SHELLSHOCK: NAM '67

                                  09/09/16



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製作・販売: Guerrilla Games / Eidos Interactive
発売: 2004/09
日本代理店: 無し



概  要  オランダのGuerrilla Gamesの制作によるベトナム戦争を題材にしたTPS。同社はオランダのLost Boys Gamesの配下の一部門であったが、2003年に別の代理店の配下に移って独立。そのデビュー作となったのがこのゲームである。しかし有名なのはその時に平行して制作されていた2ヶ月後に発売となるFPSのKillzoneの方であり、その後GuerrillaはSonyの子会社となって、PS3用のKillzone 2の制作で今では有名になっている。

 PlayStation 2がメインプラットフォームとなり、その後XboxとPCでも発売される事になっている。シングルプレイ専用でマルチプレイは無し。


 タイトルの「Shekll Shock」とは、現在では一般的にCombat Stress Reaction(戦闘ストレス反応)と呼ばれており、戦争に参加している人間にもたらす有害な心理反応を指す。

 Shellshockという名称を使い他の戦場を舞台にしたシリーズ物として続編が出る予定だったが、評価が良くなかったというのもあったのか現時点では発売されていない。同じくベトナム戦争を扱っているがストーリー上は独立した作品であるShellshock 2: Blood Trailsが2009年にリリースされている。


 以前はベトナム戦争を題材にしたゲームはアメリカにおいてタブー視されており、それを扱ったアクションゲームはほとんど発売されていなかった(最大の北米市場で売れないとなると作りにくい)。しかし2003年初頭にチェコのPterodonからVietcongが発売されてFPS業界で評価されて以来、一気にベトナム戦争を題材にしたアクションゲームが制作されるようになった。Battlefield Vietnam, Men of Valor, Conflict Vietnam, Line of Sight: Vietnam等。しかしその内容はあくまでも背景をベトナム戦争にしただけで、ジャングルやトンネルでの戦闘を盛り込んではいるが、ベトナム戦争の暗部にまで突っ込んだ物は少なかった。(実際にVietcongでも北米版は残虐描写をカットされている)。当事者アメリカの会社が制作したMen of Valorにて、その一端である虐殺死体の山とか、ドラッグでトリップして戦闘出来ない兵士達といった描写が一部に見られた程度である。

 その点をこのSSN67では、真実のベトナムを描写するという立場を表明しており、その点が発売前に最も注目されていた。ゲームのキャッチフレーズとしてムービーにも出てくる物として “Forget medals; Forget honour; Just survive. Welcome to hell.” とあるが、その通りにベトナムに送り込まれた兵士達が現実に体験した事をゲームにて再現するというのが基本コンセプト。そこにはベトナムをテーマにした多くの映画に見られるような奇麗事や愛国心といった物は存在せず、ベトコン及び米軍も行っていた敵に対する残酷な拷問や、戦争の悲惨さを包み隠さずに表現していこうという姿勢が示されている。


 パッケージ版は英国では廉価版MADシリーズの一つとして再発されており現在でも流通している。ダウンロード販売では欧州が拠点の店には売っているようだが、北米大手ではGameTap辺りにしか置かれていないようだ。


 Eidosによると合計で90万本売れたそうだ。しかしPC版の評価は52.3%と奮わなかった。コンソール版の方がマシだがそれでも60%程度で、到底成功したとは言い難い。

 1967年当時のヒット曲がライセンスされて使われている。Lee Hooker, Percy Sledge, Status Quo, The Monkeys等。


STORY  ゲームの背景設定は1967年のサイゴン。ある米軍の基地にやって来た名も無き主人公(Gunner)の物語である。彼はその才能を認められて途中で特殊部隊の隊員に昇格し、様々なミッションに挑んでいくという内容である。具体的には現地のベトコンの黒幕である通称“King-Kong”と呼ばれる男を倒す為に活動するのだが、それ程濃密なストーリーが用意されている訳ではなく、ミッション毎の独立性が高い構成。

 Vietcongの様に何人かのキャラクタと一緒に行動するミッションが多く、特殊部隊のリーダーRamirez, 現地人のMonty, 主人公と一緒にキャンプ入りしたスキンヘッドのKowalski(Psycho), Short Timer等が登場する。


PATCH

DEMO
 パッチは無し。デモも出ていない。
動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU Pentium III 1GHz Pentium 4 2.4GHz or Athlon XP
MEMORY 256 MB 512 MB
VIDEO DirectX 8.1互換 VRAM 32MB
Hardware T&L対応
DirectX 9互換
Vertex & Pixel Shaders対応
SOUND DirectX 8.1互換 同左
対応OS 2000/XP
DirectX 9.0c以上要


 Vistaでの起動自体は特に問題がないようだが、不安定ならばXP SP2互換モードにしないとならないかも知れない。

 大きな障害として、Geforce 6000系以降(一部FXも含む)のビデオカードに、Forceware 56.72以降のドライバを使用すると、プレイ画面表示がグチャグチャになってしまう(ゲーム自体は正常に動いている)」という物がある。今回改めて現在の環境で試してみたが、数年前のプレイ時のマシン環境と同様にやはりこの現象は発生するので、おそらく現在(2009/09)では全てのGeforce系カードでこうなると思われる。

 対策はマイドキュメント内の Shellshock_Nam67 フォルダを開いて、その中の TOD_PC をメモ帳等で開いて編集する。
"PostRenderEffects" の項目をOnからOffへと書き換えて上書きセーブしてやれば治る。しかしこれはポストエフェクトをカットしてしまうので、ゲームの見た目は大きく変わる事になる。

 この件は発売当時から問題視されており、Eidos側は「制作時以降に修正されたドライバのバージョンへの対応は困難」と主張するが、ユーザー側は「実際の発売日時点でのドライバに対応出来ないのはおかしい」と抗議。Nvidiaに修正を要望するとかパッチを検討するという話をしていたが、結局は出ず終いで終わっている。上記の対策もすぐに見付かった訳では無いので、よりこの件は状況を悪化させてゲームの評価や売り上げにも影響を与えたと言えるだろう。
 おそらく当時はDetonatorからForcewareへの大幅な仕様変更の時期だったので、その辺の変更からエフェクトが上手く機能しなくなったのだと想像するが、こういう問題は何所に責任があるのか外部が判断するのは難しい。それを治すにはエンジンを一から作り直す様な労力が必要なので無理だったのかも知れないし、或いは簡単に治せるような箇所だったがNvidia側がそれをしなかったのか、逆に制作チームの方で簡単に治せるのに資金や労力の観点から修正するのを止めたという話なのか不明である。


 <動作確認> (XP SP3, E6850, Geforce 8800GTS 640MB, 190.62, SB X-Fi)で幾つかセーブを読み込んで見たが、特に問題無く動作するようだ。


*サウンド再生に問題あり
 上記のTOD_PCの中の3D soundをOffにしてみる。またはC:\Windows\System32の中のOpenAL32.dllを、ゲームのフォルダ内の物と差し替えて試す。

 Vistaでオンボードのサウンド機能を使用している場合には、サウンドのドライバを最新の物に更新する。

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