RETURN TO CASTLE WOLFENSTEIN

                                  07/02/24

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製作: Gray Matter Studios (Singleplayer) / Nerve Software (Multiplayer) / id Software (Production)
販売: Activision
発売: 2001/11
日本代理店: P&Aよりマニュアル付き英語版



  ※レビュー内容は基本的に当時の物です(V1.0)


<概要>

 今やDoom, Quakeシリーズの製作元として知らぬ者は無いid softwareだが、彼等がスタートを切った最初の作品が1992年リリースのWolfenstein 3Dである。シェアウェアとして大ヒットを飛ばして一躍idの名前を有名にし、その後のDoom, Quakeと続く躍進のキッカケとなった作品となる。また現在PCゲームの市場で大きな位置を占める3DFPSの元祖とも言える作品であるし、シューティングゲームは残酷で教育に悪いという考えを世間に広めた物とも言える。


 この作品Return to Castle Wolfensteinはidが原点回帰という観点から、旧作を最新のグラフィックスにより似た内容のシナリオで蘇らそうとした作品となる。ところが製作に関しては別会社が担当という形で肝心のidは監督役という立場であり(Doom 3の製作で人員が割けない様だ)、ちょっとリメイクにしては変な感じにはなっている。

 製作はシングルプレイ部分がGray Matter Studiosで、ここは旧Xatrixが社名を変えた物でありKingpinを作成した所である。メンバーもほとんどが当時と同じ人間との事。マルチプレイについてはかなりの間収録されるのかどうかで話題になっていたのだが、突然Gray Matterでは作成している時間が無いという理由からNerve Softwareに製作が任された。基本的にはNerveはマルチプレイのシステムやマップ作成という役割で、ゲームの根本的な部分には関わっていない。


 北米のオリジナルとなるリテール版パッケージは一瞬見た時に箱が擦り切れてボロボロ?と思わせる装丁になっており、見開きの中は任務指令書という凝った構成の物。その他買った場所によって色が数種類ある限定版缶入りパッケージも存在し、これにはメイキングや壁紙等の入ったオマケCDが収録されている。その後は以下の様な形態で再発されている。

*Game of the Year Edition (2002): 英国ではSpecial Edition。V1.33までのパッチと7個のマルチプレイ用追加マップを収録。
*Platinum Edition (2003): 英国ではExtended Edition。上記に加えてマルチプレイ用のEnemy Territoryを含む。

 基本的に特殊なオマケ類以外は全て無料でダウンロード可能なので、ゲームをプレイする分にはパッケージはオリジナル版を含めてどれでも構わない。日本の代理店P&Aは既にPCゲーム関連から撤退しており販売も行われていない。

 何故かこのゲームは廉価版として再発が行われておらず、海外の通販ショップでも見掛けないしAmazon等を調べてみた限りでは現時点(2007/02)では入手は難しい部類となっている。特に北米は深刻なようで新品だと2倍3倍といったプレミア価格での販売が多い。英国であれば一応Extended Editionが流通している様だが、価格は特に高価では無いものの扱っている店の数自体はかなり少ないとなっている。2007/08にSteamからの購入が可能となった。

 コンソール版としてはReturn to Castle Wolfenstein : Tides of War(Xbox)とReturn to Castle Wolfenstein: Operation Resurrection(PS2)に移植されており、PCの内容に加えてPC版でのスタート前となる7つのマップが追加されている。PS2の方はマルチプレイに対応していないと問題も多いが、Xbox版の方は2人でのCoopに対応していたり、旧Wolfenstein 3Dもオマケで収録しているという充実した内容になっている。他にはMac版も有り。

 ドイツではヒトラー物のゲームは御法度であり、国内での発売は禁止の上に輸入も厳しく検閲されているのだが、このゲームはキャラクタの名前やストーリー設定、グラフィックスまで大幅に変更して発売までこぎ着けている。


<STORY>

 時は1943年、第二次大戦の戦火の広がるヨーロッパ、ヒトラー率いるドイツ第三帝国では秘密裏の内に参謀ヒムラー主導によるある計画が進められていた。彼らの持つ科学力に加えてオカルトや魔術の力を利用しての改造兵士やモンスターの開発、またはゾンビの復活である。この動きに気が付いたOSA(Office of Secret Actions)はその計画の詳細を探り、ナチスの野望を撃ち砕くべく或る男に極秘のミッションを指令する。あなたはその主人公B.J. Blazkowiczとして単身彼等の各種拠点に潜入し、恐るべき計画の実現を阻止しなければならない。




<PATCH・DEMO>

 最終的にV1.41bまでリリースされている。ネット上を探すと実にいろいろなパッチが見付かるが、これは回線が細い人の為にサイズの小さな差分パッチを多種リリースしていたのが原因。当然購入したパッケージによってもどこまで適用済なのかは異なる。バージョンはゲームをプレイ中にESCでメニューを呼び出した時に下にWolf X.XXと表示される。或いは"Shift + 半角/全角キー"でコンソールを表示させても良い。

 基本的な適用の順番は、V1.4(11.4MB)を最初に適用。次にV1.41(6.9MB)を適用。最後に解凍形式のV1.41bを入れる。シングルプレイの方はV1.32で更新が止まっているので、マルチプレイをやらない人で既に1.32以上ならばパッチを入れる必要は無い。

 過去のセーブデータについては、ほとんどのデータはそのまま使えるはずだが互換性は保証しないとなっている。

 他に公式の物では、GOTY Editionに収録されているマルチプレイ用公式追加マップ集(50MB)が独立してDownload可能となっている。ただしこのファイルの初期版はV1.4以上にバージョンが上がっていると適用が出来ない様になっており、その後改訂版が出ている。


 デモはシングルプレイ用とマルチプレイのテスト用がリリースされている。


<動作環境>

HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium II 400Mhz -
MEMORY 128 MB -
VIDEO OpenGL対応 16MB VRAM -
SOUND DirectX 3.0 or higher compatible -

対応OS: Win 95OSR2/98/ME/NT4.0(SP6)/2000/XP
Direct X 8.0a以上要


 OSに関してはほぼフル対応となっているが、これはあくまでもドライバ類がちゃんと用意されていればという意味である。今回(2007/02)テストしてみた限りではXPでも特に問題は感じられなかった。Forum等の情報からも最新のPCとの相性という点で特別な問題を抱えているゲームではない。公式のサポートは既に当てにならないが、人気の有るゲームなのでファンサイトのForum等を使えばトラブル関連の情報収集はこの時代のゲームにしては容易な部類。

 ビデオカードはOpenGLに対応している事が必須となっており、サポートされている物は3dfx Voodoo3, ATI Rage 128, Matrox G400, NVIDIA Riva TNTといったレベルから。よって取りあえずOpenGLに対応してさえいれば、結構前のメーカー製PCとかでも動作は可能と思われる。システムの負荷という点では今となっては問題にならない程度になっている。

 初回起動時や任意の時にRecommandをクリックする事で自動的にテストを行って、システムに取って快適な設定を弾き出すようになっている。1.0の時点でもシングルプレイにおいては安定度も高く、ゲーム中にフリーズしたりといったトラブルは私の場合は2回ほどしか無かった。

 エラーではやはり"Could not load OpenGL subsystem"が筆頭で、これはOpenGLに対応していないか、対応したドライバがインストールされていないケースがほとんど。当サイトのトラブル道場にOpenGLの対策が有るのでそちらを参照してもらいたい。基本的に何かトラブルが発生したならば、スタート>プログラムのメニューからSafe Modeを使って起動してやり、変化が無いかをテストするというやり方を使う。


 ここではゲームをより快適に動かす為の設定を幾つか。まずMainディレクトリにあるWolfconfig.cfg(MPと付くのはマルチプレイの際の設定ファイル)を開いてからseta com_hunkMegs "72"という項目を検索してやり、この値を変更する。これはRTCWが使用するメモリの容量を規定する物で、インストール時のこの”72”とはメインメモリが128MBとした時のデフォルト設定になる。これを自分のメモリ容量に応じて増やせばパフォーマンスがアップするが、既に古いゲームなのであまり大きくしてもそれに比例して効果が出るとは思えず、最大でも512MB位までが適当だろう。一応適用範囲は自分のメモリ容量の3/4程度までに抑えるべきとされているので、512MBだったら”256”辺りが適当ではないか。

 同じくサウンド関連に遅延が見られる場合seta com_soundMegsの値を増やしてやる。基本的にMAX値は24なのだが、問題がある場合はこれを32まで手動で増やす事が可能だ。

 なおゲーム中にfpsをモニターする場合は同じくseta cg_drawFPS を1に設定すれば良い。



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