TUROK

                                  08/11/29



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製作・販売: Propaganda Games / Touchstone
発売: 2008/04
日本代理店: 無し



概  要  Turokとは元々は1954年からスタートしている人気コミックスで、その後作画担当者やシリーズ設定を変えながら長く続いている。主人公はネイティブアメリカン(インディアン)であり、恐竜が登場する別世界(ロストランド)というSF的な背景設定を持ち、タイムトラベルといった概念も組み込まれている。中心的な武器に弓矢が登場する点もシリーズ共通。

 1996年にそのコミックスの版権を持っていたValiant Comicsを、ゲーム会社であるAcclaim Entertainmentが買い取って、ACCLAIM COMICSという名前で数々の作品をリリース。Turokもその中の一つだが、コンピューターゲームとしても1997年にNintendo 64用にTurok: Dinosaur Hunter(時空戦士テュロック)として発売されたのがシリーズの始まり。このゲームは結構なヒット作品となり、その後も任天堂のゲーム機を中心にして多くの作品が発売されている。

 PC用にもこの第一作目は移植されているが、当時流行し始めていた3Dアクセラレーションカードにいち早く対応していたタイトルでもあるし、日本語版も作られているので良く知られた作品だろう。翌年には続編Turok 2: Seeds of Evilも発売され、これも当時としては珍しいクラス(種族)別のマルチプレイを採用しており知名度は高かった。

 だがPC版としても最後となった2002年のTurok: Evolutionでシリーズの制作は停止。そして2004年には販売会社であったAcclaim Entertainmentが倒産する。翌2005年に資材整理として売り出されていたこのシリーズの版権をDisney Interactive Studios(旧Buena Vista Interactive)が買取。そのゲーム部門であるTouchstoneレーベルからリリースされたのがこのゲームである。これまでのシリーズとは世界観には共通性を持たない新規スタート作品という観点からサブタイトルは付けられていない。

 制作はカナダのPropaganda Games。ここは元EAのカナダ支社に勤めていた人達が中心になって興した会社で、これがデビュー作。現在はDisney Interactive Studiosの子会社となっている。マルチプレイのパートはFPSのマルチプレイのファンには有名なThreewave SoftwareとRockstar New Englandが制作を担当。


 Xbox 360, PS3にて先行発売され、PC版は2ヶ月ほど遅れてのリリースとなっている。なおこのPC版についてはAspyr Studiosが移植を担当している。

 2008/11時点では発売から半年程度しか経過していないので北米ではまだ$49.99の店も多いようだが、何故かUKでは大きく値崩れしておりかなり安く買える。

 マルチプレイ用の追加コンテンツ“Velociraptor Pack”がDLCとして有料で発売されているが、PCには提供されていない。

 日本ではコンソール用には日本語吹き替え版がタッチストーンから発売されている。


 私の持っているのは欧州版だが、マニュアルは折り畳まれた簡素な紙一枚だけ。ウインドウズのヘルプファイルの形式でマニュアルは収録されている。

 発売から2ヶ月も経たない内に、出荷数が100万本を突破したという公式アナウンスが行われている。


 このゲームが業界を大きく騒がせた事件が有ったが、残念ながらそれはゲーム本来の内容に関連した事ではなかった。ゲームの発売前にXbox 360のアンロック要素であるAchievements(実績)項目の一つとして公開された“Grab Bag”がそれである。この実績の達成条件とは、「マルチプレイの1ラウンド中に、少なくとも一度、クリーチャー(恐竜)、敵プレイヤー、味方プレイヤー、自分自身を殺す」という物。この“味方プレイヤーを殺す”という部分がTKを推奨する条件だとして「史上最悪の実績」とも呼ばれて非難の嵐に曝される事態となった。
 Propaganda Games側では、「これは最初にマルチプレイに参加した際には、慣れていないので自爆して死んでしまったり、チームメイトを誤って殺したりしてしまうものだから、それに絡めてのジョークのつもりだった」と弁明。最終的には発売時のパッチによってチームキルの部分は削除されている。Turok dev to scrap team kill achievement


STORY  新シリーズとなる今回は、過去の同名ゲームの設定とは世界観が異なる全くの新しい物として制作されている。

 主人公はネイティブ・アメリカンのJoseph Turok。彼は過去にRoland Kaneが率いるWolf Packと呼ばれる傭兵組織に所属しており、そこでKaneから彼のネイティブアメリカンとしての才能に目を付けられて様々な殺人術を授けられる。しかし或る事件をキッカケにして彼はKaneのやり方に反感を抱くようになり、組織から抜け出してしまう。

 それから3年、彼は特殊部隊Whiskey Companyに雇われるが、その初仕事とは当のKaneを追って別の惑星へと探索に向かうという物だった。そこはKaneが経営するMendel-Gruman Corporationの本拠地で、様々な研究所や施設が建設され、彼の私設警察が厳重に警備を行っている星である。しかし到着前に攻撃を受けて宇宙船は墜落。生き残った隊員と共に生き延びて脱出を図らないとならなくなるが、その星は恐竜達が我が物顔で闊歩する土地でもあった。

 しかもTurokは仲間の隊員からKane側のスパイではないかという疑いの目で見られる様になり、特にSladeは過去にWolf Packに所属していた自分の兄弟の死の責任がTurokにあると思い込んでいて、殊更に彼への敵意を剥き出しにする。そんな孤立無援の中でTurokはKaneを追って戦いを続けて行くというストーリー。



PATCH

DEMO
 パッチは存在しない。公式サポートでは「パッチによってプログラムを変更すると新たな問題が発生する恐れがある為に、予定されていたパッチの制作は中止する事にした」と書かれている。パッチで修正したのが原因で新たな問題発生というのは確かに良くある話なのだが、だから作りませんと堂々と宣言されても困る。些細なバグしか存在しないのならともかく、実際にはいろいろと問題を抱えている状態での打ち切りは技術力不足を自ら宣言しているようなものである。まあ「パッチを出せ」という要望に一切反応しないでうやむやにする会社よりはマシとも考えられない事は無いが.....。

 移植を担当したAspyr Studiosは、コンソール版のMac及びPCへの移植を担当する事で有名な会社だが、PC版の移植作品については、その移植のクオリティとパッチ等のサポート体制には疑問符が付くようなイメージが強い。過去の担当作品はTrue Crime: New York City, Tony Hawk's Pro Skater 4, Stubbs the Zombie, Guitar Hero III: Legends of Rock等。


 PC用のデモは存在しない。コンソール用には出ている。

動作環境

トラブル
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium 4 2.4 GHz or Athlon 3400+ -
MEMORY 1 GB -
VIDEO VRAM 128 MB DirectX 9.0c互換
GeForce 6600 or Radeon X1300(X1550除)
-
SOUND DirectX 9.0c互換 -
対応OS  XP(SP2要) / Vista
DirectX 9.0c以上要


 UE3を使用しており、Shader Model 3.0以上に対応したビデオカードが必須。オンボード系は基本的にサポート外となり、例として以下のビデオチップには対応していない。詳細は公式サポートに一覧が掲載されている。

Intel 8xx/9xx series chipsets, SiS and S3
ATIR Mobility Radeon 7500 & X1300

 デモが無いので動作確認はやり難いが、System Requirements Labには登録されているので、ノート系で自分の使用ビデオチップが判らない場合にはここで適合しているかを調べられる。

 普通はインストール済みと思うが、普段ゲームをプレイしない人の場合、"Microsoft Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ"が必要なのでインストールされているかどうかを確認。2005や前のバージョンの2008でも良いのかどうかは未確認。

 DVD2枚組みでインストールサイズは15GB。現在私のPCにインストールされているゲームの中でデフォルトのサイズとしては最大。

 私の環境では落ちるようなトラブルは無し。(XP SP2, E6850, Geforce 8800GTS 640MB, 180.48, SB X-Fi)にてテスト。

 セーブや設定ファイルの場所は、XPならばC:\Documents and Settings\(ユーザー名)\Application Data\Touchstoneの中。


☆クイックセーブ&ロード関連 (重要)☆
 PC版にはクイックセーブ&ロードの機能が搭載されているのだが、これは正常に動作しない事が多い。公式サポートでもパッチで対応するまで使わないようにと書かれている。しかし結局パッチは出ない事になったので、結論としてこれは使えない。しかも使えないばかりか大きな問題を引き起こす可能性があるので、クイックロード機能は使用してはならない

 セーブしても敵や味方の状態が正確に保存されないので、ロードしても進行の為のフラグとなる設定が狂ってしまう事がある。そうなると先に進めなくなるばかりか、前のチェックポイントにも戻れなくなるのでチャプターの最初からやり直す羽目になる。

Error: General Protection Fault
 まずは必要環境に達しているかどうかと、上記のMicrosoft Visual C++のインストールを確認。それはOKならばPhysXの問題である可能性が高い。発売当時とは状況が変わっているので少々ややこしいのだが、ユーザー環境としては「PhysXのドライバがインストールされていない」、「旧AGEIAのドライバがインストールされている」、「単体配布されていたNVIDIA PhysXがインストールされている」、「NVIDIA PhysXを同梱した新ドライバを使用」に分けられる。

 エラー内容も二つに分かれており、エラーと共にステータス行が幾つも表示されるケースでは、ドライバ自体が機能していない事が考えられる。スタートからプログラムフォルダを見てみて“NVIDIA PhysX Properties”か“AGEIA”という項目が無いならインストールはされていない。または旧AGEIAのドライバのバージョンが古くても問題あり。最低でもDVDの\setup\PhysXフォルダ内に有るPhysX 8.01.18以上が必要(現在の欧州版の収録バージョン)。Nvidiaに移ってからのドライバは8.04.25からスタートなのでこれよりは新しい。もしこの8.01.18バージョン以上なのにエラーの場合には旧ドライバをアンインストールしてから、NVIDIA PhysX システムソフトウェアより最新版に更新してみる。

 エラーが"General protection fault! Address = XXXXXXX (filename not found)"の様に一行の場合には、ビデオドライバとの整合性の問題が考えられる。具体的にはPhysXのドライバの設定画面を出した時に、ビデオカードでのPhysXアクセラレーションを行うか否かの設定項目が、(対応カードを使っているのに)グレーアウトしていると発生するようだ。178.13以降ならばPhysXのドライバが同梱されているので、ビデオカードのドライバのバージョンがこれ以下の場合にはPhysX同梱の最新版をインストール。或いは使用しているのがNvidiaでは無いのならば、NVIDIA PhysX システムソフトウェアの最新版を入れてみる。または最新版を使っているなら、DVD上の旧バージョンに戻してみる。

起動するとサウンドは聞こえるが画面が出て来ない
 第一に必要環境に達していないとこうなる。確実にそれ以上だとするなら、XPの場合にはデスクトップを1024 x 768, 16-bitカラー, 垂直同期60Hzにしてテスト。Vistaでは「ウィンドウの色とデザイン」からVista ベーシックにしてみる。またはウインドウ化を試みる。

プレイ中に一瞬止まったりとフレームレートの低下が発生する
 戦闘中に止まって戻った時にはその間の入力により変な方向を向いてしまっていたり、単なる移動中にカクカクとしてfpsが落ちるという現象。私の環境でも発生したので調べてみたが、複数の別仕様のハイエンドテストマシンで発生という検証情報もあり、仕様なので諦めるしかないようだ。移植による最適化が上手く行っていない。

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