PENUMBRA: OVERTURE
12/07/22
SYSTEM / PHYSICS
GAMEPLAY / COMBAT / GRAPHICS
BOTTOMLINE
公式サイト
EPISODE 2: BLACK PLAGUE
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製作・販売: Frictional Games / Lexicon Entertainment
発売: 2007/03
日本代理店: 無し
※12/07/14 レビューを掲載
※12/07/22 障害関連を追加
概 要 | スウェーデンのインディーズ会社Frictional Gamesのデビュー作。“Overture”(序曲)とあるように、三部作の中のエピソード1となる(はずだった)作品である。会社の人員数が少ないのと資金的な問題から一本の完全なゲームを仕上げるのは困難と考え、エピソード形式での分割配信という形を採っている。 しかし代理店のLexicon Entertainment(現在は活動停止中or既に倒産している)とは上手く行かなかったので、このゲームの発売後に契約を解消してParadox Interactiveへと移籍。現在の版権は同社へと移っている。また三部作の予定も二部作へと変更されており、結果的にこれはPenumbraの前編に当たる作品となっている。 タイトルの“Penumbra”とはラテン語で‘almost-shadow’の意味。開発メンバーでさんざん論議をしたがタイトルが決まらず、結局否定する人間はいなかった唯一の候補だったこれに決定したそうだ。光と影, 或いは善と悪の区別の境目は明確では無いといった意味が込められている。 プラットフォームはPC, Mac OS X, Linux。シングルプレイのみ。 そもそものキッカケは2006年にThomas Gripを中心とした4人の仲間が、Swedish game competition(同国最大のアマチュアゲームコンテスト)へと出品しようと、サバイバルホラーがテーマのゲームを製作する事にしたのが始まり。しかし自分達で製作した3DエンジンのPRを兼ねたこのTech Demoは、コンテストでは良い評価を得られずに終わる。失望した彼等はこのプロジェクトを諦めて、別のゲームで再チャレンジする事にしたのだが、とりあえず興味を持った人達に遊んでもらおうと幾つかのサイトにこのデモをアップロードして無料公開した。 しかしそれから数日後にはネット上でこのデモが話題となり、アップロードしておいた学校のサーバーがダウンするほどのアクセスを記録する。この反応にチームは自分達の方向性は間違っていなかったと気を取り直してプロジェクトを再開。そしてこの話題性に目を付けたパブリッシャーからのアプローチも起き始め、最終的にはFrictional Gamesを起ち上げてLexicon Entertainmentと契約し、本格的なゲーム製作へと乗り出す事になった。 ダウンロード販売で先にリリースされて、その後リテール版としても発売されている。だがこのOvertureだけの単体リテール版は既に入手が難しいと思われる。現在ではシリーズ全作品をひとまとめにしたPenumbra Collectionが発売されているので、最初からこれを買うのがお勧めである。 ダウンロード販売ではSteam等の各種サイトで購入が可能。現時点(2012/07)では単体購入だと$9.99が相場。 日本代理店は存在しないが、有志による日本語化が行われている。 |
STORY | 主人公のフィリップは母親の葬式の数日後に、死んだはずの父親からの手紙を受け取る。父はフィリップが生まれる前に姿を消しており、既に死亡したものとして扱われていた。 手紙の内容は銀行に預けてある自分の書類や資料を全て廃棄してくれというもので、フィリップは興味を持ってその資料を見てみたのだが、使われている文字が解らない為に解読は出来ず、唯一地図からグリーンランドのある場所に関連する物だというのを掴む。 そしてフィリップは父親の謎を探る為に、単身その地図の場所へと訪れる事を決意する。 |
PATCH & DEMO |
単体版の最新パッチはV1.1で、これはそれまでの物を全て含んでいる。Penumbra: Collectionとして購入した場合には、それ用のV1.1が用意されているが、これは直接Frictional
Gamesから購入したダウンロードバージョンには必要無い。ダウンロード販売版もパッチは適用済みだと思われる。バージョンの確認方法は不明だが、V1.1に最新の
OpenAL32.dll を同梱とあるので、インストールされたフォルダ内の物が新しければ(2010/04/06)適用されていると判断出来る。 公式サポート Tech Demoとは別に、このOverture用のデモが出ている。エンジンが大きく変わっているので、動作確認にはこちらを使う必要がある。 |
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動作環境 & トラブル |
DirectX 9.0c以上要 Windows7 64ビットでも動作報告あり。 最新パッチを適用した状態でもATIのビデオカードでは問題が発生する恐れがある。アノマリー(変なゴミの様なオブジェクト)の表示。テクスチャーの点滅や剥がれ等。 *現ドライバを完全に削除して、クリーンな状態から最新ドライバを入れる *ATIコントロールパネルよりCatalyst AIをオフにする *トリプルバッファリングをオフ, 垂直同期(Vsync)オフ, Adaptive AAをオフ *Smooth vision HDを"Use application settings"にする *エアロ等のデスクトップ改変ユーティリティーをオフにする ノート系のオンボードビデオ機能は未サポート(未検証)。厄介なのはこのゲームのHPLエンジンは現在大多数を占めるDirectXではなくOpenGLを採用している点。単体ビデオカードとは異なりオンボードのビデオチップでは、そのドライバのOpenGLへの対応が疎かな事が多々有り、それ故に描画異常等の問題が多く報告されている(特にAMDとIntel)。 とりあえずはビデオチップのドライバの更新が最重要だが、BIOSも一緒にアップデートしないとならない機種もあるので、その辺の解説頁が設けられたりしている。[AMD+Intel HD] Laptop OpenGL Troubleshooting Guide(英語)。ノート系PCでのプレイで異常が発生する人は、PCのメーカーのサイトにて新しいビデオのドライバがないかをチェック。それでもダメならビデオチップ製造メーカーのサイトに新しいバージョンの汎用ビデオドライバが存在しないかを確認という順番になる。 サウンド面はハードウェア設定で問題があるならソフトウェア処理に変更。このゲームではOpenALを使っている。 初回起動時の明るさ設定を再度行いたいなら、マイドキュメント内のPenumbraフォルダ(単体かコレクションかによって名称が異なる)の中にあるsettings.cfgを開いて、FirstStart="false" → FirstStart="true"にすれば良い。 *画面全体が真っ白になる。或いは非常に明るい(影が消える)。 Graphicsの設定画面にてShader Qualityを[Very Low]から順に変えてみる。またAdvancedよりPost Effectsをオフにしたりして描画が正常になる組み合わせを探る。このゲームはかなり古いビデオカードでも動作するが、特にオンボードのビデオ機能だと完全な組み合わせが見付かるとは限らず、[Very Low]の様な大幅にエフェクト系がカットされた状態でプレイするしかない可能性がある。 謎解きが主体なので攻略記事は多く、どうしても解らずに詰まった際には検索すれば動画も含めて数多くの記事が見付かるはずである。その中で幾つかを解説しておく(反転表示)。ただしこのゲーム、解法が一つではないケースもあるので、ここも含めてある攻略記事に書いてある方法が一番楽なやり方だとは限らない。 *Workshopのキーパッドの暗証番号 「MY FAVOURITE WORKSHOP」の文章が暗号になっている。文章中に隠された大文字書きの数字と、最後のBACKWARDS(逆から)がヒント。 *Power Roomの5個のバルブ 操作マニュアルに回す順番が書いてあるのだが、バルブの役割が記号で表示されているので解り難い。 左側から順に メイン(I), 2nd(消えかかっているII), cooling system, grease flow, excess steam を示している。 *Spider Tunnelsの巨岩 転がって来る岩のセクション。走って逃げても間に合うが、蜘蛛の卵が有る地点がゴールなので孵ってしまうと厄介。渡してある足場を壊して岩を穴の中に落とす方が安全。 *Refinery(4個のピストン)が有る部屋。 ハシゴの降下方法, ファンの停止方法。 ピストンは操作パネルの7個のボタンの組み合わせにより全てを上側で停止させて、向こう側へと通る空間を作る。 ハシゴの降下方法。オブジェクトをぶつけて振動で落とす事も出来るが成功率が低い。岩を持ってピストンの下を通って元に戻り、稼動しているコンベアの上に乗せる事でハシゴの背後の出口に到達し、押してハシゴを落としてくれる。 ファンの停止方法。実に単純でオブジェクトを持って羽に当てて強引に壊して止める。 *スチームの吹き上がるプレート 順番に吹き出ないプレートの位置が移っていくのでその上を渡る。プレートが連続していない箇所も在るので注意。後方部分はスチームのエフェクトで見え難いので、実際に渡って死にながら憶える方が良いと思う。 *Chemical Storageのモンスターから逃げ切る事が出来ない アクションとしては最も難しい所と言えるだろう。 基礎的な事項から確認。まずスプリントが可能だがちゃんと走っているかどうか。次に使用する斧(ピッケル)の出し入れに、斧をインベントリー画面にて数字キーの1〜9に登録して、ショートカットキーですぐに呼び出せる様にしているか。それと難易度がEasyではないなら、ここでEasyに下げておく(ただしセーブ読み込みでリセットされるので注意。この件は次頁のセーブの項を参照)。後は明らかにフレームレートの落ち込みが発生するならば、設定を下げて軽くし操作に支障がないようにしておく。 強制視点移動の後に操作が効くようになったら振り向いて即走り出す。部屋に入ってすぐ、向かって左側に扉を閉めるスイッチがあるので押す。部屋の左端を走って、酸のプールをボックスの上をジャンプして乗り越えて向こう岸に。そうしたら今度は向かって右側のスイッチを押して第二の扉を閉める。 斧を素早く取り出しバリケードを破壊。急ぎ過ぎるとLMB押下の前に振りかぶってしまい、視点が移動して時間のロスになるので気を付ける。壊したら目の前のドラム缶を拾って第二のバリケードの前に置き、それを登ってバリケードを乗り越える(壊すよりもこちらの方が早い)。 次の酸のプールでは、一つ目の箱を押して落とし、その上を滑らすようにして第二の箱を先へと落としてから、ジャンプでそれらの上を渡って超えるというのがスタンダード。しかし落とす箱を一つだけにして途中で酸の中に落ちて渡るとか、箱を一つも落とさずにスプリント+ジャンプで落下時間を最小限にして直接渡ってしまう事も可能。難易度が低いほどダメージが減るので成功率は高くなる。 最後は通路の方を向いて自分が埋もれないようにしてから、再度斧を使って支柱を破壊して崩落を起こせばクリアとなる。 *氷った湖 急ぐほど割れ易くなるのでゆっくりと渡り、音がして壊れたら素早く後方へと飛び退いて落下を避ける。その後は割れた氷の上を素早く飛んで渡れば良い。この時にも物理演算が働いて、傾いた状態の氷に乗るとシーソーの様になって落ちる危険があるので気を付ける。より安全に渡りたいのであれば小屋を破壊して板を作り、それを順に並べて敷いてやりその上を歩けば氷は割れない。 |