BULLETSTORM

                                  12/07/01



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製作・販売: People Can Fly / Electronic Arts
発売: 2011/02
日本代理店: エレクトロニック・アーツ




※11/10/04 レビューを掲載
※12/03/31 初回起動時のアップデート不具合について動作環境&トラブルの項に記載
※12/07/01 リリース日チェックの問題について動作環境&トラブルの項に記載

概  要  People Can Flyはポーランドのデベロッパーで、FPSゲーマーにはデビュー作のPainkiller(2004)であまりにも有名である。このゲームとその拡張版の発売後、PCFは新作の制作に向けて動き出したがそこに一つの問題が在った。PKの制作に彼等が使用した自社製のPAIN Engineは拡張性について考えられておらず(元々それ程大きなプロジェクトになるとは考えてもいなかった)、「データ量が増えるほど、新規マップロード時やクイックロードが遅くなる」という根本的に修正が出来ない欠点を抱えていた。これは現在このエンジンを使って作られている他社製の派生作品でも治っていない。それと同様にModフレンドリーな構造では無いという面も持っている。

 そこで次世代機のグラフィックスに対応するには新しいエンジンが必要となったのだが、少数精鋭でもあるPCFはゲーム開発用のエンジンから自社で制作するのは負荷が高過ぎると判断し、他社のエンジンをライセンスして使用する事を決める。そして検討した結果、彼等が選択したのはUnreal Engineであった。ところがその件でEpic Gamesと接触した中で、PCFがデモとして制作した物を見てEpic側が彼等の実力を高く評価し、Gears of WarのPC版用独自コンテンツの制作を依頼。その出来映えに満足したEpicはPCFを子会社として買収する件を提案し、2007年にPCFはそれを受け入れてEpicの配下となりこの新作を作る事になっている。

 なお社名がEpic Games KoreaやJapanの様に“Epic Games Poland”では無いのは、PCFという名称をEpicが気に入っており、「そちらが望むならばその名前をそのまま使っても良いよ」と言われたのでそうしたからだそうだ。


 ユニークなプロモーション活動を行っており、Call of Dutyシリーズを皮肉ったオリジナルの無料ゲームDuty Callsのリリース。フルメタル・ジャケットのハートマン軍曹が登場するトレーラー。開発チームのメンバーが登場するおフザケ紹介ビデオ等がリリースされている。

 シングルプレイとオンラインCo-opを持ち、対戦マルチプレイは備えていない


 売り上げとしては100万本は行ったらしいが、「現在のゲーム業界では新しいフランチャイズで成功するのは極めて難しい」として、少なくともEpic Gamesとしては黒字にならなかったとコメントされている。よって続編が作られるのかは不明だが、PCFの実力には不満は無く、また新しいゲームを作らせるとは言っている。

 ゲームの評価自体は相当高かったのだが(一番低いPC版でも評価は81.9%)、それが売り上げには結び付かず。その原因としては、大物タイトルでレビューの評価も良かったKillzone 3Bulletstormが、よりレビュー点数が低かったHomefrontに初期セールスで負けたのは何故かといった記事も存在する。

 「この大作2つが同時期に出てしまい、片方しか買わないユーザーが多かった」。「Homefrontでは有料コードを購入しないとマルチプレイがレベル5(キャラクター)までしか成長させられないので、レンタルに流れるユーザーが少なく製品版を買う人が増えた」。等の分析が述べられているが、このBulletstormに関してはやはり対戦マルチプレイの欠如の影響はあったと考えられる。



 2011/09現在、リテール版の価格相場は$19.99と値は下がってきている。UKでも価格は下落しており、作り過ぎたのかまだ特典付きの限定版を販売しているサイトもある。ダウンロード販売ではSteam等で購入が可能。なおこのゲームはEA直で購入した物以外はOrigin(旧EADM)に登録が出来ない模様。私の買ったUKリテール版もGames for Windows Liveの5x5フォーマットのプロダクトキーが付いているだけで、Origin用の4x5フォーマットのキーは付いていなかった。

 日本ではEAの日本支店がバレットストームとして販売を行っているが、これは日本語版しか選択出来ない。問題はこの日本語版の規制で、かなり酷い事になっており大きな不満の声が挙がっている。同じEAからのDead Spaceの様に「部位切断要素が原則的に不可」という日本のCEROでは明らかに無理なゲームは発売禁止となる。しかしこのゲームでは「何とかして売りたいし、規制しても何とかなるだろう」的な発想で発売にこぎ着けたのだと思われるが、日本と同じ規制内容と思われるドイツでも「ここまで規制がゲーム性を台無しにするゲームは初めて見た」と言われる位に規制が悪影響を及ぼしている。

 流血やゴア表現が無いという所までは定番なのだが、最大の問題はこのゲームのメイン要素であるSkill Shotとの絡みである。これは本文で詳しく解説するが、簡単に言えば敵を特定の方法で倒す事でポイントが稼げる様になっている。しかしその中にゴア要素と結び付いた物があって、例えば[トップレス: 敵の上半身をショットガンで吹き飛ばす]を達成しても、見た目では上半身が吹き飛ばないのでプレイヤーからすると意味が解らない。同様に頭部を吹き飛ばす技も頭部は飛ばない。或いは高エネルギーで一瞬にして敵を白骨化する攻撃でも、敵はそのままなので爽快感も無いといった具合。マップ内に転がっているオブジェクトの惨殺死体も削除されており、その死体に言及する台詞が意味を成さないというシーンもある。


STORY  時は26世紀。人類は遥か宇宙へとその居住エリアを広げており、その治安はConfederation of Planetsがまとめていた。その組織の中で最高峰のレベルを持った対犯罪特殊部隊Dead Echoは、ある仕事において誤って民間人を射殺してしまう。それが彼等の上司であるGeneral Sarranoの陰謀だと気が付いた時にはもう遅く、彼等はその瞬間から宇宙のお尋ね者として逃亡の旅に出る事態へと陥った。

 脱出したメンバーは宇宙海賊として生計を建てていたが、リーダー格で主人公の酔いどれGrayson Huntは、一時たりともサラノへの復讐を忘れた事は無かった。そんな彼等は遂にサラノの乗る戦艦ユリシーズに遭遇し、戦いを挑むが双方共に戦艦が破損してしまい惑星Stygiaへと不時着する羽目になる。この惑星は以前はリゾート地として発展した風光明媚な星だったが、現在では人間を食べる植物が繁殖したり、ミュータント化した生物が棲息していたり、宇宙中から犯罪者が集まって来ていたりで、一般人は既に住んでいない危険度の高い場所となっていた。

 その戦闘の過程でメンバーのIshi Satoが重傷を負ってしまい、何とか助けはしたものの脳の一部を機械化する手術を行ったが為に、機械と融合した人格を持つ以前とは異なる人間に変貌してしまった。更に元々冷静沈着な性格で、ハントの異常なまでの復讐心に賛同はしていなかったイシは、彼の強引な暴走行為によって仲間に犠牲者が出てしまった点を非難し敵対心を見せるようにもなる。

 しかしこの星から脱出する為にはサラノの戦艦ユリシーズまで辿り着くしか方法が無く、二人はその為に協力体制を採って星に棲息する人間やミュータントを相手にしながら進んで行く。その道中でサラノが新しく結成した特殊部隊Final Echoの一員である女性Trishkaと遭遇。過去の事件の真相を知らない彼女は二人を信用せずに敵対するが、同じく脱出の為には仕方が無いと仲間に加わってユリシーズを目指す事になった。


PATCH

DEMO
 パッチはGames for Windows - Liveによる自動適用。\Bulletstorm\Binaries\Win32 に有る ShippingPC-StormGame.exe が 1.0.7147.0 ならば最新になっている。

 (12/07/01) 公式掲示板にMicrosoft Title Updateへのリンクが貼られているので、ここから落としてマニュアルで適用するという手もある。


 デモはキャンペーンとは別モードの“Echoes”がプレイ出来る。キャンペーンにアクセス出来ないのであまり良い物とは思えないが、自分のPCでの動作確認には役立つだろう。ダウンロードするにはGames for Windows Marketplace(Live)のクライアントソフトウェアのインストールとLive IDの登録が必要になる。これでGFWLにログインしてクライアントを起動し、一覧からゲームを選ぶとデモのダウンロード画面にアクセス出来るようになる。

動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU Core 2 Duo, Athlon X2 1.6 GHz QuadCore 2.0 GHz
MEMORY 1.5 GB 2 GB
VIDEO VRAM 256 MB
GeForce 7600 GS, Radeon HD 2400 Pro
VRAM 512 MB
GeForce GTX260, Radeon 4870
SOUND DirectX 9.0c 互換 同左
対応OS Windows XP (SP3), Windows Vista (SP2), Windows 7
DirectX 9.0c以上要


 プレイ開始前に少なくとも一度はインターネット接続が必要。リテール版のインストールの流れは以下の様になる。

1.インストール時にプロダクトキー要求
2.ZDPPが作動してオンラインに接続要求。ここで発売日チェックが行われる。
3.起動後にGFWLへのキー登録画面が現れる
4.アップデートが実行される
5.SSAを使用しており、登録後はプレイにDVDは不要となる


 それとGames for Windows - Liveを使用しており、そのアカウント(Live ID)が必須。一般的なGFWL対応ゲームとは異なり、このゲームではローカルアカウントでのプレイは出来ない(これを書いている時点ではおそらく全GFWL使用ゲーム中でこれのみが不可能)。オフラインモードでのプレイは可能だが、必ずLive IDでサインインしないとゲームを始められないようにされている。Games for Windows - Liveについてはこちらの解説頁を参照。


 PhysXを使用しており、そのドライバのインストールが必須である。Nvidiaユーザーならばビデオカードのドライバと一緒に自動でインストールされるが、ビデオカードのドライバが最新では無い場合には古いバージョンの可能性もある。

 XBOX 360 コントローラー(有線)をサポート。



*初回起動時にダウンロードされるパッチの適用が上手く行かない
 アップデートのダウンロード後にゲームを終了させるように指示が出るが、メニューが出ないので終了出来ないという問題。Liveのアカウントは既に有るものとする。

1.起動後にGFWLにログインするプロセスとなるのでログインする
2.GFWLのアップデートのダウンロードが行われる(既に最新の場合には無いかも)
3.ダウンロード後にゲームを終わらせるように指示されるが、メニューが出ないのでゲームを終了出来ない
4.Alt+Tabで画面を切り替え、ウィンドウ化(or最小化)したゲームを終了させる
5.終了後に自動的にダウンロードしたアップデートがインストールされる
6.再度ゲームを起動すると、同じ様にしてゲームの方のアップデートがダウンロードされる
7.上記のやり方でゲームを終了させると、自動でアップデートをインストール
8.その後はゲームが普通に起動するようになる


*プレイ前のリリース日チェックで動作が停止してしまう
 公式掲示板にもスレッドが立っているのだが、オンラインに接続して発売日を過ぎているのかをチェックする過程で先に進まなくなってしまうトラブルが一部で発生している。

1.\Bulletstorm\Binaries\Win32\Zdp から直接zdp.exeを起動する
2.リリース日チェックのウインドウが表示されたら先に進めないかを試す。反応しない場合にはEnterキーを押下してみる。


*16:9のアスペクト比でないとパフォーマンスが大幅に低下する
 リリース時の有名なトラブルだがパッチで修正されている。


*画面上のレターボックス表示
 16:9のアスペクト比で制作されており、それ以外の比率にしても16:9の表示面積は変更されないのでレターボックス表示となる。無理矢理解像度を変えれば黒帯無しにも出来るが、自動調整はされないので描画が正常な比率ではなく縦や横方向へと伸びてしまう事になる。


*正常終了しない
 個人的にはほとんどの場合これが発生していた。原因不明だが、終わる時なので特に問題は無し。


*進行バグ
 ゲームが進行しなくなったり、スクリプトが変になるバグがあり、私も終盤に集中して3回遭遇した。「ドアの開閉を操作する仲間AIが声だけで姿が見えず、その後のイベントが発生しない」, 「倒れた状態から起き上がるまでの操作不能なイベントシーンで、何所からかダメージを受けて死んでしまう」, 「ある地点まで逃げ込まないとならないというイベントに失敗しているのにゲームオーバーにならず、その前のエリアに取り残されたままとなり、しばらくはどうやって先に進めるのか悩む羽目に」。

 このゲームではプレイヤーの移動速度が極めて速く、戦闘で敵を全て倒し切らずに味方AIを置いて強引に先に行ってしまったりすると発生し易くなるようだ。ゲーム側ではそれに備えて仲間のAIはテレポートするようにしているのだが(エレベーターのスイッチを押した瞬間に、何所に居てもそのエレベーター内に出現する等)、それが逆に問題を起こしたりもするらしい。おかしいと思ったら早めにチェックポイントをリロードして前に戻るしか対策は無く、下手に前に進んでしまうとチェックポイントが一つだけなので復旧が出来なくなる恐れがある。

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