SOLDIER OF FORTUNE

                                   07/03/11


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製作・販売: Raven Software / Activision
発売: 2000/03
日本代理店: サイバーフロントより日本語マニュアル付き英語版


   ※レビューの内容は基本的に当時の物です(V1.0)


<概要>

 Military Shooterと呼ばれるジャンルの元祖的な存在の作品。元々FPSはスーパーマン的な能力を持った主人公が主にモンスターを敵として戦うというSF設定のアクションゲームとして発展して来たのだが、そこに遅れてTactical Shooter(リアル系とも言う)と呼ばれるジャンルが加わった。そのRainbow SixやDelta Force等の作品では武器に現存する実銃を登場させて、敵も基本的に全て同じ人間でダメージもシビアという設定を持って来たのである。そんな二極化していた当時のFPS界に登場したのがこのSOFで、実銃を採用しており見た目的にはリアル系に近い様な感じなのだが、ゲーム性としては従来の様なアクションFPSにも近いというミックスタイプのゲームである。その後「武器は実銃系」、「ストーリー等の背景設定はリアル路線」、「アクション性も含むがリアルさも加わった戦闘」というスタイルを持ったFPSは人気を博し、現在ではSF設定のFPSゲームよりも一般的な物となっている。

 残虐描写が凄い事で有名なゲームでもあり、製作する側も国や地域別に様々なコンテンツ制限を加えたバージョンを製作しないとならなかったので管理が大変だったという話が残っている。そのパッケージの数は全世界で合計75種類にも上る。

 タイトルのSoldier of Fortuneとは本来なら(優秀な)傭兵の意味だが、ここではゲームの製作に協力した現存する軍事系雑誌Soldier of Fortuneの意味で使われている(公式ライセンスを取得)。

 主人公のJohn Mullinsは実在の人物で、ベトナム戦争時に特殊部隊の一員として活躍した事で有名。後には自己の体験談を本としても出している。このゲームにはアドバイザーとして参加。

 オリジナル版の後にGold EditionPlatinum Edition(英:Special Edition)がリリースされている。それぞれ後発のパッチや追加マップを含んでの再発版となり、オマケ的な内容を除けばパッチで同一となるので、プレイする分には購入する物はどれでも構わない。特殊な物としてはバイオレンス要素を取り去って設定自体出来なくしたTactical Low-Violent Versionも存在する。パック物としてはLock n' Loadと呼ばれる (Soldier of Fortune, Kingpin, Sin, Soldier of Fortune Gold, Spec Ops II)を一つにまとめた廉価版が出ているがこれは既に入手が難しそう。

 再発物としては2003年に英国の廉価版レーベルXplosivから出ているのを確認しているが現在では販売されていない。北米でJewel Case版(CDケース)が流通している訳でも無さそうで、新品での入手は現時点(2007/03)ではやや困難か。
 それと注意点として、当時の情報では海外の製品版は日本語Windowsではプロテクトの関係で動作しないという話だった。元々販売元のActivisonは国籍プロテクトで有名な所であり、この頃はAsia-Pacific Versionと記載された物でないと動かないというのは常識となっている。しかしこれは当時のWindows98における話であってXP以降ではどうなのか分からないし(レジストリ構成が異なる為)、その後の再発版等ではどうなっているのか確認が取れない。

 日本では当初はP&Aが発売を担当。その後プラチナム・エディションをサイバーフロントが廉価版再発しているが現在ではカタログに載っていない。


 ほとんどの場合ゲームの開発は「どんなゲームを作るのか」を決めるのが一番最初になる訳だが、このSOFはそうではなかったという珍しい環境から生まれた作品である。最初はWW II物のFPSを考えていたのだが、SOF誌との協力体制が取れたので現代戦へと路線変更。しかしその後もストーリーの書き直しを5回(専用に雇った著名なライターのシナリオは最終的に破棄されている)、ゲーム性自体の変更も数回行われ、一時はR6シリーズの様な部隊操作のリアル系シューターになる予定だった。こういった設定が決まるまではゲーム本体を作れないので使われるテクノロジーを先行して製作しており、実際に動くバージョンを見せられない為に金を出していたActivisionともしばらくは上手く行っていなかったそうである。
 当時はゲーマーにもどんなゲームになるのかの情報が入って来ない状態で、結果的にはアクション性の強いシューターになった訳だが、これは実在する特殊部隊兵士をアドバイザーに雇ったという背景からはかなり意外に受け止められた。


<STORY>

 主人公のJohn Mullensはベトナム戦争を始めとして幾多の戦場をくぐり抜けてきた歴戦の兵士。様々な特殊部隊において訓練を受けた最強の人間兵器とも呼べる彼は、現在国連からの公に出来ないような極秘任務を請け負う対テロリスト専門の秘密組織であるThe Shopにその活動拠点を置いている。NYで表向きは古本屋を経営しているSam、戦争中からのパートナーであるHawkがその直接の協力者である。今回の任務はNYの地下鉄構内でのテロリスト殲滅。しかしその裏には世界を揺るがすような規模の大きな目論見が存在しており、Mullensは否応無くその渦中へと巻き込まれて行く。




<PATCH・DEMO>

 Gold EditionとはV1.06パッチ(Gold Patch)を含んだ物を差し、これはゲームに大幅な内容変更を実施した大型のパッチである(27MB)。続いてリリースされたのがV1.07fパッチを適用したPlatinum Editionとなる。よってPEならパッチは必要無し、GEならV1.07f、オリジナル版ならば1.06>1.07fの順に適用する。それとPE用に追加されたMP用の5個の新マップは別にMapPackとしてダウンロードが可能。

 V1.07は最初にバグを含んだ物がリリースされ、その後それを修正(fix)した1.07fが出ているので間違えないように。パッチ適用時に1.07fと出ないならば古い方となる。

 特殊な物としてはCreativeのEAXに対応させる為のパッチ(マップ毎の追加データ)がリリースされており、これはシングルプレイ用・DM用・CTF用の3つに分かれて提供されている。これがGEやPEに適用済なのかは不明。

 過去のセーブについては保証無しというスタンスで、一応読み込みは可能となっている。


 デモが存在しているが、その後安定化等のデモ用パッチも出ているので動作確認テスト時には適用を忘れないように。


<動作環境>

HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU PentiumII 233 MHz PentiumII 400MHz
MEMORY 64 MB 128MB
VIDEO OpenGL対応 VRAM 8MB OpenGL対応 VRAM 16MB
SOUND Windowsに対応したサウンドカード EAX

対応OS: Win 98/ME/2000/XP
Direct X 7.0以上要


 現在のサポート頁では2KやXPでも動くとされている。問題は概要にも書いたが日本語Windowsとの問題が発生する可能性が有る点で、海外版をお持ちでXP等での動作確認が出来る方がいたら情報を頂きたい(例:英国のXplosiv版はXP SP2で正常に動く等)。

 このゲームはOpenGLで動作し、Direct3DやSoftware Modeは持っていない。3Dアクセラレーション対応のビデオカードが”必須”というゲームが一般的になり始めたのがこの2000年頃からで、しかもOpenGLに完全対応を要求していたので動かないというユーザーが結構いたし(オンボード系はD3D重視でOpenGLへの対応が遅かった)、動いても重いという声も多かった。

 起動時にOpenGL関連のエラーメッセージが出るなら当サイトのトラブル道場の該当項目を参照。使っているビデオチップが必要なOpenGLの仕様を満たしていないという可能性が強い。ただし当時に比べると現在(2007/03)ではトラブルや重さが問題になるケースは大幅に減っているのは確かだろう。

 サウンド関連は結構問題が有った個所で、現在は解消されているようだがEAXを認識しないというトラブルが有った。このようなサウンド関連の問題が出る場合は、直接指定をせずにAutoにてサウンドカードを自動認識させるというのをやってみて欲しい。


残虐表現の設定
 Violence関連の設定(5項目存在する)は発売国によって可否が異なるが、日・米においては特にパッケージに記されていない限りはフル対応のはずである。その設定は親が子供に遊ばせる場合に制限を掛ける事が可能にもなっており、パスワードを知る者以外には変更不可能に出来る。
 ただしもしパスワードを設定するならそれを忘れないようにする事が重要である。このパスワードはゲームをUninstallしても変更出来ないので、忘れて再度変更するにはWindowsを再インストールするか、レジストリを検索してらしき物を全て削除するといった手段しかない(なおWin98での話でXPではどうか分からない)。強制的にONにするパッチが有るようだが、そういったサポート外の物に関してはここでは言及しない事にする。アメリカであればFAXと郵送で対処してくれるそうだが日本では無理だろう。

 完全にONにしたいならインストール時にFull Violenceを選択すれば良いだけ。ここで制限を加える場合にはパスワードの設定も可能である。起動後はメニューの鍵マークから設定の変更が可能となり、ここでパスワードを入れれば変更画面に入れる。もし何も設定していないならば何も入れずにEnterキーのみでOK。

 問題として偶に聞いたのはパスワードが合わずに変更が出来ないというケースが有る事。これは設定した憶えが無いのにパスワードが合わないというエラーが出てしまうという意味。インストールの時にパスワードを設定していないならばそのままEnterを押せば設定に入れるはずだが、どうも「インストールの時に説明を良く見ずに誤ってパスワードの欄に何等かの文字を入れてしまった」という事なのか、おかしな事になってしまったりするようだ。インストール時には余計なキーを押さないように注意しないとならない。



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