Games for Windows Live のサービス停止

<2016/04/06追記>
 コメントにて機能の一つであるリリース日チェックが現在稼働していないとの情報を頂いたのでチェックしてみたところ、確かに「Liveサービスに接続出来ません」というエラーが出て先に進めない。そこでまずは他の基本機能を確認してみた。

・ゲーム内でのLiveIDによるサインイン
・実績解除及びそれのゲーマータグ(オンラインのXbox Live)への反映
・マルチプレイI/Fへのアクセスとオンラインマッチング機能
・インストール時のタイトルアップデート(パッチ)のダウンロードと適用

以上の機能は正常に動作しており、どうやらリリース日チェック用のサーバー機能のみが停止している模様。なおSSA機能(Liveアカウントとプロダクトキーを紐付けて、中古で入手しても以降はキーが使えなくなるシステム)の方は稼働しているのかどうか未検証である。情報を探してみたがMSからの公式発表などは見付からず。どうやら半年前辺りで既に停止していた様なのだが、大きな騒ぎになっていないからなのか情報自体が少ない状況である。

Release_check

基本から整理しておくと、リリース日チェック(起動前に必ず一度はインターネットに接続して認証を必要とする)はGFWLの最終バージョンであるV3.0から追加された機能であり、それ程採用タイトルが多い訳では無い。GFWL対応タイトルが多かった時代はまだリテール版(DVD)がメインであり、そのDVD媒体の複製を防ぐコピープロテクトとして当時主流だったのがSecuROMである。そのSecuROMもリリース日チェック機能を持っていたので、GFWL対応ゲームでリリース日チェックを行う物としてはSecuROMのそれを採用している方がずっと多いと思われる。その場合は全く別の話となり、問題がある場合はSecuROMのサポートをあたる事になる。GFWLの場合は初回起動時に画像のようなロゴ入りウインドウが開くのでそれで判断する。

 

GFWL採用タイトル一覧はWikiにもあり、今回のケースで問題となるのは以下の3点を満たすゲームとなる

1.ZDPP(リリース日チェック)を採用している
2.Steamworks等への移行が行われていない(或いはダウンロード販売サイト側の対策が無い)
3.メジャーなゲーム(プレイヤー数が少ないと考えられる物は問題となる可能性が低いの意味)

そうなると対象タイトルは少なく、それが今回大きな騒ぎになっていない原因であるとも言えそうだ。上記のWikiで言えば一覧の下段となる”Former games”は既にGFWLのライブラリ機能をSteamworksの様な同等機能を持ったライブラリへと移行を果たしているゲームである。なおこういったゲームにはGFWLのキーをそのままSteamに登録出来る物も有るので確認してみると良いだろう。

該当してしまうゲームに関しては、検索してみるとユーザーが見付けた回避策が提示されていたりする物もある様だが、汎用的に使える手法では無くゲームによって対応策が異なったりするし、どんな環境(OS等)でも上手く行くという訳でもないらしくてややこしい。また回避するだけで認証は済んでいない為に、アップデートファイルは手動でどこかから入手する必要があったり、マルチプレイへのアクセスは行えずオフラインでのプレイしか出来ないという状態にもなるようである。こういった回避策は今後個別に情報を集めていくしか無さそうだ。

一番良い解決法はこの停止が単なる一時的な物であって将来的には認証サーバーが復活するという結果だが、こればかりはどうなるのか予想がつかない。とりあえず現時点での重要な事項としては、該当タイトルであっても既にインストール済みの物は影響を受けないので、こういったゲームをアンインストールしない様にする事である。


 

<ここから旧記事>

Games for Windows Live がサービスを停止するらしいという話は既にお聞きの方が多いと思うが、今回はそれがどの様な形で行われるのかについて予想を書いてみる。GFWLについてはこちらにも過去に書いているので、これが何かをよく知らない方は先に参照しておいた方が解り易いだろう。簡単に言えばMSが提供するXbox LiveのWindows環境下への移植版で、Xbox Liveとほぼ同等のシステムを構築出来る物。PC版を含むマルチタイトルにてそれがマルチプレイを持つ場合には、サーバーブラウザ, マスターサーバー, マッチングサービス, リーダーボード, フレンド機能等のシステムをPC専用に構築しないとならない。しかしGFWLを採用すればXbox Liveの移植版となるので簡単にそれが行える(プログラムの90%は共通)。具体的には、マルチプラットフォームだがPC版が比較的軽視されている, マルチプレイの規模が小さい(少人数や少コンテンツ), PC版のマルチプレイ関連の構築技術が足りない, DLCを出すがそれをPC版で管理するシステムをわざわざ作りたくない、といったケースでの採用例が多い。見方を変えると採用する会社は偏っている感がある。

 ではまずは現時点での事実関係の整理から。2013年8月、マイクロソフトのAge of Empires Onlineのサポート頁に、「2014/07/01をもってこのゲームのサービスを完全に停止する」というアナウンスがあり、その理由としてGFWLのサービスが停止する為という書き込みがあった(原文はPolygon等で読める)。だがこれを正式に確認しようとしたメディアに対して、MSはGFWLの停止という記述部分を即刻削除。質問にも応えず、その後現在に至るまでGFWLが停止するという公式アナウンスは出ていない。

その他ではGames for Windows Marketplaceが既に2013/08に閉鎖されており、ここで新規ゲームやDLCを購入する事は出来なくなっている(既に購入済みの物を再度ダウンロードする事は可能)。対応タイトルや購入済みゲームのDLCを購入したければパブリッシャーに聞いてくれという状態。よってSteam等でDLCを含めて売っている物ならば良いのだが、リテール版のGFWL対応ゲームの場合、パブリッシャーがダウンロード販売していないのならばもうDLCは買えないようになってしまっている。

既に新規採用タイトルが出ていない(2013年は2本だけ)。Steamworksといった他の同等マルチプレ
イシステムへの移植が始まっている。そして上記のマーケットプレイスの閉鎖というところから、既に各パブリッシャーに対してGFWLが停止する件が伝わっているのは確実だと考えられる。では何故未だに公式発表をしないのかだが、私の想像では交渉が上手く行っていないのではないかと見ている。

GFWLはMS側が採用して欲しいと各パブリッシャー側へアピールしたシステムである。よってここに来て「7/1に停止する事になったので、その後どうするのかはそちらにお任せします」という風に一方的に突きつけられる立場に無い。つまりMSの内部では7/1の停止という仮決定が既に成されているのだが、この期限に対して全ての関連パブリッシャーの同意を得られていないので、停止日の公式発表がまだ出来ない状況だと考えている。反対とは「その期限では移植の完成までに短過ぎる」, 「移植するつもりは無いので、当社がそのゲームのマルチプレイのサービスを完全に停止するまでは続行してもらわないと困る」, 「移植しろというならその費用を負担して欲しい」とかの類。もし強引に7/1に止めた場合、移植が完了していなかったゲームにおいてはマルチプレイ関連がプレイ不可能になるが、強引に止めたMSと停止すると解っていながら移植を完了させていなかったパブリッシャーのどちらに非難が集まるかとなれば、やはり前者のMSの方ではないかと思われる。その為に出来るだけ早い同意を求めているのだろうが、停止のアナウンスがより早期に伝わっていたはずのパブリッシャー側からまだ賛同を得られていないとなると、停止するにしても予定よりも延びる可能性はあるだろう。

続いてはGFWLの何が止まるのかについて。マルチプレイ関連のサービスが止まる事は確実であり、マルチプレイに関わるコンテンツには停止以降はアクセス出来ない事になる。ただこれは他の未採用ゲームにおいても、マスターサーバー停止によりマルチプレイが出来なくなる事はあるのでGFWL固有の問題では無い。問題は発売から短期間で止まってしまうゲームにあり、このケースで言えばGFWL対応でまだマルチプレイに人がある程度以上は居る物、もしくはCo-op等のフレンド間でのプレイに重きを置いている物で困った事になる。

では他の要素を順に見てみよう。最初にアカウントだがこれ自体は無くならないはず。実はGFWL専用のアカウントという物は存在せず、このアカウントはXbox Liveのアカウントと共通である。ゲーマースコアなどはXboxとPCの物が共通してカウントされる形態で一元化されている(ただしXboxではゴールド会員は有料となる)。また現時点ではMicrosoft アカウントとして統合されているので、他の各種サービスをユーザーが使用しているケースでは消せないし、一切を使っていないユーザーだけを抽出して停止するというのも変な話になる。

第二に実績機能だが、これはちょっとややこしい。まずGFWLはオフラインサインインが出来るし、GFWLの実績はSteamと違ってオフラインでも解除可能なので、機能が停止しても実績の解除自体は出来る(マルチプレイ関連の物は当然不可能)。よってポイントはそれをオンラインにてゲーマースコアに登録出来るかになる(ゲーム内部からオンラインでサインインが可能かどうか)。接続時にオフラインでの実績データをオンラインサーバーへと登録したりするのに大きな負荷が掛かるとは考えられないし、それをゲーマータグ別にサーバーで管理するのも同様。よって負荷という観点からは無くさなくても良さそうに見える。一方で実績以外のオンラインへのアクセス機能はほとんど意味が無くなる為、全て止めてしまった方がシステムとしては簡単で済むという判断をされるかもしれない。

そうなると判断基準は移植の進み具合にも左右されそうか。Steamworks等へと移植されるタイトルが多かった場合には、そちらで独立して実績を管理する形になるので(機能が有ればだが)、残しておいてもあまり意味を持たないという話になる。逆に移植されないタイトルが多かった場合には、実績機能を残している方がそれをXboxのゲームと合わせてゲーマースコアへと登録可能なのでユーザーに喜ばれるだろうし、パブリッシャー側もその方が売れるので好ましいと考えそうだ。実績を解除してゲーマースコアを伸ばす事を励みにしているXboxユーザーは結構居るそうだし、その意味ではマルチプレイ機能の無くなったGFWLのタイトルを売り捌くには、せめて実績機能は残しておいた方が売り上げ面で有利なのは確かである。

第三にプロダクトキー関連。キーの用途は大きく分けると3タイプ。一つ目は昔ながらのマルチプレイ用キーで、マルチプレイにアクセスする時だけ要求される。二つ目はインストール時に要求されるタイプで、これはおそらく正規メディアを使用しているかというコピープロテクトだと思われ、これも同じく他のリテール版ゲームでも普通に使われていた方式である。この二種はオンラインへの接続や認証を必要としないので、停止以降もインストール及びオフラインでのシングルプレイに支障は無い(別のDRMを併用していたとしても、それがオンラインで機能しているなら問題無し)。GFWLのアカウントでオフラインサインインすれば、少なくともオフラインでの実績機能にもアクセス可能である。

問題となるのは3つ目のServer Side Authentication (SSA)で、これはGFWLのV3.0から導入されたアカウントにキーを紐付けて登録するシステムとなり、一度登録されたら他のユーザーが中古品として入手してもキーの登録が行えなくなるDRMである。しかしGFWLでのそれは必ずキーを登録しないとゲームをプレイ出来ないというシステムでは無く、GFWLのコンテンツにアクセスしないのであればオンラインでのキーの登録は要求されない(先の解説頁に詳細あり)。よってオフラインでのシングルプレイについては将来的にも問題が無い事になる。なおSSAのキー認証システムが既に停止している場合に、キーを未登録のゲームをプレイしようとしたケースにて、キーを登録しない状態にてGFWLアカウントでのサインインが出来るのかは定かではない(記憶が無い, 手元に該当するゲームが無いので検証出来ない, 全てのSSAタイトルで共通仕様なのかが不明)。もし出来ない場合にはオフラインアカウントを使う事になる為に、プレイやセーブは可能だが実績機能にはアクセス出来なくなる。

そして中にはキーをオンラインにてアカウントに登録しないとプレイ出来ないという方式を採用しているゲームも在り、それは私の知る限りではBulletstormのみ。よってこのゲームに関してはオンラインでの認証機能が止まってしまえば新規PCへのインストールが出来ない事になる。この問題はもし他に同様のオンラインでのキー認証必須のゲームが無ければ、Bulletstormが何等かの別システムへと移植されてしまえば解決される。移植はしないというスタンスで且つGFWLの認証機能が停止するのならば、GFWL側でオンラインにてキーをアカウントへと登録しなくてもプレイが可能になる様なパッチをリリースするしかない。これは次のZDPPにも関連してくる。

第四にZero Day Piracy Protection(ZDPP)。これはリリース日チェックの意味で、起動前にリリース日に達しているかをチェックするコピープロテクトである。GFWLのアカウントには関係なく、初回起動時にオンラインにてチェックされるシステム。認証サーバーへのアクセス時に暗号化されたファイルを複合化したり、起動に必要なファイルをダウンロードしたりする事でプレイが可能になる。故にもしこの認証サーバーが無くなった場合、以降は新規にインストールした該当ゲームが全て起動出来なくなる。

一番明快な解決方法は採用タイトルが全てSteamworks等へと移植される事により、このチェックが無くされるという状況。次に移植されないタイトルが残り&認証サーバーを停止するケースでは、全ての対応ゲームのリテール版を店から回収するというのは面倒だし漏れも発生する。何より以降は売る事が出来なくなるのを考えると、このZDPPのチェックを取り去るパッチをGFWLのクライアント向けに出す方が良い。しかしこのやり方はパブリッシャーからの反発を受けそうだ。何故なら前のSSAも同様だが、ZDPPを停止させるという事はコピープロテクトを無くすという意味になる。そうなったら違法コピー版がネット上に溢れる危険性が高まり、現在でもダウンロード販売等にてそれなりに売れているゲームだとその売り上げにダメージを受ける恐れがあるため、パブリッシャー側としてはそれは許せないだろう(更にSecuROM等の異なるプロテクトを併せて使用しているなら話は別だが)。そうなると移植されない採用タイトルが残ったケースでは、認証サーバーを停止させずに残すという方が可能性としては高い。なお新規タイトルが既に無い事から、リリース日にサーバーに大きな負荷が掛かるという事態は考慮せずに済む。

第五に修正パッチの自動ダウンロード機能。MSほどの規模のサイトにてGFWLのパッチダウンロードの負荷を無くそうと考えるとは思えず、機能停止後の簡易バージョンみたいな物が自動アップデートにて供給され続けるであろう。自動では無くなるならば最低限ダウンロード先は提供されるはずである。問題はゲームの方で、こちらは単体で落とせるミラーサイトが存在しないパッチも多く、その仕事をMSが継続しないのであれば各社が独自に最新パッチをダウンロード出来る場所を設けないとならない。この辺は規模の点、或いは古いタイトルには移植されない物が多そうという点から、やはりMSが自動ダウンロードにてパッチを提供し続けるのではないかと推測している。これもまたSteamworks等へと全てが移植されれば必要が無くなる機能。

最後にDLC。マルチプレイ関連のDLCはもうしょうがないが(細かい事を言えばオフラインでもボットとプレイ可能なマルチプレイ用マップなどもある)、有料購入のシングルプレイ用DLC(拡張シナリオ, スキン&コスチューム, ゲーム内アイテム等)の扱いをどうするか。厄介なのは有料DLCはGFWLのアカウントと結び付けられている点で、これを機能停止後でも再度のダウンロードを可能にするには、GFWLアカウントでのサインインが可能でなければならない。全ての対象ゲームの移植が完了すれば良いのだが、ある程度古いゲームに関しては移植されないままになる可能性が高く、そうなるとGFWLでのサインインによる再ダウンロードを可能な状態で残すか、停止日の時点でダウンロードを不可にするので事前にダウンロードしておくようにとアナウンスするかになりそう。しかし後者は完全に徹底する事はまず無理なので、前者の方が面倒は起き難い。

以上の様にGFWLのサインインを含めた基本機能はなるべくそのまま残しておく方が後々のトラブルは少なく、またMS側のサーバーに大きな負荷が掛かるとも思えないので、私としては残される可能性の方が高いと考えているしそうなる事を希望する。アカウントによるサインインだけを残して他を全て止めてしまうという方法だと、後にそれを知らずにいた人や、知らずに売れ残っていたリテール版を購入した人などが困る事になり、それを考えると残しておくのが安全と判断されるのではないか。移植が完全に済んでしまえば要らないとも言えるが、過去の全作品が移植されるとは思えない。

ここから話は変わって移植の進捗はどうなっていくのかを考えてみる。まずはどういう風に移植するのかだが、そもそも自社でPC用のマルチプレイ環境を制作するのが面倒という観点からGFWLが採用されるケースが多かった訳なので、自社で同等の環境を新たに構築するという可能性は低い。そうなると同様の機能を備えた物としてはSteamworksが最有力であり、移植をするならここというパターンが増えるはず。

移植をするのかどうかにおいて一番重要となるのはSteamworksでのマルチプレイ環境の構築がどれだけ大変なのかだが、これに関してはサッパリ判らない。ただマルチプレイのステータス(キャラクターのレベル等)や実績の解除状況などは移植が出来ない模様で(全部一からやり直しになる)、それをせずに済むのは負荷軽減になる。いずれにせよ金と時間がかなり掛かるとなれば移植を躊躇する会社が増えるだろうし、その辺はMS側から補助金や移植ツールが提供されるならば大きな助けとなるが、その辺りはどうなっているのか全く不明である。

なおパブリッシャー側が移植を嫌がる要因としては、まずSteamworksに移植する場合にGFWLのプロダクトキーで購入済みのDLCを見分ける方法はない為に、GFWLのプロダクトキーでの登録者には一律に全てのシングルプレイ関連DLCを無料で提供するしか無いと思われる点が挙げられる(現在コンバートされているゲームではそうなっている)。Steam上で同製品を販売中のケースでは、そちらでのDLCは有料のままだから販売機会を逸するという事にもなるし、Steamにてゲームを購入していたユーザーが不公平感を持つ恐れがある。

Steamへの登録料をどうするのかという問題もある。Steam側は売上代金の一部を受け取る代わりに、以降永久にそのゲームを何回でもダウンロード可能にするという責任を持つ。つまり受け取った金の一部を使って世界各国にサーバーを構築。そして高額な専用回線を購入して帯域を確保し、高速でのダウンロード環境を整えている。よってSteam以外で購入した、(Steam必須では無い)リテール版などのキーを登録する事は原則的に出来ない。金を払っていないユーザーに回線帯域を提供するのは損だからである。その意味からSteamworksへと移植した際にGFWLのキーを登録させるとなると、Steam側への料金支払いが発生する事になる。(少なくとも2011年から外部サイトでの購入キーの登録には料金が掛からないようになっている。よって登録料金の問題は発生しない)。

同じくSteamへの登録について、GFWLのアカウントにはプロダクトキーが紐付けされていないケースにて、キーの登録をどう管理するのかも気になる点。例としてある人物Aがリテール版をプレイし終わった後に売り払って、それをBが中古で購入したとする。そしてそのゲームが移植されてGFWLのキーをSteamに登録可能という状況になった。その時にもしこのキーをAが手元に控えていた場合、彼はそれを登録可能という話になってしまう。そしてSteamではキーをアカウントに紐付けるから、その後にBがこのキーを入力しようとしても出来ないと考えられる。常識的には今所持しているのはBなのでBに登録の権利がある様に思うのだが、どんな風に判断がなされるのか。アカウントハック同様にゲーム媒体やキーの写真を送って自分が所持している事を証明すれば、Aの所持権利が剥奪されてBに移されるのか? それとも数人程度ならば特別に同じキーを登録可能にされているとかなのか、ちょっと問題になりそうな件ではある。

上で移植が進んでいない状況でMSが強引にGFWLを止めたら非難されるだろうとは書いたが、その停止日が結構先に延ばされた場合にはまた話が複雑になる。十分な期間が設けられていたにもかかわらずに移植されない、或いは移植済みのパブリッシャーもあるのにどうしてお前の所はやらないのか、といった声がユーザーから増えてくるだろうからだ。しかしそれでも「マルチプレイが出来なくなったのはMSが悪く、我々の責任では無い」という主張の方が肯定的に受け止められるのならば、わざわざ移植を手掛ける会社は少なくなるはず。この点に関しては予想が難しくどうなるかは判らない。何であれ移植は必ずしもGFWLのマルチプレイサービス停止日に間に合わせる必要は無いので、遅れるにせよいずれ完了される事が望ましい。