THE SUFFERING

                                   12/08/22



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製作/販売: Surreal Software / Midway
発売: 2004/06
日本代理店: 無




※06/09/19 レビューを掲載
※08/09/30 無料配布化に伴い更新
※12/08/22 無料配布中止を含めて内容を整理更新

概  要  製作を担当したSurreal Softwareはシアトルに在る会社で、懐かしい所ではDrakan: Order of the Flame (1999)ドラカン オーダー オブ ザ フレイム -炎の騎士団- )を作っている。最大のヒット作はThe Lord of the Rings: The Fellowship of the Rings。Midwayの子会社として活動していたが、Midwayの破産による資産整理で2009年にWarner Brosへと会社が売却されている。現在では公式サイトにアクセス出来ず、会社として存続しているのか吸収解体されてしまったのかは不明。

 「Prison is Hell」とサブタイトルらしき物が付けられているが、これは通常付加されないようだ。シングルプレイ専用でマルチプレイは含まれない。



 元々はPS2, Xbox用のソフトとして発売されたゲームだが、数ヶ月遅れでPCでも発売される事になった。PC版のみ販売・サポートを担当する代理店が異なっており、北米がEncore、欧州ではZoo Digital Publishing

 両国版共にCD-ROMだがパッケージのデザインが異なっている。(左が北米版で、右が欧州版)。なお少なくとも発売当時の北米版パッケージには、モデルとなった刑務所の映像&製作過程のムービーが入ったBonus Diskが付いて来る。



 2008/09に無料版(1.26GB)としてダウンロードが可能になった。United States Air Forceによる広告機能を付加したバージョンで、プレイ時にオンライン接続必須。同じMidwayの無料配布されたゲームには、日本のIPからプレイ可能な物と不可の物が在るが、これは日本からでもプレイが可能である。なお広告機能については海外の掲示板を見ると全く出ないという人もいるし、ロードする時にポップアップ広告が出るという話も見られたが、私が試した限りでは広告は確認出来なかった。

 しかしその後ゲームの権利者が変わった事から、現在では無料配布は中止されており、各種ダウンロードサイトでは権利者からの要請によりファイルが削除されている。ただ持っているファイルでテストしてみたところ、オンライン認証の方は配布禁止に伴うチェックが行われていないのか、2012/08時点で起動してプレイする事は出来る。


 これを記載している時点(2012/08)では、リテール版は海外通販サイトで見掛けなくなっている。廉価再発版はオーストラリア等の限定された地域のみで、それも影響していると言えるだろう。Amazonだと北米ではこの状況からか高値を付けており、UKでは安く売っていたりするがこちらは日本への発送が出来ないケースが多い。eBayでは何故かイタリア版の出品が大半で、英語版は数点有るという程度。

 ダウンロード販売ではD2Dで販売していたのだが、吸収先のGameflyには掲載されていない。もっと前の権利者変更の時点で削除されていたのではないかと思われる。


 売り上げは全プラットフォーム系で2005/10の時点で150万本を突破。2005年には続編The Suffering: Ties That Bindが発売されている。

 北米ESRBのレーティングで特に汚い言葉を含むゲームには"Strong Language"の注意書きが記されるが、このゲームは中でも特別に酷いとして話題になった。聞くに堪えないレベルの酷さで、絶対に子供の手の届く所に置いておくべきではないという話である。

 2005年にMTV Filmsが映画化権を獲得している。2011年公開予定で製作に入っているが、現在でもプロジェクトが続いているのかは判らない。



STORY  メリーランド州(米東海岸にてワシントンD.C.の北に位置する州)の数マイル沖に浮かぶCarnate Island。本土との間を行き来する定期便の船すらなく、そして忌まわしい歴史を持った孤島である。

*17世紀にはアメリカ大陸へと移民した清教徒達が小さなコミュニティを作っていたが、ある恐ろしい悲劇の後に無人島と化す
*19世紀初頭に富豪の一家が島ごと購入し屋敷を立てて移住するが、何らかの原因により精神異常を起し逃げ出してしまう
*その後屋敷はDr.Killjoyの手によって1920年代の半ばまで精神治療院として運営される事になるが、その治療方法は
  常軌を逸しており、人を人として扱わないような酷い物であったとされている
*第二次大戦中には米軍の管轄による捕虜収容所として運営され、酷い拷問が行われていたという話も残っている


 戦争後には州によって管理されるようになり、施設はそのままThe Department of Corrections(矯正省)の運営によるAbbott州立刑務所として利用されている。施設の状態は劣悪、過去に何度も囚人による暴動が起きている“世界最悪の場所”という異名を持つ刑務所である。

 その不気味さから幽霊話も多数発生しており、看守・囚人を問わずその姿を見たという人間が絶える事がない。27年間死刑執行人として仕えた後に、最も好んでいた処刑方法であるガス室で自殺したCaptain Hermes Haight。Conjugal visitの際に(幾つかの州で囚人の権利として設けられている制度で、内部に特別に設けられた家で夫婦が2人だけで定期的に暮らせるという権利)自分の妻をバラバラに刻んで殺害し、その後電気椅子で処刑された死刑囚Horace。そして先進的な実験の名の下に大量の患者達を葬った、世紀の天才にして殺人鬼であるDr.Killjoy等が目撃されていた。


 主人公のTorqueは死刑囚としてこの刑務所に送られて来た男で、彼の罪状は元妻を撲殺した後、子供の一人を浴槽に沈め、もう一人を窓から投げ落としたという三人殺しの罪。しかしTorque自身は殺害時のハッキリした記憶を持っていない。

 彼の刑務所到着直後に地震が発生。それを機に刑務所内部にはモンスターが出現するようになり、看守や囚人達の大量殺戮が始まる。パニック状態の牢獄から脱出したTorqueは、多数のモンスターの中を生存者と協力したりしながら何とか生き延びて、島からの脱出を図らないとならない。



PATCH

DEMO
 Patch 1.1がリリースされているが、これは北米版にしか適用出来ない。英国版には今まで出ていないという事は今後出る可能性も無いと見ていいだろう。 ただしUK版(及びUS 1.0)でも特別大きな問題が有るという訳ではなく、稀なバグや特定のハードウェアに対する修正という意味合いが強いようだ。

 どちらの版にしろサポート担当の会社にはそれ用のページが無いに等しく、サポートが酷過ぎるという声が多いゲームである。このゲーム自体が「コンソール版以外にPCでも出してくれ」という要望に応えて急遽リリースされたという経緯もあって、あまり力を入れていないというのはあるのかも知れない。


 デモはリリースされていない。

動作環境
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium 3 1.0GHz Pentium 4  2.0GHz
MEMORY 128MB 512MB
VIDEO VRAM 32MB以上 DirectX 8.0に対応 VRAM 64MB以上 DirectX 9.0に対応
SOUND DirectX 8.0以上に対応 EAX
対応OS  98SE/ME/2000/XP
DirectX 9.0b以上要


 製品版はコピープロテクトにStarforceを使用している。それ故に製品のCD-ROM版はVista/7では動作しない。フリーで配布されているバージョンはCDが無い事からプロテクトが外されているのでその限りではない。Vista/7用にもStarforceのドライバはリリースされており、これで媒体チェックが動作するようになるゲームも有るが、OSの内部的なシステムの違いから、使用しているStarforceのバージョンが3.04.062よりも前のゲームは動作させる事が出来ない(このゲームの使用バージョンは3.3.37.2)。ただしこれは北米版での話で、欧州版もStarforceを使っているが同じバージョンなのかまでは情報が無い(参考リスト)。

 純粋に新しいOSで動作するのかどうかだが、検索してみるとWindows7で動作するという情報は一応あるものの、動かないという情報の方が遥かに多い。32ビット版と64ビット版では違いがあるのかとか、古いゲームだけに情報量が少ないという状況である。


 どうやらHardware T&Lに対応のビデオカードが必要らしいのだが(条件に該当する単体ビデオカードで非対応の物はあまり無い)、メーカー側から公式にHardware T&Lに対する言及は無い。Intel等オンボードチップでの動作は否定されている。

 個人的には当時相当不安定だったゲームで、マップ切り替えの読み込みでストップしたり、プレイ中に止まってしまい数十秒後に動き出すか、そのまま戻って来なかったりが10回以上有ったと記憶している。今となってはゲーム界における流通ビデオカードやドライバが全く新しくなっているし、OSも変わっているので動作に支障が出るのかどうかは何とも言えない。


 初回起動時にセットアップメニューが表示されて、ウインドウモードでの起動等の基本設定が行えるので、起動しない場合の切り分けテストに使える。確か製品版ではショートカットが在ったような記憶があるのだが、ダウンロードの無料版にはそれが用意されていないようだ。再度呼び出したい場合には、ショートカットのリンク先に "..... \The Suffering\Suffering.exe" -setup の様にしてsetupオプションを付けてやるか、Shiftを押した状態でショートカットアイコンをダブルクリックしてやれば再度表示される。

 ワイドスクリーンには未対応WSGFには解像度が変えられるツールが置いてあるが、使い方等の解説は存在しない。



*パフォーマンスが非常に悪い
 十分な性能を持っているはずPCにて動作がカクカクしたりとパフォーマンスに問題がある場合には、多くの場合setup用のランチャーからオーディオタブの中の[3D Sound Buffers]を切ると改善される。或いはサウンドデバイスが自分の使用している物に合っているかも確認。


*性能の低いマシンで起動しない
 必要環境レベルの場合、解像度を上げると起動しなくなるというエラーあり。まずは解像度をSetup用プログラムにて800x600に指定してテスト。


*トイレで水を流すと画面が乱れてそのまま元に戻らなくなる
 有名なバグで、これはどうしようもない。


*ポリゴンの描画が透過してしまう
 続編TTBをインストールしている環境にて発生する。このゲームの使用しているRiot Engineはウインドウズ内部で共通の情報を持っており、両方のゲームをインストールしている場合には片側の設定変更がもう片方にも影響を及ぼしてしまう。それだけならまだ良いのだが、先にTTBをインストールしてある環境にこのゲームをインストールすると、こちらのゲームのみでこの障害の発生が報告されている。対応策は両者をアンインストールした後にレジストリ内部から"surreal", "suffering", "riot"といった項目を検索して全て削除し、その後この作品→TTBの順にインストールを行う。


*ゲームの再起動後に画面が暗くなる
 一度オプション画面に入って明るさを変更してからAcceptしないと、設定が反映されないという問題が発生する事がある


*どこにも進めるルートが無い
 敵を全て倒していないので、イベント(ムービー)がトリガーされていないケースが考えられる


*先に進めない。倒し方が分からない。
 攻略サイトは画像入りの物だとIGNに存在する(英語)。

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