー掲載
※2011/10/23　レイアウト変更。トップの情報更新。

概　　要

Saber InteractiveはUbisoftから2003年に撃ちまくりスタイルのFPSとなるWill Rockを発売している会社で、本社及びマネージメント部門はアメリカに有るのだが、80人ほどの開発チームはロシアのサンクト・ペテルブルグに存在しているという形態を取っている。 　発売までには紆余曲折のあったゲームで、元々は”Chronos（時）”の名前で開発されており、Will Rockに似たHUDを使ったプロトタイプが公開もされていた。販売代理店と契約して2004年末には発売の予定だったが、その後Atariと契約してTimeshiftと名を変え完成度を高める事になり発売は持ち越される。 　そして2006/02にデモがリリースされ、その後すぐに発売される予定だったのだが、この時期にAtariは厳しい財政難に陥いってしまう。その際に会社内部のリストラと併せて資金調達の為に自社のフランチャイズの幾つかを売りに出し、その結果としてこのゲームは販売権をSierra（VU Games）に買われる事となった。なおこの時のデモは内容はともかくとして動作トラブルやパフォーマンス面での問題が幾つか発見されており、すぐに発売して資金回収の足しにするには無理があったと思われ、それがSaberに取っては良い方に転んだと言えるかもしれない。 　その後Sierraの元で2006年のホリデーシーズンの発売を目指し、デモのトラブル等の修正を行い一応の完成にこぎ着ける。しかし完成品を見たSierra側からそのポテンシャルを見込まれ、一年の猶予と新たな予算を与えられ全面的にゲームを改造してグレードアップするチャンスを与えられる。そして大幅な改造を行い、PC, Xbox 360の他に新たにPS3版も加えて完成したのがここでレビューをしているTimeshiftとなる。 　Atari版から変った点としては、まず世界設定がスチームパンク的なデザインだったのが、現実的でダークな世界観へと変わった。具体的にはカラフルな色彩を多用し、キャラクタや建物のデザインもオリジナルの独特な世界観だったのを、現代風で暗いシーンを多用した重苦しい雰囲気の世界へと変更している。 　ストーリー全般も大幅に修正。主人公も具体的なMichael Swiftという人物を設定していたが、プレイヤー自身がプレイしていると思えるように名も無い物理学者へと変わっている。（HLのゴードン･フリーマンの様なタイプを想定しているそうだ）。時間を操作するスーツに関しても変更が加えられているが、それはそのセクションで説明する。 　　　　　　Chronos時代のSS　　　　　　　　　Atari版の主人公Colonel Michael Swift　　　　　　　　　　Atari版のSS 　プレイしてみてどう受け取るかはともかくとして、ゲームのメインターゲットはPCとなっており、最近多い「コンソールとの同時開発によりPC版が妥協したかの様なデザインのゲーム」とは違うとコメントされている。ロシアはPCゲーム市場しかないようなお国柄なので開発陣が全てPCゲームに強いし、発売元のSierraもFPSではPCオンリーorPCがメインというスタンスの会社なのでやり易かったとしている（F.E.A.R., SWAT 4, Tribes等）。その観点からゲームパッドでの操作にも対応していない。 　英語圏では廉価版での再発は行われなかった様で、現時点（2011/10）でリテール版は既に入手困難。よってSteam等のダウンロード販売サイトで購入する事になるだろう。 　流血やゴアが激しい部類のゲームとなっているが、規制の厳しいドイツでは修正版と無修正版が平行して発売されている。無修正版はレーティングを通せずにドイツの発売禁止リストであるIndexに登録されており、それ故にコンソールでは発禁扱い。（PC版もメーカーの宣伝活動や店への陳列が禁止され、限られた店でカウンターで申請し年齢認証が認められれば買えるという扱い）。一方の修正版は大幅な変更が行われている。 ＊弾が当たっている際の血飛沫の量が減少（当たっているのが分かりにくいという問題が有るレベル） ＊顔や身体への流血及びダメージのテクスチャが含まれていない（死体は綺麗なまま） ＊プレイヤーのスーツの窓への血の飛び散る表現をカット ＊周囲のオブジェクトへの血の飛び散りをカット ＊マップ内に転がっている死体の流血表現をほぼ全カット ＊ゴア表現は無く死体はバラバラにならない ＊死体はその場に残らずに10秒程度で消えて無くなる ＊ラグドール表現は死んだ瞬間のみに適用され、その後撃ち続けて死体が派手に飛んで行くとかは無い ＊火炎放射の武器等で火の点いた敵が暴れる表現や叫び声をカット（武器からの炎のみで体は燃えない） ＊プレイヤーの前で仲間が敵に撃たれて処刑されたりする様な残酷なシーンはカット 　旧Atari時代を含めて相当な数のムービーが公開されているゲームだが、Sierraに移ってからのゲームの宣伝に使われたトレーラー（予告編）には、PCゲームとしては極めて珍しいと思うのだが実写を使用した物が登場して話題となった。これを見た人達に「映画化が決定した？」という誤解を与えもしたようだ。以下は通常のsierraに移ってからのトレーラー。

ＳＴＯＲＹ

政府の極秘プロジェクトとしてタイムトラベルに関する研究が長い期間進められていたという近未来の設定。その中心として働いていたDr.Kroneは突然プロジェクトを裏切り、第一段階の完成品となるAlpha Suitを盗み過去へと遡って、同時に自分を追って来られないようにプロジェクトに関わっていた全ての人間と研究資材もろとも施設を爆破する。 　しかし爆破の直前に主人公である同研究所の物理学者が（名前は設定されていない)、研究途上のBeta Suitを使ってKroneの後を追いタイムトラベルを行う。（Beta Suitとは短時間の時間操作能力と、戦闘用のシールド・リチャージ機能を付けた物）。しかし主人公が着いた場所は、既にKroneが歴史を書き換えて自らの独裁政権を確立した後の1939年の世界だった。（設定としてはKroneの歴史の書き換えにより現代までの歴史が変ってしまったというのではなく、この現実世界とは別の時間軸の話という事になっている）。主人公はKrone政権に対する反乱軍のリーダーMason Cookeと手を組み、Kroneの手からAlpha Suitを取り返す為に戦う事になる。

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