SPEC OPS: THE LINE

                                  13/06/16


   SYSTEM / BASICS

   STORY / COMBAT / MULTIPLAYER

   BOTTOMLINE

   ストーリー考察(ネタバレ)

   公式サイト

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制作・販売: Yager Development / 2K Games
発売: 2012/06
日本代理店: Take-Two Interactive Japan


概  要  ドイツのYager Developmentが開発。同社はこれまで特に有名な作品は残していない。マルチプレイのコンテンツは別個にDarkside Game Studiosが担当している。本来ならば2011年中に発売される予定だったのだが、完成度を高める為に製作期間が延びてしまったという話だそうだ。

 このゲームは映画『地獄の黙示録』と同様に、Joseph Conrad作の小説『Heart of Darkness(闇の奥)』にインスパイアされており、いろいろな相似点が見受けられる。サブタイトルの“The Line”とは、善と悪の区別とは何をもって決定されるのかという選択の境界線を表している。


 PC, Xbox 360, PS3にて発売。PC版はマルチランゲージ対応で日本語を選択する事が出来る(字幕とI/Fが日本語になる, 音声は英語)。コンソールでも同じ仕様にて日本支店から日本語版がリリースされている。日本語版公式

 PC版は日本語モードにしても規制は無し。コンソール日本語版の方の規制はこちらにアナウンスされている(CERO Z)。海外公式サイトからして首吊りにされた何人もの兵士がブラブラと揺れていたりと残虐な表現内容が多く含まれているゲームだが、「物語のテーマやメッセージ性とも密接にかかわるため、オリジナル版の映像表現を尊重し、凄惨な場面なども極力そのまま国内版に収録する方針で制作を行いました。」とあるように、極端な制限は加えられていない。ちなみに規制大国のドイツでは、製作会社が自国というのも関連しているのか、このゲームについてはノーカット版でのリリースとなっている。ゲームの舞台となったUAEでは発禁処分。


 Spec Opsシリーズとは1998年に発売されたSpec Ops: Rangers Lead The Wayからの一連の作品で、主にZombie Studiosが製作しており、PC, PS, DCなどのプラットフォームで計8作がリリースされている。いわゆる“リアル系”と呼ばれるジャンル流行のはしりとなったゲームなのだが、低予算故に様々な問題やバグ等も多くて評価にはバラつきがあり、一部ではカルト的な人気を博したものの全般的にはそれ程の評価は得られなかった。そして同1998年からスタートした当時のリアル系二大巨頭であるRainbow Six, Delta Forceシリーズの後は、その陰に隠れて目立たないままに消えている。

 2002年を最後にシリーズ作品は途絶えており、その後Rockstarが制作中だった物もキャンセルとなって、このゲームが実に10年ぶりのシリーズ新作となる。ただし過去作との関連性は全く無い。2K側からYagerに対して「Spec Opsシリーズの新作を作る」という契約が提示されたが、内容的には過去作を継承しなくて良いという条件だったそうだ。何故当時特に人気が高かった訳でもないし、現時点では知らない人が多いのでそのネームバリューによる宣言効果も薄いというこのフランチャイズを、(しかも内容的には関連すら無いゲームとして)今回復活させようと考えたのかは謎である。


 ゲームの評価自体は悪くなかったのだが、2K GamesとYagerからは見込みよりも売れずにセールス的には失敗したとコメントされている(発売後2ヶ月で25万本以下というペース)。私が買った頃はまだダウンロード販売の割引き開始前だったので、10ポンド位に値下がりしていたリテール版を購入したのだが、それがFubar Packと呼ばれる初回限定版だったところを見ると、初動売り上げの本数を大きく見誤ったという事なのだろう。

 (2013/06)Steamではまだ$39.99とあまり値下がりしていないが、他サイトならば$10位安い。それと発売から1年が経過している現在では各所で何回も大幅値引きセールが行われているので、急ぎでなければダウンロード販売のセールを待てばかなり安く買える。リテール版はもうあまり残っていないと思われる。


STORY  近未来のUAEドバイがゲームの舞台。高級リゾート地として賑わうドバイを突然例を見ない規模の砂嵐が襲い、都市の大部分が砂に覆われて内部に多数の人間が閉じ込められるという事態に。その救助にJohn Konrad大佐率いる米軍第33大隊が向かうが、続く砂嵐の前に彼等からの連絡も途絶え全てが死亡したものとして処理される。

 ところがそれから半年後、米軍は巨大な砂の壁の向こう側から微弱な発信を検知。コンラッドからのメッセージと思われるその発信源を確かめる為に、Martin Walker大尉率いるデルタフォースチームを派遣する。Adams, Lugoを引き連れたウォーカーは命の恩人でもあるコンラッドを探すのと、内部に生き残りがいるのならば救出という目的の為に砂に覆われた都市へと侵入するが、そこで彼の見たものは内部で戦争を繰り広げる二つの敵対勢力であった。狂気に満ちた第33大隊に何が起きたのかを探る内に、ウォーカー自身も戦争の引き起こす狂気へと巻き込まれていく。


PATCH

DEMO
 パッチはSteamなので自動適用。無料のCo-op用DLCがリリースされている。

 Steamを通してシングルプレイ用のデモをプレイ可能。

動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU 2GHz Core 2 Duo / Athlon 64 X2 2.4 GHz クアッドコアプロセッサ
MEMORY 2 GB 3 GB
VIDEO VRAM 256MB
GeForce 8600 / ATI Radeon HD 2600XT
VRAM 512MB
GeForce 9800 GTX / ATI Radeon HD 4850
SOUND DirectX互換 同左
対応OS XP / Vista / Windows 7
DirectX 9.0c以上要


 Steamに登録するのでアカウントが必須。少なくとも一度はオンラインに接続して認証する必要がある。Steamクラウド対応。セーブデータは \Steam\userdata\(ID数値)\50300 の中。

 コントローラーでの操作に対応。


 デモが在るので自分のPCにおける動作検証はやり易い。Steamなので起動しない等の異常発生時は、プロパティ → ローカルファイル → ゲームキャッシュの整合性確認を第一に試す。


 個人的には極めて相性の悪かったゲームで、クリアするまでに20回程度落ちた。掲示板情報を見る限りではそこまで不安定なゲームでは無い様なので、自分の環境との相性問題と考えられる。千差万別のPC環境においては稀に相性の悪さが生じてしまう訳だが、その悪い方の意味での当たりだった。プレイ中には問題無く、チャプター切り替えか起動時に止まるか落ちるという状況で、おそらくデータ読み込み(起動時もバックグラウンド用のデータを読む)か、読み終わった後のレンダリング開始時に問題が発生していると思われる。だが落ちた後に全く設定を変えずに起動しても大丈夫だったりと切り分けが困難で、ビデオカードのドライバは3種類変更, 各種設定を下げる, サウンドの設定を変更するといった定番のテストをしてもやはり発生し、その内にゲームが終わってしまったので原因は判明しないまま。


*起動時やプレイ中にゲームが落ちる
 AMDのデュアルコアプロセッサーを使用しているなら、AMD dual core optimizerを最新版に更新する。

 スピーカーの再生設定を5.1chからステレオにしてみる。或いはその逆。なお起動時のロゴムービー再生時に音が出ないのは異常ではない。


*起動時に"Invalid Mode"でモニター表示に失敗する
 Steamライブラリ → ゲームを右クリック → プロパティ → 一般タブ → 起動設定をクリック。欄内に -windowed と入れて閉じる。
これでウィンドウモードで起動するので、そこからモニターがサポートする解像度に設定。終了後に先の-windowedを消して元に戻し、フルスクリーンにて起動するかどうかをテスト。失敗するならまた最初から起動可能な解像度が見付かるまで繰り返し。


*プレイ中のサウンド再生がおかしい(ムービーになると音が出ない, 或いはプレイ中にだけ音が出ない)
 スピーカーの設定を5.1chからステレオにしてみる。或いはその逆。

 \Steam\steamapps\common\SpecOps_TheLine\Binaries\Win32 の中にムービー再生用の binkw32.dll が入っている。正常に動作する事を確認しているゲームで同じくBINKを使用している物を探し、その中の同名DDLファイルと差し替えてみる。


*マウスの感度が過敏過ぎる
 設定で治らないのならば、マウス側のユーティリティーから修正するしか無いようだ(設定ファイルが独自仕様でテキスト編集出来ない模様)。



 ゲームプレイにおけるヒント集。各種掲示板で質問が多い物を集めてみた。高難易度だとまた違った戦法が有効になるかもしれない。(反転表示)。


※CH06 最後のヘリによる攻撃シーン
 ヘリの攻撃から走って逃げる所が何回やっても成功しないという問題。結構多かったのがバグでは無いか?という意見。理由としては、隠れたりしても無駄であり何等かの技術を要求しているようには見えず、単に演出として走らせているだけのシーンではないか。だとしたら単に走れば良いだけのはずで、途中で止まらないのに死んでしまうのは変という見方。実際に諦めて一度終了して後日再開したら一回で簡単に成功した, 同じ難易度でのプレイ動画で自分と同じ様に走っているのに成功しているといった情報もあり。

 一方でこういう風にすると成功し易いというアドバイスも出ている(正しいのかは不明)。

・向かって右側に寄って走る(逆に左側という意見もあり)
・いきなりスタートせずに、やや遅れてからスプリントを始めると攻撃が当たり難くなる
・最後に向かって右側の穴へと突入するが、ここで最短ルートを通らずに、わざと奥へと膨れて穴を通り過ぎてしまう辺りから曲がって穴へと飛び込む大回りルートを採ると、ヘリの攻撃がその間は当たらなくなるので回復のチャンスが生まれて成功する
・スプリントは一回押しのトグル方式なので、押しっぱなしにしてしまうと歩きへの切り替えが瞬間的に生じたりする恐れがあるので止める



※CH13 車両に乗った敵がやって来るエリア
 向かって右手からヘビーやナイフ特攻を含む集団がやって来る場所。ここはスクリプトの様な設定になっているので、上手く行かないのならばその流れに沿ってプレイしてみる。具体的にはそのエリアが開始されたら中央の埋もれた巨大ヨットへと一目散に走る。向かって右手に階上部へと上る階段があるので、ここを使って2Fに立て籠もるという風にする。後は一連のイベントが終了するまでずっと籠もったままにして、階段から上ってくる敵をこちらに来る前に倒すという姿勢。

 急がないと到着した敵が先に2Fに上がってしまい、そこから攻撃されてしまうので厳しくなる。よってスタート地点左に有るアイテムは、間に合わないのならば無視して進める。またアダムスはヨットへ向かえの声と共にスクリプトで一気に進んでしまうので、それを無視すると彼が撃たれてダウンし、助けに行けば自分が死ぬという状況になって詰む可能性が高い。


※CH14 迫撃砲で攻撃されるエリア
 スタート地点にRPGが有るのでこれで迫撃砲を破壊。後は厄介なトーチカの機銃をどこか始末。ここは外してしまうと難易度が上がるので、失敗したらやり直した方が良いかも。ロケットは温存しておいて、最後の機関銃に使った方が良いという意見も。

 最終的には向かって右手のトーチカを制圧するのが目的なのだが、敵の攻撃が熾烈を極める場所なので難易度が非常に高い。ここは急ぐ気持ちを抑えて、アダムスのルートに従って左手を奥まで進み、そこから横切りながら右へと進むという長距離移動ルートの方がお勧め。制作側はこのルートを想定していると思われ、左手奥に弾薬ボックスが置いてあるので、強い武器が有れば補給で有利になる。左手の突き当たりから近くのトーチカの機銃を潰し、その間に車両をカバーに使いながら右手に行ってグレネード補給。最後の機銃付近の敵は自分でグレネード連発にて処理するか、アダムスに命令してやらせる。タレットの場所に入るとチェックポイントなので、中の敵を倒したと思ったら素早く侵入する。すぐに増援がやって来るのでタレットで対応。或いは奥に行けばグレネードランチャーも置いてある。

・少なくとも難易度Normalでは、チェックポイントからやり直しの際にロケット弾が1増える
・RPGを持って左手奥の弾薬ボックスを使えば1発増
・RPGを持った状態で処刑達成を狙い、ボーナスとしてロケット弾の入手に成功すれば対トーチカ用として使える
・ひたすらスタート地点で粘って敵を出来るだけ排除する方が良いという意見もあり
・ここまで来てしまってからでは修正が困難だが、スナイパーライフルを前から持ってくると有用

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