DARK MESSIAH OF MIGHT AND MAGIC

                                  08/05/18

   SYSTEM

   GAMEPLAY

   問題点・GRAPHICS・SOUND

   MULTIPLAYER

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製作・販売: Arkane Studios / Ubisoft
発売: 2006/10
日本代理店: イーフロンティア


概  要  Might & Magicとは、1986年の第一作以来これまでに9までリリースされている、Wizardry, Ultimaと並んで三大RPGシリーズとも称される著名なゲームである。更にそこから派生したストラテジーゲームであるHeroes of Might and Magicもシリーズ化しており、こちらも高い評価を得ている作品になる。元々3DO社が所持していたフランチャイズだが、破産後に売りに出された権利を現在ではUbisoftが手に入れている。

 過去にもその世界観を使用したアクションゲームは出ているのだが、三人称のアクションRPGであるCrusaders of Might and Magic (1999), マルチプレイ用FPSのLegends of Might and Magic (2001)は、共に低い評価で失敗に終わっている。このDMoMMは同じくシリーズの世界観を利用しての、久し振りのアクションゲームという位置付けになる。

 シングルプレイの担当はArx Fatalisを製作した事で知られるフランスの会社Arkane Studios。マルチプレイのパートは英国のKuju Entertainmentが受け持って作られている。製作チームにはRandy Smithを中心とした元Looking Glass Studios(Thiefシリーズで有名)のメンバーが多数加わっているのが話題を呼んだ。


 マルチプレイにはSteamのアカウントが必須。シングルプレイについてはSteamに登録する事も可能という設定で、シングルプレイしかやらないのならばSteamのアカウントは必要ない。

 発売時にはCollectors Editionもリリースされている。ガイドマップ・サントラ・Bonus DVDの他に、マルチプレイ用にボーナスのスキンを一種類。シングルプレイの武器にボーナスのスキンを4種類追加等。

 現在(2008/05)では、英国のAvanquest softwareの廉価版レーベルであるWhite Label シリーズから再発されている

 SteamやD2D等からのダウンロード販売も行われているが、日本からは購入する事が出来ない。

 日本ではイーフロンティアからDark Messiah of Might and Magic 日本語マニュアル付英語版が販売されている。


 有志が日本語化用ファイルを作成しており、ゲーム内の字幕は日本語化が可能。ムービーについてはオリジナル作品でも字幕は出せない。

 残虐表現に問題有りとして、ドイツ版には大幅な規制が加えられている。出血表現は壁や床に付着する物以外は全てカット。四肢の切断表現や炎で敵が燃える表現も無し。死体へのラグドール効果やダメージ表現も外されている。


 コンソール版としては、2008/02にDark Messiah of Might and Magic: Elementsというタイトルで、再構成された移植版がXbox 360にて発売されている。移植を担当したのはArkane StudiosではなくUbisoftの内部製作チーム。シングルプレイ用に幾つかの追加マップと、大幅に修正されたマルチプレイを含んでいる。

 内容的にはほぼPC版と同じとされているのだが、何故かゲームの核でもあるRPGの成長要素を簡易化してしまっているという大きな問題有り。最初にWarrior, Archer, Mage, Assassinの四種類のクラスを選んで開始した後は、成長に応じて自動的にスキルが割り振られるというシステムで、プレイヤーの好みでスキルを選ぶ事が出来ない。

 ゲーム自体の評価の方もPC版に比較するとかなり悪くなっておりどうしてもというケース以外はPC版の方をお薦めしたい。拾い読みしてみたがレビューによって何がダメなのかの指摘は大きく変わっており、「PC版以上にバグだらけ」、「最大の敵は勝手な方向に合ってしまうオートエイム」、「酷過ぎるテクスチャの質」、「敵が多く出るとフレームレートがガタ落ち」、「オートセーブの間隔とシステム」等々。結果的には非難している所は異なれど、全体としての評価は低いという点では一致しているようだ。

STORY  背景設定は既にリリースされているHeroes of Might & Magic Vと共通しているが、舞台となる世界はこのゲーム独自の場所となっている。

 今から数千年前の昔、ゲームの舞台となるAshanでは悪魔の軍勢と人間・エルフ・ドワーフ達の連合軍が激しい戦争を繰り広げていた。この戦争は最終的に偉大なる魔術師Sar-Elam(The Seventh Dragon)の力によって、最大の敵Sovereign(Kha Beleth)を永遠の炎の中に封印する事に成功し人間達が勝利を収めた。しかしその封印は完全な物ではなく、破られる可能性を残してしまっていた。

 Sar-Elamの死後その頭蓋骨はThe Skull of Shadowsと呼ばれ、それは巨大なパワーを封印した危険な物として最果ての孤島の寺院に隠される。

 彼の死後弟子のSar-Shazarはある予言を残す。「将来、人間と悪魔のハーフである子供がこの世に誕生する。それは"Dark Messiah"と呼ばれ、Skull of Shadowsのパワーを使ってSovereignの封印を解こうとする」。

 そして時は現代。主人公Sarethは、師匠である魔術師Phenrigに重要な指令を授けられる。Skull of Shadowsの存在場所を追っていた友人である魔術師Menelagがようやくその答えに辿り着いたので、探索に必要なアイテムであるShantiri Crystalを持って彼の元に行き、他の何者かが手に入れて悪用する前にそれを見つけ出す事に協力せよというものだった。

 Phenrigに仕える精霊Xanaをガイド役として精神に宿したSarethは指令通りにStonehelmの街へと向かい、そこでMenelagの姪である魔法使いLeannaと合流して、一緒にSkull of Shadowsの探索の旅に出るというストーリー。



PATCH

DEMO
 シングルプレイ用のPatchはV1.2までリリースされている(Readmeでは1.02とも記載されている)。英語版ならdark_messiah_1.02_us_uk_fr_it_sp.exeというのが共通。注意点として、V1.1→V1.2の順で適用しないとならない。(Steam版は自動になる)。バージョンをチェックする過程が無いので、V1.1を入れていない状態でもV1.2をインストール出来てしまう。間違ってやってしまったら、ゲーム全体をアンインストール後に再インストールして、その後順にパッチを入れ直すしかない。正常に適用されているなら、フォルダ内にV1.1とV1.2の両方のReadmeファイルが存在するはず。

 再発版の場合、このゲームではメニューにバージョンが出ない為にパッチが適用済なのかを調べられないので、ReadmeがV1.2の物かを確認するとかしかない。Readmeの冒頭の作成日付は”November 30th 2006”で、内部に”Patch 1.02 changes and bug fixes”が在るかどうか。なおV1.2を適用後のmm.exeの制作日付は2006/11/28である。或いはNew Gameを選択した際に、難易度が(二種類ではなく)三種類用意されているならV1.2になっていると見て良いだろう。

 マルチプレイのパッチはV1.04までリリースされているが、全てSteamを通して自動的に適用される。


 シングルプレイ専用のデモがリリースされている。ただしこのデモはリリース当時に動作やパフォーマンスに問題を抱えていたV1.0相当のデモなので、現在では正確な動作テストになるのかと言うと疑問が残る。

動作環境

トラブル
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium 4 2.6 GHz Pentium 4 3.2 GHz
MEMORY 512 MB 1 GB
VIDEO VRAM 128 MB
DirectX 9に対応 / Pixel Shader 1.4以上
VRAM 256 MB
DirectX 9に対応 / Pixel Shader 2.0以上
SOUND DirectX 9 互換 同左
対応OS  XP (SP2要) / Vista
DirectX 9.0c以上要


 OSは64bit版でも動作報告は出ている。この頃にUbisoftが契約を打ち切ったので、使用しているプロテクト方式は同社がそれまで採用していたStarforceでは無い。CPUの最低環境は若干デモの時よりも引き上げられている。

 必要環境には512MBと記載されているが、メインメモリは実質1GB必要。よくある話ではあるが、このゲームにおいては特にそれが顕著で、512MBでは実質ゲームにならないとされている。それと合わせて合計で4GB程度のメモリエリアを確保しておかないとパフォーマンスに問題が生じるとされており、メモリ1GBでプレイするなら、仮想メモリ(ページファイル)のサイズを4096MB(最大と最小値をこれに固定)に設定する。2GBのメモリならば同じく設定を2048MBにするのが良いとされている。

 サポートするビデオカードは、NvidiaはGeForce FXと6000系が最低線。Radeonでは8500/9000/X系からとやや差がある。このゲームはソースエンジンを使用しているが、改造を行っている為にDXの下位互換モードを持っていない。最低でもDX9以上が必要である。

 パフォーマンスとしてはとにかく重いという声が、デモからリリース当時としては多かった。以後のパッチで最適化は図られているが、性能の低いビデオカードではあまり設定は上げられないと考えておいた方が良いだろう(自動認識した*の付いた所よりも上の設定にはしない)。現在(2008/05)ではPCの性能も向上しているので、近年のゲームが快適に動かせるレベルならばそれほどの問題は無い。


 インストールについては、最初にシングルプレイとマルチプレイのインストールをしたい項目にチェックを入れて始めるようになっている。マルチプレイはSteamにインストールされるので、最初からSteamを起動しておいた方が良いだろう。シングルプレイの方はインストールするドライブを指定可能。マルチプレイは他の物と同様にSteamのフォルダが自動的に選ばれる。

 これについては昔は普通に上手く行ったのだが、新しいマシンにインストールしようとすると問題が発生した。メディアの方は変っていないので、Steam側の扱いが変った為と思われる。トラブルを避けるならば、シングルプレイとマルチプレイは別々にインストールした方が無難かもしれない。具体的には以下の様になった。

1.インストール開始後にSteam側のI/Fから、シングルプレイとマルチプレイのSteamへの転送について聞いて来る
2.シングルの方のチェックを外して進めると、何故かシングルプレイのインストール中というウインドウ表示のままコピーが進む
3.同時にマルチプレイ用のパッチのダウンロードが始まる
4.Steamで作業終了。ウインドウ表示とは異なり、マルチプレイの方のインストールが完了している。
5.ところがこの過程で、シングルプレイのフォルダの中のgcfファイルをマルチプレイの方に全て移動しているのが判明
6.シングルプレイ用フォルダの中身が消えているので、そちらは当然起動せず
7.また再起動にてシングルプレイの方もSteamに一部のインストールが進んでいるのを確認(削除)
8.シングルプレイのアンインストールを起動して、Modify(Repair)を実施
9.移動されたgcfファイルが再度シングルプレイのフォルダにコピーされて起動可能に

 なおシングルプレイについては、Steamにインストールするとプレイ時間の経過に応じてフレームレートが落ちて来るというトラブルが存在し、これは現状ではSteamの本体ごと全てアンインストールするという方法しか治し方が知られていない。よってどうしてもというケース以外は、単独でフォルダにインストールしてSteamは使わない様にしたほうが良い


 掲示板ではゲームの歴史に残るとまで非難されるほどトラブルが多く、発売当時は相当酷い状況になっていた。公式掲示板の管理人の一人が非公式ながらBlindNeroとしてサポート用のページを制作して記事をまとめており、膨大な量のトラブル対策が記載されている。ただし中にはパッチで修正されている点も含まれていると思うし、当時とはPCの環境も変っている。
 私自身も当時は非常に重かったのでマシン買い替えまでプレイを保留していたが、新マシンでは特別なトラブルも無く安定して動いていた。E6850, 2GB, 8800GTS 640MBにForceware 169.21の組み合わせで最近リプレイもしてみたが、バグは残っているものの特に問題と感じられる点は無し。


 トラブル対策についてはここにまとめるには多過ぎるので、出来れば英語だが上記のサイトを参照して欲しい。ソースエンジン全般の問題については、当サイトのソースエンジンのトラブル対策にまとめてある。

 起動しない場合のテストの為のセーフモードは、エンジンを改造しているのでちょっと変更する必要がある。ショートカットを右クリックしてプロパティの”リンク先”欄に以下の様に追加して起動してみる。

 "...\Dark Messiah of Might and Magic\mm.exe" -nosound -dxlevel 90 +mat_forcehardwaresync 0 +map_background none

 マルチプレイの方は、上記に加えて-windowを付けてウインドウ表示でのテストも可能である。


 設定には出て来るが、800*600の解像度と16/10のアスペクトレシオはサポート外。

 現状ではRadeonのビデオカードに最新のドライバの組み合わせで問題が起きている。Catalyst 8.4 Hotfixを入れるか、それ以上のバージョンのドライバを待って導入する。


Vistaにて正常動作しない
 ショートカットを右クリックして”管理者として実行”で起動してみる


シングルプレイにて、標準インストールとSteam版のインストールの切り替えを行った後に起動しなくなる
 Steamから標準にした場合には、binフォルダ内のbinkw32.dllをメインフォルダに移す。逆に標準のインストールからSteamに移した場合には、メインフォルダ内のbinkw32.dllを STEAM\SteamApps\アカウント名\dark messiah might and magic single player\bin へと移動させる。


ローディングのバーが進まない
 -dxlevel 90 として強制的に起動させてみる。方法は上記のトラブル対策に詳しく書いてある。

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