Don’t Starve Together 第一回

最初は概要から。Don’t StarveはカナダのKlei Entertainmentから2013/04/23に発売された作品。PC版から始まったが、現在ではPS4やWii U版も発売されている。拡張パックとしてReign of Giantsもあり。

一種のサバイバルゲームで、タイトルに有るように飢え死にしない様にするのがメインとなるが、それ以外の数々の死の危険にも対応しないとならず、単なる飢え回避のみを目的としたシンプルなゲームでは無い。その世界も核戦争後の地球とかゾンビアポカリプスとかの同ジャンルにおける多数派である仮想現実世界系とは事なり、架空のファンタジー世界をテーマにしているのも大きな特徴となっている。

主人公の科学者ウイルソンは悪魔に連れて来られて、ある世界に何も持たない状態で放り出される。この世界の仕組みを学びながら、何とか死なずに出来るだけ長期間生き延びるのが目的。ストーリーを持たせてゲームクリアまでの過程を設けたアドベンチャーモードも装備している。

ジャンルとしてはストラテジーゲーム、若しくはサバイバルシミュレーションとも言える。進行はリアルタイム。プレイの度にランダム生成されるマップ内にて、リソースを採取, 集めたアイテムを使ってクラフティング, リサーチ, 拠点構築, 他の生物やモンスターとの戦闘等を行って多種の危険に応対していく。

カメラは3Dゲームの様に斜め見下ろし視点の位置からとなるが、キャラクターを始めとしてほとんどのオブジェクトは2Dベースで描画されるというスタイルを採用している。個人的にはティム・バートンを連想させる独特なグラフィックスの雰囲気は非常に良いと思う。

ローグライクと呼ばれるジャンルに属し、途中でセーブを行う事は出来ない。ゲーム内で一日が終わる度にオートセーブされるので進行途中でゲームを止める事は可能だが、死亡した瞬間にセーブデータが削除されて最初からやり直しになる(パーマデス)。このルール下でも稼いだポイント(XP)でキャラクターの基本パラメーター上昇は可能とか、稼いだ金でアイテム類を購入したりでスタート時点でのステータスを有利にする事は可能というゲームも有る中、このDSでは何一つとして新規ゲームを有利にする物は得られないというシビアな設定。唯一得られる経験値は他のプレイアブルキャラクターをアンロックするのに使われるが、これ等のキャラクターもタイプやパラメーターが異なるだけで、デフォルトのウイルソンに比べて特別に有利で強いキャラクターという風にはされていない。

先にストラテジーゲームと書いたが、一般的なストラテジーとはイメージが異なる。何を持って一般的とするのかは難しいが、私自身としてはストラテジーやシミュレーションゲームをプレイしていたのがほぼ90年代半ば辺りまでなのでここではそれ基準とする。ストラテジーゲームと言うと100頁超とかの分厚いマニュアルが付いてきて、プレイ開始前にでもそれを読めばほとんどのゲームシステム(プレイヤーはゲーム内でどんな事が出来るか)に関しては理解出来る。しかし実際に限られたリソースを消費してゲームをクリアする段になると、それは「鬼の様に」という形容詞が付く位に難しい。つまりシステム全般を理解するのは容易だし、それ自体は隠されてもいないのだが、それをどういう風に使って有利に持って行くのかという作戦を考え出すのは難しい。そういうイメージである。

一方でこのDSでは、発見やリサーチ要素を重視しているという印象がある。そもそも何が出来るのか自体を知らされずに放り出された未知の世界において、その「何が出来るのか」を探索や実験により調べていくという内容であり、そういったこの世界における新事実の発見の面白さに主眼を置いているゲームと言えるだろう。チュートリアルやヘルプは一切無く、またそれがゲーム内容の説明文に意図的にそうしているとも書かれている。従ってゲーム内の基本ルールを見付け出すという点においては、上記の基本ルールは解説されている昔ながらのストラテジーに比較すると格段に難易度は高い。

その他のクラフティング要素を含んだサバイバルゲームにもこの傾向はあるが、DSでは世界が架空な分だけより難易度は高目。現実世界をベースにしているタイプだと“常識”が通用する範囲が広いが、DSの世界には独自の生物やモンスターが棲息しており、戦闘能力や弱点、若しくは利用価値などは試してみないと判らない。中には交渉が出来るタイプなども居たりと複雑である。クラフティング出来る物の中にも架空の機械などが含まれているし、突然周囲の世界が変貌したりした際にもその原因が何所に在るのかは想像で補っていくしかない。

知識が無い故の難しさとして、例えばDSの世界では夜になって暗闇に包まれた場合、灯りを確保出来ないとすぐに死んでしまうというルールになっているので、灯りとなるアイテムを持っていなければその時点でアウト。こういった基本事項さえ知らされない為に、死んで覚えるというケースが多くなる。或いは正気度のパラメーターが存在し、これも0になるとゲームオーバーだが、これが下がった際にどういう事が起きるのか、また回復させるにはどうすれば良いのかも自分で探し出すというゲームである。

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このプレイヤーを突き放した設定により、相当な高難易度のゲームとして知られている。(ゲーム内のパラメーターを非常に細かくいじって難易度調整をする事は可能)。なお私自身はまだ大してプレイしていないので第三者からの情報が主である点はお断りしておく。

まず「そういう事が可能だと知らない状況において、それに誰でも気が付くほど親切では無い」という点。よって知らないと著しく不利になる様なシステムに気が付かなかったばかりに、延々と長時間それを知っている他者よりも難しい状態でプレイし続けてしまう恐れがある。非常に難しいという評判では無いなら「何か変だぞ」と気が付く可能性があるが、難しいという評判なので「こんなものなのか」と判断してしまうの意味。

第二に未知の世界なので試してみないと判らない事が多い。しかし試した事により死亡してしまう危険性もあり、そういった実験に挑み難いという問題。もしセーブが可能ならば実験は容易だが、死んだら全て無くなって最初からという設定なので、既に数時間プレイしているという状態からのチャレンジは相当な勇気が必要になる。

第三にプレイ時間が長い。他のローグライク(セーブ不可)のゲームでも最初からやり直しの辛さというのは当然あるのだが、その際にやり直しに掛かる時間というのは重要な意味を持つ。最初は10分でも難しい程度から繰り返し、最終的にはラストまで到達するのに2~3時間程度ならばまだ良いのだが、このDSは通常モードでは特にゴールが無く、また季節の変化を辿って一年間生き延びるとなると相当な時間が掛かる。それだけに途中でゲームオーバー時にそこまでに掛かる時間は長目となり、リトライでその域(日数)に再度到達するまでにもまた時間が掛かるという風になる訳で、それが数時間単位となるとプレイヤーの心を折り易くなるのは避けられない。

それと「知識=力」という設定の為、既に到達している日数レベルまでならあまり難しくないという傾向にある(一度得た有利な知識は汎用的に使えるケースが多い)。常に非常に難しいよりはマシかもしれないが、死の緊張感が薄い状態で前に進んだレベルまで数時間掛けてプレイするというのは、マップはランダム生成とは言えある意味退屈であり飽きてくる危険性がある。この辺は一般的なストラテジーゲームにおける、「知識を得るのは容易だが、それをどういう風に選択して活用していくのかは難しい」(敵勢力のタイプ, マップのシチュエーション, 勝利条件等が変化する為に、その都度状況に合った戦略を考え出す事が必要とされる)というのとは逆になっている。

面クリア型の高難易度ゲームで例えるなら、「序盤から非常に難しいが、クリアした面はスキップ可能」というのと、「難易度上昇は段階的なので常に高難易度では無いが、ゲームオーバーになったら常に最初からやり直しになる」という異なるタイプの中では後者に当たる。よってその後者の様なゲームは好みでは無い方には向かないと言える。ゲームのシステムの全般を掴むだけでも30~40時間、ちょっとやり込めば100時間超とかそのレベルの時間が掛かるそうだ。

この様な性質のゲーム故にレビューや紹介記事が書き難いという面も持っている。何故なら未知の世界における新発見やリサーチに面白さを見い出すゲームなのだから、そういった事項を紹介する記事はネタバレに当たってしまうからである。それを避けるには概念的な紹介に留まるしかないが、その制約下でこのゲームの面白さを伝えられるのかとなると難しいであろう。

攻略記事系も同様。先に挙げた昔のストラテジーでは、基礎知識と攻略方法が分離しているので攻略記事の方も段階的に構成し易い。だがDSでは基本情報自体がネタバレになるケースが多く、ネタバレ無しにヒントを与えるのは不可能に近い為、どの程度ネタバレするのかには慎重さが要求される。

ゲームの評価は全般的に高い。だがあまりにもハードコア過ぎて到底万人受けするゲームとは私には考えられず、この評価は攻略記事込みの物だというのは間違いないと思う。攻略記事には一切頼らずにプレイしている人が大半であるならもっと評価は割れるはずで、そして高評価の人はずっと減るだろう。或いはModの制作が盛んでもあるゲームで、その難易度を下げるModを導入している人もそれなりに数は居ると考えられる。

一方で攻略関連の記事はネット上に豊富であり、それを参照する事で難易度を大幅に下げる事は可能。主に長時間のリトライを避けるのに知識の収集は有効となる。そういう風にして過酷な難易度を軽減しているプレイヤーが大多数派で、それ故に厳しい評価は減少していると見ている。なお攻略情報にどの程度頼るのかは各人の自由だが、自分にとって適切なレベルの攻略記事を選ばないと、知り過ぎてしまって楽しみを奪われるという危険もあるので注意。

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ここからはDon’t Starve Togetherをプレイしてみた感想になる。これはDSにおけるマルチプレイ用のコンテンツでスタンドアローンのゲームとして供給されている。プレイにオリジナルのDSは必要ない。現時点ではまだ早期アクセスの扱いであるが、Reign of Giantsのコンテンツは既に導入済み。それとSteamworks(マルチプレイ関連のライブラリ)を使用している為、DSとは事なりSteam以外のダウンロード販売サイトでは現在扱われる予定は無い。

2015/06/03以前にDon’t Starveを購入していたユーザーには無料で配布されている。これはSteamへのキー登録が未だであっても、キーを受け取っているのがそれ以前ならば有効な模様。DS内にマルチプレイ用のメニューが追加されるのではなく、独立したゲームとしてライブラリに追加されるので注意。これから買うならDSとDSTのセットにて大幅割引となる。

プレイには最初にアカウント作成要。参加は最大6人まで可能で、対人戦要素のオンオフはサーバー側で設定出来る。マルチプレイ用のModも有り、開発も進んでいるという状況。サーバーのルール設定やModの可否などは検索ブラウザからフィルターで見分けられる仕様。

DSとは違ってアンロック無しに最初からキャラクターの選択が可能(ただし一部のキャラクターはリストから外されている)。使うキャラクターは複数のプレイヤー間で被ってもOK。

ゲームモードは三種類。デフォルトのサバイバルモードはDSと同じ内容で、死亡したプレイヤーはゴーストとなって、生きているプレイヤーの正気度を下げるというマイナス面を持つ。ゴーストは何等かの用意されている手段で復活させて貰うのを待つしか無く、全員がゴーストになるとカウントダウンがスタート。その間に誰も復活出来なければ世界がリセットされてしまう。

ワイルダネスモードはゴースト無し。死亡するとキャラクター選択画面に戻されて新たに復活するシステムで、スポーンする場所はランダムとなる。死亡時にその場所に落とす所持アイテム類はそのまま残される。

エンドレスモードはゲームオーバーの無いモードとなり、その意味では難易度はかなり軽減されている。死亡したプレイヤーはゴーストになり、復活用のアイテム類が無くてもマップ内の復活ゲート(Jury-Rigged Portal)に到達すれば何回でも生き返れる。死亡時にその場所に落とす所持アイテム類もそのまま残される。ただしヘルスの最大値が減少していく等のペナルティあり。なおいずれのモードもDSにおけるアドベンチャー(キャンペーン)モードは用意されていない(洞窟も無し)。

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DSに比較して、キャラクターの能力調整, 幾つかの能力やアイテムの排除, マルチプレイ用のバランス調整等が行われている。例えば睡眠の要素は複数人数でプレイしているのでルールが変わっているとか、他の生物のHPが数倍に上がっていて強くなっているとか。

今回は事前に予定していた訳では無く、他のCo-opが早目に終わってしまったのでそれに代わる物としてその場で決めてプレイしている。それ故に4人中3人がDSTどころかDSをほぼ初見という状況で、既にプレイ済みの一人の指示を聞いたりしながらのプレイとなったが、そのプレイヤーもやり込んでいる訳では無く、ある程度の段階までの知識しか持ち合わせていない。よって次回以降のチャレンジの為の練習という意味合いが強かったと言えよう。

まずPingがかなり良くないとラグが発生する(150以下推奨)という件が問題となっているのだが、今回は国内同士という事でその辺の問題は感じられなかった。

難易度についてはハッキリせず。私を含めて3人がソロにてDSをプレイしていないので比較が出来ない。話によると2人でやるにはソロよりも簡単だが3人以上になると難易度が上がるそうなのだが、これはモードによっても変わるだろうし、パッチによる修正も随時加わっているだろうから何とも言えない。

死んでも復活出来るのは楽だが、一度採取した食料等はリスポーンするまでに日数が掛かるし、人数が増えた分だけそれも増えているのかが不明。増えないのだとするとより難しくなる事になる。そうなると農園を制作したりと計画的な食料確保が必要になるが、そこまで理解出来ているメンバー構成ではないのでシビアだった。日数が進むに連れて飢え死にが多発。

それと死亡すると復活時のヘルス最大値が30まで下がってしまい余計に死に易くなる。これを回復させるアイテムは存在しないのかを平行してネット上で探す → 見付かったがそれは作成しないとならない → 作成する為の複数のアイテムをどうやって作るのかが解らない → 調べるの面倒だから今回は諦める、といった感じのプレイ状況。同じく正気度を回復させる有効な方法も解らないままで進めていた。

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それでもゲームオーバーが無いので何とか進めていたが、冬が来た時点でどうにもならなくなった。冬場は食料が採れなくなるし、寒いので暖を取れる場所に居ないと凍え死んでしまう。そこで食料を調達する為に移動するには防寒具等が必要となるが、それが無いので動きが取れなくなってギブアップ。結局冬場に備えて食料を生産して貯蔵したりと準備が重要なのだが、その辺を理解していなかったので詰んでしまった。

他に難しかったのは、仲間の位置がある程度までは画面上に表示されるのだが、遠く離れてしまうと位置が判らなくなってしまう。画面を回転させる事が出来るので基準位置が曖昧になるし、マップ表示を使って連絡しようにもなかなか目標となるオブジェクト類が見付からず。全員がコンパスを持っていないと方位での連絡は出来ない仕様なのか?

いずれにしろ次回以降の挑戦は各人がある程度DSでプレイして基礎知識を取得しておくのと、少なくとも一人はより高度な知識を身に付けている事が必要になりそうだ。また次回プレイ時に続編を書こうと思う。

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