公募マルチプレイ Alien swarm: reactive drop

17/10/08に開催した一般公募でのユーザーを含めてのCo-opのレポート。今回はAlien Swarm: Reactive Dropをプレイしてみた。

元々はUnreal Tournament 2004のModで、その後2010年にSource Engineにコンバートされて単体での無料リリース(Steam要)。このRDはそのオリジナル版を拡張した内容となっている。単体でインストールされてオリジナル版とは別個に動作する(キャラクターのレベル等のセーブデータは別)。

新規コンテンツや主な違いは以下の通り。

・8人までのプレイに対応
・新規キャンペーンを9個追加(オリジナル版は一つだけ)
・botを改善しシングルプレイ用としても楽しめる
・PvPモードを搭載
・Steam Workshop に対応しておりユーザー制作コンテンツを簡単に導入可能

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ゲーム内容の紹介 見下ろし視点のアクションシューター。最大8人までのメンバーでキャンペーン(複数のミッションから成る)をクリアするのが目的。オンライン対応だがソロでもプレイ可能。RDではBotの導入が画面上から簡単に出来るようになっており、ロビーにおいてキャラクターアイコン左横の+-ボタンで追加・削除が出来る。ただしシングルプレイモードでは4人編成固定なので、メニューからオンラインモードを選択しローカルでサーバーを建てれば8人編成にしてのソロプレイも可能になる。マルチプレイにおけるbotの扱いは、追加を行ったプレイヤーはF1~F8キーにて任意のBotへと操作を移行可能。他のプレイヤーは死亡時にBotが空いているならその中の誰かに操作を移すことができるという方式になっている。

クラス制で4種の中から選択する。ロビーで各人が選択するという方式になる。キャラクターは各クラスに2人ずつで計8名いるが、同じクラスでもスキルやパラメーターが異なっており大分使い勝手も違っている。複数のプレイヤーが同じキャラクターを選択する事は出来ないし、プレイ中の変更も不可能。

OfficersはHPの多い戦闘特化キャラクター。他のメンバーの能力をアップさせるリーダーシップ等のスキルを持つ。専用武器のVindicator(ショットガン)は破壊力抜群で、先陣を切ってマップ内を進み最前線で敵と戦う役。

Special Weaponsはオートエイム機能を持ったオートガンやミニガンを使用する。敵を貫通するPiercing Bullet等のスキルを持つ。移動速度が遅いので先頭役には向かないが、特定のエリアでラッシュに耐えるシーンではその弾幕力により真価を発揮する。

Medicsは治療役でスキルもヒーリング。戦闘能力は低目だが、ヒーリングビーコンを効果的に使って周囲の味方を回復出来る。Medical Gunを持って戦闘を捨て味方の治療に専念するという風にも出来る。リスポーン無しでかつ治療用のアイテムはマップ内に滅多に落ちていない為に、チーム生存の為には非常に重要な役割となる。

Techsはハッキングが重要な仕事。これはこのクラスしか行えないので、必要な状況でテックが居なくなるとそこでゲームオーバーとなる。他には敵が追って来られない様にドアを溶接する作業や、各種タレットを設置するまでの時間が短いという能力を持つ。

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経験値を得てレベルアップするシステムで、それに応じて各種武器やアイテム類がアンロックされていく。最大でLV31までだが、感覚としてはかなりレベルアップの速度は早くて、やり込まないとなかなか進まないという設定では無い。リセットしてのプロモーションは6回まで用意されているが物理的な特典は無し。

ミッション途中でのセーブは出来ない仕様だが、各ミッションはそれほど長くは無い。ダウンなどの状態は無く、HPが無くなれば死亡してしまう設定。そしてリスポーンは出来ない。よってチームとしてミッションの早期に複数の死亡者が出るなどの大きなダメージを受けないようにする事が重要であり、またメディックを失ってしまうのも痛手となる。チーム全体で戦闘弱者を守るという姿勢が必要。早期に失敗したと感じたらリスタートという選択肢も考慮するべき。各種Vote機能も備えている。

ミッション途中でのJoin機能は無し。入ると観戦者モードとなり、ミッションが終わってロビーに抜けるまで待つ形になる。ただし現在プレイ中の者がゲームから落ちたりした場合、そのミッションに復帰して再度入ることは可能な模様。

  
参加人数による難易度の自動調整機能あり。詳細は不明だが、6人での事前テストに比較して本番での8人プレイでは明らかに敵の硬さが異なる。

敵は多種多様というほどではないが、そこそこバラエティに富んだ物が出現する。前面に盾状の腕を持っており正面からではダメージが少ししか与えられない物や、爆発するグレネード状の弾を連発してくる奴。羽虫の様に飛んできて攻撃されると画面が振動してブラーエフェクトが掛かるという敵は地味に難物。中でも厄介なのがパラサイトと呼ばれる小さなエイリアンで卵から孵ってこちらに取り付こうとしてくる(フェイスハガーを想像してもらえば良い)。取り付かれてしまうと電磁アーマーを装備している時以外では剥がす方法が無く継続的にダメージを受ける(RDではテスラキャノンによる方法が無効化されている)。助けるにはヒールビーコンやメディカルガンを使用しての治療でHPを持たせるしかないのだが、限られているメディックの治療能力を多く消費してしまう為に他の面で厳しくなる。

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Co-opの感想。なお主催したメンバー内ではこのゲームをやり込んではおらず、基礎的な知識もそれほど無いという状態でプレイしている事を書いておく。オリジナル版を当時プレイしているのと、開催前に進行を思い出す為にデフォルトのキャンペーンは通してお温習いしている程度。

今回はmodとして「Revive Challenge」という物を導入している。これはHPが無くなったプレイヤーが即死するのでは無くその場にダウンとなるので、出血メーターが切れる前に誰かが近くでEキー(Use)を押したままにすれば助け起こせる様になる。回数制限は無いようだが復活時のHPは少ない。近くに拾えるアイテムが有るとそれを拾ってしまって治療出来ないという誤動作問題はあり。それとレアケースだが、敵の無限ラッシュの中で「生き残っている隊員全てがゴール地点に到達すればOK」という設定の場合、ダウンしたままでメーターが尽きるまでは生きている設定となってしまうので完全死亡まで終わらない状態になる。またダウン時はテキスト表示のみでHUDの変化は無いと言った不完全さもまだ在る状態。使用キーの変更はコンソールからのキーバインド変更しかない。導入にはサブスクライブしてからChallengeの項目でこれを選択して有効化すればOK。死亡すると観戦者モードになるので、それよりはなるべくプレイが続行出来る方が良いのではないかという観点から採用してみた。当然難易度は下がるがその辺は難易度設定側で調整を行えば良いだろう。

他には個人的に、ロビーでの8人表示, プレイ画面でのHUDにて全員表示, クラス別のカラーリングmodをWorkshopから導入している。

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大部分が8人フルでのプレイとなり、各人の修練度やレベルにはバラツキがあるという状況であった。数ミッション毎に各人が使用キャラクターを変更というローテーション方式で臨んでいる。時間としては合計で5時間位掛けて、デフォルトの7ミッション構成のJacob’s Restと新規に追加されたキャンペーンの中からLana’s Escapeというのをプレイしている。

先に結論を書くとCo-opとしては相当に楽しめる内容で面白かった。理由を順に挙げていくと、まずはFriendly Fireが常時オンというルールでオフにする設定は無い。デフォルトの“レギュラー”は“ハードコア”設定ほど厳しくはないが、それでもFFを気にせずに撃ちまくれるというゲーム性では無い。広範囲の敵相手に非常に効果的な火炎放射器なども味方に着火させてしまう危険があるし、Vindicatorなどの破壊力が高い武器は前に出て使わないとならなくなっている。よって各人のポジション取りが重要となり、フォーメーションをどういう風にするかといった工夫が必要で、バラバラに行動して各人のスキル任せといった単純なシューティングにはなっていない。後方からの支援は味方に当てない様にする為に狙いが難しくなるが、あまりに注意して攻撃を控えていると反って攻撃力が落ちて前線の味方がダメージを喰らってしまったりも有り得るので難しい所。テスラキャノンの様にダメージは低いが連鎖して敵をスタンさせられてFFが発生しないタイプの武器を使ったりという方法も可能であり、FFを考慮しての作戦の選択肢は幅広くて面白さを増している。

難易度との兼ね合いにも依るが弾薬が少ないSerious SamとかPainkillerシリーズなどの様に弾薬は多目で後はスキルに依存というタイプではなく、敵は大量に湧いて出るがそれに比較して弾薬は少な目に設定されている。その為により正確に狙って当てないとならないが、それを実行しても足りないというレベルだったりする。マップ内に弾薬は滅多に落ちていないので弾薬ボックスを持って行くのが定石となるが、これはメインスロットを一つ使ってしまう為に別の面で犠牲を払うことになる。この辺りで誰が弾薬を持って行くのかという打ち合わせが重要となっているし、同じくスロットを使用するが設置型タレットの携帯も選択肢となる。時には戦わずに逃げるという作戦も必要となり、単純に撃ちまくって殲滅すれば良いというバランスではない。

装備スロットが少ない。武器類用に2つとアイテム用が1つだけで拡張は不可。その為にどれを持って行くかに悩む事になる。当然複数メンバーで臨む場合には、全体のバランスを考えての振り分けも大事である。例えば武器は別タイプを二丁持っていけば弾切れに対して強くなるし使い分けも出来るが、ミッションによっては弾薬ボックスや各種タレットの方が有効だったりもする。そして1つだけのアイテムスロットには有用な物が多くてより頭を悩ませる。目減りしないアーマー(常時20%ダメージ減)は死に辛くなるので外れなしだが、Damage Amplifier(効果範囲内でダメージが2倍), Adrenaline(全プレイヤーに対して一定時間世界がスローモーションとなる), Tesla Sentry Coil(周囲の敵にスタン攻撃)等。上手く行かずにリトライする際などに、どれを持って行けば有効かを考えて話し合ったりするのが面白い。

見下ろし視点なので周囲が見え易い。一人称視点には一人称視点の良い点があるが、敵がラッシュしている状態では背後等が見えないので周囲の状況が掴み辛いという面を持つ。その点で全体を見渡せる視点だと、他のプレイヤーが何をしているのか等が解り易く、誰もカバーしていない方向を向くといった協力行為もし易くなる。迷い易いルートを辿るのに他のメンバーの位置が把握し易いという利点も在り。(なお一人称視点に変更してしまうコンソールコマンドはあり)。

8人対応になった事。元のmodは8人用だったので戻ったとも言える。各クラスが1人ずつという構成も緊張感があって面白いが、それだけシビアにもなる訳で連携も重要となり、そうなると初心者が入り難いという事にもなってくる。それが各2人となればそこまで各人の責任は重くなくなり、初心者プレイヤーが混じっての参加もし易くなるという利点あり。敵が増えてこちらの人数も増えるので、より戦闘がカオス状態になるという新たな面白さをも生んでいる。4人編成が好みならばそれは残されたままなので問題も無い(最大人数は4/8切り替え可能)。

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実際のプレイでは難易度をHardに設定(5段階中の中間)。デフォルトのキャンペーンは既に何回かプレイしており手順も解っているので、8人による難易度アップを受けても全滅は少ない成績でクリア出来たが、次に選んでみた新キャンペーンLana’s Escapeが桁違いの難しさで手こずるハメになる。罠の様な新たな仕掛けも有れば、ラッシュ時の敵の湧き方が尋常ではない。

ただプレイしてみての感想として、最初は全滅する位の方がバランスとしては面白いという印象。「こんなのどうやって対処するんだ?」というところから、いろいろと装備を変更したり作戦を考えたりして繰り返し挑み、遂にはクリアという達成感を得るのが魅力となる。実例としては、タレットを回収せずにあえて置いたままにしてそのルートの敵を防いだり, 順番に操作するパネルを誰かが先回りして控えておいて遅延無しで連続操作, 迷路状のエリアにて逃走ルートを理解しておいて迷わずに逃げられる様にする, 皆でアドレナリンを大量に用意しておいてのラッシュ対策等々。そこそこ苦戦はするが初回でクリア出来てしまう物よりは、こういった初回感想では無理そうという物の方が楽しい。

もちろんこの辺はパーティー内での好みとなり、すんなりとサクサク進められる方が楽しいという意見もあるだろう。我々も難しい方が良いとは書いたが、最高難易度にして極限の難しさに挑むのが理想という訳ではなくて、自分達の力量からして“適度に難しい物”が楽しいという話である。ホストによるロビーでの難易度調整が必要だが、これには5種類の基本難易度, Onslaught Modeの切り替え(L4DでのAI Directorと同じで敵の沸きをランダムに増やす), Challenge(ルール変更)により細かく調整が可能にされている。 

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問題としてはボイスチャットの出来る環境が望ましいという件か。ロビーで話し合ったりするのに有りと無しでは大きく違ってくる。パブリックサーバー&高難易度でも慣れていて解っている者同士であればチャット無しでもOKなのだろうが、離れている場所で援護を呼んだりとか何かを要求したりはなかなか難しい。(簡単なボイスコマンドやテキストチャットは用意されているが)。

それとソロ向きでは無い。botは大幅に改善されたそうで、高難易度にしなければソロでも十分にクリア可能な程度には働いてはくれる様だが(各種命令も出せる)、全方向のカバーとかそういった協力を考えての動きまでは出来ないので、シンプルなシューティングゲームの傾向が強まってしまう事になる。
 
無料でもあるので身内でのCo-op用に特にお勧め。データ(2017/10現在)を見るとプレイヤー数はまだ平均で300人以上居るので、パブリックなゲームを探してプレイするにも困らないであろう。デフォルトの検索モードでは詳細設定を選べば検索地域を指定出来る(近距離ではほとんどヒットしない可能性大)。またはサーバーブラウザモードを選べばPingの値等を見られる様になるが、通常モードの方が見易い情報もあるのでその辺は好みで使い分けとなる。
 
今後は面白かったので再度開催の方向で考えている。新規追加キャンペーンもまだ8個残っているので、これ等を検証して面白そうな物(難易度が高い物)をやるか、あるいはユーザー制作の物が多数Workshopに存在しているのでその中から評価の高い物を試す等になるだろう。

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