COMMAND & CONQUER: RENEGADE
07/01/10
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製作・販売: Westwood Studios / EA
発売: 2002/02
日本代理店: EA Japanより完全日本語版
※レビューの内容は基本的に2002年当時の物です
<概要>
発売当時はEAの傘下に入っていたWestwood Studiosだが、その後1年ほどで会社はEAの方針から解体されてしまっており、C&Cシリーズは現在でも続いているがWestwoodの名前は既に無い。EAのC&Cサイトには既にほとんど情報が無いが、WS解散後は有志による集まりとなるBlackhand StudiosがForumの運営やツール系の開発(チート対策ツールの製作・エンジンのアップデート・Mod関連のサポート等)を行っている。この辺の両者の権限の区分はハッキリしていない。
発売から既に5年経過するが、2007/01時点でまだマルチプレイにはそれなりに人がおり、Modの開発等も続けられていると息の長いゲームとなっている。
最初はEA Classicとして再発。その後The Command and Conquer Collection(2003)というシリーズ5本組みのセットの中の一つとしてリリース(これはAmazon
Japanでも検索するとまだ有る)。そして2006年にはCommand & Conquer: The First Decadeというこれまでの全作品をセットにしてDVDにまとめたパッケージに収録されている(旧作品はXP対応になっている)。英国においては廉価版再発で有名なSoldoutから単品のゲームとして発売されており、まだ現在でも販売されている。
日本ではEA Best Selectionsとして再発されているが、EAからの販売自体は終了しているようだ(在庫限り)。
続編が計画されてSSも公開されてはいたのだがキャンセルされている。
<STORY>
GDI軍のエリート兵士、かつて特殊部隊Dead-6(最高レベルの機密任務に携わる為に、軍の記録上既に死んだ事になっている6人のメンバーからなる部隊)のメンバーとして活躍した人物Captain Nick ”Havoc(壊し屋)” Parker。あまりにも無鉄砲で血の気が多く、今までにその功績と同数の規律違反を犯して来たと言われる男でもある。
そんな彼が或る任務で占拠した敵軍NODのコンピューターから手に入れた機密文書には予想もしなかった重要な情報が記載されていた。NODは未知の鉱物Tiberiumを利用して、機密のProject:
Re-Genesisを実行に移しているらしい。そんな中GDI軍のTiberium研究の第一人者Dr.Mobius、その娘Sydney、更にDr.Petrovaの3人がNODに誘拐されてしまう。そのプロジェクトの中心にいるNODのエリート組織Black
Handには、Kaneの右腕と言われる冷酷非道の男Raveshaw、コロンビアの暗殺者Mendoza、そしてかつてのDead-6の仲間Sakuraがいた。Havocは3人を救い出す為にGDI軍の援助を得てNODへの戦いを挑む事になる。
<COMMAND & CONQUER>
このゲームはC&Cシリーズの一種であり、遊ぶ為にはその辺の予備知識があった方が良いと思われるので簡単に解説。筆者は最初のしかやった事が無いので少々不正確な部分も有るかもしれないが、このRenegadeはその第一作の世界観を元に作成されているので問題無いだろう。
初代C&CはPCゲームの一大人気分野として現在隆盛を誇るRTS(Real-Time Strategy)のはしりとなったゲームである。どこからがRTSなのかという議論は置いておくとして、BlizzardのWarcraftと共に現在のタイプのRTSの元祖とも言えるゲームである。発売は1995年でオリジナルはMS-DOSのゲームであるが、Windows
95の発売後にはWIN95バージョンもリリースされており、完全日本語版も当時発売元だったVirgin
Interactiveから発売されていた。コンソールにも移植されて総計で150万本以上売り上げたというベストセラーの一つである。
ゲームの内容は未来社会での2つの勢力の戦争を扱っている。資金を元に建物や兵器等のユニットを作成し、それを操作して敵を倒し数々のミッションをこなして行くというスタンダードなスタイルである(と言うかこれがスタンダードになったのだが)。ゲームのメイン要素として存在しているのがTiberium(正確な発音はタイベリウム)で、これは新しく発見された鉱物で数々の未知の能力を秘めた物とされており、C&Cではこれを回収・精錬する事により資金が稼げるというシステムになっている。なお敵対する勢力は以下の二つで、それぞれに独立したキャンペーンが用意されている。
*GDI(Global Defense Initiative): 国連平和維持機構。一般的に言う正義側となる。戦力は正統的な物が多い。
*NOD(Brotherhood of NOD): 国際テロリスト集団。軍と言うよりも狂信的な宗教組織と言った方が適当か。軍備は特殊な物が多い。
このC&Cシリーズは第一作の後に2つに分離する。新(別)シリーズはRed Alertと呼ばれる物で、これはC&CのゲームシステムやI/Fを取り入れて全く別の世界を舞台にしたシリーズであり、WWIIは起きずにヒトラーのドイツが勢力を持つのではなく、スターリンのソビエトが世界征服に向けて動き出すのを連合国側が迎え撃つという物。こちらも発売時には絶賛されて大ヒットとなったゲームである(むしろ評価はこちらの方が高い)。その後オリジナルのストーリーを継承する物としてC&C側はTiberian Sunがリリース、Red Alert側はRA2をリリース。その他にも各作品に拡張パックが合計で5,6本出ている。その後はまた新しい設定のGeneralsも出ている。
日本におけるC&Cの位置付けというのは残念ながら低いと言わざるを得ないだろう。当時唯一とも言えるPC雑誌LOGINではかなり大々的に取上げられていたが、その後は徐々に関心は衰退して行ってしまった。RTSの大ヒット作品となるMSのAge of EmpireシリーズやBlizzardのStarcraftに比較すると、日本でのシリーズの扱いは相当に小さい。これには初代以外のゲームは代理店のサポートに恵まれずに日本語版が出なかったと言うのも大きく影響していると思われる。海外では相当にメジャーで評価も高いシリーズであるというのは間違い無い。
一つの大きな特徴としてC&Cシリーズではムービーを大幅にフィーチャーという一面を持っている。1の発売当時はCD-ROMが普及し始めて各社がその大容量を活かしたムービーに非常に力をいれていた頃で、C&Cもその例外では無かった。C&Cシリーズはプレイ時に2つの軍を選べるのだが、それぞれに別々のCDを用意するという構成を崩していない(作品は全てCD2枚組以上)。初代より俳優を使って実写を多用したムービーが取り入れられており、1などはフルインストで40MB程度の作品だが、ムービーは双方のCDにそれぞれ400MB以上入っている。他のRTS作品がどうなのかわからないが、これだけムービーに力を入れている作品は珍しいのではないだろうか。ちなみにこのRenegaadeも2枚組なのだが、ゲームデータは全てCD1の方に圧縮されて入っており、これをインストールした後のプレイ中に入れるCD2にはやはりムービーが400MB程度収録されているという構成である。
C&Cのムービーのもう一つの目立った点は俳優の起用という点(このRenegadeは違う)。言い換えるとキャラクタを重視という一面を持っており、ムービー上ではキャラクタを使ってストーリーを語るというムービーになっている。特に有名なのがNOD軍の総指揮官であるKaneの存在で、彼はC&Cをやっていない人でも知っているくらいのPCゲーム界の有名人と言える(左上の頭を剃って口髭の人物がそうだが、これは正直な所あまり似ていない。もっと悪人顔である)。Renegadeには特に説明も無しにLocke(Havocの指揮官)とKaneが登場するが、この辺は初めてやる人だと面食らうかも知れない。特にKaneは3Dホログラムとして随所に登場するので「こいつが最後に倒すボスキャラか?」と思われる人も多いかもしれないが、単に彼はNODの象徴とも言える存在でありこのRenegadeには登場しない(要はC&CのゲームでKaneが登場しないなど考えられないという事から、3D映像としてのみ姿を現すという事にしたのだろう)。
<PATCH・DEMO>
現在V1.037までパッチが出ている。ほとんどがマルチプレイ関連であり、シングルプレイについてはSaveの互換性もあるし大して関係はないようだ。Patchは国別に分かれているので自分の持っている版に対応する物を導入する必要がある。EA Japanには古い物しか置いていないが、上記のサポートサイトには日本語版用の物も用意されている。何らかの原因でデータが破壊されているとうまくパッチプログラムが適用出来ないというケースがあるようで、この場合はUnistallして完全に最初からInstallからやり直すしかない(Saveは保存しておく事)。
デモについてはマルチプレイ専用のデモが有るだけでシングルプレイ用の物は出ていない。またマルチプレイのデモの方も既にプレイヤーはほぼいないと思われる。
<動作環境>
HARDWARE | 必要環境 | 推奨環境 |
CPU | PII 400 MHz | PIII 700MHz以上 |
MEMORY | 96MB (XP 128MB) | 256MB |
VIDEO | VRAM 16MB | VRAM 32MB以上 |
SOUND | Directsound対応 sound card | EAX / A3D |
対応OS: Win 98/2000/ME/XP
Direct X 8.0以上要
(2007/01) XPにて動作テストを行ったが、私の環境では特にインストールを含めて問題は発生しなかったし、最初のミッションも正常に終了させられた。
ビデオカードでは以下の様な物をサポートしており、この条件からすると近年のオンボードのチップでも充分に動きそうな感じである。ただしDX8.0以上要という仕様なのでVoodooシリーズは全てサポート対象外。テクスチャが正常に貼られずに、壁が無くなって中が見えてしまったりという現象が起きる。
MGA: G400/G450/G550
ATI: Radeon 8500
NVIDIA: RIVA TNT/ RIVA TNT2/ GeForce 256/ GeForce 2GTS/ GeForce 2MX/ GeForce
3
ローディング時間が長い
メモリが少ないと発生し、特に後半の大きなマップで顕著となる。グラフィックスの設定を落とす事で改善はされる。
ムービーで画像と音声がズレる
CDから直接読み込みを行う仕様なので、DMAの設定がONになっていないか、ATAの転送モードが正常に設定されているのか等を確認。
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